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女性碧蓮さん

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雨降って地固まる

とても癒された作品の続編が発売されると知り、とても嬉しかったです!もっと続きを読みたいと思っていました。
北斗も大和も大和の家族もみんなが優しくてあたたかくて、読むといつも癒されます。続編も変わらずの癒し。

冒頭から、髪型を変えて雰囲気の変わった大和が出てくる辺りが心憎いです。イメチェン大和の魅力が炸裂!
それに北斗がノックアウトされているところが微笑ましくて可愛くて。
そんな北斗の好みを把握して確信犯な大和が微笑ましくてかっこよくて。
北斗の初恋の相手と好みを知っているからこそ、内心で嫉妬してしまうけれど、メロメロになっている北斗の姿が嬉しくて満足してしまう大和……二人とも可愛い! お互い大好きなことが伝わってくる!

北斗の転勤と転職によって、遠距離とライバル出現という大きな山が訪れる続編。
そこに真名人くんの受験や進学がうまく絡んでいて、伏線の作り方や回収の仕方が見事でした。大和の家族も好きなので、真名人くんだけでなく、みんなが続編でもしっかりストーリーに関わってくれたことが嬉しかったです。
真名人くんが進学を目指して受験できるように、と木下銀行制度を提案する北斗の賢明さに惚れ惚れします。前作でもでしたが、北斗は明るい木下家に救われる一方で、木下家に新たな光をもたらし、照らしているように思えます。
それが彼らを引っ張っていくようなものではなく、下支えするようなタイミングや方法であるところが北斗らしくて魅力的。大和も北斗のそういうところが好きなのではないかな?と思ったり。北斗の芯の強さは魅力です。

遠距離と転職から生じる擦れ違いやライバル出現といった問題も、乗り越えることで二人の結びつきが更に強まり、ほっとしました。まさに「雨降って地固まる」!
特に、大和の過去が描かれたことと、そこから彼が抱え続けている後悔や懺悔、不安といった今まで隠していたものを北斗に明かせたことは、二人にとって大きく重要な出来事だったと思います。
北斗が自分が何を最も大切にしたいか、をはっきりさせることができたのも、大和が素直な本音を見せたから。そこで悩んでいた転職を決意する北斗の潔さがかっこいい!
遠距離中、夜の公園で抱き締め合う二人の姿はとても印象的でした。彼らなら、これからも擦れ違いそうになる度、向き合う二人でいてくれるだろうと感じました。
北斗の転職に関して、今度は真名人くんが協力してくれたのも感動。ヒメちゃんたち含めて、本当にもう北斗は木下家の一員、家族です!

魅力的な大和には言い寄る相手が次々現れるわけですが、北斗ラブ!な大和はあっさりきっぱり断る。でも、そのせいで、北斗がその相手にまたまた巻き込まれてしまい、今回はその相手ともどもピンチに陥ってしまいました。
普通ならここで相手を罵ってしまいそうなところ、北斗の芯の強さと思い遣りが炸裂。一緒に脱出する過程を通して、相手が前を向くきっかけを作ってしまうとは……。
しっかり助けに来てくれる大和もめっちゃかっこいい!

北斗から本音を引き出そうと、北斗をお酒で酔わせる作戦エピソードも気に入っています。結果としては、北斗の本音が大和に対する想いで満ちていることと、北斗のエロさを再確認するものでした。
大和にメロメロな北斗にメロメロな大和という、お互いにラブラブな二人を堪能できて大変満足です。

シリーズの魅力と外伝らしさ

秀一が何故、あんなにも頑なだったのか。ずっと気になっていたので、理由を知ることができてよかったです。
過去、八尋と秀一が想いを伝え合う場面には感動しました。二人の懸命さが伝わってきます。
奪われた力が徐々に戻ってくるという事実、その方法にも温もりを感じました。十二支色シリーズは、どの巻も、どのお話も、あたたかさや思い遣りを感じられて癒されますが、それは外伝になっても変わっていません。様々な制約はあっても、優しい世界が広がっているところが好きです。
髪の長い八尋のインパクトが強かったです。どうしても外見上は幼いと感じていましたが、力を取り戻して成長した八尋は美しい……。

