人外もの短編集。
1、2巻読んでの感想です。
【マウリと竜】
生贄と捧げられた人間の男の子と、守り神である竜のお話。
時代は現代ではなく江戸くらいかもっと前で小さな村での出来事です。
大きくて怖い竜かと思いきや、デフォルメのイラストや言動が可愛いくて驚きました。
逆に受けのマウリの方が大人しいくらいです。
また、アレの時はご都合的に人間になります(笑)
そして、いつの間にか竜の子共が生まれてます。
これだけを読んで、2巻を買おうと決めましたが…。少し後悔。
詳しいことは2巻の方でレビューしていますので、2巻を購入検討している方はよろしければ他の方のレビューも参考にされると良いかと思われます。
【雨降らしの神様】
このお話が意外と良かったです!
白蛇×男子高校生で、現代のお話。
ケンカしたり仲が良いのですが、ある日受けが「嫌い!」と発言したために攻めは岩穴に潜んでしまいます。
そこでの行動だけでめちゃくちゃ萌えました。
【常春の狩人】
人間の男×小鳥の姿をした神様
毎年訪れる春を知らせる小鳥が、人間の男に惚れて近づきたいという願いが叶い人間の姿に。
無事に結ばれることができるのか―――という内容。
あまり萌えず…人魚姫っぽいお話です。
【めぐりゆくもの】
馬×人間の男
これはネタバレを読んだらもったいないと思うので、記載しません。
総評して2巻と比べると、こちらの短編集の方がまだBLっぽかったです。
ドロドロ暗い系ではなく、ほのぼの人外な短編をたくさん読みたい方にオススメです。
続編のようで、この巻のみでも大丈夫との事で迷って購入したのですが、作中、前作のキャラの名前や出来事が「あの事件」のように書かれていて、私はやはり「何があったの!?」と、すごく気になりました。
また、その他の友人など最後まで関わってくるのと、アレクの口調や性格が違い、私は「え!?」と戸惑ったので、前作を知っておいた方がより楽しめるだろうと思いました。
年上攻めが純真無垢な受けに手を出す一連の流れは、私の目が肥えてしまったのか、萌える前に「ああ、いつものやつか」と思ってしまう始末…。
ただ、好きな人は好きなシチュエーションだと思います。
ページ半分を過ぎても、大きな障害もなく受けも流されまくって従順で単調な場面に…。
お話のスケールが狭めだなぁとも感じました。
二人の中で完結します。
また、最初から両想いなので、それが加速した物語だなぁというのが率直な感想です。
攻めの愛は洗脳型で共依存に近いです。
アレクも最初から攻めの歪んだ愛を自ら受け入れるタイプだったのが、私には合わなかったのかなぁと思いました。
最後にいい終わり方をしているのに、ハマれなかったのが悔やまれます。
本編の見どころは、受けの性格だと思います。
テンション高めで百面相。
基本ネガティブ思考で事あるごとに「とうとう絶版か!?」と絶望します。
人に優しくされたり、悲しいとすぐ泣いて…かと思えば自分のことをイケメンと自称して少しナルシスト入ったり…。
喜んだり悲しんだり忙しい受け。
その代わりといってなんですが、攻めがおっとりしています。
攻めの一目惚れで、年下で編集部。
受けは小説家で、担当をしています。
変態要素としては受けの隠し撮りしたり、パンツ食べたいなぁと言ったりワンコっぽいです。
全体的に明るめでコミカル。
表紙と中身の絵柄やテンポにギャップがあったので、一度中身もお試し読みなどで確認すれば良かったなぁと思いました。
エッチはほぼなし。挿入シーン無しで、曖昧なコマがあるくらい。
少女漫画のように朝チュン。
なんと清いことでしょう。
受けのキャラが騒がしくて面白かったので、アニメ向きだなぁと思いました。
ただ、絵柄も執着攻め具合も私には物足りなかったです。
続巻のスピンオフである偲先生の話もあるようですが、絵柄的に購入はしないと思います。
龍神と人間の男の子のお話2巻目です。
1巻目を買って続きが気になり、購入しました。
