王家直系にのみ現れる特殊能力が発現しないため軟禁され世間的には死亡扱いになっている第2王子アシェル(受け)。
双子の兄で王太子エイダンが隣国の王弟にした非道な行為の謝罪のため、エイダンとして身代わりを務めることになります。
謝る気がさらさらないエイダンはアシェルが隣国で殺されればそれを口実に攻め込もうと策謀しています。
随行したエイダンの腹心に殺されたアシェルは気がついたら、隣国へ行くようにと国王たちから要請される時間に戻っていました。これがアシェルの能力でした。
殺されるために隣国へ行かされることを1回目で知ったアシェルは、回避しようと試みます。
3回目でやっと隣国の王ライアン(攻め)に説明することができ、エイダンたちの企みを阻止しようと協力関係を結ぶのです。
死に戻ることでエイダンたちの策略を予め知ることができ対策をとれるのは大きなアドバンテージではあるのですが、死ぬための痛みや記憶は保持したままなのでアシェルにとって大変な負担です。
虐げられることに慣れているアシェルがそれを苦にしてないのが本当に辛いです。
1回目と2回目は謝罪に行ったアシェルは、仕返しとして、隣国の王弟がされたことと同じことをされます。獣のように追い立てられ大人数の騎士たちに陵辱され、丸一日放置され、その後側近に殺されるのです。
レイプは地雷なので薄目で読みました。
ただ、謝罪に来た隣国の王太子を同じ目に合わせるのはおかしいのでは?
戦争を避けるために謝罪で終わらせることにしたのはライアンなのに、それをしてしまったら、やっぱり戦争の口実になってしまうのに。
ここだけはどうも納得いきませんでした。
そして、こんな酷い目に2回もあったというのに、ライアンに対してなんのトラウマも感じてないところも、そんなとあるだろうかと思ってしました。
死に戻った先のライアンは自分に酷いことをしたライアンとは違うけど、でも感情はそう簡単にはいかないと思うのですが。
アシェルの芯の強さなのでしょうか。
後ろから何度も強姦されたのに、二人が恋人になり後ろから挿れられれてもフラッシュバックしないのかと驚きました。
拒否反応出てもおかしくないと思うんだけど。
そして、双子のエイダンとアシェル。
見た目も声もそっくりということですが、イラスト見てて、あんな非道なことをこの顔でしたと言われても全く想像できなくて困りました(笑)
帝国の皇太子ノアの協力もあり、父王とエイダンを捕えることができましたか、彼らの処遇はどうなったのでしょうか。
どっかの塔に幽閉か、処刑か、毒杯か。
物語の主人公は決まって緩いので幽閉だろうか。
アシェルが幸せになりそうで良かったけど、なんともモヤモヤの残る話でした
祖父の家に避難したWEBデザイナーと蕎麦屋店主
顧客トラブルで祖父宅に避難していたシノ(受け)。
と思ったら、祖父が突然3ヶ月の豪華客船ヨーロッパの旅に行ってしまい、祖父の畑とわさび田の面倒を任されてしまいます。
そんな時、祖父のわさびを直接購入したいという蕎麦屋店主の賢悟(攻め)が訪ねてくるのです。
賢悟はわさびを買いにくるついでに畑の面倒も手伝ってくれたりとてもいい青年です。
賢悟の蕎麦屋に蕎麦を食べに行ったり、蕎麦屋を繁盛させるべくWEBサイトを作ったり、店を手伝ったりとどんどん親しくなり、どんどん惹かれていって‥
シノは職人とか仕事に邁進する男が好きで、蕎麦に真摯に向き合う賢悟にも早々に好感を持ちます。
が、相手がノンケだろうと思われるため、実らない恋はしたくないと距離を取ろうとするのですが、でもついうっかり蕎麦を食べにいってしまって、反省して、でもまた2日もすると蕎麦を食べに行ってしまうというようなことをしています。
賢悟の知り合いに明らかにカタギとは違う空気を醸し出す3人組が登場し、そのスジの人と付き合うなら今までの人たちと縁を切らねばならないからやっぱりこれ以上親しくならないようにしようと思ったり、感情が行ったり来たりしています。
こう書くとウジウジした鬱陶しい感じに見えますが、全然そんなことはなく、シノはさっぱりとした気持ちのいい人なので、読んでいても迷走してるなーと微笑ましく思えました。
この3人組の話す言葉がカタギじゃない感じがすごいのです。
「おつとめ」という言葉で私が思いつくのは違うやつなんだけどシノはそのスジの人のやつだと思ってしまうのですよね。
元々こちらに避難してきた理由が半グレ絡みで、その上祖父が旅行にいってしまったのも地上げ屋(詐欺)に関わって手を骨折して畑仕事ができなくなったせいだし、想像がそちらに行きがちだったのもあり、思い込みとはなんとも怖いものです。