良アシストをしてくれる楠が頼もしかったです!昔も今も。今に関しては彼自身のためでもあるとは思いますが(気持ちに忠実)、八尋たちにとってのきっかけになったのは事実なので。
楠と清忠カプも少しずつ少しずつまた関係が変わってきているのかな、と感じられ、彼らの今後も楽しみです。
楠の切実な願いに清忠が応える日が来るのかどうか。
何気にこのカプも拗らせているというか、面倒ですよね。偏に清忠の信心深さによるものなので、そう簡単にはいかなさそうです。無理矢理考えを変えさせるのも違うと思うので、楠の忍耐強さが試されそう。

そして、相変わらずのエロエロさでした。ありがとうございます!
いつも不思議に思っていることですが、どうしてこんなにも愛らしい作風で、こんなにもエロさを表現できるのでしょうか。そうか、どんなに愛らしくても、エロいときはエロくていいのか、と謎の納得をさせられます(笑)
少しだけでしたが、こたたちも出てきてくれて嬉しかったです!
限定版の受談義も興味深かったです! 参考になるなら、と床事情をちょい暴露してしまう受たち……。恥じらいながら話す様子が可愛らしい。

外伝らしさがありつつ、シリーズの魅力をしっかり引き継いでくれている作品です。

感情移入できないのに違和感がない。

一巻からやばいと思っていたけど、二巻はもっとやばいことになってた。好みは分かれそうだし、私も本来は苦手な話だと思うけど、おもしろいと思ってしまった。登場人物の誰にも感情移入できないけど、違和感がない。ただただそこには、価値観や倫理観の違うキャラクターがいるだけ。
この流れでこれはこうなるだろう、という今までの経験から来るキャラクターの心情推測を何度も裏切られて、今では、こうなってるけど次にこうはならない、ほらやっぱり、と裏切られる瞬間はわかるけど、その後の展開は予想できないからおもしろい。
どう話が進んでいくんだろう、とわくわくする。続きを読むのが楽しみになる。感情移入できない彼らの選択や感情の機微も、彼らにとっては自然な流れだから強引さや違和感がなくて、話に集中できる。
いやほんと、友人に薦めたいかと問われたら逡巡してしまうけど、注釈付きで薦めてみたい気もする。いやほんと、いろいろ免疫がないと、ついていけない……てなるだろうし、薦めた自分のこともどう見られるだろうか…と不安だけれども。
様々な理由から平気で人を殺してしまうような、やばやばな人たちを相手に飄々と渡り合っている陽介くんまでも、まともそうに見えてやっぱりやばい人というのが絶妙。やばくなきゃ渡り合っていけるわけがないんだけど、基本的に弱い立場に置かれて、彼が怯える理由や不安は私も当たり前に感じるものだから、一般側に最も近いキャラではあるのかな、と思う。

え、それ受け入れるんや……、という三角関係(?)に突入した三人の今後がとても気になります。
玉森主席と陽介くんの関係が少しずつ変化しているような気がしなくもないので(とても曖昧)、わくわくが止まりません。とことんビジネスライクでドライな関係のはずだけど、玉森主席が情熱を注ぐ研究に関連した熱い執着を陽介くんに対して見せるから、勘違いしそうになる。そこを冷静に分析判断して対応する陽介くんのドライさがとてもいい。
そこに、東間主席から玉森主席に対するやば過ぎる執着が加わることで、更に熱が注がれて関係性はてんやわんや。そんな状況に至っても、変わらず冷静でドライな陽介くんがいいスパイスになる。内心、相手に引きながらも、宥める術を心得ているというか、弱い立場にいるはずなのに、相手を手玉に取っているように感じられるところがとてもいい。

