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アドバンスドレビューアー

女性ちゅんちゅんさん

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ステルス溺愛


近衛騎士で伯爵の番ギルベルト(攻め)を持つ伯爵夫人ユーリス(受け)は、王太子ルードヴィヒの新たな婚約者アデルの教育係に任命されます。
後ろ盾を持たず、王室始まって以来のオメガの王太子妃となるアデルを守るため厳戒態勢の離宮に通いアデルの教育をするのですが、アデルを婚約者から追い落とす策謀渦巻く中、ユーリスも巻き込まれてしまうのです。



王太子の婚約者は本来オメガの公爵令息であったのに、魔法学園の卒業式の断罪劇の後アデルに交代になりました。
ほとんどユーリス視点であり、10も年下の王太子の断罪劇の詳細がわからないままユーリスはアデルの教育を進めていくのです。
が、優秀であっても平民のアデルと、同じく優秀であっても傲慢な取り巻き高位令息アロイスたちを見てると、よくある断罪返しされる話なのではと思いながら読んでました。
悪い人じゃないけど、将来国を背負って立つ人たちが全員こんなで大丈夫?と思ってしまいます。
一番ダメなのはぼんくら取り巻き令息たち。
アデルのために厳戒態勢で隔離してるのにわざわざ醜聞を作るお手伝いをし、瑕疵を少しでも軽くしようと頑張るユーリスを威圧する愚かさ。
その後謝罪したけど、それは威圧を使ったことに対してであって、それよりもダメだった理由はちゃんと聞いたのだろうか。将来が不安です。

また不思議なのはアデルは王太子の婚約者になるにあたってなぜどこの養子にもならないまま婚約者になったのだろうか
普通は高位貴族に養子になって後ろ盾を持ってから入るよね。

そして、若者たちの態度。
本来なら侯爵子息と伯爵では、伯爵の方が地位が高いはず。伯爵夫人も同様。なのに彼らの態度のデカさは何なのか。

オメガの地位が著しく低い国とあって、伯爵夫人といえどずっと悪意に晒されています。
ただ、オメガの地位が低いとしても、伯爵の番に対して魔法局の強姦未遂はどう考えても粛清ものでしょ。
容疑の段階で、容疑者を強姦しようとしたクソ魔法使いどもに地獄を見せて欲しいものです。


読んでて、この乙女ゲームのその後と思われる若者たちの行動が気になって気になって。
そもそも論になるけど、王太子が平民オメガのアデルと親しくなったことが始まりで、
せめてアデルといる時は婚約者も共にいればこんなことにはならからなかったのではという思いが何度も蘇ってきて、黒幕のことが気になるのと同じように、王太子がおかしいと思ってしまう。

主人公たちは両片思いなのではないかなと思うのですが、この本ではまださりげなくの執着しか見せてません。この二人だけを見ていれば興味深いのですが、その他の要素に納得いかないことが多すぎて、全く楽しめません。
そして話のほとんどが子供達絡みなので2人の話が全然なくて。
神評価ばかりのところ申し訳ないのですが、この巻だけではしゅみじゃない寄りの中立です。
下巻に期待します。

異世界転生、でもいきなり困難直面




森で隠れ住んでいた猫獣人ノエル(受け)はならず者に襲われ逃げた先で魔獣に襲われ倒れていたところを、第3皇子で冒険者のシリウス(攻め)に助けられます。
ノエルは森で暮らしていたので知識は多いのに自己評価が酷く低い、シリウスはそれを不審に思います。それは田舎では獣人差別が酷いからでした。
皇都に連れてこられたノエルでしたが、獣人の行方不明者が多発していることが判明し、ノエルはそれに巻き込まれてしまうのです。


ノエルは森に捨てられていた獣人で、老夫婦に拾われて育てられました。獣人は差別されて酷い目に遭うからと森の外には出て行かないようにと言い含められていました。
シリウスに助けられた時に、前世の記憶が蘇り、精霊が視えることで気味悪がられていたこと、幼馴染の後ろにいつもいたことなどを思い出します。
前世は今世よりもずっと進んだ世界なので、皇城に連れて行かれ仕事を与えられた時もその知識で周りから重宝されますが、自己評価が低すぎてそれを素直に受け取れません。