表題作と短編が3つ収録されています。
【マウリと竜(2)】
子供が出来てからの日々で黒い竜が遊びに来たり、マウリが熱を出したりで甘々なお話でした。短めです。
【イツカと黒い竜】
この話が「マウリと竜(2)」と同じくらいの長さで、その中に出てきた黒い竜のお話です。
今度の受けは青年で盗賊の統領。でもフワフワ系です。
戦争の真っただ中で起こるお話。
わ~この話好きかも!と思ったのですが最後「えっ!?この後はどうなったの!?」と、いい所で終わって呆然。
連載がいいところで終わったようなモヤモヤ感が残り、残念でした。
【神様は塀の上】
こちらも1割程度のお話です。
先生と恋人の生徒の前に、喋る黒猫の姿をした神様が現れ色々と助けてくれます。
こちらは人間の姿になるわけでも、生徒とそういう関係になるわけでもありません。
また、先生は顔なし一コマしか登場しません。
「なんだか不思議な体験をしたなぁ」というお話でした。
【ひとりぼっちのタンタ】
1割くらいのお話なのですが、うるっときてしまいました。
受け攻めなどはなく、むしろBLっぽさもありません。
絵本のような内容で、群れから外れた希少種犬?を神様が少し手助けしてくれるものがたりです。
「みにくいアヒルの子」のようなお話です。
全体的にBL薄め、ファンタジー100%の短編集でした。
ドロドロしたBL後の浄化にオススメですが、単品だけだと物足りなさがあります。
表題作のほかに3作品が収録されています。
「マイハニーエクスプレス」7.5割
「溺れる魚は海を恋う」 1割
「フライングラブ」 1割
その他あとがき 0.5割
【マイハニーエクスプレス】
配送会社の営業課(元ドライバー)とドライバーの二人のお話。
攻め→→→→←←受けの、ひらたすら甘々でした。
何でも出来るしイケメンなのに受けの前ではキャラ崩壊の攻め相川充。
猫野まりこ先生の画風で、時々キャラが二頭身化するのですがこれもすごく可愛らしかったです。
ダークさもなく、明るいテンポで安心して読めます。
【溺れる魚は海を恋う】
ノンケ?×ゲイで遊び人
受けの藤田圭一は、普段こそ眼鏡七三分けで装っているが、外での姿は別人。
ある日ゲイバーで同じ会社に勤める攻めに出会うも、向こうは気づいた様子もなく関係を持ってしまい…というお話です。
よくある、どこかで見たような設定とお話でした。
【フライングラブ】
普段はエリートパイロットだが制服を脱ぐと二頭身化する受けの世話を甲斐甲斐しく焼く攻めの短編。
ずっと某アニメと似てるなと思いながら読み終わりました。
どの収録作品も共通して甘々です。
盛り上がりに欠けたのと、短編があまり好みではなかったのでこちらの評価となりました。
攻めは妾の子、受けが本妻の子で跡継ぎの件が主なお話でした。
出会いは一度だけで、大人になった時から話は始まりました。
ページ数も多く、分厚いので読み応えがあるかと思ったのですが結構アッサリでした。
ビックリするくらい受けが流されやす過ぎて、これには攻めも驚き。
ほんの僅かにあった(?)せっかくの執着も、受けの性格で搔き消されてしまいました。
設定が良いだけにイマイチ胸が揺さぶられることもなく…。
キャラの表情も乏しく、結局二人はどうしたいんだ…?と疑問と抱えながら読みました。
二人以外の人も出てきますが、個性もなくモブのよう。
全体的にフワフワとしていて読了感がなく、小冊子を読んだ気分でした。
「中立」とすごく迷いまいたが、地雷がなかったので一つ上げて「萌え」評価にしました。
ヤンデレ攻めに惹かれて購入。
そこそこ病んでいて執着もあり、良かったです。
さて、二人の出会いは幼稚園児の頃。
性格がキツくて友達ができない清生(きよお)に、剣(つるぎ)が話しかけたのをキッカケに仲良くなります。
それからはいつも一緒だったのですが、小学生の頃に受けが酷い事を言ってしまったまま攻めが引っ越し、高3の終わりに再会。
