碧蓮さんのマイページ

レビューした作品

アドバンスドレビューアー

女性碧蓮さん

レビュー数8

ポイント数89

今年度104位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

エロだけじゃない!めっちゃえっちだけど!!

淫魔同士はやっぱり、めっちゃえっち!!
とはいえ、ユウリもトウマもそれぞれにキャラクターとしての魅力があって、お互いに惹かれ合っていく様子もしっかり描かれていて、読み応えがあります。
エロだけじゃない!めっちゃえっちだけど!!と、声を大にして言いたいです。

淫魔としては生きづらい、人間が苦手なコミュ障のユウリ。
それは淫魔にとって死活問題で、空腹でふらふらしているときに偶然出会ったのがトウマ。
ユウリが淫魔だと一目で見抜いたトウマもまた淫魔。そんなトウマは、花を背負ってホストをこなす淫魔らしい淫魔。
と思いきや、トウマも淫魔らしくない一面を持ち合わせていて、ユウリもそこに少しずつ惹かれていく。
トウマが秘密のお気に入りの場所をユウリに教える場面が印象的でした。

ユウリもトウマも、人間の姿と淫魔の姿の両方を楽しめるのがいい!
でもやっぱり、淫魔の姿が本領発揮という感じで好きです。瞳も角も尻尾も翼も、二人とも異なっていて個性があるのが魅力。
トウマの瞳とユウリの角がかっこいい!

タブーとされる淫魔同士の交わりは、めちゃくちゃえっちです!!
無意識に淫紋が出てしまうくらいの中毒性の高さ故のタブー。トウマに「淫紋が出てる」と指摘されたユウリが「ほんとだ、出てる」と応えた視線の先は、トウマにも出ている淫紋だった……という場面がめっちゃ好き。
あのえっちさは、二人が淫魔だからこそですが、淫魔だからという理由だけでなく、ユウリとトウマだからこその心の繋がりをしっかりと描いてあるので、更にえちえち度が増しているように感じます。
二人にはいつまでもラブラブえちえちでいてほしい!

タイトルの秀逸さ

「好きなひとの好きな人」のスピンオフ作品。雑誌連載から楽しんでいたので、コミックス発売を待っていました!

第1話、二人の再会からしてお洒落(?)です。
浮季のアンニュイイケメンっぷりと、浮季と遊彦の関係性だからこそ成り立つ、お洒落で印象的な再会。
いやもう、ここで早くも掴まれました、心を!

そして、浮季の可愛い甘えたが遊彦に対して発揮される中での、ピアスの披露。浮季のちん…にピアス。
ちん…にピアスのキャラが出てくる作品は読んだことがありますが、まだまだ少ない。
しかも、まさか浮季がしているとは予想だにせず。インパクト大でした。
浮季は耳にもピアスばちばちなのですが、彼の全身のピアスの理由は全て遊彦。
このピアスの理由について明かされる場面は、切なさで胸が痛くなりながらも、あたたかく、熱くなります。
ひたすらに遊彦を求め続けてきた浮季の切実な想いがこれでもかと伝わってきます。
ピアスのみならず、浮季の行動原理は全てが「遊彦とずっと一緒にいるため」。
浮季がそうまでして遊彦を求めるようになる経緯もしっかり描かれていて、浮季を応援したくてたまらなくなります。

一方の遊彦は、最初から浮季に流されている雰囲気で、本人も流されているという認識ですが、最後まで読むと、遊彦も浮季を自分から選んでいたのではないかと感じます。
いくら頼りにされ、甘えられているからといって、結果的に浮季のように構う相手は浮季しかいなかった。それが答えのように思えます。
遊彦もまた「全ては浮季だから」ということではないかと。
まあ、遊彦の性格を的確に捉えたアドバイスを浮季にした蜜彦の影響もあるかとは思いますが、それでも浮季を選んだのは遊彦自身なので。
「流されているだけじゃないか」と悩む遊彦でしたが、少しずつ自分の気持ちを自覚して、ちゃんと浮季に伝えられてよかったです。
「浮季の気持ちを信じているから、嘘は怒るけど、ひみつは許す」という遊彦がかっこよくて好き!浮季への愛が溢れてる!