彼らの具体的なやばさは是非とも一度お読みになってご確認ください。
私はここまで思い切った設定の商業BLを初めて読んだので、衝撃的でした。思い切っているけれど、突拍子がなかったり、破綻していたりするわけではないので、変なツッコミを入れる必要がなく、ストレスなく読めました。
続きが楽しみです。電子購入したのですが、あまりにおもしろくて紙書籍も購入してしまいました。

素直な弱音という愛の告白

電子限定有償特典の描き下ろしは、更にたっぷりエロエロラブラブな二人を堪能できます。
Sな廉次も楽しめる上に、サクちゃんのドライ……!
それまでちゃんと口を塞いでくれていたのに、肝心な瞬間に手を放すなんて、ほんとSですよね、廉次。ドライでいってしまったサクちゃんを見て、更に興奮する廉次がやばかった……。いい表情する。
「ラブラブ」については、サクちゃんは全否定するかと思いますが、私にはラブラブに見えました。
そんなSな廉次が見せる素直な弱音に頭を抱えます。サクちゃん、早く素直になってあげて……。
でも、素直になれないサクちゃんも魅力的なので、難しい問題です。

エロまで堪能できる、根底に優しさが溢れているお話。

私の好きな強いオメガが出てくるオメガバース作品。その上、幼馴染みで、お互い(心は)一途で、なっかなかくっつかないけど、お互いが唯一で救い救われの関係。根底に優しさが溢れているお話。
更にエロも楽しめる。絵が綺麗なので、ついじっくりと眺めてしまいます。
ストーリーの深さも、エロの濃厚さもたっぷり味わえる作品です。18禁版も電子で出ているので、そちらもおすすめ。電子限定有償特典付きもおすすめ。

電子単話で読んだ第1話のヒートとラットを必死に耐える二人の様子に興味を引かれ、こういうオメガバもいいなぁと読み進めた先で出会った、バース性検査結果通知の日のエピソード。ここで落ちました。
怯えるサクちゃんを茶化しながらも、安心させるようにぎゅっと抱き締める廉次の思い遣り。サクちゃんに掛ける言葉にも思い遣りが込められていて、とても好きな場面です。サクちゃん側からだけでなく、お互いの本音を伝え合った(サクちゃんは素直になりきれていないですが)後に廉次側の視点からも描かれているので、二人にとってどれくらい重要な出来事だったのかがしっかり伝わってきます。

サクちゃんと廉次の幼馴染みっぷりもとてもいいです!
相手が廉次だからこそ、大切な存在だからこそ、反発してしまうサクちゃんが愛おしいです。それも対抗心からでなく、対等な立場でいたいからという前向きな気持ちからというのがもう……ほんと可愛い(禁句)
幼馴染みだからこそ、特に理由がなくとも近くにいられるけれど、想い出があればある程、思い入れが深い程、そこに信念が絡み合うと素直になることが難しくなっていく。意地やプライドというものは信念とも繋がる部分があるから、手放してしまえばいいと一概には言えないのだな、と思わされました。
だからこそ、素直になるようサクちゃんに無理強いしない廉次の思い遣りや慈しみ、愛をより強く感じ、絶対に幸せになってほしい!と応援したくなります。

サクちゃんも廉次もキャラが立っていて好きです!
二人とも目立つし激しいけれど、可愛いところもあって繊細で。目が離せない。
廉次の関西弁も好きです! 軽い印象にさせつつ、鋭さを発揮する彼の魅力が際立つ感じで、どんどん引き込まれます!
サクちゃん……どう足掻いても廉次の好みから抜け出せなさそうなところがとても好き。それすなわち、廉次はどんなサクちゃんでも好きだという事実の裏返し……になりそうなところも好き。
二人ともがそれぞれ「自分」というものを持っていて、それがバース性の本能に消されてしまうことを恐れ、必死に保とうと懸命なサクちゃんと、そんなサクちゃんを理解した上で、自分自身は既にバース性に左右されないサクちゃんへの気持ちをしっかり自覚し、サクちゃんを丸ごと愛している廉次。廉次の眼差しが庇護対象に向けるものではないところが好きです。αに守られるΩのお話も好きですが、ポプチェリの二人はそうではないところが魅力。
今後、どう足掻いてもバース性関連で勝てず、サクちゃんがΩとして守られる展開が来る可能性はありますが、そうなったらそうなったで受け入れられるという矛盾を抱えています……。廉次はそのままのサクちゃんを丸ごと愛しているから仕方ない。Ωであるサクちゃんも、バース性と闘うサクちゃんも。そして、そんな二人が好きなので、どんな二人もどんと来い!

