「Braveー炎と闘う者たちー」電子限定書き下ろし番外編となります。
タイトル「Merry Xmasを君に」。
以下、内容となります。
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本編後、恋人になって初めてのクリスマス。
今年はイブと当日の2日が非番で、ジェイクがイサムを実家でのイブの夕食に誘います。
8才のあの日、誘いに行けず火事が起きたことを自分のせいのように感じていたジェイク。
自分の苦しみが大きくて、同じように苦しんでいたジェイクのことまで考えることができなかったイサム。
でも全ての記憶が蘇り誤解も解けた今、イサムは喜んで招待を受け…
温かく出迎えてくれたジェイクの両親。
室内に入った瞬間、彼らの目の前ではっきりと唇にキスしてきたジェイクに慌てるイサム。
ジェイクはそのままご両親にイサムと付き合ってる、とカミングアウト。
イサムは動揺するけれど、ご両親は、予想してたしちゃんと紹介してくれるのを待ってたとまで言ってくれて…
ディナーの後は懐かしいジェイクの部屋。
10年間の長い苦しみが本当に終わった瞬間だったんでしょうね。
消防士という危険な仕事を選んだ2人、助け合って愛し合って高みを目指して下さい!
待ちに待った薄井いろは先生の新作!
いつも通りの官能性が楽しめた!
恋情を抱いていたノンケクラスメイトがルームシェアしようと言ってきて…
見せないようにしてた気持ちが、ひとつのキスで溢れ出す。
…という設定も2人の雰囲気もいいんだけど、なんか2人ともどーも好きになれないというか…
特に攻めの立川。
この思わせぶりはなんだかなぁ。無邪気というよりももっと恣意的に感じてしまって、島崎にとっては悪い意味で罪だと思う。
なんかカラダを武器にするイヤな女みたい。妙な誘惑感があるんだよね。
一方島崎の方もどうも煮え切らぬ。
弱って傷つく、は当然としても、立川の思わせぶりを利用する狡さを見せる割には押しが弱いような気がするし。
結局2人ともに流れ流されて…
濡れ場は先生らしく官能的。
キスに溺れていく2人の姿は扇情的であり刺激的であり、要するに素晴らしい。
ストーリーとしては目新しさは無いけれど、構成力の勝利。
満足感はありです。
「2055」「2072」に続く近未来シリーズ。これすごく好きです。
人間。
アンドロイド。
AI。
愛の形は?
愛は不変か?
そんな哲学的な問い。
本作は「2072」でも描かれている爆発事故の生き残りオリジン・ミカが主人公。
レジスタンスのミカは、矯正施設で旧型ロボットに管理されている。
ロボットは故障エラー続きで、スルガたちは新型筐体ロボットつまり人型ニューオーダーAIに交換しようと提案するが、勿論ミカは拒否する。
ある日、遂に強制的に新型と交換されることになり…
ミカにもよくわかってる。この憎む気持ちはもはや意味もないことは。
それでも口をつくのは、不完全でいい、壊れてていい。そして突発的に旧型を掴んで逃走してしまうミカ。
さて、この逃走劇は勿論失敗します。
旧型は壊れてしまい、結局新型があてがわれる。
無気力なミカに新型が話しかける…
これは、奇跡?
それとも、進化?
不完全な人間(オリジン)が、愛の永続を願って創り出したオールドAI。その後、AIが自ら作ったニューオーダー。彼らは完璧。なのに今度はそのニューオーダーがオリジンの愛を学習する?
進化はまるで環のように。「僕は僕だよ どんな姿でも」
やっぱり上野ポテト先生の作品世界は独特。
他の誰ともかぶらないところが素晴らしい。
さて、本作。
女性にモテるエリート商社マン・瀬田が、路上で絡まれている男を助ける。
その男は偶然同級生の園山で、住む場所の無い園山を自宅で住まわせる事にするが…
…というお話。
実は瀬田は中学時代に園山がイジメを助けてくれた事があって園山が好きなわけで。
一方園山はヒモ男で、最初はご飯作ったりしてるんだけど次第にクズっぽさを出してくる。
読者としては瀬田に同情的な気分で読むわけだけど…実は偶然は偶然ではなく…という転換があって、傷つけあってそれでも…っていう展開へ。
わかりやすい園山のクズっぷりはともかくも、KYでド真面目みたいな瀬田も自分勝手でひとりよがりで。
この辺が作者様の言うどうしようもなさっていう部分なのかな。
でもクセって誰にでもあるでしょう。だからこの2人のなんともぼんやりした微ハッピーなようなやっぱり違うような曖昧エンドがなぜだかしっくりくる。
個性派・ダヨオ先生の新作はマストでしょ、と内容全く知らずにポチリ。
恋地獄で待つ。
…って、本当の地獄かい!…という驚き。さすがです。
明るくて友達いっぱいの秀才くんが、成績低下からの復活叶わず転落、グレはじめて詐欺するとこまで堕ちた。ところで思わぬ事故死。
目が覚めたら地獄で、隣には因縁の同級生がいた…
この地獄が、私たちが普通に思い描く地獄と全然違うの。まずそこが面白いし、罰は因果応報的ではあるけど、頭にタライが落ちてくるってのがドリフなの。
この因縁の同級生・学はコロナ死(?)で、本当は天国行き系なのに閻魔に頼んで恋する楽を地獄で待ってるのです。
楽が学の恋心を受け入れてくれなかったら消滅、という条件付きで。
学はほんとに真摯に紳士に楽を想う。なのに楽は自分の心を絶対認めない。
そしていよいよ時間切れとなって…
…ってそこはまぁ安心してくださいって感じだけど、2人で天国に行くわけじゃなくてそのまま地獄で生活するのね〜。で、年を重ねていって。そして地獄でも天寿を全うっていう概念があるんだね。
ただ、まだそこで終わりじゃない。
やっぱり地獄に落ちるっていうのは並大抵じゃないな〜って思った。
悪事に染まった楽はもちろん、ことわりを曲げて地獄に居座った学だって。
長い長い時間をかけてなお来世のタイミングは合わず、さてあのラストの2人は何世代後なのやら。
同じ事を繰り返さないように頑張れよ!しかないですね。