獣人の誘拐事件、シリウスの婚約者候補(事件の首謀者絡みで泳がせるため)、前世の幼馴染との再会などが絡み合い、不穏な空気がずっと
続きます。

シリウスは獣魔使いで、フェンリルのザフィリスと火喰い鳥のリリーネ、途中で助けた白龍のテトがノエルの心身に安寧を与えてくれます。ザフィリスは兄のようにリリーネは姉のようにテトは弟のように。
彼らは危ないところを助けてくれたり、ほのぼのした交流だったりとても楽しかったです。
特に猫の姿になれるノエルが何度もザフィリスに子猫よろしく運ばれていくシーンは想像するだに可愛くて大好きです。

腹黒なシリウスの兄の策略もなかなか楽しく、ノエルはまぁある大変な目に遭いますが、為政者はこれくらいのしないとなと納得でした。
シリウスの家族や親友夫婦など、ノエルに好意的な人ばかりで本当によかった。
これからも大変なことはあるだろうけど、幸せになって欲しいものです。

ただ、獣人誘拐の首謀者は捕まりましたが、奴隷にされ隣国に売られた彼らはちゃんと返してもらえたのでしょうか。そのあたりは書かれていなかったのでちょっと気になりました。

ノエルは精霊の愛し子でしたが、第3皇子妃になるなら、前世の知識を利用したものを普及させるのもいいですが、精霊について研究するのはどうでしょうか。
精霊が視えるひとか稀にいるらしいし(シリウスの親友然り)彼らを保護できたらいいなと思いました。

本当に欲しいものとは




不動産営業マンのライバルからの恋人

安達友琉(受け)は支店で営業トップの成績を誇る入社3年目の不動産営業マンです。
実は、この成績ズルして取っているもので、相手の考えが読めるという能力を偶然手に入れることができ、それを駆使して成績を維持しています。
仕事は金を稼ぐ手段でしかなく、そのために営業成績を上げたいと考えてきた友琉に取って、この能力がなくなったらどうしようといつも不安に思っています。
そんなある日、能力も使っていないのにいつも成績の良い同期の久慈(攻め)から相談を受け、そのことをきっかけに親しくなり、告白されます。
なぜかその日から能力がなくなり、友琉はパニックに。


友琉は元々ゲイで、家族に馴染めず、友人にもカミングアウトしてしまってからうまく行かなくなり、恋人は依存してしまったため破局し、ずっと孤独でした。そのため、信用できるのは自分とお金だけという価値観になっています。
それなのに仕事がうまく行かず、やけになっている時に、読心術を手に入れるのです。
本当に欲しいものが手に入ったら、この能力は消えると言われていましたが、実際消えてしまったのに、何を手に入れたのかわかりません。
友琉が本当に欲しかったものは何なのか。
それに気づくまでのお話。

久慈は本当にこの仕事に向いてる強メンタルの持ち主です。
友琉はとことん真面目なところが良いところですが、そんなところを久慈はちゃんと見てくれていて、初めてわかってくれる人でした。
営業成績1位の友琉のことが好きなのだろうと勝手に思って、一位じゃなくなったらダメなのかとなかなか素直になれない友琉が、色々あってやっと自分が欲しかったものに気づいた時は、本当に良かったと思いました。
今までの分も幸せになって欲しいです。
きっとこれからも営業成績を二人で争うんでしょうね。
二人で切磋琢磨して、営業所のトップへと上り詰めて欲しいものです。

あと、上にいるだけで調子が良いだけのように見えていた上司が意外とちゃんとしてることが嬉しかったです。

虐げられた末王子のクロニクル


竜族と虐げられた王子


現王の末子で誰からも顧みられないウルド(受け)はすぐ上の双子の兄二人によって人が入ってはいけない神秘の森に捨てられてしまいます。何とか生き延びようとしたウルドを助けてくれたのは、森の民竜人のサウィン(攻め)。
1000年以上生きるサウィンは森の民きっての変わり者で、今は木の家に飽きて土の家を作ろうとしているところでした。
手負の獣のように警戒心丸出しのウルドを手当てし、根気よく手懐けて少しづつ仲良くなっていくのですが、ある日城から迎えがきてしまいます。
たくさんいた兄王子たちが疫病で死に絶え、父王もまた病で倒れたと。
勝手なことをいう使いに対して、腹を立てるウルドでしたが、意外やサウィンは家があるなら帰ったら?と軽く言ってきます。
家族だと思っていたサウィンに軽く言われてショックを受けたウルドは城へ帰っていくのです。勉強もしていないのにすぐに即位し、年若いと舐められ隣国から攻められ、絶体絶命の時にサウィンが現れるのです。