描き下ろしの「奉仕活動」も、廉次の愛とサクちゃんの気持ちが詰まったエロエロなお話です。
特に廉次……! その拘り……! めちゃくちゃサクちゃんのこと好きやん! 知ってたけど!
という内容で満足です。

サクちゃんが素直になれる日まで、廉次のお願いを守っていてほしい!と切に願っています。サクちゃんのそこは廉次予約済み。
サクちゃんは強いので、そうそう危険な目には合わないだろうと思いますが、それでも気を付けて!と思わずにはいられません。
続編の予定があるとのことで、今後も追いかけ続けます。

愛についての話

グアンをマフィアに売り渡したことを後悔し、自責しながらも自身の力で思い直し、助け出すために即時行動に移すレイの姿から始まる2巻。
レイの視点を通して見るパライソの光景から、彼らが「魔法」と呼ぶものの一端が何なのか、推察することができます。それでもまだ「魔法使い」については謎が多いため、魔法についての推察も正しいのかは判断できない。
冒頭からますます作品世界に引き込まれました。2巻目でも衰えることのない引力。

新たな登場人物ゼラと、1巻から登場しているセイランがグアン救出に協力してくれるわけですが、彼らの過去にもグアンや那家との浅からぬ因縁があるとは……。
那家が血を守るための近親婚が生み出す様々な問題。それが今回のグアン監禁にも関わっており、ゼラやセイランの因縁とも無関係ではない。
グアンの義弟イエンの狂気とマフィア吉祥のコンビは怖かったです。組み合わせちゃ駄目なやつ……!誰も止める人がいない……!
前魔法使いの元騎士ゼラとグアンの義母リンファの関係は切なかったです。「素直に告白していたら」という「もしも」を異なる相手に対して抱き続けてきた二人。でも、そうしなかった現実がある。
那家(魔法使い)後継者を巡る争いは、イエンが触れてはならない秘密を暴いてしまったために、一度にまとめて決着がつくことに。物事は一気に進むこともある。

しかし、決着がつくのと並行して、新たな問題(謎)が示されます。
何故、グアンは「愛してる」と言えないのか。
1巻でも軽く触れられていた点ですが、2巻では「愛」についてが更にクローズアップされることになります。
1巻のラストで「これが愛だ」と自覚したレイ同様、2巻ではグアンが「これが愛」と自身の中にある炎のような熱い感情を自覚する。レイはグアンに向けて、グアンはレイに向けて。
相思相愛という奇跡のような幸せな状況にあって、グアンに向けて紡がれたレイの「愛してる」という言葉。それに何も答えることができないグアン。
魔法使いの呪い(影)が警告のような脅しをする。「魔法使いはその愛を口にした瞬間死ぬ」

