このシリーズのファンで、番外編や他のカップルの作品含め、全シリーズ読んでます。
今回は、ユウトの新相棒との確執と麻薬密売組織を絡めたお話。ネタバレになるのであまり詳しくは触れませんが、シーズン1でのコルブスとの因縁に関連する部分も少し出てきます。
もちろん、英田先生の御作品なので、事件を絡めたお話の展開としては、BLの枠を越えた面白さがありますし、今回の事件を通してディックとユウトの絆が更に深まり、BLらしいところも存分に楽しめました。
しかしながら……、これ一冊だけであれば十分に満足できたのでしょうけど、どうしてもシーズン1を引きずってしまって……、つい物足りなさを感じてしまいました。
漠然とした感覚なのでうまくは説明できませんが、アメリカ社会のダークな部分への考察だとか、個々の人物が抱える事情だとか、それをふまえた心の通い合いだとか……、細かいところでちょいちょいシーズン1に比べて物足りなさを感じてしまい、やはりあれを超える感動はもう来ないのかなと寂しくなってしまいました。
今回は1冊で完結ですし、作品容量的には仕方ないところはあると思います。
もちろん、これ1冊だけで考えれば、十分に満足できる一冊でした。