竜人であるサウィンの考えかたは人と違う上、長寿なので時間感覚も人と違います。送り出したウルドに対しては単に家があるなら帰ってまたきたらいいと思ってるし、4.5年なんて些細な時間なので、隣人の竜人が様子を見にこなければウルドが死んだことも気が付かないままずーっと待ってたと思うとゾッとします。

時間の感覚が長いので、出会いは11歳で、連れて行かれて気がついたら21歳、国の整理でまた10年、それから二人の最期とほぼウルドの一生を見る形になります。
30歳過ぎまで、二人でいた数年以外はずっとしんどいウルド。
やっと二人だけの時間を持つことができて、今までの分も幸せになって本当によかった。
ただ、二人は種族が違うので寿命によって分たれしまうのが本当に辛くて、最後の最後に幸せになりそうな気配にほっとしました。
そこからを書くと蛇足になるだろうから、ここで終わらせて後は想像っていうのもいい終わり方だと思いました。

それにしても、森を焼こうとしたという理由で、神罰っぽくサウィン竜が2国に制裁を加えるときの時の口上の適当なこと。
竜は本当に人とは違うんだなと特に思った瞬間でした。ウルドを助けるために敵国を焼くのではなく、両方ともほぼ皆殺し。読んでてショックでした。
それでもウルドは自分を助けるためにしてくれたと恨みも何もないけれど、きっと国民は恨んだだろうなと。


気に入らないからと言って、弟を二人がかりで殴る蹴るに加えて、ナイフで切り刻むような外道な兄たちと放置したその他の王族たち。ウルドは、どうでもいいと思ってるだろうけど、国の後処理も全部押し付けてとっとと全員死ぬなんて、最後まで迷惑な家族たちでした。あれらに制裁はないなんて。それだけが納得いきませんでした。あの世で酷い目にあってるといい。

再会した高校の同級生の食生活改善




千秋(受け)は不動産屋の営業として着々と成績を重ねてきた今日この頃、何か足りない思いに囚われ、人生の迷子になっています。
そんなとき、偶然本屋で高校の同級生友光(攻め)と再会します。
料理人の友光は勤めていた店を辞め、今はぎっくり腰で店に出られない叔父の店をやっているという。
不動産屋の性でつい独立するなら物件紹介するという話になり、どういう店を開きたいかと聞くと「偏食家のためのレストラン」を開きたいと。
とりあえず、千秋をサンプルとして料理を作らせて欲しいと頼まれ、休みの日に料理を作ってもらうことになるるのです。


タイトルから主人公がすごい好き嫌いが多い食に関してわがままな人なのかと思ったら、栄養を摂るために食事するタイプでした。でも、サプリで栄養を補うタイプじゃないところがまだ救いがあるかなーと思いながら読んでいました。

友光のカウンセリングにより、食事を楽しむとか、自分の体がいま何を必要としているのかを問いかけることとかを学んでいくうちに、友光に対して好意を持っていくのです。

千秋がこんな食生活になってしまったのは、母親と祖母の影響です。
が、二人に悪気はなく「たくさん食べて大きくおなり」という考えの祖母によって高カロリーなものを食べすぎたせいで、肥満体になってしまい、それを当時好きだった人に指摘されたことがきっかけです。

そもそもの話、中学の制服採寸の時まで太り過ぎってことに気が付かないのはおかしいですね。
小学校の間は学期ごとに身体測定があって、身長体重肥満度が家庭に送られるはず。看護師だった母親がそれに気が付かないなんてありえない。
仕事で忙しかった時ならいざ知らず、再婚後は専業主婦で祖母と二人で家事を回してるなら余裕あるはず。
結局母親が悪いんだろうなってことですが、肥満体になったことで母親や祖母とギクシャクしてしまい、頑張ってダイエットした結果、リバウンドが怖くて栄養素のことしか考えられない食事をする生活に終始する、違う意味で寂しい食生活をすることになってしまった千秋が、食事の楽しさを自覚し、母と祖母と和解できて本当に良かった。