期間としてはひと月ほどの出来事ですが、二人がスローライフの中で仲を深めていくのんびりしたお話のように感じました。
たまたまが重なったところに初恋の人に出会うなんて運命ですね。
とても楽しいお話でした
外科医でアライグマ獣人の璃玖(受け)は永らく連絡してなかった幼馴染の悠馬(攻め)が事故で自身の勤める病院に入院していることを知ります。
押さえ込んでいた初恋が顔を出し、入院してる時だけでもと会いに行きます。
そんな時、モンスターペイシェント化していてた元患者の呉井が璃玖の家を特定し、病院だけでなく家にまでくるようになったことに怯えた璃玖を心配した悠馬に同居を提案されます。
優しくしてくれる悠馬に押し込んでいた初恋に火がついてしまいます。
「新人外科医は白獅子に求愛される」の受け様・雪野の同期の璃玖のお話。あのお話から1年ほど経っています。
前作を読んでると楽しみが増えますが、読んでなくても大丈夫なお話になっています。
前作で雪野が同期が早くもオペを任され獣人の能力を羨んでいたと記憶していますが、彼は彼で悩みがあったようですね。
璃玖は非常に臆病で、念には念を、慎重に慎重を重ねてことをなすので、手術の腕は優秀なのに自信が持てず周りに失望されてるのではとビクビクしてします。
二人が両想いとわかって恋人になってからも、悠馬や周りにどう思われるかといったようなことばかり気にして、ギクシャクしてしまうのがとてももどかしいです。
全般そんな態度なので、呉井にいちゃもんをつけられるようなことになったのではないかと思います。
でも、彼はやりすぎ。
璃玖にトラウマを植え付けた代償は払わせてもいと思う。社会的に処されなかったんだから、大事にしてる娘さんにチクるぐらいしてもいいんじゃないかしら。
そして、悠馬とのことを相談した時とかに出る雪野の惚気が前作を思い出して楽しかったです。
息してるだけで愛しいって何?溺愛がすぎる。
璃玖はウジウジ鬱々としていてちょっとイラッとする時もありましたが、昔から自信を持たそうと頑張ってきた悠馬の粘着度いうべき努力のおかげで無事自信をつけることができますました。優秀な外科医になりそうです
ブラックな環境で働き続ける神様とSE
ブラック企業の社畜な巴(受け)はエナジードリンクを飲んでる最中、異世界に飛ばされてしまいます。
喚んだのはこの世界の五行の神のひと柱、金を司るグンロン(攻め)。
彼は世界の綻びを繕い続けるプラックな環境で疲れ果てていた神でした。
元気が出るものをと喚びだしたもの(おそらく持っていたエナドリ)は溢れて役に立たたなかったけど、間違えて(後からそうでもなかったことが判明)一緒に連れてきてしまった巴に不自由ない暮らしを提供することにしました。
昔から土に触ることが大好きな巴はすっかり体調も良くなり、家事に精を出し、庭に畑を作って野菜を量産し美味しいご飯を作ってグンロンを元気にしていきます。
そうすると他の3柱もやってきて疲れてる彼らをも元気にするのです。
「異世界はエナジードリンクと共に」
なんとなく聞いたことのある題名のキャッチフレーズが思い浮かびました。
巴はあんなに土が大好きなのに、なんで東京で就職したのかと疑問ではあるのですが、異世界で得意の農業で皆を元気にするのです。
この世界は全てが獣人で、獣の姿を持っています。
巴もこちらの世界に来る時になんらかの獣性を与えられたはずというので、引き出してもらった姿はもぐら。
巴が作る野菜は神に力を与える特別なものなので、もぐらというのも納得です。
このモグラがめっちゃ可愛い。
いまこの世界では五行のうち土だけが身罷ったまま現れていないので、土さえあらわれれば、また安定した世になるだろうと、待ち望まれています。
巴のおかげで皆が安定してきたところで、もしかしてとなるのですが、巴を喚び出したグンロンだけは元の世界に返さねばと思い、それを知った巴は嘆くのです。
神は恋愛などしない世界なので、二人がくっつくことはないのかと思われましたが、この世界に変化をと天帝に望まれて生まれてきたのが巴なので、神に新しい心すら与えてしまいます。
巴の夢に神の子が生まれる予感もあるし、これからこの世界がどのように変わっていくのか楽しみですね。
結婚式直前で自我を取り戻した元化けタヌキの奮闘記
化けタヌキだったジローは交通事故から人々を守ろうと神通力を使い果たした結果、BL世界の子爵家の末っ子ジル(受け)に転生しました。気がついた時には結婚式の直前。
なぜか新郎のアシュリー(攻め)には憎悪の感情をむき出しにされています。訳がわからないジルですが、そこで神(前世の飼い主フトシ君)からの通信が入ります。