レイからの愛の言葉に答えられない状態に耐え続けられるかどうか、不安になるグアンの心情を考えると辛いです。
続くシーンで、ゼラとリンファの「もしも」が描かれるので、余計に。伝えられないこと、伝えなかったことによる結果に対する後悔と、夢見てしまう「もしも」という仮定。
伝えられないままだとしたら、グアンの未来もそうなってしまうのでは、と危惧してしまいます。
が、流石のレイです!
レイがグアンの男妾と揶揄された件をきっかけに、グアンが違うと言ってくれればそれだけでいい、誰の許しも必要ない、と、揺るがぬ信頼を示し、詩歌の遣り取りで愛を伝え合った。「愛してる」という言葉など無しに。
二人の教養や知識の豊富さがあればこそ、伝わる気持ち。だから、レイはグアンの騎士で、グアンはレイの王なのだと、お互いしかいないのだと、魂を分けた半身なのだと、改めて納得させられます。
多くの資料が失われ、文明が一度途絶えたような世界では、知識に触れることすら難しい。その中で、教養を身につけ、出会ったことは運命とも呼べる。出会うべくして出会ったのだと。

魔法使いの力(呪い)など、謎もまだまだあり、彼らの困難はこの先も続くと思いますが、お互いの光を失わずに進んでいってほしいです。呪いを解くため進み続けるグアンとレイから目が離せません。
「光」を意味する名前を持つ二人のこれからが少しでも光あるものになるよう、願っています。
これからも単話で追いかける予定です。

現実世界とも通じる話の重厚さと二人に見る光の引力

独特でありながら現実的、ファンタジーのようでありながらサスペンス的、という世界観に一気に引き込まれます。
その中で、グアンとレイ、二人が心を通わせる様子に感動します。心が震えます。お互いの背景や過去まで絡み合い、複雑ですが、美しい。
グアンとレイ。それぞれの名が示すように、お互いがお互いの光となり、懸命に生きる姿は感動せずにはいられません。

グアンがレイのことを理解者かもしれない、と感じたタワーの場面は印象的でした。ここでの二人の会話がとても興味深い。この世界について、自身が生きていく目的について、ロマンの話や過去の話。
世界のすべてのものが二対で存在することを「不思議」と表現しながら異議を唱えたがっているようなグアンに対し、その考えを「妙なこと」と評したレイがまるで簡単で当たり前のことのように「二つきりじゃない」と断言したこと。次々に挙げられていく具体例や考え方は、グアン自身や私たち現実世界に生きる様々な立場の人々をも解放していくようなもので、胸が熱くなりました。「純粋過ぎて不純になる」は重要な視点で、だからこそ「中道」というものは難しい。
そんなレイとの会話で視界が開け、前へ進む道に確かな足場を感じられたような矢先、転落してしまう二人。しかし、そのような状況でもやはり、レイはグアンの進む道を護る騎士でした。
その転落事故後、窮地に陥ってしまうのですが、マフィアに身を差し出すため、堂々と歩くグアンの背中は大きく、背筋が伸びていて、美しい。しかもそれは、レイのために。
レイのことを「偽悪者」と呼ぶグアンも、グアンのことをこんな奴が魔法使いなわけがないと思うレイも、互いの中に高貴さ、高潔な魂があることを認識していて、強烈な眩さを感じているという繋がりに、こちらが目が眩みそうです。献身の心が宿っているにもかかわらず、自分は優しくないと嘯くレイを「偽悪者」と呼ぶグアンの言葉に慈しみが込められているように感じられました。
マフィアに引き渡される直前、本当のかあさまととうさまを知るグアン。ずっと、愛されて生まれてきたのかを不安に感じ、本当のかあさまがどこかにいるのでは、と愛を求め探していたグアンにとって、とても大切な真実だったのだと思います。「僕は愛されて生まれてきた」という自己肯定感。その過去の真実はレイとの会話から辿り着いたもので、二人の間にある引力を感じさせるものでした。

たそがれ街とパライソという格差のある社会。それを作り出す政治の腐敗。現実世界にも通じる問題とともに、魔法使いやそれに関する謎というファンタジーを組み込み描くことで、おもしろさが何倍にも増幅されています。何度読んでも、話の重厚さを感じます。
話の重厚さに引けを取らない画力にも魅せられます。グアンの魔法使いの刻印や様々なデザインも凝っていて、惚れ惚れします。西洋風でもあり、中華風でもあり。混沌とした世界でありながら、堅苦しさも感じる世界観を表しているように感じられました。

電子単話でずっと追いかけている作品なのでコミックス化が待ち遠しかったのですが、まさか2巻同時発売してくれるとは。
コミックスの表紙が美麗で見惚れます。電子単話の表紙が口絵になってて、そちらも美麗……。気に入っていたので、口絵に収録されて嬉しい!