これからは料理人がすぐそばにいてくれるし、大丈夫ですね。
いつか、友光のお店を千秋がプロデュースする日が来るのかな。

食事は大事だと痛感するお話でした。

じゃがいもの軍旗




神に愛されたはずの者たちを利用する屑を倒すための戦い

流血の神子。その血液は万人な怪我や病を完全回復させる権能を神より与えられた者。
アスター(受け)は久しぶりに出た神子だった。
本来なら教団に保護されるはずだった。
が、時の王によって教団からさらわれ、戦争の道具として酷使される。
神子の力によって不死の軍隊となった軍によって他国への侵略を繰り返し、戦場は地獄となる。兵士は死になくても死ねず、流血の神子を「悪魔」「化け物」と呼ぶ。


長い戦場生活により心を無くしたアスターは、唯一の救いだった母の死を知ったショックで権能を無くしてしまい、王によって二度と出られない監獄へと送られてしまいます。
戦場は地獄だったけどここは温かいものが食べられるだけでも天国だと思ったアスターは少しでも生きやすいよう、やさぐれでしまっていた他の囚人だちを先導していくのです。

アスターは戦場しか知らないため情緒が死んでいて、読んでいて本当に辛い。
自分を不幸だと思ったことがないと、それこそが不幸なのに。

戦場に比べたらご飯が食べられる監獄は天国だと思ったけど、ここはここでやはり地獄。
怪我を治して欲しい監獄の人、死なせてほしいのに死ねない戦場の人、どちらも地獄。
血液に権能があるといことは常に自分を傷つけなければならず、常に痛みと共にあるため自分が傷つくことに躊躇がない。傷ついても痛みはあるがすぐ治るから。自分の身体を大事にすることを慮外するアスターが可哀想でなりません。
監獄での取りまとめはカリスマを持つ火傷跡があってもわかる美貌の持ち主エル(攻め)。
読んでいて彼の出自は察せられるんだけど、このエルがアスターに出会った時から何故かものすごく構ってきます。
他の皆が驚いて体調が悪いのではないかと勘ぐるくらい。
アスターは戦場でも血を抜かれるだけでまっったく大事にされたこともなく友人もいなかったことから、人との距離感がわからないので、エルは世話好きなんだなーくらいで全部受け入れてしまうから、ちょうどいい感じにアスターにぞっこんなエルに世話を焼かれるアスターという構図が出来上がります。
監獄に送られた中には、宰相のバウンスに、元騎士団長のヘクトル、発明王のルーク、頭脳明晰なセドリックと優秀すぎて王にうとまれた人物がおり、彼らといかに生活しやすくするかと楽しくやっている姿はとても監獄の中とは思えません。
それでも、そんな日は長く続かなくて、彼らは自身の平穏のために立ち上がります。

それにしても、じゃがいもが軍旗だなんて、想像すると笑えます。

アスターは最後まで屑野郎と連呼していた愚王。あの男のやったことはあまりに酷いので死という安寧を与える終わり方なのはちょっと納得いきませんが、きっと死んでも神にお仕置きされていると信じよう。


そして、読んでる時からもしかしてと思ってたらあの2人はやっぱりデキてた。
最後に明かされてやっぱりーと思うのは楽しかったです。

お母さんだけがいればよくて、いなくなったこの国なんてどうでもいいと思ってたアスターが守りたい大好きな人がたくさんでき、自分の権能を使ってでも助けたいと思えるくらいになって良かったです。
でも、アスターは本当になーんにも知らないのでエルは結構な地獄だったでしょうね。
自慰も知らないんだから。エルの気持ちを考えるとちょっと笑えます。

