「坊っちゃん、追い込み愛ですよ」は、そんなにはまらなかった
おもしろいのはおもしろいんだけど、なんとなく響かない
今回、そのスピンオフが評価が高くて気になるものの、前作にいまいちフィットしなかった自分にはまた合わないかもという思いもあり、読み直し
そしたらとてもおもしろかった!
読むときの自分の状態にもよるのかもしれないし、時間が経って初読のころとは好みに変化があったのかもしれない
なんにせよ坊ちゃんがおもしろく感じたので、迷わずスピンオフの今作を購入
泣かされました
めっちゃくちゃ純愛だった
ひたすら一途だった
攻めの椿くんが奔放なんだけど、一貫している部分もあって、彼、たぶんちゃんと付き合った人は佐久山氏だけですよね
体スタートでも好きになれたらなる、忘れられるなら忘れる、その覚悟自体はあったけど、どうにもならなくて
同じように一途な坊っちゃんはかわいかっただろうし、そりゃ日和くんには牽制もしちゃうよね
そして、入れ墨ってむっちゃ痛いらしいので、佐久山氏はその痛みを受け入れてでも体にその花をまといたかったんですよね
己の身に好きな花をまとう、それを教えた人だって間違った愛し方だったかもしれないけど、ほんとうに佐久山氏を守りたかったと思う
どうやらカミングアウトして幸せな様子にこれも救いがあって、しかもすごく軽くふわっと知らされるその感じがとてもよかった
読んでよかったです
両方を読んで、両方がずっと好きになるいいスピンオフでした
最後まで本心を見せなかった兄
もしかして彼も好きなのかな……?
と思う描写は何度もありつつ、彼の口から語られることはないまま終わりました
それでよかったと思います
由良自身は実は最初から学校を休んだり何かと「恋人を忘れない自分」を表に出していました
一方で弟を亡くした柊真はすっと日常に戻った
彼にこそ、本当は心の整理の時間が必要で、由良が前へ進んたことでようやくそのときがきたのだと思います
日常に戻りつつ弟のこと、その恋人のこと、すべてを引き受け、自分のことは閉じこめてしまった柊真こそ本当はもっとも救われてほしいと切に願います
ストーリー自体は予想がつくし新しさも特になく……いや、いいお話しだし泣きましたけどね(笑)
でも、柊真がいなければ、あるいはもっと違った役割ならば、星4個です
柊真がなんとか自分の道を歩きそう、そこが見えたから星5
セリフもない日常の風景、ただそこに愛しい人がいる
あのシーンは鳥肌でした
転職、同棲
もともと互いのための自己犠牲を選ぶくらいには相手のことばかり思いやるような2人が、なかなか次のステップのことは言い出せない
周りが先に気づいたり、動き出しそうな気配を見せたりしてもまたぐるぐるやる
いくらなんでも今回はちょっとひっぱりすぎじゃね?
としびれを切らしそうになることもありました
もどかしいなんてものじゃない
だけどそんな思いは一瞬で昇華し、霧が晴れるようにクリアになる、あの瞬間の描き方は素晴らしすぎました
あの瞬間、私の心にはニンニンがいて、そして「あ、言う」と自然な確信がありました
そりゃそうだよ、人生の一大事だもん
転職も同性との同棲も、悩んで当たり前だよ
それを経たからこその深い確信
一緒にいたい
この気持ちをあんなにも鮮明に一緒に味わえる瞬間があろうとは…
四角に収まりきらずミッチミチに詰まった表紙からもうすでにデカい(笑)
そして表紙の「液体」が本編を読んだあとだとなんとも健気に思えます
この表紙の芸術点が高い!