事情を説明してもらってもどうすることもできず、そのまま結婚式は続行。
かろうじて式だけ終わらせて、初夜も何もかもスルーで放置されてしまうのです。
フトシ君のように家族をつくって幸せになりたいジローもといジルは幸せになれるのでしょうがか。
ぶっ飛んだ始まりでしたが面白かったです。
面白いのがこの主人公ジル。元タヌキって言っても100年近く生きた化け狸なんですよね。
読み始めた時は、昭和1桁生まれってタヌキがそんなに生きられる訳ないじゃんって思ってたら化けタヌキってなってめちゃ笑いました。
でも大変だけどとても幸せなタヌキ生だったんですね。
目標はフトシくんところみたいな家族を作ることなのですから。
さて、フトシ君が神にまでなってジローを転生させましたが、まだ未熟な神故上手くいかず、自我が出てくるまで20年以上かかってしまい、その間にジルの器に浮遊霊を取り憑かせて凌いでいました。その結果素行の悪い青年が出来上がり、最後に憑いていた霊が一目惚れした貧乏侯爵家当主アシュリーを金の力で婚約者から奪い取るという暴挙を果たし、やりたい放題した結果、侯爵家の当主から使用人に至るまで嫌われることになり、そこでジローが目覚めたのです。
可哀想すぎる。
案の定冷遇されまくりのジルですが、神様優遇でタヌキになる力を貰ったおかげで邸内を自由に歩き回り飢えをしのいだり、情報を仕入れたりして、上手く立ち回ります。
三年は離婚できない契約になっているので、三年で金を稼ぎ離婚して本当の家族を作るんだと目標を立てるのです。
本来なら周りの協力なんて望めなかったでしょうが、使用人が1週間放置したことで(水すら用意しなかった)侯爵家皆が弱みを握られる状態となり、ジルの意見を聞いてもらえる空気になったのは僥倖でした。
とはいえ、スピア侯爵家の人々は当主を含めて人がいい。
それまでの悪行がすごかったのに、彼らも悪かったところがちょっとあったとはいえ、そしてジルが頑張ったとはいえ、結構あっさり水に流してくれるのですから。
特に、アシュリーがジルを好いてくれるようになるとは。
前世での会社経営のノウハウを持っていたのは、没落寸前の侯爵家にとっては渡りに船でした。
フトシ君とも人間とタヌキの立場逆転ですがまたいっしょにいられるし、大団円でしたね。
みんな幸せになって良かった。
楽しいお話でした。
αの旦那様はヘタレ野郎でした
王太子ルードヴィヒが卒業祝賀会で婚約者のリリエルを婚約破棄し、新たな婚約者となったアデルの教育係となったユーリス(受け)と護衛騎士になった番で夫のギルベルト(攻め)。
アデルを狙った3件の事件のうち一つに心当たりがあると、卒業した学園へ潜入することになるまでが前巻。
学園へと無事潜入し、少しわかってきたけれど、3件の事件に関連性が見当たらず、黒幕がわからないまま。
そんな中、とうとう黒幕が動きます。
黒幕の策略になってしまうアデルとユーリスのピンチにギルベルトたちは間に合うのでしょうか。
アデルを狙った犯人は誰か
なぜ、リリエルは悪役令息の汚名を被ることにしたのか
ユーリスたちの判断の甘さにイライラしてしまう。アデルはわからないでもない。若い上に自らが優秀な魔法使いだから。
でも、ユーリスはそちら方面の力がないのだから警戒をしておかないといけないのに、簡単に罠にハマってしまうのが、読んでいて歯痒いです。
反対にアロイスは成長しましたね。
アレがなければもっと大変なことになっていたかもしれない。
この話の世界では「運命の番」というものはないようですが、ギルベルトとユーリス、ルーズベルトとアデル、アロイスとリリエルはそういうものだったのではないでしょうか。
いろんな要素が絡んでややこしいことになってしまいましたが、大変だったけどうまくいって良かった。
そして結局この二人のすれ違いの元凶はヘタレなギルベルトでした。
ギルベルトがちゃんと会話できてれば全く問題なかったし、公爵に目をつけられないで済んだし、ユーリスの誤解を助長するような結婚の仕方をする羽目になるし。
ギルベルトの長かったユーリスを想う日々の話を読んでも、全然心打たれない。
お前のせいかーって思ってしまっただけでしたね。
縁談が来なくてユーリスが自分は誰からも縁談が来ないって思い込んだのもギルベルトのせいだし。
それに内緒話は絶対に人に聞かれないところでするべきですね。アレさえなければきっとこんなに拗れなかった。
それに、社交界で冷遇されてるとか不仲とか散々噂されてユーリスが笑われてるのを放置するのもどうかと思う。もしかして知らなかったのか?