中興の祖としてきっと長く語り継がれるのでしょう。

良いお話でした。

自分に好きは捨てない




大手紳士服販売店の社長令息で子会社のレディースブランドの社長をしている光毅(受け)は秘密の二重生活をしています。
かわいいものが大好きで愛でたい、それを他人が見てもおかしくないように女装をしてミツキと名乗り、自慢の可愛いものの動画を上げたり、自社ブランドのモデルをしたり。
社長として、モデルとして大変なりに充実した毎日の光毅はカメラマンの稲見(攻め)と食事を介して親しくなっていくのですが、バレないためには片方の姿でだけ付き合っていけば良いと思いながらも、稲見との付き合いが楽しい光毅はついついそんな戒めを忘れてどちらの姿でも付き合いを続けてしまうのです。


タイトルから、カメラマンの稲見は女装だと看破したのと同じタイミングで光毅とミツキが同一人物だと早々に分かったのかと思ってたけど、そんなことはなく、どちらとも食事をしたり話をしたりするうちに気づいたという。読んでる時はバレてるのか?と思いながら読んでいましたが、あれくらい何度も両方の姿で会ってたら聡い人は気づくかなってくらいの自然さでした。

好きだった親友にぬいぐるみを抱きしめているところを見られ、「気持ち悪い」と言われたから、可愛いものを愛でていてもおかしくない格好すればいいという、光毅の斜め上の解釈が好きです。
自分が好きなものを諦めるという選択肢に行かないところがいいですね。
そして家族も偏見のないのも素敵。
ただ、偏見なさすぎて可愛い物好きだから、心は女の子なのねと勝手に解釈してたのにはちょっと驚き。
だからこそ女装してるのを家族に言えなかったという(女子になりたいとまた勘違いされるかも)弊害もありましたが、全てを知ったみんなの反応もとてもよく、特にちょっとのほほんとしてる母に育ちの良さを感じて、こういう家族だからいい感じに育ったのかなと思いました。

稲見にだけは二重生活のことがばれ、素を晒せる相手ができて楽になったところで、ちょっとした事件がおきます。
普通なら大して有名でないミツキの暴露記事が出たところで大したダメージはないのですが、自社製品のモデルをしてることから、ブランドのイメージダウンになりかねない事態に、覚悟を決める時が。

ただ、結果オーライだったとはいえ、漏れたらブランドイメージを損なうような内容をリークする形になったこのデザイナーはお咎めないのかなと思いました。
悪い人じゃないとはいえ、納得いかないなーと思いました。完全誤解だし、光毅のことを尊敬してるからこその暴走なんだけども、社会人としてどーなんだ。



光毅がちょっとしんどい二重生活を送っていたところから、諦めていた恋人ができ、ミツキとしての自分をどう付き合っていくかの指標も見えるところまでの成長がとても楽しく読みました。
自分でも言ってたけど、光毅は周りに恵まれていますよね。それも光毅の人柄にもよるのでもあるので、ただの運というのではないところもまた良いと思いました。

光毅に女装させるきっかけを作った悪気ないところが悪い親友野郎は、後書きで作者様のおっしゃる通りになったら面白いですね。
スピンオフ楽しみにしています。

人たらし


軍神の伴侶になった空き巣


空き巣に入った家ごと異世界へ落ちた安達(受け)。
国の老害公爵が王位簒奪のため召喚したのは安達が空き巣に入った家にいた少女の二階堂唯子で、安達はついで。
争いに巻き込まれないように二人が保護されたのはこの国の軍神アダマス(攻め)の城でした。
元の場所に戻すためには儀式に使った宝剣が必要とあって、盗むのが得意な安達が請け負うことになります。盗みに入るのは半年後の満月の夜。


これだけの人たらしなかなかいません。
あっちこっちで歩いては好感度を上げて帰ってくる。人生楽勝だろうと思って読んでましてが、安達の心はとっくに折れてて、それとは見えないけど自暴自棄になっていたようです。

召喚されてから、短剣を盗み、帰還するまでの話なのですが、その半年の安達がなかなかの自由人で最初は反発していたアダマスが振り回されて落とされ、国王まで出てきて二人で安達の取り合いが始まるのには笑えました。

宝剣をとってくるのはドキドキしましたが、それほど苦労しなかったのに、唯子を還す時にたくさんの葛藤がありました。
唯子の反応に読んでて違和感があったんです。
地震に津波と聞いて連想するのが北海道とか、ガラケーという言葉を知らないとか、安達と同じように、そういうことかーと思いながら読みました。
頑張ってきた安達の心が折れた致命傷。
安達の決断は本当に葛藤したと思うけど、前を向いていくことを決められて本当に良かった。

