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アドバンスドレビューアー

女性碧蓮さん

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コマンドとは実質的に何なのか。

続編お待ちしていました!
2巻では、冒頭からラブラブな佐知くんと鐘白くんを拝めて嬉しいです。
佐知くんは相変わらず無自覚スパダリを発揮しつつ、演劇に復帰して充実した様子で安心しました。
そんな佐知くんに相変わらずめろめろな鐘白くんが愛おしくて、にやける顔が止まらない。
佐知くんの声をすぐ録音したがる鐘白くんが可愛い!
ところが、2巻では1巻以上に、その佐知くんの「声」がストーリーの重要なポイントになる。

初の主演を務めることになった佐知くん。
その告知関連SNS投稿をきっかけに、高校時代のあの出来事を暴露されてしまう。
SNSでの佐知くんのダイナミクスアウティングは、現代だとこういうことあるだろうなぁと実感もあり、怖かったです。
あの出来事は、佐知くんにとってトラウマとなっていることもあり、劇団メンバーに迷惑をかけてしまうという自責の念も重なって、声が出せなくなってしまう佐知くん。
責任感があり、他者への思い遣りもある佐知くんだからこそ。
自分のコマンド(声)で、二度と誰も傷付けたくない、と強く思っているからこそ、声を出すことが怖くなってしまった。
そんな佐知くんだから、応援したくなるし、見守りたくなるし、好きです。

それが地方公演で、鐘白くんは最初SNSで知り、メッセージで佐知くんとやり取りするわけですが、居ても立ってもいられず家を飛び出す鐘白くんがかっこいい!好きです!
いつもは佐知くんの声(コマンド)にめろめろで可愛い彼ですが、佐知くんのこととなると抑えきれない衝動というか、自分の気持ちに素直に動く潔さがいい!
まさか、あんなに泥だらけのぼろぼろで辿り着くとは思いませんでしたが、それくらい、なりふり構っていられず一生懸命だったのだろうと感じました。

「声が出せないDomは、Domとしての役割を果たせない」
Dom/Subユニバースは何作品も読んできましたが、DomとSubの間に生じる問題は欲求の種類や程度の相違が主なものだと思っていたので、衝撃でした。
確かに、声が出せないとコマンドを使うことができない。
1巻から佐知くんの「声」にフォーカスした作品だからこその視点だと思います。
コマンド出せなくなったらどうするんだろう…、鐘白くんがそれを理由に佐知くんから離れるわけはないだろうけど、プレイができなかったら二人ともしんどいし~!と心配になりました。
そこでまさか、声なしのコマンドを編み出すとは…!
きっと、佐知くんと鐘白くんの間に強い信頼関係があったから可能だったのだろうと思います。
このカプ、最高ですか…!
佐知くんのカリスマ性やばいですね。それを引き出せる鐘白くんも。
安心感からか、声を出せるようになって本当によかった。
コマンドとは実質的に何なのか、を考えさせられるエピソードでした。

舞台も無事成功し、帰宅した後の二人のやり取りがおもしろいし、愛おしい。
一生懸命な鐘白くんが本当にいい。好きです。
佐知くんが贈ってくれた指輪のお返しの指輪を贈れて、私まで嬉しくなりました。
これからも佐知くんのこと(特に声のこと)となると様子のおかしくなる鐘白くんと、無自覚スパダリな佐知くんでラブラブ幸せでいてほしいです。
事ある毎に佐知くんの声を録音したがる鐘白くんが好き!