ユーリスには誤解されてても、周りには熱愛アピールしておかないから、ユーリスはイジワルされるし軽く観られるのに。
社交に関してはボンクラだったギルベルト。
若い王太子カップルの事件に振り回されて本当に大変だったけど、きっとこれくらいの危機がなければこの二人の誤解は解けなかったと思うと、ほんとしょーがない二人だなとちょっと呆れました。
最後に登場した二人の前の主人で他国に輿入れしたΩの第一王子ヴィルヘルムが前巻のイラストのイメージからかけ離れて逞しくなってるのにびっくり。獅子王の夫を尻に敷いてるのですから。
Ωだからってたおやかで弱々しい訳ではないとアデルやリリエルと共に分らせてくれる存在でしたね。
彼らが歴史を変えたんですから。
読み始めた時は。普通なら王太子ザマァ案件の話かと思っていましたが、ちゃんと優秀な子達で、愚かな王族の話だなくて良かった。
アデルは孤児院出身だけど魔力も超豊富だし、貴族に孕まされたオメガが母なのかもしれませんね。
最後の方までは趣味じゃないにしようかと思うくらい歯痒い思いをしながら読んでいましたが、読了感は大変良かったです。
長いお話が終わってあー良かったと思える話だったと思います。
できれば、ユーリスを強姦未遂したムカつく魔法省の奴らが酷い目にあってるといいんだけど。
この巻はライナルト登場しなかったし、No.2があんなんで、魔法省はどうなったのやら。
事故(犯罪ともいう)で番ってしまった俳優と建築士
一級建築士の灯莉(受け)は高校生の時に当時小学生だったαと咬傷事故(強姦ともいう)にあい、番がいる状態のΩです。
ただ、相手が精通前だったこともあり、中途半端な番持ちΩになってしまっています。
襲われた直後から記憶がなかったこと、特殊事例でβと同じ生活ができること、オメガと違ってαは他に番を作ることができるので襲ってきたαは新しく番を見つけてこちらのことは忘れてしまうだろうことから、βとして生きていこうと思っていたのに、自分を噛んだと思われるα透麻(攻め)が超有名俳優となっていて、自分を探していることを知るのです。
今更Ωになりたくない灯莉と一途に灯莉を求める透麻との攻防戦。
WEB掲載中から読んでいた大好きだった作品が、書籍化されてとても嬉しいです。
私はΩがしんどい話より優秀なαがしんどい話の方を読んでみたいと思う方なので(作者様があとがきで同じような気持ちで書いてくださって嬉しい)とても楽しく切なく透麻頑張れと思いながら読みました。
透麻は小学生の時とは違いとても誠実な男になっていて、事故の加害者とはいえ嫌悪感もほぼなく(強姦は地雷なので基本読めないのですが)、罰のような症状も受け入れてしんどい思いをしてきて、報われて欲しいと思うαでした。
灯莉はΩでも、ヒートがなかったおかげで穏やかな人生を送れたこともあって、優しい人に育っいたし、透麻がグイグイ来ることなく、灯莉のことを尊重したからこそこの結果になったのでしょう。
時々出る優秀なはずのαの変な習性。
お父さんや透麻、透麻の従兄弟が頭が悪くなったのかと思う言動が面白いです。
特に「今履いてるパンツ寄越せ(ちょーだい)」(by父、透麻)には何度読んでもその度に声が出るほど笑う。
ちゃんと番ってからの透麻は大型わんこと化してるのも、普段の俳優してる時とのギャップが凄すぎて楽しいです。
これを知ってるのはつがいの特権ですね。
そして、アレ、宝物にしちゃうんだ。
灯莉も気にしてたけど、確かに衛生的に大丈夫なのかしら?私は速攻捨てましたね。まだスマホがない時代(ガラケーですら持ってる方が珍しい)だから写真もない。
とても楽しいお話でした。
温度差の激しいカップル
ダメ元で告白したらあっさりと付き合うことになった社会人2年目の淳史(受け)。
たまたま恋人枠が空いていたから付き合うことになっただけのため恋人になった綾瀬(攻め)から好かれている実感はないまま早一年。
