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僕に全てを与え、捧げてくれた人。
haruka tooki ie
「I know」
この言葉がこれほど重く、深く、そして優しい意味を持つとは思いもしませんでした。
これさえ無ければ、と思わざるを得ない出来事が多すぎて……読み終えて非常に日が経ちましたが、未だに涙を流してしまう程です。
特にあの父親との電話のシーンでは、あの刑事さんと同じように頭を抱えてしまいました。どうしてアランの両親はああなってしまったのか。
子供の為に神を信じ、願うのは良いと思います。
けれど、神の為に子供を「こうあるべき」「こうあるだろう」と抑圧・期待して信じるということがあってしまうのは、本当に悲しく思います。
言い過ぎかも知れませんが、子供にとっては、親は本当にすべてなのです。
親がどう接してくれるか、何を教えてくれるか、それらが本当に大切なことなのです。
アランが電話口で、一体どれだけの勇気を振り絞ってあの出来事があったことを伝えたか。
求められているのはこんな自分ではないんだ、と直接、はっきりと言われた時の悲しみが一体どれだけであったか。
マリアのことは、誰も責めてはいけないと思います。
読者としてアランとヘイデンに感情移入してしまっているのもあるかとは思いますが、それでも、マリアのことも、アランとヘイデンのことも、誰も責めることは出来ないと思ってしまいます。
もし神様がいるとしたら、きっと二人の選んだ道に涙を流しているだろうと思います。たとえ神様が、ユダの裏切りを予見したように、未来予知が出来たとしても、人の思考や行動を完全に制限することは不可能でしょう。
キリスト教系学校に通った程度の浅識ではありますが、唯一確実と思って言えるのは、神様は人を尊重し、どんな人でも愛してくれる存在だということです。
聖書から、一節だけ引用します。
「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである」
by 日本聖書協会『新共同訳 中型聖書』マルコによる福音書 10章14節
彼らが、彼ら二人の家に帰ることが出来ていますように。
※このレビューは、引用箇所以外すべて私個人の意見によるものです。
まるで映画。私はこの漫画を読み終えた後、脳内にエンドロールが流れた。
私の人生のBL観を変えた最高の一冊。
大好きで大好きすぎて大好きだからこそ辛すぎて1週間くらい引きずった。
圧倒的な画力と映画の様な怒涛の展開や言葉遣いで一冊のボリュームが凄い。ここまで一冊で満足感を得られる漫画は早々ないと思う。
2人のそれぞれの過去と現在を取り巻く全てから逃げる様に海を目指して旅を始めた2人。まだ大人じゃない2人には限界があって……。帯の「世界中敵に回して、愛した。」が似合うそんな崖っぷちに追い込まれた2人の逃避行に涙が止まらない。理解者がお互いしかいない、この狭い世界で「2人だけの家」を探し大人達に最後まで争い続けた2人。本当に最後が辛くて辛くて思わず漫画を抱きしめて声を出して泣いた。
2人の姿を沢山の人に見守って欲しい。そして沢山の人の記憶の中でずっと生き続けて欲しい。
BL好き以外にも薦めたい最高傑作。
いつの世も2人がずっと幸せでいられます様に。
うぅ~ん、ワシにはちょっと難しかったかも (^^;)
あっ、エンディングが不満ってことじゃないっス。
メリバは別に嫌いじゃないし、アレはアレで良かったと思います。 (←何様)
でもキャラがね…
ヘイデンはなんとなく掴めたけど、アランがずっと謎でした。
行動がいつもズレてるっていうか― 会ったばかりの人につらつらと我が家の状況を明かしたり、名前が「マリア」というだけで知らない女性に執着するし…
あんな辛い過去があったのに、警戒心ないの、この子⁇って思いましたね。
実の親の愛情すらも感じた事がないっと言いつつ、どうしてそうやすやすと他人を信用するの?そこの感情の変化をもう少し現実的にして欲しかったです。
あと、せっかくの漫画なのに、なんか小説を読んでいる感じがしました。
表情とか細かい描写でキャラの心情を受け取りたいのに、ぜ~んぶ言葉で説明されてて楽しくなかったです。
ずっと辛口ですみません。
絵 (特に瞳と海の景色) は非常に美しかったです。
こちらのレビューで知り読みました。
ページを開き、すぐに引き込まれてしまいました。瞳の描き方が綺麗で印象的でした。
熱心な教会の信者である受けの両親と幼い頃の受けをレイプした神父。祈っても祈っても救済なんかしてくれない神。それらに反発して逃げ出すも、結局は拠り所として神に縋ってしまう受け。
攻めは父と母の死を引き摺り続けており、どこにも居場所がなく孤独で、街から街を渡り歩いている。
