さがのひを先生インタビュー

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さがのひを先生インタビュー関西弁年下男前×三十路目前ほんわか♥ ラブラブ“遠恋”が、小さな嘘で… コミックス『こわがり君にキスの雨』

2019/12/22 17:00

リーマン同士、大人ゆえの紆余曲折… 著者史上“最甘”ハピエン!!

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第2204回
さがのひを／幻冬舎コミックス／バーズコミックスラブキスボーイズコレクション
コミックス『こわがり君にキスの雨』12月24日発売
サイン本プレゼントあり！詳しくはインタビュー後に！

STORY
恋愛経験ゼロのまま三十路を迎えるところだった叶十。思いがけない出会いを得て、今は年下の恋人・未来と東京⇔大阪間で遠距離恋愛の日々を送っている。互いに忙しい合間を縫って逢瀬を重ね、想いを重ね、これまでの自分からは想像もつかないほど幸せ――なのに、未来には言えない秘密を抱えていた。一方の未来は、誰より大切にしたい叶十の瞳に憂いを感じていて……。大人だけど夢中だし、大人だから不器用にもなる。キュートな大人たちのじんわり沁みるラブストーリー、描き下ろし後日談も収録して待望のコミックス化!!

――作品紹介をお願いします
相思相愛ラブラブ遠距離恋愛中の攻と受が、小さな嘘と秘密のせいで、少しずつスレ違って―――…というお話です。
「好きだから言い出せない」「手放したくないから疑ってしまう」そこから生じてしまった心のすれ違いを経て、ふたりが強く結ばれるまでを描いています。
ほのぼの・あまあま・シリアス・せつない――色んな要素をつめました。

――主人公たちはどんな攻×受ですか？
攻／東未来(ひがしみらい)
大阪在住、関西弁の年下(苦労人)エリートリーマン
叶十が大好き！基本は優しくワンコな男前ですが、母親や元恋人のことで自分の気持ちや人を信じきる力が弱っています。

受／虹野叶十(にじのかなと)関東在住、30歳目前、地味系ほんわかリーマン(眼鏡)
未来とは正反対で周囲の愛情に恵まれ、温厚な性格。気が弱く消極的ですが、ここぞという時は長男気質の強さも持っています。

――当て馬や重要な脇役は？
結果として当て馬になってしまうのは、叶十と学生時代からの親友で同業者の古瀬です。
叶十の良き理解者なんですが、叶十が恋をしてしまわないようなキャラにしようと思い、ふたりの雰囲気を少し似せました(ふたりしてほんわか)
ちょっとクセのある喋り方をさせるのが楽しかったです。出番は多くないですがお気に入りのキャラです。

それから、描き下ろしにしか登場しませんが、叶十の会社の社長がお気に入りです。
頼りない叶十にめっちゃ頼ってる社長です(笑)

――今作のこだわりはどのあたりでしょう？
一番こだわったのはラストシーンです。
両思いのふたりがすれ違って、せつなくじれったくさせてしまってからのエンドなので、最後は目一杯ふたりを幸せに、読者様にもハッピーな余韻に浸っていただけるようにページ数も多く取り、担当さんともじっくり相談して、アドバイスやリクエストを受けながら工夫しました。
これまでの自分の作品の中で一番あまあまなハッピーエンドだと思います。

それから、会いたい時に会えない「遠距離恋愛感」もしっかり出るようにこだわりました！

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
最初は攻が受をぐいぐいリードして引き上げていくという設定だったのが、攻が置かれている環境などを入れ込むに連れ、どんどん離れてしまい方向修正するのに苦労しました。
ですがその分、ふたりが思い合う気持ちを踏み込んで描けたり、ビターさも加わって、話に深みが出せたと思います！

楽しかったのは……甘い部分は描いててこっ恥ずかしくなるくらい徹底して甘くする!! と腹を括って挑んだことでしょうか。
担当さんもかなり甘～～いネタをふってくださったり、ネームで「(睡眠不足で)目の下にクマ」を描いた叶十の顔を見て「こんな泣き腫らして……」と受け取ってくださったので(電話口で超照れました……！笑) そのシーンの未来にど甘いセリフ(モノローグ)言わせたり……
甘さがどんどん加速しました。