一年以上もったことがないという綾瀬なのでいつ別れようと言われるかとどきどきしています。
そんなとき、淳史の職場に中途採用の年上の後輩(湯沢)ができます。湯沢に教わることも多く急速に親しくなり、反対に綾瀬とはすれ違いが続きます。
綾瀬が私にとっての地雷男すぎてで読み進めるのをどうしようかと思いました。
温度差のあるカップルなので、矢印は淳史から綾瀬からしかありません。(途中から変わっていっていたとしても見かけ上は)
週末には綾瀬の家に行くけど、淳史が遊びにきても綾瀬は仕事をしたりスイミングに行ったりとセックスする以外は好きなことしてる。淳史はその間掃除したりご飯作ったりストック作ったり映画見たりやはり好きなようにしていて、通い妻かよって感じ。
すれ違いと言っても、今まで綾瀬に合わせていたのが、仕事関係で合わせることが難しくなったってだけ、あくまでも合わせてるのは淳史。
追いかけるのに疲れて身を引いてその存在の大きさに遅まきながら気づいてザマァの後元サヤっていう話を前読んだなーと思いながら読んでました。
それよりは大分マシだったけど、それでもなんでこの人が好きなんだろうと思わないではいられません。
二人が幸せだからいいのかな。
恋人らしいこと何にもしてない。
デートもすることなくて、外出するのは食事だけって恋人なのに寂しすぎる。
誕生日プレゼントは本人望んだとはいえ料理グッズだし。
それを綾瀬の部屋に置くならそれはプレゼントじゃないと思うんだけど。
せめて、それとは別に淳史のためのものも買うとかなんかないのって、どうにもこうにも読んでてネガティブな方向に向いてしまいます。
色々あって、ちゃんと綾瀬が意識して二人で生きていくって流れになったのは良かったと思います。ちゃんと淳史のためのプレゼントも用意できるようになったし。
片方だけの献身では絶対いつか破綻する。
綾瀬が淳史と別れたくなくて勇気を振り絞った時は、あの時恋愛初心者の淳史がどれだけ頑張ったかわかってほんとよかった。
とはいえ、私はこんな男嫌だなー
二人の矢印が同じくらいになってやっとスタート地点に立ちました。
二人の相性は良いようなのでこれから二人で幸せになって欲しいですね。
とはいえ、もっと酷い人間がいたので。
あの時咄嗟に綾瀬を頼り、綾瀬がちゃんとそれに応えられて良かった。あれがなかったら絶許だった。
お話の流れは面白かったけど、綾瀬がもう少し恋人としてちゃんとしてたら良かったんだけど。
すれ違いも常に受け身の綾瀬が動けば防げたことだし。
高評価の中、ネガティブなことばかり書いてしまいました。
近衛騎士で伯爵の番ギルベルト(攻め)を持つ伯爵夫人ユーリス(受け)は、王太子ルードヴィヒの新たな婚約者アデルの教育係に任命されます。
後ろ盾を持たず、王室始まって以来のオメガの王太子妃となるアデルを守るため厳戒態勢の離宮に通いアデルの教育をするのですが、アデルを婚約者から追い落とす策謀渦巻く中、ユーリスも巻き込まれてしまうのです。
王太子の婚約者は本来オメガの公爵令息であったのに、魔法学園の卒業式の断罪劇の後アデルに交代になりました。
ほとんどユーリス視点であり、10も年下の王太子の断罪劇の詳細がわからないままユーリスはアデルの教育を進めていくのです。
が、優秀であっても平民のアデルと、同じく優秀であっても傲慢な取り巻き高位令息アロイスたちを見てると、よくある断罪返しされる話なのではと思いながら読んでました。
悪い人じゃないけど、将来国を背負って立つ人たちが全員こんなで大丈夫?と思ってしまいます。
一番ダメなのはぼんくら取り巻き令息たち。
アデルのために厳戒態勢で隔離してるのにわざわざ醜聞を作るお手伝いをし、瑕疵を少しでも軽くしようと頑張るユーリスを威圧する愚かさ。
その後謝罪したけど、それは威圧を使ったことに対してであって、それよりもダメだった理由はちゃんと聞いたのだろうか。将来が不安です。
