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(作者は)おバカで天才

ため息がでるくらい美しい絵です。圧倒的な描き込み。
めくれどめくれど美麗…あ~も~眺めているだけで幸せ。うっとり。

そしてため息がでるくらい訳が分からないです。ギャグ漫画です。ネタがシュールすぎます。…はぁ。
まず序盤で受けが攻めの体にピョン吉した(意味が分からないと思いますが、とにかくそうなんです)ときから「は???」と。
発想が斜め上どころかあさってに向かっています。
中身を知らずに買った人はビックリしただろうなぁ。

全編を通して(ビジュアルだけは)麗しい男子がいっぱい出てきて各々萌えどころもあるんですが、なんせネタの勢いがすごすぎてBLということを忘れかけました…。
ピョン吉以外にも、擬音がエロく聞こえるというしょーもないネタから説明不能のものまで色々。
そのくせ絵柄がとにかく美しいので妙に色っぽく見えるシーン(拘束される少年や身体に文字を書かれる先生などは特にドキドキしました)もあったりして…読んでいて混乱しました(笑)

言いたい放題ですが、かなり褒めてます。
この絵とこのネタの掛け合わせ自体にハマりました。
(結構古い作品も入っていて、それらは絵柄も古いのでご注意。
私はかえって耽美さが際立って好きですが。)

気になっている方はちょっと読んでみてはいかがですか?
気に入らなくても画集と思えばいいし、気に入れば最高です!

二人を縛るものの正体とは?

ここのレビューを読ませていただいて、ある程度内容を理解してから読んだつもりだったのですが、想像以上にズッシリきました…。

甘さの欠片もなく、鬱々しい気分になる作品です。
なぜならBLという恋愛物語の前提である「愛」の姿が見つけられないから。
愛があるのかもしれないけど、とても見えにくく、物語中で明確に示されることはありません。

主人公の和也は子供時代、嫌いなクラスメイト・三浦になぜか気に入られ、付きまとわれる。
和也はそれを正面から拒否することができずに親友のふりを続ける。

三浦は乱暴で自己中心的で、たしかに嫌な奴です。
でも和也にも癖がある。偽善的でプライドが高く、傷つきたくない。
だから三浦を嫌いながらも学生時代は良い友人を演じ続け、社会人になってからは嫌悪感を露わにしつつも決定的に縁を切ることができない。
結果的につけ込む隙を与える。期待させる。
三浦が嫌な奴なら、和也はズルい奴です。
和也が逃げられないのは三浦だけのせいではなく、和也自身の「自分可愛さ」が枷になっているんです。

一方で病的なほど和也に執着する三浦。
和也に嫌われていると自覚していても、離れることができないほど自分を突き動かす衝動。
その正体を、三浦自身も知りません。
「お前は俺に会わないほうがよかったんだろうな」
「俺もお前に会わないほうがよかったんだろうな」
三浦のこの台詞が刺さりました。

何かただならぬもので縛り付けられている二人。
それを愛と呼べるのか甚だ疑問だし、運命と呼べるほど無意識的なものでもない。
明確な答えは出ないまま、絶望と希望の両方をちらつかせながら物語は終わります。

結論はきっと読者次第です。
残念ながら私にはまだ答えが出せません。色々な可能性が想像できます。

二人を雁字搦めにする何とも呼びがたいものに、ゾクッとするようなときめきも感じました。

私が前回読んだ木原作品が「POLLINATION」で、そっちはストーリーも全然違うしこの作品よりずっと救いがあるんですが、読後感は似ている気がしました。
「うっとり」とは違う、問いを投げかけられたような独特の感覚が残るんです。
木原先生の作風なのかな。挑戦的で私は好きです。
こういう物語を書ける作家さんがいるということが感慨深い。
ますますファンになりました。