谷村二十円先生インタビュー

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谷村二十円先生インタビュー 大正浪漫オメガバース! 天才小説家α×駆け出し画家Ω、運命の恋!! 初小説『アンドロギュノスの夢』

2019/05/15 18:37

情と色情の間に… 小説新人賞「天下分け目のBL合戦!」大賞作

 


BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第1986回
谷村二十円/駒城ミチヲ/リブレ/ビーボーイSLASHノベルズ
小説『アンドロギュノスの夢』5月17日発売
サイン本プレゼントあり! 詳しくはインタビュー後に!

 

STORY
帝都東京――駆け出しの画家の小栗は、極(オメガ)であることを隠して生きている。ある日、編集の紹介で天才小説家として有名な夏目と出会うが、ひと目見るなりオメガだと気づかれる。実は鋭(アルファ)だった夏目に会うたび体から堕とされ、絶え間なく喘がされる小栗。強制発情させられ悦ぶ体にとまどうが、幾度も果て快楽に溺れるなか、次第に夏目に惹かれはじめ…? 話題の小説新人賞受賞作が書籍化!

 

――作品紹介をお願いします
この作品をひと言で説明すれば「オメガバース×大正浪漫」。舞台は大正時代の日本。
被差別民であるオメガに生まれた青年が、それを隠し、画家として東京で身を立てようとするものの、そこで出会った小説家に正体を知られてしまう。
しかも彼に恋をしてしまって、恋と“普通に生きること”との間で葛藤する、という物語です。
もともとは小説投稿サイト「エブリスタ」で開催されていた新人賞「天下分け目のBL合戦!」のために考えた作品なのですが、その募集ページの中に出ていたキーワードのひとつ「オメガバース」に、「時代もの」をかけ合わせたらどうなるだろう、というところから着想を得ました。
当時、オメガバースといえば現代か未来を舞台にした作品が多かったので、逆に時代ものにオメガバースを取り入れてみよう、と考えたわけです。

――主人公たちはどんな攻×受ですか?
攻の夏目龍之介は新進気鋭の小説家。才能にも環境にも恵まれ、人柄も一見穏やか。
端から見れば完璧なはずなのに、本人は何か満たされないものを抱えている。
一方、受で主人公の小栗隆一は駆け出しの画家。
絵の仕事で生計を立てようとしていて、そこを夏目に見いだされます。
隆一は夏目の作品を読んで、会う前からある意味惚れ込んでいるわけですが、会った途端にオメガだという秘密を知られてしまい、身動きが取れなくなってしまう。
夏目の方は出会ったその日に隆一が運命の相手だと気づくのですが、打ち明けられないもどかしさを抱えたまま、物語は進展していきます。


――当て馬や重要な脇役は?
重要な脇役として、瀧孝作という編集者が出てきます。
とても面倒見のいい人で、物語的には二人の恋のキューピッドという役割なのですが、いかんせん大ざっぱな性格で、悪意なく隆一を振り回します(笑)。
ちなみに瀧は、自分が恋のキューピッドを演じていることにも気づいていません。いろいろ無意識なんです。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
大正時代にオメガバースを投入するにあたり、「アルファ」「オメガ」というカタカナ語が浮いてしまうのが気になっていました。
そこでこれに当て字をしようと考え、学名・アンドロギュノスの鋭(アルファ)型、極(オメガ)型としました。
なんでこの字にしたのかと聞かれたら、なんとなくの雰囲気です! としか答えられないのですが、この当て字のおかげで世界観がまとまったかな、と自分なりに満足しています(笑)。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
時代ものなので、いろいろと調べることが多く苦労しました。
特に彼らの乗る電車は、何線に乗るというところから、その路線の開業時期、当時はどの駅があったかなど確認することが多かったです。
楽しかったことといえば執筆中、この物語の舞台のひとつである鎌倉に行ったことを思い出します。
鎌倉の文学館で当時の文豪の生原稿を見て、胸一杯になって帰ってきました。
隆一が夏目の生原稿を見て心動かされるところは、その体験から書きました。

――今作にまつわる裏話はありますか?
全然「裏」の話ではないんですが。
「りゅうのすけ」と「りゅういち」で「りゅう」が被っていることが、作者としてはずっと気になっています。
普通ならそういう被りは避けるんでしょうけれど、カップルで名前が被ることは現実にはあり得ることなので、あえてリアリティとして残しておくことにしました。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
それまで習作として短いものは書いていましたが、本気のBL小説はこれが初めてで。
「BL合戦!」に応募するにあたり、書いたものを友達に見てもらいました。
めちゃめちゃ恥ずかしかったですが、おかげで自分の作品に自信が持てました。
あれは一種の通過儀礼みたいなものだったのかもしれません。


――BL作家になったきっかけを聞かせてください
もともと物語を作るのが好きで。子供の頃はマンガ家志望で、それは叶わなかったのですが、社会人になってからある脚本家さんに憧れてシナリオスクールで勉強し、ゲームシナリオのお仕事をいただけるようになりました。
当初はそれを副業としていましたが、ペン一本で食べていこうと決心し、フリーのシナリオライターに。
依頼されるまま様々な媒体、ジャンルの物語を書く中、自分に向いているもの、書きたいものはなんだろうと考えるようになりました。
そこでたどり着いたのがBL小説でした。
BL小説は恋愛を描くというストーリーの枠組みがありつつ、世間のジェンダー観に縛られがちな男女の恋愛ものに比べ、キャラクターを自由に動かせるところがいいなと思っています。
それと、恋を描くのに性的な部分をごまかしたくない私としては、濡れ場を思いっきり書ける点も気に入っています。これをライフワークにしていけたらいいなと思います。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
自分の作品が本という形になるのは初めてで、その点はやっぱり嬉しいです。
それからイラストが素敵で嬉しい!
多くの作家さんがイラストを担当したイラストレーターさんにあとがきなどで賛辞を贈っていますが、あれは社交辞令ではないかと今まで疑っていました(笑)。
が、今回の経験で本気で嬉しいものなんだと分かりました。
また書籍化にあたり、いくつも初めての経験をさせていただいたので、これを今後に活かしていきたいと思っています。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
私はまだBL歴が浅いので、ちるちるのユーザーさんは私よりこのジャンルに詳しい方が多いのではないかと思います。
これからたくさん勉強させていただきたいと思っていますので、ご意見等いただければ嬉しいです!

リブレ 担当編集より
小説投稿サイト「エブリスタ」にて行われた話題のBL小説新人賞大賞受賞作を書籍化!! 有名天才小説家のアルファ(鋭)と駆け出しの画家の隠れオメガ(極)が運命的な出会いを果たし、互いの半身(つがい)として求め結ばれるまでを大正時代のロマンあふれる時代背景のなか、丁寧に描いておりますので是非お楽しみください!

 

小説『アンドロギュノスの夢

 

 

特典情報

 


中央書店コミコミスタジオ限定:書き下ろし小説ペーパー
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(C)Nijuen Tanimura/Michiwo Komashiro/libre 2019

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