全く尊重されてないのに「いとし子」と呼ばれ祓い師をさせられている愁(受け)が、その異常に気が付かない異様さを民俗学の調査にきた乾(攻め)に指摘され助けられるまでとその顛末。
あらすじとかはほかの方が詳しく書いてくださっているので感想だけを
とにかく気分の悪い話でした。
不運な攻めを不遇な受けが助け、逃れられない状況の受けを攻めが助ける話なのですが、2人の状況(特に愁)の境遇が胸糞悪すぎ。
お祓いの仕方などどう見ても売春と一緒。相手が人間じゃないだけ。
これを物心つく頃からしてたのだから児童虐待という言葉では生易しい。
乾の方も全く悪くないのに長年理不尽な呪いに晒されているし、2人ともが理不尽な苦痛を幼少の子から浴びせられているのがしんどすぎた。
お話はとてもよく出来ていたので、愁の不遇な状況がもう少し違うベクトルであったなら違っていたと思うのですが、ジャ○ーズのことで騒がしい今というタイミングのせいもあって、愁の不遇さに感情移入しすぎてしまって、話に集中出来ず気持ち悪さだけが残ってしまいました。
王位継承者と招聘者
高校教師の懸(受け)は出勤するため駅の改札を抜けたら目の前には巨大な鳥が。
襲われそうになるのを助けられ、神官と思しき人に人間かどうかを確認され、王位継承者が決定したと宣言があり、意味がわからず目を回してしまいます。
目を覚ました懸は、自分を召喚し助けてくれたと思しき男、今回の王位継承者に決定したレオ(攻め)を唯一の味方かと思いきやレオからも舌打ちの上「お前さえこなせれば」と罵倒され、心が折れてしまいます。
流石に反省したレオと神官に自分が異世界召喚されたこと、この世界の仕組みなどを説明され、戴冠式までレオのそばで生活するようにと言われるのです。
初めは周りから遠巻きにされていた懸ですが、教師としての特技を活かし、少しづつ周りから慕われるようになり、冷たかったレオにも事情があることを知り、領民に優しく良い領主をしているレオとも次第に打ち解けてくるのです。
このまま落ち着くかと思いきや、王位を諦めていない第3王子のサダルメリクが攻撃をしてきてピンチに。
何だこの理不尽極まりない召喚は。
今回懸が召喚されたのは王位継承者を決めるためのもので、候補者全員が一体づつ召喚して一番いいものを召喚したものが王になるというトンデモ儀式のせいだったのです。
勇者や聖女みたいに自分達で手に負えないから召喚するってのも中々勝手な話と思うけど、それ以上です。
自分の国の王位継承者くらい自分達で決めろっての。
わざわざ他所から召喚して、人間が一番で次が魔獣で亜人、動物の順で順位をつける、同じ種族の場合召喚されたもの同士殺し合いして決めるなんて、どれだけ他力本願なのかしら。殺し合いするなら自分の世界で自分たちですればいいのに。
この国に嫌悪感しかない。
そして召喚した超迷惑な加害者が、被害者である招聘者に対して文句言うんなんてあり得ない。いくら事情があってもそれをしたのは自分自身。八つ当たりなんて論外。
後から謝っても許さなくていいと思うんですよ。
確かに、優しい人ではあるだろう、領民のために身削ってるのもわかる。でも、それとこれとは話が別だと思うのです。
そして、これで懸がレオに好感をもつのも全くわからない。
そして懸の態度にも違和感を感じます。
何でそんなに、低姿勢なのか。
長時間馬車に乗せられで気分が悪くなるのも変な奴に絡まれるのも、懸のせいではないのに、どちらかと言うとそちら側のせい。それなのに迷惑かけて申し訳ないと謝ってばかり。礼を言うのはいいけど謝るのは違うとおもう。
理不尽すぎて、懸に共感できなさすぎて読むのが苦痛でした。何度読むのをやめようかと思ったか。
結局、優秀なレオに対してかまってちゃんな同い年の弟王子サダルメリクが劣等感を拗らせまくってどうしようもなくなり、その対処をしないレオとの兄弟喧嘩のとばっちりが周りを盛大に巻き込んだお家騒動でした。
全体的に亜人差別の酷いところや召喚についてなど納得できないところが多すぎて、どうにも話を楽しめませんでした。残念です。