自らが仕えるべき王だと認識したグアンを自らマフィアの手へと渡してしまったレイの後悔で終わる1巻。それが「これは愛だ」と気付く瞬間というのがもう……!
コミックス派の方も、すぐに続きをチェックできます!

可愛さ、ピュアさ、素直さに包まれる、心に優しいお話

手を繋ぎたいのになかなか繋げなくて、もじもじしている響と都石先輩が可愛い!
二人ともピュア! 素直!
そんな二人を応援する坂山くんと景さんも魅力的!
響くんたちの馴れ初めも、坂山くんたちの馴れ初めも、心がほんわかあたたかくなる。

響くんと都石先輩は、手を繋ぐことにもじもじしているかと思えば、別の進展があったり、また進めないでいるなぁと心配しかけると、とんとん拍子に進んだり。紆余曲折とまではいかないけれど、真っ直ぐにも進まない二人の様子がとても自然で、ずっと見守っていたくなります。
二人を応援したくなる坂山くんの気持ちがわかる!
遠藤先輩もいい人でよかったです。当て馬になってもおかしくない立ち位置ですが、仮にそうなっていたとしたら、こんなにも心地好い読後感にはなっていないと思います。
都石先輩と遠藤先輩が二人でいるところを坂山くんが目撃する場面も、そのこと自体を報告はせずに響くんの背中を押す坂山くんの伝え方も、わざとらしさや大げさな表現がないところがいいです。心に余計な波風を立てられることなく、二人を応援し、見守ることに集中できる。
刺激は少ないかもしれませんが、そういう心に優しいお話を読みたいときもあるのです!
ひたすら、優しさに包まれたいときもあるのです!
あと、ほんと響くんと都石先輩可愛い! 二人とも可愛い! めっちゃ可愛い!
二人の素直さやピュアさが眩しいです。輝いています。でも全然無理がなく、太陽のような光で、心地好い。

坂山くんは本当にいい子です。聡く、他者に対する思い遣りがある。坂山くんも素直。
響くんたちの関係に気付いたときは、目聡く暗躍するタイプなのか?と一瞬思いましたが、二人を応援しつつ、心配しつつ、助言しつつも出しゃばり過ぎない様子を見て、めっちゃええ子やん!と。
大切なところは共有し、理解しながらも、べたべたし過ぎない友人関係。程好い距離感が読んでいても心地好かったです。
そして、景さん。平喜多さんの既刊「ふつうにかわいい?」を思い出し、嬉しくなりました。
自分が着たい服を着ること。「ふつうにかわいい?」は、そのことに苦悩する子が出てくるお話でしたが、景さんはそれを当たり前のこととして実践している人でした。
どちらも好きです。自分の感情を自分のものとして大切にしていることが大事。
そんな景さんは坂山くんの一枚も二枚も上手という雰囲気なのですが、坂山くんも持ち前の聡さと素直さと思い遣りで、対等な関係を保っているように感じました。おそらくは、景さんが坂山くんを対等な相手としてちゃんと見ているからだと思います。
厄介な客にも、セクハラ店長にも、毅然と対応する景さん。かっこいいです。憧れます。
女性と間違われることに対する対応も、深慮の結果なのだろうと思えます。
その一方で、響くんたちに本当のことを打ち明けたがっている坂山くんの気持ちに気付き、あっさりと明かす潔さと覚悟。きっと、景さんは常に覚悟を持っているのだろうと思います。様々なことに対する覚悟。堂々とした態度はそういう信念のようなものに裏打ちされたものなのかな、と思いました。

もう本当にこの四人でWデートしてほしいです! 楽しく遊んでほしい!
いつまでも仲良く過ごしてほしい! 末長く幸せでいてください!
四人が楽しそうに笑っていてくれたら、もうそれだけで笑顔になれます。ありがとう。
いつまでも応援し、見守りたいです。

ちぐはぐ感とフィット感

恋イン10巻の個人的テーマは「春日さんの気持ち、本当に木菜さんに伝わった?」です。
読み終えて両想いになれたと知っている今でも、問いたくなってしまいます。
擦れ違いがもどかしい! でもそこが好き!