遊彦に甘える浮季は、めちゃめちゃ可愛くて可愛くて!
でもそんな可愛い笑顔と、遊彦への執着を感じさせる笑顔との差がいい!どっちも好き!両方あるからこそ、浮季!
遊彦はそんな浮季の執着笑顔(ひみつ)を見ることはできないけれど、なんとなくは感じ取っていて、その上でのあの言葉なのかな、と。
全てを遊彦に捧げる浮季と、浮季の全てを受け入れて許す遊彦。
タイトルの「こじらせ彼氏のかわいい彼」が両方の意味になっていて流石です!
「好きなひとの好きな人」も、読んでから「そういうことか…!」と秀逸さに項垂れました。

ちん…にピアスを活かしたえちもえちえちです!
ぞぞ先生の描くえちシーンは、アングルも凝っていて好きです。えちえちです。
えちえちなのですが、湿り気よりも爽やかさを感じる不思議。そこも好き。

蜜彦がちょこちょこ登場していて嬉しかったです。
2カプの交流も見てみたい!でも、想像がつかない(笑)

遊彦とずっと一緒にいるための努力を続けてきた浮季と、無自覚ながら浮季と一緒にいられる道を選んでいた遊彦。
こじらせている二人がかわいい彼とずっと一緒に仲良く幸せでいられる未来を願っています。

美しさと可愛さ

電子書籍で読んでいた作品の新装版とのことで、これを機会に紙書籍を購入しました。
電子描き下ろしの再録に加えて、新たな描き下ろしまで収録されていて得した気分です。
新たな描き下ろしの「風邪を引いたら、そのときだけ王様になれる」エピソード。ヨルの生い立ちに改めて切なくなりながらも、今はアムランが一緒にいてくれる安心感や温もりを感じられました。ヨルが幸せになってくれて嬉しい!

アムランとヨル。
ヨルにとって、アムランとの出会いは男娼と客であっても、アムランにとっては長年追いかけ、探し続けていた相手との再会。
アムランにとって、ヨルとの出会いが重要であったのと同じように、実はヨルにとっても重要なものだったという、二人の繋がりや影響を与え合う関係がとても絶妙で、心を掴まれました。
更に、アムランは「ハイブリッド」という存在で、獣化もできるという設定が魅力!そのおかげで話に深みが増していると思います。
「ハイブリッド」という存在は、ヨルが男娼になった(ならされた)要因でもあるので…。
発情期のアムランとヨルのエピソードは読み応えがあります。自らアムランの部屋に入っていくヨルはかっこいいし、アムランとヨルの行為はえちえちだし、発情期後のアムランの落ち込み様は可愛いし。
最大の見せ場は、ヨルの美しく素晴らしい踊り!それを嬉しそうに見惚れているアムランの表情!
アムランとヨル、二人が長年追いかけ、求めてきた姿。それを実現できたこと、こうして見ることができたことが嬉しいです。
これからも二人ラブラブで過ごしてほしいです!

想定外に癒されるお話

表紙の柔らかな爽やかさを裏切りつつも、最終的には裏切らない、癒されるお話です!
冒頭のたお君の様子から、「ああ、碗先生らしい受けくんぽいな」と思いきや、東京での心と身体のすり減らし方が想像以上で、いつものように微笑ましく見守るよりも心配が勝りました。意地張ってないで、本格的に駄目になる前に逃げて!帰って!たお君!と心の中で呼び掛けていると、新がグッドタイミングでたお君に電話をかけてくれました!
この電話中から切った後にかけての描写が本当に心を抉ってきます。突き刺すというより、抉られます。
自宅の窓から見えない月(そもそも空がまともに見えない)、隣の部屋からの生活音苦情、溜まった洗い物やゴミ、壊れてしまった新からの贈り物のマグカップ。
たたみかけるようなそれらの描写がたお君の心を抉ると同時に、私の心も抉られました。たお君が必死に仕事を頑張っているからこそ、余計に。
この辺りまでで、なんかいつもの雰囲気と違うかも?と思いながら、その後のたお君と新を見守っていくと、「んなわけないやろ!」と思わずツッコミを入れたくなる場面や笑ってしまうおもしろさ、えちえちなえちシーンなど、「そうそう、これこれ!」と感じる私の好きな碗先生作品の魅力がありました。
今回の作品は更に、癒しまで付いている!
たお君が田舎に帰ってからの日々。そこで語られ、明かされる、新の過去や事情。
新にとって、たお君がどれ程大切なのか。そんな大切なたお君と自分のために、どんな努力をしてきたか。
現在の軸では、たお君が新に救われ、過去の軸では、新がたお君に救われていた…。こんなの、感動せずにはいられません!
しかも、もう一度二人で東京を訪れた際の諸々のエピソードが作品を見事にまとめ、より深めているように感じました。たお君はもう一度東京に行って、逃げ帰った後始末をする必要があったし、新も一緒に行く必要があった。
これからは新の手腕で田舎をたお君好みに(?)発展させながら、二人で仲良く田舎(ここ)で暮らしてくれることと思います。たくさんの楽しい人たちと一緒に。
グリーンアスパラガスの緑色、好きです。おいしそう!
えちえち、笑い、癒しに感動まで楽しめる作品でした。
たお君にとっては、東京での辛い思い出とセットになってしまっているだろうミドリさんにも幸せになってほしい!