スピンオフで京のお話も読めて嬉しいです!
しっかり反省して謝罪もできる京にも幸せになってほしいと思っていたので。
決して悪い人じゃない。それこそ、欲求の不一致のせい。
そんな欲求の一致する相手と出会えてよかった!
まさかの通ってる大学の教授だったけれども!
冬羽さんは色気があって魅力的。
でもお色気お兄さん的ではなく、少し自信なさげに京に懐いているような雰囲気なところがいい。
偶然の4人でのWデート、楽しく堪能しました!鐘白くんから京への追及があったのか、その後が更に気になる(笑)

丁寧に描かれてゆく二人の関係

私のドムサブユニバース観を形作り、ドムサブユニバースを好きになるきっかけとなった作品のひとつである「プレイアフターコール」の続編を読めて、とても嬉しいです!
倉科と一色のおかげで、Dom/Subのプレイには必ずしも性的接触が必要なわけではない、ということを意識しました。
結果的に、パートナーであり、恋人となった二人は、性的な触れ合いやコマンドも使うようになるわけですが、それありきではないというか、プレイと恋人としての触れ合いとがとても自然。
プレイを通して恋心を知り、恋心とともにプレイをする。
そんな二人が好きです。

1巻でも擦れ違っていた二人ですが、2巻でもまた擦れ違う。
でも取って付けたようなものではなく、倉科と一色、それぞれの性格や考え方、行動に添ったものなので、「そうなるよなぁ~!」と、もどかしくなる。
倉科も一色も、それぞれに人として魅力があるので、引き込まれるし、応援したくなります。

羽澄先生も魅力的だなぁ、と思っていたら、スピンオフ作品が収録されているではないですか…!
でも前編だけ!後編が気になる!
羽澄先生の高校生時代のお話を読めるなんて、嬉しいです。
羽澄先生を苦手な倉科が実は好きです。倉科の魅力はそういうところにもある。
意識的無意識的に関わらず、より良い人間になろうと思っているからこそ生まれる苦手意識だと感じます。
おそらく、一色が気付いた、倉科が女性のSubとパートナーになれない理由にも通じるものだと思います。

受験生の進路を軸に、倉科と一色の事情が描かれ、二人の関係性もまた一歩深まり、前進していく。
続きが気になる2巻でした。
3巻をお待ちしております!

センチネルバースの魅力とキャラの魅力

日本の商業BLではまだ数が少ないと思われるセンチネルバース作品をねねこ先生が描いてくださったぞー!
ということで、雑誌で読んでいるときからコミックスの発売を楽しみにしていました。
最初から最後まで、描き下ろしや特典に至るまで、センチネルバースならではの設定が活かされていてよかったです!

希少な五感能力者のセンチネルである天川と、ガイドの黒井。
現場での天川の能力の高さと酷使っぷりを見せられてからの、海外研修から戻ってきた黒井との再会の場面。
もうこれだけで、二人の間には過去に何やら起こってるし、二人とも拗らせてるなぁというのが伝わってきて、続きが楽しみで仕方なくなりました。
センチネルバース作品はいくつか読んでいて、センチネルが不安定になりやすいことや、ガイディングには危険を伴う場合があることなども知っていたので、天川の態度に嫌な気持ちになることはありませんでした。
むしろ、責任感を持って行動する姿に好感を抱いたし、心配にもなったし。
そんな天川にいくら邪険にされても、しつこく食い下がる黒井にも好感を抱きました。
「仕事だから」と念を押すように口にしながら、いや絶対自分の意思やろけど天川に余計な気を遣わせないための方便やな、と思える安心感がある。

なし崩しのように黒井のガイディングを受け入れつつも反発も続ける天川ですが、過去話で判明する黒井を拒絶する理由に納得。
この黒井と天川の過去が本当に愛おしくて、切なくて、二人が最初からお互いの唯一であったことの証明で。
天川は黒井に救われていたし、黒井の天川を想う気持ちは本物だと実感しました。
天川のゾーンアウトを防ぐためにガイディングした黒井のシールドが壊れてしまった。
天川が黒井のガイディングを拒絶するのに充分すぎる理由です。
天川が黒井を大切に思っているからこそ、二度と壊さないために。
その一方で、黒井は本当の意味で天川を守れるようになるため、海外研修へと向かう。
シールド修復に半年もかかる損傷を負いながら、それでも黒井の行動理由は天川を守るため。

