「この夜のすべて」で、スーツ×刀＋黒手袋という強烈コーディネイトでちるちる読者の度肝を抜いたミナヅキアキラ先生。独特のモノクロタッチと世界観で次々と読者の予想を上回る展開を繰り出していく。現代時代劇BLの騎手の妄想が大きく広がっていきます。

Q. デビューのきっかけをお教えください。

A：有明の例の蜃気楼都市で今の担当さんに拾っていただきました。
私がとんだ初心者だったもんで、まずオリジナルＢＬを読んでみよう。というとこから気長にご指導下さって…やさしいです。おかげさまで今日もたのしく描かせて頂いてます。

Q. 現在までに２冊のコミックスをお出しになられていますが、和風テイストなお話が特徴的だなぁと思いました。もともと和物がお好きなのでしょうか？　時代劇で萌えられたり……？

A：和物好きですね、読み物やメディアに限らず和服や家具、建物がもともと好きです。
和装洋装入り乱れた時代は特にごてごてしてて、かこいいですよね！
今より情報や物が限られてる中での、人間関係の密さとかストイックさにもぎゅんぎゅんきます。
まだまだ知識不足ですけど、自分でもなんとなく懐かしいと感じる和風は描くとき楽しいです。
時代劇って時としてえろいと思うんですがどうでしょ。

Q. ２冊目の『この夜のすべて』では【スーツ×刀＋黒手袋】がちるちるの話題をかっさらいました！
ちるちるレビュアーにはこの時代設定そのものやコーディネイトに萌える人が続出したのですが、このコーディネイトはどのように閃かれたのでしょう？

A：私も萌えるからです（*´ｖ`*）　闇に乗じるにも、仕事だからと言い訳するにも、汚れを隠すにも、裏の組織に意外と役立つ黒スーツ（ストレッチ）。指紋を残さずグリップがいいから革手だの、音もなく刀を抜けるからだの、せっかく二次元なんで裏組織ぽく好き勝手詰め込んだらああなったわけですが、のっぴきならない世界に身を置いてる人が、たったひとりしか見えなくなる事態が好きでたまらんので、あの時代設定に黒ずくめのふたりをぶっこんだという正直俺得です。
葵を刃こぼれのない刀みたいに描きたくて、みんなの通常装備も刀に揃えました。

Q. 出版社さま特典ペーパーを読んで、七青はいい意味でオヤジっぽさがあって色気と茶目っ気のある31歳だな～と納得しました。
椎名が実は30歳だったとは！　七青より若い……たしかによく見れば若い……。
先生はキャラクターの年齢や性格、たとえば血液型などいつも細かく設定されたりするのでしょうか？　七青、葵、椎名、椿はそれぞれ何型だと思われますか？

A：年甲斐のない31歳と苦労人の30歳という。一歳の差に古株２人の関係が出てたら嬉しいです。
普段設定を決めるときは、見た目、性格、身長、名前、年齢を一緒に考えてます。
しかし血液型…それは盲点でしたな…。
うむむ…よし、七青はＢ、葵はＯ、椎名はＡＢで椿はＢ、にしましょ！

Q. 七青と葵を含めミナヅキ先生が描く彼らには本当に幸せに、と願わずにはいられません。
本篇のラストで七青の一言と、白バックの、人物に対して大きな背景がとても印象に強く残りました。
それまでのモノクロの世界にぱあっと色が付くような鮮やかなシーンで、私には青い空に見えました。
七青と葵のこのときの表情を妄想せずにはいられません！　勝手に泣き笑いの表情を思い浮かべさせていただいてもいいですか……（笑）？

A：わあうれしいですぜひぜひ！　泣き笑い、熱いですね…それ頂きます。
背景も空に見えたらと思ってまっしろにしたので嬉しいです。
雲があったりなかったり、青が濃かったり淡かったり、春だったり秋だったり、好きな空で想像していただけたら何よりです。
私も、形はどうあれみんな幸せ感じて生きてって欲しいな！　と思いつつ描いてます。