胸きゅんと、えちえちと、誠実さ。

無意識に他者との距離が近い白川さんと、落ち着いた雰囲気のある蘇芳。
それぞれに職人として仕事に誠実な二人が、話すうちに良い雰囲気になり、一夜をともに過ごす第1話で一気に引き込まれました!
白川さんの天然人たらしっぷりと、それを警戒しながらも引きずり込まれてしまう蘇芳の動揺と苛立ちから目が離せず、どきどきしました。
白川さんの誘い方、蘇芳の腕時計のベルトに指をかける仕種、やばいですね。表情も含め、色気たっぷり。
翌朝のナチュラルさがよかったです。蘇芳も心の中では動揺しながらも、表面上はスマートなのがよかったし、これからの二人が大人の駆け引きを経て、どうなっていくのだろうか、とわくわくどきどきしました。

実は、本誌で6話と最終話だけを読み、コミックス絶対買う!と決意した作品です。
あの白川さん(セイ)と蘇芳のこれまでを絶対に知りたい!と。彼らの出会い、これまでを読めて本当に嬉しいです。
蘇芳の「セイさん」呼び、セイの「蘇芳くん」呼びに、こういう意味があったとは…。知ることができて本当によかった。

セイに対する蘇芳の気持ちの伝わらなさをもどかしく感じながらも、そんなセイに対して負の感情が芽生えなかったことが自分でも意外でした。
いつもなら、そういうキャラに対して「なんでわからへんねん!」と苛立つか、呆れるかしてしまいがちなのですが、むしろ心配するくらいで。
おそらく、蘇芳がそこに苛立ちながらも、セイの魅力的なところ、良いところだと思っていることと、セイの描き方のおかげかと思います。
本当にセイも蘇芳も魅力的で。ラブラブになってくれて、本当に嬉しい!

蘇芳染めのブレスレット、蘇芳の思い入れ深い椅子きっかけの運命発言、運命から必然に変わったこと、インタビュー記事、描きおろしの独占欲、と並べていくと、セイが蘇芳をめちゃくちゃ大好きなことが伝わってきます。
擦れ違いを経て、お互いに「好き」と伝え合った告白の場面もめっちゃ素敵でした!胸きゅんです!
その後のえち(6話)がまたえちえちでラブラブで!これを最初に読んでしまったら、そりゃあ彼らのこれまでが気になりますよね!
最終話のリベンジ水族館デートもまた、感慨がひとしお。楽しそうな笑顔の二人を見られて、本当に嬉しいです。

好きなものは大事にする(優しく触れる)蘇芳、仕事に向ける眼差しをセイにも向ける蘇芳、それを喜ぶセイ、仕事に向けるセイの眼差しを自分にも向けてほしいと思っていた蘇芳、仕事が手につかなくなるくらい蘇芳のことで頭がいっぱいだと告白したセイ。
胸きゅんと、えちえちと、それぞれの誠実さも感じられるお話でした。真っ直ぐに向き合おうとする姿勢が素敵です。
とても魅力的なセイと蘇芳の二人をもっと見たいです!

胸きゅんしながらも、突き付けられた現実が切ない

「これがデビューコミックスだと……!?」と驚かされた第1巻から、続きを待っていました。
個人的に、今まで見ないようにしてきたことがフォーカスされて、胸が押し潰されそうです。兜くんはゴースト(幽霊)なのだと、改めて実感させられて、つらい……。
彩くんの禊として、彼の身体に入った兜くんが椿くんと遊園地で遊んだ日。楽しい一日の終わりに、兜くんが思い至った「椿くんのこれからに自分はいるのかどうか」という問いが胸に突き刺さりました。それまでが二人ともとても楽しそうだったからこそ、余計につらかったです。
その一方で、恋愛的に一歩進み始めたような椿くんと兜くんの様子に胸が躍る躍る!
恋心の自覚は案外難しく、本人たちは戸惑うものですが、読んでいる側としては嬉しくて仕方ありません。
兜くんは独占欲から、椿くんは身体的感覚から。この椿くんの夢が!夢だけど!夢じゃなかった!的な!
それを喜びつつも、それもまた兜くんがゴーストであるという現実を突き付けてくるのがつらいです……。

