八田てき先生インタビュー

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八田てき先生インタビュー まるでロードムービーのよう… 面倒見のいい旅人×過保護な家で育った内気少年の逃避行 初コミックス『遥か遠き家』

2021/03/28 17:00

景色、乾いた風や匂い、湿度まで伝わる!繊細な表現にも注目

 


BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第2672回
八田てき/プランタン出版/Cannaコミックス
コミックス『遥か遠き家』3月30日発売
サイン本プレゼントあり! 詳しくはインタビュー後に!

 

STORY
90年代、アメリカ。過保護すぎる親の箱庭で、死んだように生きていた少年・アラン。旅人・ヘイデンと出会い、強烈に惹かれ合うも、彼には一か所にとどまれない放浪癖があると知る。共にいるためには、家出するしかない。それはヘイデンが、誘拐犯になるということ。それでも彼は、何もかも投げ捨て、アランを地獄から連れ出してくれる――。その轍は、逃走経路。しかし彼らにとっては――「二人だけの家」への、帰り道。

 

――作品紹介をお願いします
狂信的カトリックの両親の元に育った病弱な少年アランと、凄絶な家庭崩壊から家を捨て旅を続ける青年ヘイデンが出会い、二人が各々の宿命から共に逃れるために一台の車で旅をする物語です。それぞれ罪の意識を抱えながらも、だからこそ互いに魂の琴線に触れて通じ合うのですが、ある事件をきっかけに二人のほんの細やかな幸せと日常すら叶えることが難しくなってしまい… というシリアスな逃走劇です。
罪と赦しとはなんなのか? 罪と赦しが無い場所に信仰はあるのだろうか? と考えたお話でした。二人の旅路を見守って頂けると嬉しいです。


――主人公たちはどんな攻×受ですか?
攻:ヘイデンはかつてはそれなりに裕福な家庭で愛情を受けた記憶もあるため、家庭崩壊と非行を経てはおりますが、何より長く旅を続けているので酸いも甘いも噛み分けて世の理を悟った青年です。どこか育ちの良さが隠しきれない側面があり、面倒見が良いです。  
受:アランは前述の通り強烈な信仰と病の治療に囲われており、心身共にほとんど外界と遮断されて育ってきたため内気な性格の少年です。心を開けば歩み寄ることを厭わないけれど、直感的で無意識なので魔性なタイプですね。


――当て馬や重要な脇役は?
マリアというとても重要なキャラクターが出てきますが、彼女は ”マリア” という名前で大事な我が子を己の過ちで失ってしまった女性です。細かい背景や設定は本編には入り切りませんでしたが、主人公たちに赦しと罪を同時に与える役割を担っているので、彼女なしには描けなかった作品だと思います。とても気に入っています。

――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
ロードムービーを描きたい! と思って着手した物語なので、主人公たちが移り住む街や道中の景色、乾いた風や匂い、湿度が伝わるようにとにかく空気感を大事にしました。また、架空のキャラクターというよりどこかに存在した人生の物語を具現化するという意識のもとに登場人物の生気にこだわっていたと思います。


――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
話数を重ねるごとに描き込んでしまう癖がついて、完璧主義な性格も相まって作画にとても苦労しました…。また、どうしたら二人が救われるだろうか… と構想している際も、脳内で持っていきたい展開と間逆な突拍子もない事をアランが言い出したり…(笑)。
しかし作画中は作業画面の間で映画を楽しんでいたので、常に刺激を貰えていたと思います。



――今作にまつわる裏話はありますか?
執筆にあたってインスピレーションを貰った映画作品が数多くあります!『テルマ&ルイーズ』、『マイ・プライベート・アイダホ』、『ツリー・オブ・ライフ』、『君の名前で僕を呼んで』、『ある少年の告白』等…。また、登場人物はリアル感を出したかったので、ほぼ全員モデルとなった俳優さんや映画キャラクターがいます。
また、ヘイデンもマリアと深く関わる案もあったのですが、収まりが悪かったのでボツになりました。また違った未来があったかもしれませんね。

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
とにかくひたすら友人と通話しながら作業していたのですが、弱音を吐いては応援してくれて付き合ってもらっていました。執筆後は完全に限界状態なので、担当さんに提出する際にいろいろやらかした記憶が多々あります… 各方面大変お世話になりました…。


――BL作家になったきっかけを聞かせてください
二次創作していた頃にキャラ・CP愛だけ詰め込んだほぼオリジナル設定で同人誌を出して、その本を現在の担当さんが見てくださって拾って頂きました。初めて読み切りのお話を頂いた時は創作の経験がなかったため、自信もなく右も左もわからない状態からスタートしたのですが、今作まで親身にご一緒してくださった担当さんのおかげと言っても過言ではないです。感謝しきれません。


――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
自分の作品が単行本として世に出版されるとは、人生わからないものだなあと… 携わってくださった方々、支えて応援してくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
初めての連載作品だったので、こんなに長く自分のキャラクターと対話して愛着が湧いたのが感慨深いですし、終わってしまって寂しい気持ちもありますが、主人公たちの人生が自分の中の宝箱に収まったようにも感じます。
ぜひお手に取ってくださると嬉しいです!



――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
私自身、とても実になった作品でした。ぜひ主人公たちの旅に同行して一緒に体験してもらい、少しでもこの旅路が胸に残る時間があれば何よりも嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します!



コミックス『遥か遠き家

 



特典情報

 

・とらのあな限定両面イラストカード

・アニメイト限定ペーパー

・Renta!限定ペーパー

 

その他情報


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(C)八田てき/プランタン出版2021

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