Q. 影の描き方やモノクロで表現されるその世界観は独創的そのもので本当に素敵です。
先生ご自身が影響を受けた作家さまやお好きな作品など、もしありましたらお教えください。

A：どこに墨塗ろうとかどこを明るくしようとか、考えながらベタするのが好きな作業なので、そうおっしゃっていただけるとありがたいです！
小4くらいで卒業した「り○ん」以降は少年誌青年誌ばっかり読んで、影響されたと思います。
どうにも可愛らしさに欠ける絵で申し訳ないすよ…。

Q. 小説や漫画などの中で、突き詰めてお好きなジャンルなどがおありでしょうか？　何か一つとんでもない専門性をお持ちのような気がしたので……
例えばだんご好きで、効きだんごが出来るとか……。
（すみません！ 『今夜はテイクアウトにて』の『そして手のひらに落ちる』に出てきたヘラ餅のような串やのおっちゃんが忘れられず。あの「見た」ってなって固まってるおっちゃんと通行人の表情に声を出して笑ってしまいました＾＾；）

A：おお…すごいピンポイントなシーンだ＾＾
やー、なんでしょうね！　専門性…。長いこと好きなまんがのキャラはいまして、そのせいでまんが描き始めたくらいなので、（勝手に）育ててもらってる感はありますけども…。
あとなんでしょ、家具とか額ほんのちょっと組める…とか　野鳥見つけるのが早い…とか…。…。特技か！
ううっ特にないんです残念ですいません（´∞`）

Q. 攻めのニヤニヤ顔が好きです！
目はとりすまして、口元だけで笑ってる感じがたまらなくエロスです！
そして指が太めな、無骨な印象だったのですが（そこもエロスでした!!）
先生ご自身が思う男性の萌えポイント、いわゆるフェチみたいなものはありますか？

A：私もにやにや好きですありがとうございます！　余裕ある攻様を求めた結果あの顔に…。
見ていただいたとおり手フェチです。無骨と言っていただけて嬉しいです！
指もなんですが手の甲もいいですねー職業問わず使い込まれた手はもうガン見ではあはあします。

Q. 今後描いてみたいキャラクターや設定などおありでしたらぜひ教えてください。
王道や耽美を抑えつつ奇妙なぶっとび感もあって、ミナヅキ漫画は次に何が出てくるのか予想だにできません！！

A：最近現代劇を描かせていただく機会が多かったので、また例の曖昧な設定もやってみたいです。
いっそ人でなくてもいいです。そう言えば以前、牧場を舞台に人とどうぶつの話がやりたいです！※ＢＬ
と担当さんにこぼしたんですが…あれ…もしかして消えてしまったんだろうか…どうだろうか…

Q. しがらみがあったり、何か背負っていたり、ミナヅキ先生のモノクロの世界観に
はまるお話が大好きなのですが、何気に皆、根本は結構バカップルな気がします……。
あまあまバカップルはお好きですか？

A：すべからく皆バカップルでいいと思います。バカップル信者です。

Q.『この夜のすべて』の続編？　スピンオフ？
コミックス内で少し触れておられましたが、椎名と椿による第2弾も期待していいのでしょうか？

A：ニーズはなくとも隙あらば描きたいですね…！
彼らも過去にいろいろありそうですし、今描いたらまた絵や表情も違うでしょうし、楽しそうです。

Q. 最後に、ミナヅキ先生を熱く応援するちるちるユーザーへメッセージをお願いいたします！

A：こういう場を設けていただけたのも、ご感想を下さったからかと思います。見つけて、読んで下さって、反応を返してもらえるってほんとうに嬉しいです。ありがとうございます！　どこかでお見かけの際は読んでいただけたら幸い。まだまだ未熟ですが、これからもどうぞよろしくお願いします！