表向きは大人のバー。しかし、ミステリアスな秘密を隠し持つ「王様の耳」を舞台に繰り広げられるサスペンス、第6巻。(非BL)
5巻のレビューで「完結」と書きましたがそれは間違い!この6巻で本当に完結です。
さて、「選ばれた」滝口あかりとシバケンですが、やはりシバケンは受け入れる事ができない。
あかりの方はすっかり乗り気?に見せかけての、麟太郎と雪乃が一体「何」なのかを探ろうとする…
そしてこの真実が実に壮大で。
2人のお金の出どころが仄めかされた瞬間はゾクッとしました…
「王様の耳」という店名も回収されて、そのまだ先も…
そんな存在がここまで続いたという不可思議。それを知った時、さあ、こっちの2人はどうなる?
ならば、あっちの2人はどうなる?
ゾクゾクッという体験をしたい方、ぜひ「王様の耳」の扉を開けてみて。
えすとえむ先生の目が眩むような作品世界に惹き込まれ、巻き込まれ、髪の先まで沈んで酔いしれる!
絵柄麗しい慧先生の2024年発表作品。
血のつながらない義兄弟もの。
ドロドロでもエロエロでもなく、絵柄通りにきれいにまとまってます。
切なさはあったと思う。でもそれは弟の禅の方で、先に仕掛ける兄のアラタの方にちょっと共感できなかったというか…
冗談めかして、キスもまだという禅に「練習だ」とか言って。
個人的にこの理由が好みじゃない。
禅は未経験ではあるけど別にピュアピュアのうぶうぶではなくて普通の人です。それを言いくるめようとする姿勢が嫌だ。
アラタだって兄弟/家族の枠内で気持ちを収めてきたし収められる範囲だったのに、何故?という疑問も湧きます。
元々憧れがあったということもあって絆され的に禅も恋愛感情になっていくけど、アラタのアプローチにはちょっと狡さを感じてしまった。
対して良かったのは、禅のスイーツ。
節目節目で結果的にアラタたったひとりのためのスイーツを、というのが効果的だったと思う。
出会った時のバノフィーパイ、そしてコンテスト用のフルーツタルト…
恋愛というよりもっと深く純で透明な想いが込められていて、禅の「在り方」はとても好き。
だから余計アラタのはじめの軽さが残念。顔は最高ですけど。
総合「萌」で。
地球に潜り込んでいる宇宙人が関わる、ほのぼのSFファンタジー完結巻。
第11話〜14話、おまけ漫画を収録。
完全な続き物なので1巻から読んでくださいね。
さて、テフラと優希から好意を寄せられてる康介ですが、まず優希と康介の高校時代。優希が康介を好きになるきっかけエピソード。
テフラ不在の中、誠実ながらも強くアプローチしてくる優希。
どっちも好きだから困っちゃう、という康介の姿は古典的だけど、やっぱり康介を見ているともう答えというものは出ていて、自分の決定に対しての切なさはしっかり伝わってくる。
本巻は最終巻だけどバタバタと終わるわけではなく、これまでのほんわかした空気感そのままに優しくゆっくりとした語り口です。一応ここで終わり、だけど2人や周りの世界は続いていくし、緩やかだけど多分変わっていくよ、という展開です。
絵柄は目が大きくて印象的。この巻単独だと萌、ストーリー全体は「萌x2」で。
「特級αの愛したΩ」の番外編、ありがとうございます!
初夜…のエピソードとのことですが、あれ?
