桑原水菜先生インタビュー

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桑原水菜先生インタビュー 聖職者と堕天使、ツンデレ美青年の織りなすエロティック・アクション!! 小説『アベル ~サタンに造られし魂~』

2017/09/19 18:52

男と男、魂と魂の熱い邂逅! ダークな世界観に、滾る要素盛りだくさん


異端信徒を排除するための武装組織「門衛騎士修道会(ハダニエルナイツ)」。神父の一人である安吾は、修道会が「第一級の異端者」として追う絶世の美貌の持ち主・御母衣拓磨を探し当てます。しかし、彼の周りで次々と起こる事件に絡み安吾は堕死、御母衣は身体を暴かれて……。桑原水菜先生の新刊小説『アベル ~サタンに造られし魂~』が9月19日発売! 聖職者と異端者、そして!? ダークな世界観の本格ファンタジーを軸に、熱いアクション、エロティックな交錯と、滾る要素が盛りだくさんです!! それでは、「801 AUTHORS 108」第1400回、桑原水菜先生どうぞ!

Q. 作品紹介をお願いします!
門衛騎士(ハダニエルナイツ)と呼ばれる修道士・安吾が、第一級異端として教団にマークされている御母衣拓磨と指輪の契約を結び、堕天使が起こす怪異事件を追う中で、自らも思いもかけない運命の渦中に引きずり込まれていきます。
絶世の美貌をもち、人間の中に育つ「妄執の奇天使」を食べて生きる御母衣と、その従者である狼犬で元堕天使のアブディエル。サタンに仕える一癖ある堕天使たちなど、滾る設定を惜しみなくつぎ込みました。
本編二話分と書き下ろし番外編、計三編収録してあります。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか?
肉体は安吾×御母衣……なのですが、中身はサタン×御母衣です。
交わる時は、安吾はサタンに乗っ取られているので意識がありません。
御母衣の陰茎は「生きた蛇」。神が御母衣の貞操を守るために変えたとか。
聖職者ながら飄々とした安吾と王の風格を持つサタン、そして戦闘力の高いツンデレ美青年・御母衣の三人が織りなす奇妙な関係が、どうなっていくのか、ご注目ください。


Q. 当て馬や重要な脇役は?
毎回、事件の裏には堕天使あり。個性的な能力や嗜好を持つ堕天使たちは、精力剤代わりに御母衣の体液を狙っています。
個人的にはアブディエルや地獄犬たち動物組が気に入ってます。

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?
同世代の担当さんと話していて「自分たちが十代の頃に夢中になった要素を惜しみなくつぎ込もう」とのコンセプトで書きました。盛りすぎなくらいの設定を堂々と臆面なくやってみようと、ダークなエロティック・アクションを目指しました。御母衣とサタンの関係性や、安吾とサタンをめぐるアンビバレンツな葛藤を堪能してください。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください!
御母衣や安吾が、地獄犬や使役魔と戦うシーンはスピード感が出るよう、こだわりました。対魔物ならではの武器や、御母衣が自らの肋骨でできた剣(アベルズ・リブ)など、小道具の設定を考えるのが楽しかったです。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか?
御母衣が七十年前に関わった事件の現場となった架空の村を出したんですが、偶然にも同じ名の村が想定地域に実在していたことがわかり、驚きました。たまに起こるんですが、ちょっとゾクゾクしました。運命感じました。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います!
二話目を書いたのがちょうどクリスマスの時期で、浮かれてる街を背にへろへろになりながら修羅場してました。安吾たちは事件のせいで大事なクリスマス・ミサをスルーしてしまうんですが、同じ心境でした…。

Q. 今、何かハマっていることは?
劇場版『ワンダーウーマン』にいたく興奮しまして。ハリウッドで同世代の女性監督がこんなアクション大作を作っている! 自分もがんばらなきゃ、と奮起しました。

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
最初に雑誌掲載されたのが2013年でしたので、やっと一冊にまとまって嬉しいです。たくさんの方に読んでいただきたいです。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
ダークな世界観に、エロスとアクション、ハードボイルドとファンタジー。人ならぬものと人だったもののバディアクションです。謎多き男たちと、その魂が交錯する様を、ご堪能ください。

リブレ 担当編集より
主人公は白皙、黒ずくめの美青年素敵…えっ、人間じゃないのですか!? 無精ひげでイケメンな闘う神父カッコいい…えっ! 途中で死んじゃうのですかっ!? 主人公・御母衣にくっついてる狼犬けなげでカワイイ…えっ! やられると溶けちゃうのですかっっ? コールタールみたいに??? (桑原先生に翻弄されております)
羅列してみるとボーイズラブな世界とは一見相容れないハードボイルド、いや魔界転生、いやゴシックホラー??? にも思える本作『アベル ~サタンに造られし魂~』の面々ですが、男と男、魂と魂の熱い邂逅はきっちりと堪能できます。
主人公の御母衣はある理由から死ねない身体で独り“魔”と闘っています。神父・安吾の立場からは、御母衣自身も「異端」という名の「魔物」なのですが、御母衣と一緒に暮らすうち、彼の目的と熱い願いを知るうちにどんどん御母衣に肩入れしている自分に気付きます。
御母衣を匿う=自分の所属する教会を裏切ること…安吾の選択はとんでもない結果をもたらすのですが、それを彼はどう受け止め、どう御母衣に対していくのか。
書き下ろしの短編も含め3本の物語が収録されていますが、お話が進むごとにうつろう彼らの心の距離感にも注目して読んでもらえたらなと思います。
そして、桑原先生はこんな一見殺しあいまくりな物語を描き出す一方で、その中のキャラクターさんたちの日常をコミカルにも描いてくれておりまして、安吾のマンションで暮らすことになった御母衣が、安吾の裏仕事の内職を手伝うやりとりや、御母衣にくっついて一緒に住まわせてもらっているくせに安吾が近づくと威嚇する狼犬のアブディエルの様子などカワイイ場面も沢山あります。
あまりにもカワイイので本文イラストにもそんな場面を葛西リカコ先生に描いて頂いております。「ここか!」と思いながら読み進めて頂けると我々も大変嬉しいです。


小説『アベル ~サタンに造られし魂~


(C)桑原水菜・葛西リカコ/リブレ

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