黒井のために黒井を諦め、一人でも責務を全うしようとする天川の気高さ。
天川を守れる力を身に付け、隣にいることを諦めなかった黒井の執念。
どちらも魅力的で、二人とも好きです。
天川の鷹と黒井の蛇。どちらも彼らを象徴していて似合ってる。

センチネルとガイドの間にはパートナー契約があり、仮契約と正式契約がある。
正式契約は魂を混ぜ合わせることと同義。
本編内で利点とリスクについて言及されていましたが、描き下ろしと公式同人誌(コミコミスタジオ有償特典)で更に深掘りされていて、「これがセンチネルバースか…」と魅力を噛み締めました。
天川の鷹と黒井の蛇が絡み合った契約印が美しい!
先輩の志摩さんたちの契約印ももっと詳しく見たかったです。
天川たちにとって、節目節目でナイスアドバイスしてくれる良き先輩方。
志摩さんと玉城さんのパートナー事情も気になる!読んでみたい!
公式同人誌の内容は、「魂を混ぜ合わせる」ことがどういうことか、ラブラブえちえちな天川と黒井から教えられます。
「そんなことまでできるんスか、黒井さん!」と驚きつつ感心しました。
正式契約には、本当に何もかも委ねる覚悟が必要。
あの神秘的な正式契約シーンからは予想しなかった雰囲気で、正式契約の重みを知ることができて嬉しかったです。ラブえち最高。

任務場面は緊迫感があります。
そのおかげで、天川の気高さを感じました。任務中の天川かっこいいです!
そうやって活躍する天川の傍に控え、いざというときは天川を助ける黒井もかっこいい!
この二人の空気感というか、一緒にいるときの雰囲気が好きです。
根っこの部分にあるお互いに対する信頼感を正式契約前から感じられました。
素敵なセンチネルバース作品です。

勢いある面白さと愛の深まり

4巻を迎えても衰えることを知らない、勢いある面白さ!
むしろ、より一層、宮の可愛さもエロさも増しているし、舞沢の誠実さも包容力も増しているし、何より、マイミヤ二人の心の繋がりや関係が深まっているように感じました。
ギャグ面の面白さを維持したまま、切なさや心の機微がここまで描かれていることに毎回のように衝撃を受けています。感動しています。

舞沢の魅力は、本編内同様、わかる人とわからない人がいるかもしれません。
一見すると、単なる変態さんと言われても否定しにくい…。
ですがきっと、宮の視点を通すと、伝わりやすいと思います。
宮は何度も舞沢のブレない考え方に救われているので!

そんな宮の健気さは切なくなる程です。
宮を応援し、見守りたくなるのは、可愛さやエロさだけじゃない。
舞沢に向ける想いの強さ深さ重さと、それを舞沢の負担にならないようにと、ひた隠しにしようとする健気さがあまりにも切ないから。
4巻では、今までそうやってひた隠しにしてきた想いを舞沢に見せても大丈夫なのだと、宮が気付けたことが大きいと思います。

てらくまのラブラブっぷりを堪能!

てらくま2巻!高校を卒業した後のてらくま!
大学生になった寺野くんと、社会人になった熊崎くん。
2巻の冒頭から、相変わらず熊崎くんにベタ惚れな寺野くんを堪能できます!
熊崎くんにベタ惚れな寺野くんを見ると、にこにこしちゃう。熊崎くんにベタ惚れな寺野くんが好きです!
そんな寺野くんに戸惑いながらも、向き合おうとする熊崎くんが好き。照れながらも、受け止めて返そうとする熊崎くんがめちゃ可愛い!
1巻でもそんな二人の姿を見られましたが、2巻は更にラブラブ度が深まった印象です。