話はめでたしめでたしで終わりましたが、
結局召喚した唯子を持っていかれた老害公爵とのことはどうなったのかな。全く触れられてなかったので気になりました。
二人が伴侶になってからは、人外のものたちとの契約とかに振り回されてる国王とアダマスたちの話ってかんじで、ストーリー上にはちらっとしか話が出なかったので、人以外の魔法使いってどんな?とか湖の主人とかその他の契約って何なの?とか、どちらかといえば国同士の争いよりそっちのがだいじ?
鍵を盗むのと元の世界に戻るというのが最大ミッションだったおかけがでこの世界のことがよくわからないままだったのでそれがちょっと残念でしたね。
でも、安達が過去を消化することができたのは良かったです。これからはちゃんと生きて欲しいですね。

シリーズ3作目



邪悪の根源と対峙

完全続きの今作、日秋(受け)と烈(攻め)の人生を変えた事件の黒幕との対決には手に汗握りました。

黒幕を捕まえて罪を暴き、烈に無罪放免になって大手を振って生きてほしい日秋と日秋だけがいればよくて日秋を囲ってしまいたい烈との間にすれ違いが起き、両思いでラブラブなのに両片想いみたいになってるも、結局2人の絆が深まった事でめでたしだし。
ハラハラドキドキしましたが、大団円でした。
ストーリー展開がとても面白かったです。
絡みが邪魔だと思ってしまうくらい。もっと話を読みたいと。


超優秀なためあちこちに嫉妬に駆られる人間をを量産するある意味この話の元凶の一つにもなったナチュラルボーン傲慢なバルタザールの言動には笑わされました。
そして、烈みたいに人造処理されてないのにあの攻撃を1人で耐え切るのが凄い。
彼はこれからも世界をおおらかに生きていくのでしょうね。

偶然か運命か



会社員のアルファに見出されたベータだと思ってたオメガの大学生の話


大学生の圭斗(受け)はゼミで一緒に課題に取り組むことになったオメガの同級生ノゾムと喫茶店にいたところ、アルファの会社員香倉(攻め)に声をかけられます。
てっきりノゾム目当てだと思ったのに、香倉の目当ては圭斗。
ベータの圭斗は驚きますが、ノゾムに言われ再検査をしたところ、発達の遅れていたオメガだとわかります。
漠然とした将来像すら全く変えてしまう衝撃の判定に動揺するのです。


圭斗はベータ判定されていたオメガだったので、オメガのことを一般的に知られていることしか知りません。
その為だいぶ危機感の薄いオメガになっています。
今までの価値観が反転してしまう、オメガ判定。
周りの反応も然り、これからの生き方然り。
それを心配していろいろ相談に乗ってくれるのが元々オメガとして有名だった友人のノゾム。
ぽやぽやした圭斗を叱咤激励したり、密かに調べてくれたり、本当にいい人と友人でした。
それもこれも圭斗の人柄あってのこと。
元々ベータだった頃から、差別されるノゾムをさりげなくフォローしていたことにノゾムが気づいていだこともあったからこそ、あんなに親身になってくれていたのです。
まさに情けは人の為ならずでしたね。

お相手の香倉は社会人なので大人な対応をしてくれていて、オメガになりたてなこともあり、なかなかつがいになる決心のつかない圭斗を辛抱強くまってくれます。
巻末のSSでの神楽視点の話では、こんな具合で良くまああんなに大人ぶった対応ができていたもんだと感心するくらいには、アルファらしいアルファでした。きっと、転職先でも頭角を表していくんだろうな。

WEB掲載の作品を加筆修正したお話で、掲載当時から読んでいて、楽しみにしていました。
また、WEBでの出版記念のSSも読ませていただきました。

もう少し彼らのこの先を読みたいですね。

番に振り回される優秀なアルファの姿はとても楽しいですね。

圭斗にとって26歳ってとても大人に見えるんでしょうが、そんなに大人じゃないんですよね。それに気がつくのは何年後でしょうか。