私のBL論!


年の差なんてっっ!!!
評者:カノアマスミさん
偶然スコンと落ちる恋だから、年齢なんか構ってはいられません。
1歳離れていようが、30歳離れていようが、ラブには変わりないんです。でもBLでジャンルを築いてしまうほど人気の「年の差」ラブ。これには何か意味深な萌えがある。いったい「年の差」のどこに萌えるの? 「年の差」の「基準」っていったい何なの?
そうです!みんなが「年の差」ラブにはまるのは、ちゃんとした理由があるんです。

 学生及び社会人、異なる年や性格などの男達が、ある日殆ど偶発的に出会って突発的に恋をするのがBLだと私は思っているんですよ。もしくは醍醐味で。

偶然スコンと落ちる恋に容姿はともかくとして、まず年齢になんか構ってはいられませんからね、出来る年齢の組み合わせは、実に多種多様です。

「年の差なんてっっ!!!」それら非常に沢山ある「年の差」の中で、あえて「年の差」とその単語を強調して言う……BLの一ジャンルみたいな感じにして使うんだからまぁ、よほどの事でしょう、と私は推測します。

さて、ここで問題です。一体この場合「年の差」とは一体何歳から何歳位までの年の開きを言うのでしょうか?

私の場合、上で言ったような理由からも、特に「年の差」という言葉を意識してBL本を読んだりという事はあまりありません。もちろんそれ自体は特に嫌いって訳でもないんですが…いや、むしろ離れていればいる程二人の間に障害が生まれる? みたいな、なんとなくそこら辺が話自体に深みと味わいをかもし出す感じがするので好きではあるんですが。

「年の差なんてっっ!!!」そうですね、あえてこの言葉を使うとしたら、30歳ですね、私の規準。

いや、受けの年齢でも攻めの年齢でもなく、「年の差」が30歳なんですよ。

実は、私の知り合いに、ちょうど30歳離れたホモのカップルがいるんです。

知り合いって言うか…このカップルの受けの方と私が友だちなんですよ。攻めの方は私は写真とかだけしか知らなくて、だから、正確に言うとこっちの方とは間接的に知り合い? みたいな。

ちなみに受けが25歳で攻めが55歳なんですね。二人とも中々容姿も端麗で、職業は受けのにーちゃんが普通にリーマンなのに対し、攻めのオジサンの方は、知名度も高く、人気で多忙なアーティスト、つまり作曲家と奮っています。

はっきり言って、これだけ聞いてもつい「アンタら一体どこのBL設定だー!!!」ってツッコミ入れたくなる事必須です、腐の人なら。(もちろん私もツッコミました、即座に)

リアルだし、男同士でこの「年の差」ってだけでも十分すごいのに、更に付加価値 (?)みたいなのが色々と。だから余計って感じなんでしょうね、ここまで私この二人印象に残っているのは。もしも、この二人の容姿だか職業だかが、ここまでBL然としていなかったなら、私もそんなに、「年の差」って聞いただけでつい思い出したり無意識に差を架空のBL話と比較するなんてバカな真似はしなかったとも思うんですが。

そうなんです、ついつい比べてしまう。と、言うかもうくっきりはっきり混同してしまうんですね、BLとリアルなこのカップルを。

だって「百聞は一見にしかず」って良く言うでしょう。やっぱり間近でこんな素敵な具体例を見てしまうとね、どうしても。(爆)

だから「年の差」って言ったら、まずこの二人の年の差が私の中で規準なんです。

もっともそれはあくまで「規準」と言うだけで「平均」とは違うんですが……言ってみればでもこれって上限かな? さすがに、これが精一杯かなー? とも思うんですよね。まぁ色々な面から見た場合。(例えば年上の人がいつまで勃っていられるかとか 笑)

上は30歳、下は10歳下がって大体20歳程度ですかね、「年の差」。オマケして17歳? それより上でも未満でも、ちょっと私的には「年の差」とは呼べないなァ~

いや、もちろんこれより上も下も十分あっていいんです、いいんですが、あえて「年の差」って話になると、なんだか私の中では違うかな、みたいな。

ついでに昨夜電話していた、遠方の腐女子友だちにも聞いてみました。そしたらその友だちは、上限なしで、下は年の差は10歳からなんだそうですよ、「年の差」。

他にも聞いてみれば色々と違った意見があるかもですね。

そう言えば以前『年の差ラブ』と銘打っている作品で、でも受けと攻めの年齢差がたったの7歳、と言うのがありました。

それ見た時私は内心 (その程度で「年の差」語るなんてちゃんちゃらおかしいぜェ~ 笑) とかも思ったりしたのですが、良く考えてみると、まぁ、中には確かにそういう人もいるかなぁ~って事で……

うーん、何かどうも良く分からないな。「年の差」ってじゃぁ結局のところ一体何なのよー??!

色々考えた挙句、私は最終的にこうも思ったんです。

これって、もしかしたら年の数の多さの問題と言うよりも、実はその受けと攻めのメンタルな問題なんじゃぁないかと。

1歳離れていようと20歳だろうと30歳、いやそれ以上であっても、それらは皆言ってみれば「年の差」です。大きく離れていたって僅かに離れていたって、それら全部そうなんですよ。だけどそんなものははっきり言ってこの際どうでもいい。

要は、その二人の間の埋められない年齢差を双方がどのように受けとめているか、って事なんですね。

重く捉えるか、それとも軽く捉えるか。まぁそれも話の状況によりけりまたはその受けと攻めの個々の性格ってのにも大きく関係してきますが……そしてそれらがストーリーの中どう絡んで来るのだろうか……とか。

でも、だとしたら何故、一般に「年の差」と言うとものすごく離れていたりするのでしょう。

私は、多分これは、年がうんと離れていた方が、そのキャラたちの年齢に対する考え方により真実味が増してくるからなんじゃぁないかと思っているんですよ。またその物語を読む側にとってもその方が何かと明確で分かりやすい。

だって、1~10歳年上のダーリンが色々年齢差で悩んでるのよりも、もっと年上のが悩んでる姿のが、よりなんつーかグッと胸に迫ってくるものとかありませんか? ねぇ?

「年の差」の数は関係ない。けれどそれをうまく書くにはある程度の年齢差が必要……その年齢さこそが「年の差」って事でもあり……って。

はっきり言って「卵が先かにわとりが先か」ってもうここまで来るとどっちが先なんだかもう良く分かりませんが。(笑)

とにかく何でもいいから物語を読んでいて、その中の登場人物の「年の差」が貴方の心の琴線に触れた時、それこそが間違いなく貴方の望んでいた「年の差」ストーリーだ、みたいなカンジなんですよ。

まさに「年の差なんて関係ないっっ」結局の所、私の考える「年の差」ってのは、一言で言うとこんな感じでしょうか……? うん、何だか月並みな意見でスイマセン。

紹介者プロフィール
カノアマスミ
作家単位で好きなのは、小説家で吉田珠姫、夏樹碧、小鳥遊てつみ、漫画家で細倉ゆたかに國居亨。ギャグもシリアスもマルチで読むが、本人自体は無意識に性質がお笑いらしい。最近、眼鏡に過剰反応示すようになったので、とりあえず、このサイトの店長 (?) キャラには深い愛着を覚えた。年下攻めと癒しなおっさん受けと生徒×先生、ショタ×大人、旦那様×年上執事、なんかも好き。只今BL挿絵を描ける絵描きになりたいと、日々研磨中。

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