高校を卒業し、大学と職場が近いとは言え、一緒に過ごす時間は減ってしまった二人。
それでも二人らしい恋人関係を続けていく中、寺野くんと熊崎くん、両者それぞれに新たな出会いと新たな恋敵が現れてしまう。
寺野くんの新たな出会い、鳥原さんは最初から印象が良くて、やっぱり寺野くんに惚れちゃったかー!と若干不安になりつつも、しっかり告白して、フラれて、改めて友達としてよろしく、と気持ちを切り替える清々しさがよかったです。鳥原さんにも幸せになってほしい!
一方、熊崎くんの新たな出会い、大隈さんは最初から印象が良くなくて、軽い気持ちでちょっかい出すし、からかうし、結果的にはアシストになったのかもしれないけれど、熊崎くんがお礼を言っているのも納得できませんでした。
大隈さんは、誰かに本気になることが怖くなってる人なのかな?だとしたら、どこかで救われてほしいとは思うけれど、それは熊崎くんではないし、てらくまにちょっかい出すことでは救われないと思うので、頑張ってください!
すみません…大隈さんのようなキャラが苦手なのでどうしても辛口に…。作品によっては、そういうキャラも好きなのですが、てらくまを読んでいるときは、ラブラブなてらくまに浸っているので、いつも以上に反感を覚えてしまったのかもしれません。

それぞれの恋敵と対峙しながら、寺野くんは熊崎くんへの、熊崎くんは寺野くんへの、自分の想いを改めて実感し、自覚する。
そうして深まった二人のラブラブさを堪能できる2巻。
熊崎くんが1巻以上に寺野くんへの想いを表現してくれて、そんな熊崎くんが本当に可愛い!照れながらも、懸命に伝えようとしてくれる熊崎くんの可愛さは果てがない。
そんな熊崎くんにベタ惚れでメロメロな寺野くんが好きです!
そんなてらくまが大好きです!

学祭で懐かしい面々に会えたのも嬉しかった。
錦も現在進行形で恋敵のままだったんですね…それでこそ錦!
森くんが錦の保護者みたいになってるのがおもしろかったです。
なかなか、良いコンビ?
錦を始めとする恋敵に敵意剥き出しにする寺野くんも好きなので、錦GJでした。

てらくまのラブラブっぷりは、是非とも読んでお楽しみください!
熊崎くんの可愛さも、寺野くんのメロメロっぷりも。

普通に生きること

早寝電灯先生のオメガバ作品ということで、大いに期待していましたが、期待以上でした。
「52ヘルツの共振」が好きだと言えば、期待する気持ちもわかるかと思います。
先生独自の「身体共鳴」という表現が好き。
オメガバ作品でよく描かれる、フェロモンに誘発される抑えきれない衝動「ヒート」もあるのですが、それとはまた少し表現方法が異なる。
少し穏やかで優しい。けれど、チカチカしていて、キラキラしていて、ピリピリしていて、確実に刺激はある。
先生が描く作品の根底に普遍的に流れている優しさから生まれた表現方法のように感じました。
オメガは目眩が起きやすいという独自設定とも相まって、波止くんが和巳さんの影響で視界がチカチカしている場面が印象的でした。
和巳さんは、ピリピリが残っている表現が印象的。バーですぐに気付いてもらえなくて、子どもじみた意地悪をしてしまう和巳さんですが、自分だけがピリピリを感じているのだとしたら、気付いてほしくもなるだろうな、と。
チカチカは瞬間的だけれど、ピリピリは残るから。

二人が出会ったときの「同じ舟に乗ってる」という言葉が、波止くんが和巳さんに惹かれていく過程や二人の未来にまで繋がっていく描写が素晴らしくて印象的でした。
保護者が家族からつがいに変わることに違和感を覚える波止くんだから、和巳さんのその言葉が嬉しかった。
しかも、それを和巳さんが何の気負いもなく言っているところがいい。
対等な関係でいられるかどうか。人間関係全般で重要ですが、アルファとオメガの関係においては特に重要な視点だと思います。
つがいになると、オメガはアルファの庇護下に置かれるという解釈が多いので。
バース性を否定せずに自分のままで「普通に生きる」ことを貫こうとする姿勢が眩しくて、好きです。

