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表紙買いです。

オメガバースですが最後まで健全だったので、とても新鮮でした。

少女漫画でよく見る大嫌いから好きへの変化、主人公の邪魔をするキャラの登場、結婚エンドetc.

よく見るような話の筋ですが、王道は王道ならではの楽しみがあると個人的には思います。
いっつもけんかしている受け(Ω)が涙目で、なんとか元気づけようとαが花を差し出すシーンはめっちゃ好きです!!

不器用ながら互いに惹かれていく2人が微笑ましいです。

BL作品にありがちな「女の子みたいな受け」は個人的に好きではないので、この作品はツボでした。


オメガバースプロジェクトの世界観の説明には、「同種間での結婚をするのが通例」と書かれていますが、本作では嫁候補として分家からΩをかき集めています。

一見矛盾しているようですが、これはΩ用の発情抑制剤で日本一のシェアを誇っているという一族ならではのこととなっています。

αの一族がΩを嫁にする事に抵抗を示さないのは、オメガバースの作品の中でも珍しいです。


オメガバースの醍醐味とも言える「階級差」ですが、Ωの子自身はあまりΩであるという事に引け目を感じていません。物語の後半の家族の描写から、優しくて温かい家庭で育ちまっすぐ育ったのためだと思われます。

αからの差別もなく、Ωから漂う孤独や辛さなども無い。そんな優しい世界の中にいると思いきや、発情してしまったらΩは…。

ここのトラウマのシーンがあっさりしてて、あまり感情移入できなかったので、残念でした(^_^;)
ここがグッときてたら、結婚エンドがダイジェストでもジーンとするものがあったかもしれない。

ヒートになったαが、Ωの「嫌だ」という言葉で踏みとどまるシーンは、“好きな子を傷つけまいとする愛情が、本来なら抗えない欲望を押し留めた”という慈愛に満ちているように感じるので、とても好きです。(元々Ωをヒートで傷つけたくないという信念をαが持っているので、私の過大解釈かもしれませんが…)

エロがなかったのはやっぱり残念ですが、個人的なツボも多く十分楽しめたので満足でした!