読む前の期待感、読んでからの納得感、どちらもすごい
そして本編でも結城さんの身体は本当にムチムチ
佐伯くんの職場の人たちもいい人たち
素直になりきれなくて、それで誤解しあって、でもなんだかんだ根っこは正直なふたりは似た者同士でもある
引きこもりで外ではフードを脱げなかった結城さんが佐伯くんのためならためらわず飛び出していけた、ここからきっと2人の世界は最も広がり、明るくなるのでしょう
佐伯くんのほうが振り回されそうです
あくまで個人の好みの問題です、と強くお断りはしておきますが、しょっちゅうちびキャラになります
はじめて読む作家さんで、表紙の絵が好みだったので買いました
お話はわりとありきたりな中に、ありきたりではないひっかかりとキラリと輝くセリフやシーンが散りばめられている、そんな感じです
絵はやはり綺麗だしかなり好みです
なので、ありきたりだったなーで終わりかねないストーリーに独自のきらめきを感じたこと、好みの絵柄は星5に近いです
が、冒頭のとおり好みの問題とはいえ、たびたびキャラクターがデフォルメされたちびキャラになってしまって、それがすごくひっかかりました
ストーリーはいい意味でのひっかかり、絵柄は安易にかわいさやデフォルメの伝わりやすさを多用されたようなマイナスのひっかかりを覚えたというところ
ちびキャラの使いどころをもっと抑えることで本来の絵もデフォルメも、より活きる気がします
告白されて帰宅したシーンなんかはちびキャラの効果的な使い方だと思いました
KindleUnlimitedで読めたので読んでみました
おもしろかった!
出てくるサブキャラたちもおもしろいしかわいい
現代のときからすでにコーキはカノへラブラブ光線出しまくりでしたが、2人だけだー!! と完全にはじけて心が童貞に戻り、いたすたびに鼻血というピュアさ全開、実にほほえましい(のかな?)
カノは受け入れているようでけっこうはっきり拒絶なんですが、まあ、事故でコーキがどうなったかしか心配しておらず、現世に残した家族のことなど1度たりとも思い出さなかったのがもう答えでしょう……などと考察するのもアホらしいくらいのマンガなので、心を無にして気軽に楽しめば勝ちだと思います
絵がとても綺麗
受けの照れたり怒ったりとろけたりの表情が豊かで、たいへん魅力的
限りなく星5個に近いのに惜しい感じ、ものすごくもったいない物足りなさが残りました
はっきり率直に言ってしまうと、当て馬がいらなかった
出すなら出すでもっとうまく動いてほしかった
全体的にスルスルッと話が進んでしまうし、途中に葛藤などもあるにはあるんだけど、お約束通りに進行する感じは否めなかったです
それでも星5個にしたいくらいには、主人公2人のこころの動きもかけひきもよかった
うっすらと物足りなさがあるツルツルしたリンクを滑っている単調さが募り始めたところへ、おそらくは転調として、乗り越える障害として、ストーリーのエッセンスとして落とされたであろう1滴は、むしろお約束すぎるしサッと退場してアシスト側に回ってしまうご都合展開で、エッセンスどころか滑りを良くするワックスになってしまった、そんな感じです
あるいはバナナの皮
総じて画面は美しく、ちょっとした笑いもあり優しくもあり、タイトル通りのよいお話ではありました
ずいぶん久しぶりに読んだら泣いた。
静かに押し寄せる何なにかがあって、それに押し出されるように涙が出た、そんな感じ。
これ、このセリフ!
みたいなクリアなひとつがあるわけではなくて、2人の紡いできたもの、もつれ合ったもの、ほどこうとする努力、それらがじんわりとしみこんでくるような。
大地くんの葛藤はわからんではない(けど女性である私には真には理解しがたいものでもあるかもしれない)。
伝えようとしないところにもどかしさは感じたけれど、彼自身にもなかなか言葉としてアウトプットできるものでもなかったんでしょうね。
でもかえって、ズバッと核心をさらけ出せてよかったのだと思う。
お互いが「あ、自分ならたしかに嫌だな」とか、常に相手目線に立つことを忘れないのもいい。
職場の人は友達ではないから、という現実的な割り切りもいい。
よかった。とにかく素敵な物語でした。