青藤キイ先生インタビュー

エロくてハッピーでどこか抜けている、異種族同居ラブ♥


島崎ましろは、不幸体質の大学生。とにかく災難に遭遇することが悩みです。ある日の帰り道、行き倒れの男を助けたところ、やっぱり不幸な展開に！ 二条と名乗るその男は自分を「悪魔」だと言い、ましろを抱き……。青藤キイ先生の新刊コミックス『拾った男は悪魔(インキュバス)』が11月30日発売！ 二条は、悪魔の中でもエロ属性が高い“淫魔”なのでした！ 彼にとって、不幸体質は極上の餌。家に住み着かれてしまった、ましろの運命は!? それでは、「801 AUTHORS 108」第1469回、青藤キイ先生どうぞ！

エロエロ＆悪魔！ 欲望コンボで生まれた淫魔×人間BL!!

Q. 作品紹介をお願いします！
不幸体質の大学生、島崎ましろは道路のど真ん中で行き倒れていた不思議な男、二条を拾う。
見たこともないほど綺麗な顔をしたその男は自分を「悪魔」だと名乗り、そんなつもりは微塵もなかったのに気付けば抱かれてしまっていて―――？ というお話です。
エロエロな話が描きたい！ という思いと悪魔が描きたいという欲望のコンボによって出来たお話です。





Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
ましろは“不幸体質”のため、やることなすことツイてない、でもへこたれない男前な性格の大学生です。
この体質には秘密があり、そのせいで二条に目をつけられるのですが持ち前のポジティブ精神により喧嘩しつつも二条を受け入れ、はじめは嫌々だったもののだんだんと惹かれていきます。
二条は悪魔らしい俺様な性格ではじめはましろをただの“餌”と認識し身勝手な振る舞いばかりをするのですが、ただの餌であったはずのましろにだんだんと執着するようになっていきます。



Q. 当て馬や重要な脇役は？
須藤さんという二条の友人のような人が登場します。
須藤さんは比較的より悪魔らしい悪魔として描いています。ましろの大学のポスドクとして赴任してくるのですがこれは何か細工をして潜り込んだわけではなく、本当に研究者として赴任しています。自分はファンタジー概念の塊の悪魔のくせに本人は超理論派の理系という変わり者です。

悪魔の美形作画や、エロ設定とストーリーの両立に注目！

Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
“悪魔”という人外のキャラクターであることに加えて二条が人外ならではの“見惚れるほどの美形”という設定だったので二条の作画にとても気合を入れました。
ましろが描きやすかっただけに二条には全体を通して、結局最終話まで悪戦苦闘させられましたがその分気合の入った画面になっていたらいいなと思います。
そして悪魔の中でもとりわけエロメーターが振り切れる淫魔という存在を活かすため、きちんとストーリー展開をさせつつもえっちシーンを出来るだけ入れられるよう心がけてお話を作りました。


Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
とくに苦労したのは美形のキャラをちゃんと美形に見えるように描くことです。気を抜くと日本人顔になってしまうので大変苦労しました。
二条は外人顔のつもりで描いているんですが……そう、見えてます、かね？
逆に楽しかったのは所々で出て来る妖怪のような怪異の存在の描写です。恐怖感を煽るものから、ころんとした可愛らしいものまで所々で描いているので探して見て頂けたら嬉しいです。

Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
二条という名前は悪魔としての本来の名前ではありません。悪魔は人間の中に溶け込んで生活するために自分で名前を付けるのですが二条の場合、名前には元となった人間がいます。
悪魔のため時間概念がない存在の二条が初めて日本にやってきた明治初期の頃、そこで初めて出来た友達の名前が「二条慎太郎」で二条の名前は彼からもらったものです。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
近所に大きな犬を飼っているおうちがあるのですが、仕事の帰り道で毎回通るたびにすごい勢いで吠えられて「つながれてる鎖切れたら洒落にならんわ～わっはっは」と思っていたら、ある日本当に地面に刺さっていた鎖をつなぎとめる杭が外れて元気な犬と小学生以来のガチの追いかけっこをしました。コワすぎて声も上げられずヒールで爆走しました。
最終的に噛まれることもなく疲れて止まったところをじゃれつかれたので捕獲して飼い主さんのお家に連れて帰りました。
袋いっぱいのさつまいもを頂いたので大学の畑で焼き芋大会をしました。

Q. 今、何かハマっていることは？
連載中盛大に体調を崩すことがあってからこのままじゃいかんと青汁豆乳をはじめました。
朝ごはん代わりに飲んでいます。おいしいです。

最終話に至るまで長い道のりだった、初連載作の単行本化！

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
単行本としては二作目ですが商業作品として初めて連載させていただいたのがこの『拾った男は悪魔(インキュバス)』です。
最終話に至るまで長い期間をかけた作品でもあるため一冊の本にしていただけたことを本当に嬉しく思います。
わからないことだらけの中でこの形に至るまでの紆余曲折の中、支えてくださった多くの方に心より感謝申し上げます。
本という形になった当作品を実際に手にとって見ていただきたいという気持ちでいっぱいです。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
はじめまして。そしてここまで読んでいただきありがとうございます。青藤キイと申します。
エロくてハッピーでどこか抜けている、そんなましろと二条の物語を楽しんでいただければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします！

担当編集より
電子配信での連載時から人気沸騰！
青藤キイ先生の『拾った男は悪魔(インキュバス)』がついに単行本化です！

先生がとくに力を入れたというインキュバス・二条の美麗かつセクシーなその造型は、数ある見どころある中でも、やはり一番のポイントではないでしょうか。
繊細な描線で描かれた、“人ならざるもの”である二条の美しさを、余すところなくご堪能ください…！

もちろん、“インキュバス”という題材らしく、えっちなシーンも満載！
青藤先生の、濡れ場への熱量とシズル感へのこだわりが本当に素晴らしいのです…！
確かな画力と熱意が合わさったとき、こんなに極上のエロシーンができるのか！ と、担当は原稿が上がるたび密かに感動していました(笑)。

そして一方的に貪るばかりだった二条に仄かな独占欲が芽生え、それがましろを大切にしたいという気持ちへ育っていく過程は、まさにトキメキの連続！
ましろのことを餌呼ばわりしていたくせに、いつのまにか彼氏面をしている二条に、「お前…！」と思いつつも、顔がニヤけるのを止められないこと必至です(笑)。
マイナス値だった二条の彼氏力はどこまで上がるのか？
ぜひコミックスで確かめてみてください♪

エロあり・笑いあり・胸キュンありと、三拍子揃った今作。
どなたでも読みやすく、また楽しんでいただける作品だと思います。
どうぞよろしくお願いいたします！

コミックス『拾った男は悪魔(インキュバス)』

特典情報



(C)青藤キイ/竹書房・シュークリーム 2017