波止くんと和巳さんの歳の差がまた絶妙!
これは和巳さんの接し方によるのだと思いますが、どうしても余裕をなくしがちな和巳さんが懸命に包容力を維持しようとしている姿が愛おしい…。
それでもやはり、波止くんよりも年上で経験していることも多くて、だけどその分、引きずっている年数も長くて。
波止くんも和巳さんに救われた部分があるけれど、和巳さんのほうが波止くんに救われたのかな、と思います。
「普通に惹かれていく」という過程を大事にすることで、バース性を否定することもなく、バース性だけによることもなく。
私は和巳さんみたいなアルファを求めていたし、波止くんみたいなオメガを求めていたのだな、と納得しました。

波止くんのお兄さんも、スウさんも、和巳さんの友人も、周囲の人たちも魅力的!
特に波止くんのお兄さん!「やばい兄になりたくない」という言葉が刺さりました。
兄弟BLが好きなので、やばい兄も好きなのですが、波止くんのお兄さんが兄のあるべき姿です!

そして、カバー裏!
カバー裏で誰かと笑顔で歩いていたのは佐倉さんでは…!登場人物的に佐倉さんしか思い浮かばなくて。
間違っていたら恥ずかしいですが、ほっとしました。先生の優しさに感動しました。
カバー裏おもて面の和巳さんと波止くんが楽しそうで、カバー裏うら面の佐倉さんも同じ店先だけど別の場所で楽しそうで。

最後まで感動の詰まった作品です。
読めて幸せです。

何故なら専属護衛騎士だから!

電子単話を最後まで追いかけ、心待ちにしていた3巻の発売!
完結してしまうのはやはり寂しいですが、心が晴れやかになる素敵な大団円!
物語の強制力に抗うためだけではない、アークの王族としての頑張り(大発見の件)が功を奏したというところにも感動です。

ユリウスとの婚約まで進んで、ラブラブな様子も堪能できて、クーデターを回避できたかと安心したところでユリウスが操られてしまって…。
物語の強制力はこんなに強いのか…!とアークとともに打ちのめされました。
でも、身体を張ってユリウスを止めるアークの懸命さに、心を打たれます。アークは諦めていない。
しかも、そのとき受けた傷跡は後々、アークにとってユリウスとの絆を感じられる大切なものとなる…。
身体に何かしらの跡を残す(キスマーク等)系が好きなので、不謹慎かもしれませんが結果的に喜んでしまいました。アークも喜んでるから大丈夫かな?(特典より)

宰相があんな事態を引き起こすに至った経緯。
操られていたとしても、ユリウスが自分の行動の責任を取ったこと。
綺麗事だけではままならないのだと思い知らされる描写があることで、ストーリーにもメリハリを感じられて、より読み応えがありました。
「ユリウスは操られてたんだから無罪放免でいいのに」と考えていた自分の甘さを自覚したり。
ユリウスが責任を取り、アークと離れていた5年間があることで、アークとユリウスの思いの強さをより実感しました。
自分から責任を取って離れるユリウスの決断は潔くてかっこいいし、騎士団再編成を頑なに断るアークも意思が強くてかっこいい!
そんなアークたちをそれぞれの立場から見守ってくれた家族や周囲の人々も素敵でした。