また不思議なのはアデルは王太子の婚約者になるにあたってなぜどこの養子にもならないまま婚約者になったのだろうか
普通は高位貴族に養子になって後ろ盾を持ってから入るよね。
そして、若者たちの態度。
本来なら侯爵子息と伯爵では、伯爵の方が地位が高いはず。伯爵夫人も同様。なのに彼らの態度のデカさは何なのか。
オメガの地位が著しく低い国とあって、伯爵夫人といえどずっと悪意に晒されています。
ただ、オメガの地位が低いとしても、伯爵の番に対して魔法局の強姦未遂はどう考えても粛清ものでしょ。
容疑の段階で、容疑者を強姦しようとしたクソ魔法使いどもに地獄を見せて欲しいものです。
読んでて、この乙女ゲームのその後と思われる若者たちの行動が気になって気になって。
そもそも論になるけど、王太子が平民オメガのアデルと親しくなったことが始まりで、
せめてアデルといる時は婚約者も共にいればこんなことにはならからなかったのではという思いが何度も蘇ってきて、黒幕のことが気になるのと同じように、王太子がおかしいと思ってしまう。
主人公たちは両片思いなのではないかなと思うのですが、この本ではまださりげなくの執着しか見せてません。この二人だけを見ていれば興味深いのですが、その他の要素に納得いかないことが多すぎて、全く楽しめません。
そして話のほとんどが子供達絡みなので2人の話が全然なくて。
神評価ばかりのところ申し訳ないのですが、この巻だけではしゅみじゃない寄りの中立です。
下巻に期待します。
森で隠れ住んでいた猫獣人ノエル(受け)はならず者に襲われ逃げた先で魔獣に襲われ倒れていたところを、第3皇子で冒険者のシリウス(攻め)に助けられます。
ノエルは森で暮らしていたので知識は多いのに自己評価が酷く低い、シリウスはそれを不審に思います。それは田舎では獣人差別が酷いからでした。
皇都に連れてこられたノエルでしたが、獣人の行方不明者が多発していることが判明し、ノエルはそれに巻き込まれてしまうのです。
ノエルは森に捨てられていた獣人で、老夫婦に拾われて育てられました。獣人は差別されて酷い目に遭うからと森の外には出て行かないようにと言い含められていました。
シリウスに助けられた時に、前世の記憶が蘇り、精霊が視えることで気味悪がられていたこと、幼馴染の後ろにいつもいたことなどを思い出します。
前世は今世よりもずっと進んだ世界なので、皇城に連れて行かれ仕事を与えられた時もその知識で周りから重宝されますが、自己評価が低すぎてそれを素直に受け取れません。
獣人の誘拐事件、シリウスの婚約者候補(事件の首謀者絡みで泳がせるため)、前世の幼馴染との再会などが絡み合い、不穏な空気がずっと
続きます。
シリウスは獣魔使いで、フェンリルのザフィリスと火喰い鳥のリリーネ、途中で助けた白龍のテトがノエルの心身に安寧を与えてくれます。ザフィリスは兄のようにリリーネは姉のようにテトは弟のように。
彼らは危ないところを助けてくれたり、ほのぼのした交流だったりとても楽しかったです。
特に猫の姿になれるノエルが何度もザフィリスに子猫よろしく運ばれていくシーンは想像するだに可愛くて大好きです。
腹黒なシリウスの兄の策略もなかなか楽しく、ノエルはまぁある大変な目に遭いますが、為政者はこれくらいのしないとなと納得でした。
シリウスの家族や親友夫婦など、ノエルに好意的な人ばかりで本当によかった。
これからも大変なことはあるだろうけど、幸せになって欲しいものです。
ただ、獣人誘拐の首謀者は捕まりましたが、奴隷にされ隣国に売られた彼らはちゃんと返してもらえたのでしょうか。そのあたりは書かれていなかったのでちょっと気になりました。
ノエルは精霊の愛し子でしたが、第3皇子妃になるなら、前世の知識を利用したものを普及させるのもいいですが、精霊について研究するのはどうでしょうか。
精霊が視えるひとか稀にいるらしいし(シリウスの親友然り)彼らを保護できたらいいなと思いました。