彩くんの事情が描かれ、歪くんも一緒に良い方向へ進んでくれて嬉しかったです。いや本当、歪くんのナイスアシストが多いですよね!歪くんは椿くんと兜くんのために動いてくれているのですが、それが結果的に彩くんのためにもなっていた気がします。
歪くんについては、まだまだ計り知れないところがあるのですが、どんな理由からにせよ、椿くんと兜くんのために動いてナイスアシストしてくれるところはすごいなぁ、と思います。彩くんを簡単に拉致れたところなどを「こわい…」と思いながらも、気になる存在です。

2巻で特に気に入っているシーンは、部屋で寝転ぶ兜くんを腕の中に閉じ込めて楽しそうにしてる椿くんと、照れてる兜くん!二人とも可愛くて好き!
兜くんの部屋着がおいしそうなTシャツというのも、ポイントですね!
そんな2巻のラストシーンが!いや、ほんとどうなるんですか、大丈夫なんですか。歪くんの目の前で……。
とにかく椿くんと兜くんの幸せを祈っています!

そうして迎える「はれのひ」

単話配信も追いかけていた、ただおかのはれのひ単行本がついに発売!更にTVアニメが放送中!という、おめでたいこと続きで嬉しいです。
ただおかシリーズは紙書籍も電子書籍も揃えるくらい好きで、友人にもおすすめしています。
最初は、真生さんと弘さんとひかりんの藤吉家を通して描かれる、オメガバ世界での差別や生きづらさと、それに抗う姿や温もりに感動したり、応援したりしながら読んでいました。
真生さんと弘さんは安定カップルなので、二人のいざこざよりも、彼らと外の人たちとの対話のようなものや子育てについてを中心に描かれてきたシリーズだと思います。その中で、二人の過去に少し触れられることはありながらも、彼らがどのような難しさを越えて番となり、結婚したのかは、なんとなく想像するしかありませんでした。
その描き方に物足りなさは決してなかったのですが、こうして描いてくださり、読めたことが素直に嬉しいです。
彼らには、バース性を無視しない一方で、バース性で他者を判断しない安心感があったのですが、それが何故なのか、わかったような気がします。
誰も近付けないほどに気が立って真生さんを抱き締め続ける弘さんが好きです。それでも首を噛まなかった弘さん。本当にすごい。いやほんとすごい。弘さんは私の理解を越えてくれます。
真生さんも本当にすごい。襲われているのは自分なのに、襲ってきた相手の中に自分と同じような苦しみを感じ取ることができるなんて。そりゃ、弘さんは真生さんを選ぶだろうし、真生さんは弘さんを選ぶだろうと改めて納得しました。

そして、何と言っても、松祐カプ!松さんと祐樹くん!
実は、1作目から祐樹くんがお気に入りでした。コミュニケーションが少し苦手な祐樹くん。素直な祐樹くん。
松さんもお気に入りでした。弘さんたちの良き友人で理解者の松さん。
シリーズが進むにつれて、そんな二人が少しずつ近づいていく様子を見ながら悶えていました。こんなに嬉しいことってない!愛おしくてたまらない!松祐カプが大好きです!
前作「ひとやすみ」では松祐カプがひかりんとともに表紙を飾り、とても嬉しかったのですが、二人の仲としてはまだ今一歩というところで。待っていました。待ちきれず、単話配信を追いかけるくらいに待っていました。
αとβのカプである松さんと祐樹くんには、αとΩのカプである弘さんと真生さんとはまた異なる不安や試練のようなものがあるのですが、それ以上に私は、バース性に関係なく祐樹くんが抱えている生きづらさや、バース性に関係なく松尾さんが持ち合わせている心根や人柄の良さが、少しずつ噛み合っていく様子に心を奪われました。
なので、学祭での目隠しゲームで祐樹くんの手を見事に当てる松さんの場面も好きですが、藤吉家にお見舞いに来た祐樹くんの背中を押したのが松さんだった、と明かされた場面が一番好きです。それを思い出すことで、祐樹くんの告白に繋がるのもとても素敵です!
まじであの場面が好きで感動して悶えました!松祐カプを考えるとき、真っ先に思い浮かぶ場面です。単話配信でも何度も読み返しました。
これからも幸せでいてほしいし、もっともっとラブラブに過ごしてほしい!松さんと祐樹くんのこれからをもっと見ていたい!弘さんと真生さんに続く次の結婚式をお待ちしています!