3巻は、2巻以上にラブラブえちを堪能できます!
濃厚えちを本当にありがとうございます!
離れてしまう前から、アークの奥に入れたそうにしている描写が然り気無く差し込まれているのが好き。
でも、アークがその意味を知らないから、それはしないし、何も言わないユリウス。もしかしたら、まだそのときではないと考えていたのかもしれないし、子どもを作る覚悟がまだだったのかもしれない。
それが5年の時を経て、騎士団再編成&騎士団長&専属護衛騎士復帰し、アークも「ちょっと大変」の意味を知り、その上で奥に入れてほしいとアークのほうから言うのがいい!
そりゃもう、ユリウスはずっと遠慮&我慢していたわけですから、煽られまくりますよね!たまらんですよね!
ラブラブ濃厚えちを堪能できて、私も幸せでした。

更にご懐妊!お子はどんな子~?と電子単話最終話で気になりまくっていたので、描き下ろしでの双子のご誕生がとっても嬉しかったです!二人とも可愛い!
そして、子どもが一番と言えないユリウスが理想のユリウスなので、こちらも嬉しかったです!
いつまでも、どんなときでもアークが一番!最優先はアーク!何故なら専属護衛騎士だから!そんなユリウスが推しです!

ユリウスにとっては、とても大切なのに一度失ったと思っていたにもかかわらず、腕の中に飛び込んできた存在であるアーク。
あの出会いの場面は、ユリウスにどれ程の衝撃と煌めきを与えたことか、と何度も反芻しています。大好きな場面です。
ユリウスの腕の中にアークがいると、安心します。
そして何より、二人とも笑顔がきらきら輝いている。
そんなアークとユリウスが家族として暮らすラブラブで幸せな姿をもっと見たいです。溺愛最高。

ラブラブな二人と烏丸の魅力

ラブラブな南くんと烏丸から始まる3巻。
「烏丸は俺のもの」を嬉しそうに実感する南くんが本当に可愛くて愛おしい!
誰からも好かれている明るい南くんの抱える、意外な不安や自己肯定感の低さを知ったからこそ、更に愛おしさが増しています。
あの南くんが…!と驚きましたが、あのような過去があったら、そうなりますよね…。
相手に対して誠実でいようとしてきた南くんだから、あの出来事で傷付いたし、傷がずっと残っているのだと思います。
そんな南くんだから、烏丸を好きになったのだと思いました。
烏丸も相手に対して誠実でいようとする人だから。烏丸はそれが表に出にくいから、彼の魅力に気付ける人は少ない。
ただし、配信のときには、それが垣間見える。
そんな烏丸(kou)のリアコが登場するとは…!

kouのチャンネルより大きなチャンネルの配信者として、コラボを依頼してきた新キャラのKEIくん。
結果的にkouのリアコで、嘘を吐いて南くんに怒られるし、烏丸にはフラれて友達すらも断られてしまう子ですが、烏丸と釣り合う自分になるために!とチャンネルを大きくした努力はすごいと思います!
思い込みが強い部分があるというか、「相手のために」と自分の考えを押し付けてしまう部分があるところが烏丸には受け入れられなかった。
その点、南くんは一貫して、自分の希望は主張しつつも、最終的に決めるのは烏丸だと言っていた。
相手の意思を尊重することは、烏丸や南くんにとって、最も重要なことなのかもしれないな、と今回のKEIくんとの一件を経て思いました。KEIくんのおかげ!
特典ペーパーで、kouのファンであることをチャンネルで隠さなくなったKEIくんがよかったです!

そして特筆すべきは、烏丸!
本編ラストの烏丸、やばくないですか!
未読の方は是非、ご一読を!いや、一読ではなく何度でもどうぞ!
烏丸の秘めた魅力が遺憾なく発揮されています。引きずり込まれるとは、このこと…。状態になります。

誰もが皆、前を向けるという希望がロマンチック

ロマンチック・ラメントから追い続けてきました。
ロマラメからロマエレへ。ロマラメも重く苦しいお話でしたが、ロマエレもまた重く苦しいお話。
オメガバース作品では、「運命の番」や「番契約」が重要な要素で、ロマラメ、ロマエレシリーズは、それらと正面から対峙して描かれた作品だと思います。
どちらも、正面から対峙し、「運命の番」や「番契約」という呪縛からの脱却を選び取っている。
運命や本能を消すことはできなくても、自らの意志で別の道を「選ぶ」ことはできるのだと、伝えてくれる作品だと思います。そこがロマンチック。

