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にいちゃん コミック

はらだ 

マイノリティの苦悩を書いた話

これは紛れもなく性犯罪だしふたりの関係を完全に肯定することはできない。ただ、肯定も否定もできない。誰も景とゆいの関係性を引き離す権利はないけれど、事実としては紛れもなく犯罪だし何よりこのままずっと世間体から目を逸らし続けてふたりだけの閉じた世界で生きていくことは無理だって、内心では分かっているんじゃないだろうか。

最後の巻末ストーリー「ゆい」を見て、ふたりの未来はバッドエンドではなくとも明るくもないんだろうなと察してしまったというか。
「普通」を押し付けてくる親と絶縁したものの、今度は薬とタバコに依存しているにいちゃんと、「("普通"からはみ出すことを許さない親に対して)切り捨てる、見切りをつける覚悟がある」と言いながら両親には彼女がいる、と嘘をついて"普通"に擬態して薬(恐らく抗不安薬か抗うつ薬)を飲むゆいの描写。
明確なハッピーエンドにしないところが本当に素晴らしいなと思いました。この関係性はこうなるよね、という少し諦観も混じった目線でふたりを見てしまう。どうしても。
"普通"=異性愛がマジョリティとされる今の日本社会にいる限り、ふたりはきっと本当の幸せは掴めないんじゃないかと思う。
確かに景は被害者だけれど、それでもやっぱり当時小学生だったゆいに手を出して、ゆいの人生を滅茶苦茶にしたという事実は消えない。ゆいの両親の立場からしたらそりゃあ頭がおかしいと言われても何も反論できない。
あと何よりふたりはこのまま世間の目から隠れて、陽の当たらない部屋の中で一生ふたりきりで生きていくのかもしれないけれど、他に誰にも頼れる人が居ないあの状況だと、今後お互い更にドロドロの共依存になるのも目に見えてて。(もう既にどっぷり共依存だけど)
常に暗雲が立ち込めててふたりが幸せになれる兆しが見えない……漫画の中で白黒で描かれている通り、ふたりの世界はこのままずっと色が付かないんじゃないかなと思う


ずっとはらだ先生の漫画が気になってて、ハードな描写が多いと聴いて中々勇気が出なかったのですが、あらすじ等読んでて気になって好奇心のまま初めて読ませていただきました。本当に買って良かったです。
大団円ハッピーエンドで終わらない、リアリティと空白のある終わり方が大好きで初めてBLで感想を書きました。絵もストーリーも上手すぎて本当に大満足です、他の作品も読ませていただきます。