大学が同じでそこからまた仲良くなっていき…という、あらすじです。
攻めはいつだって受けにやさしかったのですが、思春期で同性愛という恐怖を抱いていた受けは、自分の感情をなかなか認めることができません。
とはいえ、攻めの猛アタックがすごい。
無下に扱われても折れず、距離を縮めていきます。
途中、焦れた攻めが暴挙に出てヤンデレ化しちゃいますが、受けも最後は好きだと認めて晴れてハッピーエンド。
暗いまま終わらず、ホッとしました。
序盤を取り返すように甘々だった書き下ろしはすごく良かったです。
あとがきも社会人になった後の一コマが描かれていたりして、充実してるなぁと嬉しかったです。
絵がどこか不安定なのを除けば、執着攻めが楽しめる一冊だと思います。
本編以外にも2つ短編が収録されていて、割合的には以下です。
「箱庭の人形」 5割
「素直になんてなれない」2割
「素直になりなよ?」 2割
「箱庭の人形」あとがき 1割
【箱庭の人形】
ヤンデレ攻めに惹かれて購入しました。
カフェの常連だった攻めのひとしと、店員である恵が付き合っているとのころから始まります。
攻めは一見はスパダリで、誰もが羨むような余裕のある大人の男性。
ですが、あることをキッカケに隠していた本性が垣間見えます。
家族の愛に飢えた幼少期のせいで、愛の形を少し歪めてしまった攻め。
受けへの束縛が強くなり、不安定になります。
さて、その愛を恵は受け入れられるのか…というお話でした。
【素直になんてなれない】
人物表記だけだと、この三人の関係性がなかなか分かりづらいと思います。
内容はザックリまとめると、攻め(ノンケ)×受二人(ノンケとゲイ)。
いつも一緒につるんでいる大学生3人で、攻めでノンケの羽賀は八尋が好き。
それを聞いた友人の坂内は、本当は自分も攻めの羽賀の事が好きなのに、自分も八尋が好きだと嘘をつきます。
何故なら、羽賀も攻めのことが好きだと気付いていたからです。
前半の関係性は、羽賀・坂内→八尋です。
後半の本当の関係性は、羽賀←坂内・八尋となります。
つまりは二人は両想い、自分だけ片思いという状況。
ただ、二人を成就させようと坂内が3Pを仕掛けたあたりから違和感が…。
羽賀は、八尋に突っ込み、八尋は坂内に突っ込んでサンドイッチ状態の3P。
攻めが「二人まとめて抱いてるみたい」と言った言葉で嬉しそうにするので疑似的とはいえ、抱かれてみたかったのでしょうね…ああ、切ない。
【素直になりなよ?】
そして、上記で書いた「素直になんてなれない」の坂内が報われるスピンオフがこれです。
バイト先の居酒屋に来る常連のお客さんが攻め。
髭の生えたチャラそうなおじさんに口説かれますが、如何せん嘘くさい。
揶揄われていると思う坂内は相手にしません。
そんな時、失恋した坂内を慰めてくれた攻めに心を許し、体も許します。
私としては坂内に幸せになってほしかったので有難かったのですが、終わり方がちょっと曖昧で「で!?付き合ったの!?付き合ってないの!?」と、モヤモヤしてしまいました。
ううーん、その後は想像にお任せってやつか…。
表題作だけなら「萌え×2」でしたが、後半の作品が合わず一段階下がった評価でした。
ヤンデレ攻めに惹かれ購入。
ガチ兄弟ですがドロドロでもなかったです。
生徒会長でヤリチンの兄である輝(受け)と、兄と正反対の巧(攻め)。
両親は離婚して、父方についた二人ですが父は海外赴任でほとんど不在。
実質、二人暮らしなのですが、お互いに距離をとっている生活を送ります。
兄のことを好きな弟の巧はある時から、兄に捨てられたセフレを抱きます。
そして、ある事をキッカケに兄弟は一線を越えます。
兄は女性もイケますが、弟曰く本当は抱かれたい側だったそうです。
兄もまんざらではなく、この関係を受け入れ、幸せそうでした。
身長が兄の方が少し上?
あと絵柄がどちらが攻めか受けか分からなくなる
正直な感想は、ヤンデレか…う~~ん、という感じ。