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「死んでいた」とは


折り紙職人な左官職人 × おにぎりカフェオーナー

おにぎりメインの食堂を経営している月島りく(受け)は死の匂いをさせている生気あふれる男・佐埜(攻め)と出会います。
関わりたくないと思っているのに、なぜか目が離せない佐埜との付き合いが続くうち、親しくなっていくのですが、お互いが自分のことを知られたくないと境界を作って緊張感のある関係が出来上がります。
そんな時、りくの事情を話す機会があり一層親しくなるのですが、佐埜は自分ことを話してくれません。
それぞれの心を死なせる原因は無くなるのでしょうか。

りくは子供の頃、兄そらをら亡くしています。それもりくを庇ったため事故死です。
兄を溺愛していた母はそらの死を受け入れられず病んでしまうのです。
元々兄しか相手にしていなかった状態だったのにさらにおかしくなってしまった母。
しまいには成長したりくを見て兄と間違える始末。母の中で死んだのはりくで兄は生きていることになってしまうのです。
激しく傷つくりくですが、母が安定することもあって兄の振りをすることになって10年以上。心がすり減っていく毎日です。
そんな中で兄に褒められた料理作りが唯一の生きがいで美味しく食べてくれるお客さんの姿が喜びです。
そして、兄が亡くなってから、なぜか「死の匂い」を感じ取れるようになってしまいます。



佐埜の方も妹が亡くなっていて、それを自分のせいだと思っています。自分が幸せになってはいかないと思い込んでいます。


りくの生い立ちが本当に気の毒でした。
読んでいて、両親に腹が立ちます。
特に母親。元から兄の方を溺愛していて弟の方は無視に近い扱いをしていた上に、成長した弟を兄にして勝手に弟を殺してしまうなんて。
病むのは仕方ないかもしれないけど、残った子供のために前を向いて歩いて欲しかった。
そして父親は、確かに病んだ妻に仕事に家事育児と大変だっだだろうけど、それを子供を犠牲にすることで解決する方法を取るなんて親失格です。
楽になる誘惑に駆られ最初は弟を兄にすることに同意したとしても、すぐに我に返って欲しかった。10年以上も子供を犠牲にして心が痛まないのかと思うと本当に大人としてどうなのか。
予期せぬ悪意ではあったけど、ちゃんと向き合えるようになって本当によかった。
でも、彼らにはもっともっと反省してほしい。特に母親。読み終わってからもずっとモヤモヤしています。

そしてもっと許せないのは、佐埜の義兄で弁護士の栗原。完全に犯罪者でこれが捕まらないなんて世も末だ。
あの後どうなったのか気になるところですが、弁護士資格剥奪されてるといいな。


タイトル通り本当に「死んでいた」んですね。
死を乗り越えて2人が光に向かって歩けるようになってよかった。
これまで不幸の連続だったから、幸せになってほしいです。