木菜さんをどうしても諦められない春日さん、めっちゃいいです!
木菜さんに袖にされて(木菜さんにそのつもりはない)じめじめ凹んでしまう姿に、頑張れ!と思わずにはいられない。木菜さんを好きな気持ちが本物だとわかっているから、それが伝わらないことがもどかしくて。
でも、嫌われたくないから強くは出られないところもいい。これ以上嫌われたくないから、と「友人関係に口出ししてほしくない」という木菜さんの希望をきちんと守る春日さん。悲しみと嫉妬が心の内で渦巻いているだろうに、それをぐっと抑えるところに好感が持てます。そういう気持ちを自分勝手に木菜さんにぶつけることはなく、木菜さんの負担にならないよう努め、木菜さんが健やかに過ごせることを第一に考えている。
自分が言っても聞かないから、と藍染さんに木菜さんを休ませるよう頼むところに、悲しみや思い遣りなどいろいろ詰まっているように感じました。

そんな形で過去の自分の行いを反省し、木菜さんに対してだけは誠実に向き合う春日さんですが、自分では努力して良い方向へ変わったと思っていても、木菜さんには「ずっと変わらない」と一刀両断されてしまう。
木菜さんは春日さんに救われた過去から、今でも同じように助けてくれる春日さんに対して「変わらない」と伝えたわけですが、過去の自分は酷い奴だと自覚している春日さんには大ダメージ。
この辺りの擦れ違いをどうすれば解決できるのか。
擦れ違いの原因はと言えば、春日さんの過去の態度なので、やはり自他共に認める自業自得なのでしょうが、唯一人、木菜さんだけが春日さんの過去の態度を酷いとは思っていないというのが何ともややこしい。
しかしながら、そこが救いであり、希望でもある。木菜さんだけが春日さんの奥底を見ているのかもしれません。春日さん自身も知らない奥底を。
ところが、その好意によって木菜さんが春日さんのことを崇めすぎて雲の上の人かのように思ってしまっている点も擦れ違いの原因になっていて……本当にどないしたらええんや!

春日さんが牛通堂さんに泣きついてしまうのもわかります。
諦められない上に強くも出られないから、とうとう「諦めるより、二番手でも三番手でもいいと思ってしまう」という域に達した春日さん。昔の春日さんは本当酷かったけど、ここまで気持ちが通じない、伝わらない、誠実さが空転しているようにしか感じられない様子が続くと、かわいそうになってしまう。木菜さんが春日さんを嫌っていないどころかむしろ好きだからこそ、余計に。

そして、どんなに袖にされても、落ち込んでも、押しつけがましくならずに決して諦めなかった春日さんの行動が一歩前進するきっかけとなったことは確かだと思います。
そんな春日さんがいる上で、木菜さんも遠慮の鎧を少し解いて歩み寄ってくれたから。
木登りをする二人の場面は本当にもう爽やかで明るくて、木菜さんが春日さんへの想いを再度実感する場面にもなっていて、きらきら輝いて見えました。
春日さんのかっこつけ(と失敗)が発動したおかげというのが、どこまでもこの二人らしくていいです。
どうあってもうまくはまらないのに、どうあってもうまくはまってしまう、ちぐはぐ感とフィット感。それが春日さんと木菜さんはお互いにお互いしかいないだろうな、と思わせてくれます。
春日さんは木菜さんにとって光(道標)で、木菜さんは春日さんにとって思い遣りの源、という印象です。