遊真と誉。
それぞれに抱えているバース性に関する心の傷。
おそらく、出会った頃はどちらもがそれを癒すことはできないだろうと思っていたのではないでしょうか。
自分では、どうすることもできないことで抱えた傷だから。
その事実を解決する術は、遊真も誉も持たない。遊真が運命の番に選ばれることはないし、βの誉が番契約を結ぶことは不可能。
その事実は変わらない。
けれど、その事実は変わらないまま、心の傷を癒すことはできるし、もっと大切な幸せを得ることはできる。
それを示してくれたのが、遊真と誉でした。
もう、この流れは是非読んでお確かめください!引き込まれること間違いなしです!

私の拙い語彙力で確実に伝えられることとしては、遊真の束縛執着溺愛最高です!ということだけです。
誉をどこまでも幸せの沼(敢えての「沼」)に浸らせてあげてほしい…。
作品に出てきた、どのカプも、それぞれにより良い、より納得できる方向へ歩み出せていることが救いです。
誰もが皆、前を向けることは大事。
ロマラメからロマエレまで、素敵な作品を読めて幸せです。
重く苦しいお話ではありますが、確かな温もりも希望も幸せも詰まっているお話。
これからも、私にとって大切な作品であり続けると思います。ありがとうございます!

思い遣るが故の「秘密」の重さ

兄弟BLのDom/Subユニバース作品お待ちしていました!
しかも、にこ山先生の作品ということで期待!

冒頭から、Domであることを秘密にしている弟がSubである兄に執着している様子をにこにこしながら読んでいました。
めっちゃ好きな兄弟BL~と思いながらも、弟の柊梧が兄の千波にDomであることを秘密にしているのは何故だろうか、と疑問が。
作中ではわりと早めに千波にバレるのですが、両親には尤もらしい理由を挙げて、結局隠し続ける選択をすることに。
それに若干の違和感を覚えながらも、柊梧と千波はどうなるんや!というほうが気になり、徐々に判明していく柊梧のやばい執着っぷりにわくわくしながら、読み進めました。

柊梧のやばい執着、好きです。あそこまでやってこその護るためのやばい執着です。
監禁までいっていないのが不思議なくらいですが、柊梧と千波の場合は、監禁していないからこそ、柊梧のやばさと、二人で抱えることになる「秘密」の重さが増しているように感じます。
日常生活が続く中で抱える「秘密」の重さが如何程か。
柊梧がDomであることを両親に隠し続ける理由も、ここと繋がっているように思います。

Domであることのみならず、やばい執着という柊梧の秘密を知ってしまった千波。
その過程で明かされた、柊梧が抱え続けてきた苦しみがつらくて切なかったです。
しかも、欲求を真っ直ぐ相手にぶつけるのではなく、相手を思い遣った結果が「やばい執着」という行動に表れていたなんて。
その苦しみを吐露した上で、受け入れようとしてくれた千波に対し、まだ相手を尊重しようとする!
そんな柊梧の姿勢に、もどかしくなりつつも感服しました。
Domであることを秘密にしている間、さりげなく千波にコマンドを使って体調管理してあげてるし…。
執着はやばいけど、柊梧は献身的なDomでもあると思います。個人的には理想のDom。

最終的に二人が下した決断は、私自身も望んだものではありましたが、彼らの未来に、どこか影を落としているところに胸が苦しくなります。
家族にも誰にも何も言えずに、大きな「秘密」を抱えたまま、二人で一緒に生きていくことを決めた。
それでも、だからこそ、柊梧と千波には幸せでいてほしいと願っています。