私は本編で北見の感触を上書きするとか言って礼が司を触る…っていうあの時が初夜だと思ってた。あの時は触っただけだったんですね。
しっかし…
恋人のベッドで他人のTバック見つけるって…
修羅場じゃん。
で、その事を相談してる時に赤ちゃん抱っこしてるけど?初夜の前に生殖技術で産んだ?病院内の別の子供?なんかよくわからない〜…
そういうところを掘り下げずに読みます。
今回の2人のHは何やら夜から朝の6時までの長丁場のようで。スゴイですね。司をソウロウと言いかける礼の方こそ遅漏だと思ったわ。
ま、司が幸せそうなので良かったです。
面白かった〜。
主人公は大企業の秘書室勤務の守藤。
ある日いきなり社長の御曹司(三男)の天ヶ瀬司三からプロポーズされます。
あまり話したこともなく守藤にとっては青天の霹靂。しかし周囲はみんな知っててしかも祝福ムード、何よりすでに父社長も公認なのだ!
誰もが認める好青年・守藤。周囲は司三を応援するが守藤は言いなりに流されたりはしない。なぜなら…
…という反転がまず面白い。
司三に諦めさせるために守藤はあれこれするけど、全然効かないのはコミカルな味。しかも司三の誠意と本気が際立つ効果にもなっている。
司三の兄たちや許嫁も登場してのワチャワチャはお約束ながら、司三の一念が守藤に通じて無事にハッピーエンド。
なぜ司三がここまで守藤を?という理由も納得度が高く、単にふわふわした恋愛感情だけでなく、自分がより良く在るためには守藤が絶対に必要なのだ、という真剣度も伝わってくる。
全体に、コミカル、シリアス、恋愛、成長がバランスも精度も良く配置されている良作だと思いました。絵柄も良い。「萌x2」で。
両イケメンのリーマンBL。
といえば相場はケンカップルだけど、本作はちょっと違います。
とはいえ冒頭は人当たりの良い佐崎に対して、七宮はろくに口もきかず感じが悪い。なのに、飲み会で突然涙を流し出し酔い潰れたので、家に連れて帰る事になり…
酔った七宮は佐崎が好きだと泣く。
ところが翌日、何も覚えてない。
そんなところから、聞かなかったことにしている佐崎と単に酒癖⁉︎と思われている七宮が親しくなっていく物語です。
仕事面で人知れず努力を重ねる七宮。
酔うと佐崎を好きだと泣く七宮。
そんな七宮から目が離せなくなっていく佐崎です。
七宮の育った環境や知られざる出会いのエピソードも自然に織り込まれ、展開もスムーズ。
何より2人が体格がほとんど同じでそれぞれ違うタイプのイケメンなのがいい。
結果、健気的な攻めと包容力受けBLとなっています。
全体に優しいお話。「萌x2」で。
いや〜…すごく面白かったです。
やっぱり小説って面白いし引き込まれるし、剛しいら先生の上手さが光る。
主人公は、有名料亭の跡継ぎ・修右(しゅうすけ)。
新店舗の器に採用したい、と自ら惚れ込んだ九谷焼の新進気鋭陶芸家・青也に会いに金沢へ向かうが…
…と始まります。
その日から修右は考えの未熟さや価値観の違いを青也に論破されて、そのまま1ヶ月(!)、青也の工房で雑用と飯炊きお兄さんをやらされるのです。
釜でご飯を炊けないのは恥ずかしくない、とおおらかで、お前はきれいだ、とストレートに囁く。それが青也。
女っ気の無い工房でその晩から抱かれる修右はどんどん変わっていきます。
経営者の眼ではなく、器とはなにかを体で知った修右が1ヶ月後にようやく東京に戻る…のが本編。
「赤と白の熱情」
いざ元の日常に戻ると、新店舗の準備に忙殺される修右。
そんな時、料理長の葉山と共に流行店の料理の視察に行くことになったが…
こちらの続編では、修右の身に大変なことが!
傷ついて青也に会いに行く修右。
全てを聞いた青也の反応はちょっと意外!粉々になった修右の方がよりonlyな感じ?
お前にとって重要な方を選べばいい、なんていう攻め、初めて見ました。
生意気なお坊ちゃんの受けにはおおらかすぎる芸術肌の攻め。攻めには神を。総合は「萌x2」で。