そうして漸くバディ訓練として肌を合わせるわけですが、積極的な木菜さんはやばいですね。春日さん、よかったですね。
でも、真面目な木菜さんはあくまで特訓としての言葉ばかりなので、本当に春日さんの気持ちは伝わったのか?という疑問が拭えない……。ちゃんと告白できてよかったぁと思ったけど、木菜さんの反応がいまいち心配というか。
と思っていたら、木菜さんが春日さんへの好意を表現している! 春日さんに伝えている! 一歩どころか、二歩も三歩も前進しているのでは!
と思いましたが、「なんでもしていい」とまで言われて許されているのに、春日さんの苦悩はまだまだ続きそうですね(笑)
同期たちの妨害を「俺の恋路を地盤沈下させる方向に動く」と表現しているのが気に入っています。感覚として、とてもしっくり来ました。
どうにかこうにか、木菜さんからの言葉を引き出そうと必死になる春日さんの余裕のなさっぷりが大変微笑ましかったです。告白するまでの抑え方が嘘のようですが、木菜さんに嫌われないことを第一にしているため、結局は自分の行動を抑える春日さんに好感を持ちました。やはり、応援したくなる。
それに、木菜さんも春日さんを他の人(姉)に取られないか、心配で不安だったのですね。似ていないのに似た者同士。

どうやら両想いにはなれたようなので、ラブラブな二人をもっと見たくてたまりません。キスできる日はいつ来るのか。
千散さんと牛通堂さんも拗れているようなので、今後が気になります。
新キャラ松枝くんの、針生たちに対する「正統派でかっこいい」評価がいつまで続くのか、そちらも気になります(笑)
春日さんと木菜さんの関係に一応の目途がついた10巻ですが、今後のお話がますます楽しみです。

羅城恋月夜 コミック

朔ヒロ 

心の安らげる場所を見い出す物語

「明烏夢恋唄」が好きなので、繋がったお話を読めて嬉しかったです。明烏の登場人物たちも出てきてくれて、本当に嬉しい。
人間嫌いの陰陽師・紺と鬼の茨木。どちらも本来属する界隈から見ると、異質や異端と呼ばれてしまう性質ですが、そんな二人が出会うことで前へ進むきっかけになり、癒しや居場所を見い出したことにとても感動しました。
紺も茨木も自身の目的のために交流を深めていく中で、お互いの優しさや温もりに触れ、次第に惹かれ合っていく様子があたたかいです。
紺がとにかくあたたかい。心があたたかい。本人は薄情だと自負し、ある側から見れば薄情なのかもしれませんが、もう一方から見ればそうではない。どの視点から見るか、どこに重きを置くか、に依るのだと思いますが、紺が大切にしようとする視点には共感しました。ひたすらに「護る術」を磨いた紺、素敵です。
茨木はひたすらに大切な存在である酒呑童子の角を求める余り、追い詰められて極端な考えに陥っていましたが、他者への思い遣りの心は失っていなかった。瓦楽ちゃんの世話をし、翠蓮を逃がしたように。それでも、自責の念や諦観から、心の温もりとは程遠かった。
茨木の頼みを紺が承諾する形で始まった二人の関係は、思いの外、優しく柔らかく、幸せまで感じました。それはおそらく、お互いに対して尊敬・尊重する気持ちがあるからだと思います。お互いに自身のことを薄情だ、優しくない、と評する二人が交わす言葉は優しかったです。
陰陽師という存在、鬼や妖怪という存在、それらの設定もしっかりしていて、納得しながら世界観に浸れました。元々、そういう分野も好きなので、酒呑童子や茨木童子の名前にもわくわくしました。
三年後、紺の気持ちが変わっていなければ、「悪い子は鬼が攫う」宣言をする茨木がかっこよかったです!再会する二人やその後をとても見たいです!あとがきによると、続編が決定しているとのことで、楽しみにしています!