それから、弱ったり辛そうにしている受(時には攻も)を見るのが自分の萌えの一つなんですが、今回は攻のあらゆる面を全面的に受け入れる健気な受なので、ついつい、とくにエロシーンでは無茶をさせてしまいそうになりました(いや…させた。笑) スマホの前で――とか玩具とか。
描き下ろしでは叶十がメロメロになってエッチを楽しんでる――つもりで描いたのに、作画に起こすと未来の方が楽しんでる感が強くなってしまいました。

――今作にまつわる裏話はありますか？
最終話で未来が叶十の実家に行き「叶十が何故嘘をついているか」の真相を知るというエピソードをボツにしました。
一番大きく変わったのはこの部分かもしれません。
この部分を変更したことで、叶十の強さが出て、未来の弱いところが露呈してしまったかな……という感じです。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
コミックス作業の水彩を描いていて飼い猫が入らないように仕事部屋のドアを締めていたのですが、食事でリビングに下りた時にすれ違いで入り込んだらしく、一時間ほど閉じ込めてしまってたようで……クローゼットの中におしっこされてしまいました……！
部屋中衝撃の臭さです……猫砂の消臭力と偉大さを知りました。
締め切り目前というのにクローゼットの中を全部出して拭き掃除、服や鞄を干して窓も全開、臭さと寒さに凍えながら作業しました(笑)
きゅるちゃんっていう新入りの猫なんですけどね……そういえば我が家にお迎えしてちょうど一年です。

――今、何かハマっていることは？
長らく変わらず水彩にハマっています。使ってみたかった海外の絵の具が日本でも買えるようになって益々楽しくなってきました。
以前は混色で色を作りながら塗るのが好きだったのですが、最近はカラーチャートで色を決めてからなるべく混色せず重ね塗っていくのが楽しいです。
そのせいで絵の具の色数がめちゃ増えました……まだまだ増えそうです。

――BL作家になったきっかけを聞かせてください
10年ほど前にHP(懐かしい……)で描いていた『あなたは私の希望の星』という漫画を見た担当さんに声をかけていただいたのがデビューのきっかけです。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
コミックス発売前はいつもど緊張です。
webの方で既に本編を読んでくださってる読者様も多いと思いますので、コミックスで新たに楽しんでいただけるように……と頑張ったのが空回ってないかな～～～と不安になったり早く読んでいただきたくてアガったり……忙しいです(笑)
そしてこちらの記事で知ってくださった皆さまにも興味を持っていただけると嬉しいです！

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
さがのひをと申します。最後まで読んでいただきありがとうございます。
『こわがり君にキスの雨』タイトル通りの甘さにビターさともどかしさも加えた大人カップルのお話です。
コミックスのページ数も240ページとたっぷり楽しんでいただける長さになりましたので
どうぞよろしくお願いいたします！

幻冬舎コミックスラブキスボーイズ編集部担当編集より
恋愛経験ゼロのまま三十路を迎えるところだった叶十ですが、思いがけない出会いを得て、今は年下の恋人・未来と東京⇔大阪間で遠距離恋愛中。
互いに忙しい合間を縫って逢瀬を重ね、想いを重ね、これまでの冴えない自分からは想像もつかないほど幸せ――なのに、叶十は未来に言えない隠し事を抱えていました。
一方の未来は、誰より大切にしたい叶十の瞳に憂いを感じていて……？
大人だけど夢中だし、大人だから不器用にもなる。
キュートな大人たちの、じんわり沁みるビター＆スイートラブ。

さがのひを先生ラブキスボーイズコレクション2作目は、大人同士の“ほろ苦のち甘々”ラブストーリーです。
出会った日のちょっとしたすれ違いを正せないままでいる叶十と、過去の恋の痛手と家族関係の軋轢を拗らせて「大切にしたい気持ち」が空転してしまう未来。会いたいときに会えたならすぐに解けたはずの小さなわだかまりを、二人の間にある距離が複雑にしてしまう――。じれったい恋の道行きに、連載中も共感と激励のエールが多数届きました。読み応えたっぷりの本編に加え、エピローグ『胸いっぱいの一日』、描き下ろし後日談『スーパーダーリンと蜜の味』を収録。ほんのりビターな局面を乗り越えたからこそ至れる甘い甘い日々まで、ぜひご堪能ください♡