おとと優秀コンビも見守っています!ひかりん、ひなひな、みちるんたちも見守っています!
「はれのひ」を読むと、最初の「ただいま、おかえり」からもう一度読み返したくなります。今まではふわっとしていた弘さんの両親が謝っていた酷い仕打ちなど、あのとき真生さんたちがちらりと思い返していたことは何だったのか、彼らが乗り越えてきたものは何だったのか、それを知った上でもう一度。
「はれのひ」を迎えても、「はれのひ」を迎えたからこそ、ただおかのみんなのこれからをまだまだ見ていたいです。

幼馴染みから一歩進むきっかけ

夏生も深祥も無自覚なだけで、実はずっと昔からお互いのことを好きだったんだろうなぁ、と思うものの、その気持ちを自覚するためには、これだけの紆余曲折が必要で、時間が必要で、だからこそ今、気付けたのだろうと思います。
夏生が先に自分の気持ちを自覚するのですが、自覚するまでと自覚してからしばらくは、なんとなく納得いかないというか、正直に言えばもやもやしました。そんなもんと割り切ってしまえばそんなもんなのかもしれませんが、告白されて付き合ってきた歴代の相手に対する態度というのか感情というのか、認識みたいなものが私の感覚とは合わなくて。
夏生が気持ちを自覚し、深祥がどんどん可愛く見えるようになり、深祥にどんどん沼っていく様子はよかったです!
そんな夏生の態度がきっかけで、深祥との距離が幼馴染みから変化していく様子もよかったです!
はっきりとした夏生の告白は、よく言った!と思いました。かっこよかったです!
恋人となってからのもだもだ感もよかったです。二人とも可愛い…。
そして初めての!深祥がえちえちで、夏生の余裕のなさっぷりもよかったです…!
夏生が告白されて付き合う相手を選ぶ基準(無自覚)や、深祥が告白されて付き合う相手を選ばない(断らない)理由から、二人の無自覚な気持ちは滲み出ていたわけですが、夏生が後悔していたように、本当にもっと早く気付けていれば!と思わずにはいられない。
かと言って、何もきっかけのないまま、自分の気持ちに気付くことは不可能だったのだろうとも思うので、何度考えても、彼らにとってはあのタイミングしかなかったのだという結論に至ります。
夏生が自分の気持ちを自覚するきっかけ、幼馴染みから一歩進むきっかけになったのは、深祥が付き合った相手から可愛いと言われていると聞いたことなのですから。
一見、遠回りをしてしまったようで、限りなく真っ直ぐ進んできた夏生と深祥の二人がラブラブな日々を過ごしてくれますように、と願うばかりです。

一人の人として

世界観に惹かれました!
退役した戦士が現役の戦士の相手をする。
その心持ちについての描写も冒頭からしっかりとあるので、決して「やらされている」ものではないのだと納得でき、反発などを感じずに読むことができました。
ずっと憧れていたアントンを囲いながらも、伽の相手をさせようとしないユリウスの意思の強さや理由に心がぎゅっとなります。
そんなユリウスの態度が次第にアントンの気持ちを変化させ、伽の相手としてではなく、一人の人として、関係を考えていくようになる。
時間がかかっても、勝てるまでしないという約束が果たされるところがいい!
戦う場面は迫力もすごくて、かっこよかったです!

そして心が通じる。

パーフェクトアディクション続編!
意外な程、冒頭から順調そうな二人の様子が見えたので、ラブラブになった二人をたくさん見られるのかなぁと楽観視していました。
ところが、楽しい旅行に出かける前に、気持ちが擦れ違ってしまう冴ちゃんと明仁!
当て馬ではなく、こっちの擦れ違いかー!二人ともお互いのことちゃんと好きなんだから、頑張って!と応援しながら見守っていると、冴ちゃんの憧れの先輩が登場!
気持ちの擦れ違い+当て馬登場という立て続けの試練に「大丈夫かな?」と心配になりながらも、二人ともが自分の気持ちをしっかりと自覚しているので、話し合えれば大丈夫だろうとも思えました。
冴ちゃんのピアス穴エピソードは、明仁と一緒にショックを受けました…。でも、当時の冴ちゃんにとっては大事な思い出だろうから。
正直なところ、冴ちゃんが男性相手にも恋愛感情を抱けると知ったから告白するという先輩には反感を抱きました。その程度の気持ちで横やりを入れる判断はどうかと…。どこまでも自分のことしか考えていなかったんだな、と。それを自覚しているだけ、ましですが。
関係の始まり方で劣等感を抱く明仁が愛おしい!始まり方は決して綺麗じゃなかったかもしれないけれど、その後、冴ちゃんとしっかり向き合う努力をしたことに自信を持っていいよ、と思いました。
これからも擦れ違いはあるかもしれませんが、ラブラブな二人でいてほしいです。