2人の逃避行の結末はそれほど悪い終わりではなかったと思います。
救いのない展開ですが、2人が出逢えたことは非常にドラマチックで尊いです。
圧巻の画力で、物語の重たく切ない雰囲気にマッチしています。ぜひ読んでみて欲しいと思います。
鬱エンド、読んだら立ち直れないなどと言われている作品ですが、まぁ映画などでありがちな話に思えて私の琴線にはふれませんでした。
あぁ、そうなのふーん、へー、と流れていきました。私の倫理観が人を殺めたらそれなりの罰を受けなければいけないと思っている部分があるので、いくら不幸な生育環境だと言えども逃避行でハッピーエンドは都合が良すぎるのでこうなるしかないなエンドでした。
この先詰むやろ描写がちょっとずつ小出しに出てきて最後追い詰められてわーーーー!って感じで終了。私的には洞窟の中でひっそり二人で心中して何故か白骨化せず死ろう化した二人だけの世界完成みたいなのでも良かったなー。
あのあたりにそんな洞窟あるかわかんないけど。
絵はとても美しいけど、ほぼモノローグで話が進むし、受け視点かと思うと攻め視点だし、ちょっとどっち視点なの?ってわかりにくくて読みにくいところもありました。
私の感受性の問題なのか、悲しいお話として描きたかった作品だなとしか受け取れませんでした。
大体の展開を知った上での購入。
読了後、皆様のレビューも大まかに読ませていただいて、のレビューとなります。
どうしても空気感にも触れないレビューにはできないので…
まっさらで読みたい方は回れ右でお願いします。
↓↓↓↓
いわゆるバッドエンド、というか、メリバともいうか。
しかし、これはやはり「耐性」がものを言うのではないでしょうか。
若くて、楽しい話ばかり読んでいた方なら。耐えられない悲しい話なのかも。
でも私のように、年の功もあり、またBL以前に悲劇系に慣れた人間なら。
ひと昔ふた昔前によくあったよな…
…という感想になる。なってしまう。
昔…って言うのも癪ではあるが、実際「昔」って小説でもTVドラマでも映画でもかなり死エンドとかお別れエンドが多かった。そんなのばっかりだった時代もある。
だからこういうの既視感だし耐性があるんです。
また他の方のレビューにもある通り、まんま「○ルマ&ルイーズ」とも感じました。
この映画も1990年くらいの作品なので、本作きっかけに映画を見るというのもありですね。
というわけで。
私としては逆に。
本作を読んで衝撃‼︎悲しすぎる‼︎涙しかない‼︎という反応が逆に羨ましいですよ。
バッドに慣れずに、いつも登場人物たちの心情に寄り添って新鮮に心を動かせる読者でいてほしいです。皮肉じゃなく本心から。
身も蓋もない言い方をすればBANANAFISHの○中バージョン。アッシュ一人でひっそり逝く位なら英二と一緒がよかった、と思った読者には刺さる。
立ち直れないほどダメージ受けるか否かはひとえに読者の免疫にかかってくるので何とも言えず。
自分はBLに限らず鬱作品が大好きで、小説・漫画・映画から大量に摂取している為、さほどショックは受けなかった。ありがちといえばありがちな話運びだし……重松清の「疾走」のが鬱。
90年代のアメリカを舞台に狂信的カトリックの親に抑圧された病弱な少年と、劣悪な家庭で育ち、母を見殺しにした罪悪感に苛まれる青年の逃避行を描いた漫画。
アランは症状から察するに血友病かな?
カトリックの宗教観がベースにある話なので、普段ライトなBLを読み慣れてる層には敷居が高い。交互に挟まれる受けと攻めのモノローグも言い回しが詩的哲学的。
美点として作者の画力がとても高い。
BLでは受けと攻め、あるいはイケメン以外ちょっと……って漫画家が多いのだが、老若男女全年代を描きこなしている。白黒なのに人種までわかりそうなリアルさ。背景や車も全部上手い!クライマックスの風と光の表現が素晴らしかった。
アランとヘイデンの外見も睫毛の質感や唇の肉感のリアルさとデフォルメの配分がよく、シリアスなストーリーにちょうどいいリアリティーを付与していた。
映画「テルマ&ルイーズ」に似てるらしいと指摘があるものの、生憎そちらは観てない為、先入観抜きで楽しめた。見ていたらまた感想が違ったかも。
個人的には1時間30分位の尺で映画化してほしい。もちろんハリウッドで。漫画より映画向きの題材な感触。
神に救済されず孤独を抱えた少年が、唯一にして最大の理解者と出会い逃避行を繰り広げる話であり、二人の関係性や宗教観の変化に終始焦点が絞られる為、ロードムービー感は控えめ。
道中絡んだ人ってマリア位だし。神父はアレだから除外。
導入から重たい雰囲気でシリアス。ギャグはほぼないので息が吐けず疲れる。
自分は絶望、鬱というより、本作に登場する大人のどうしようもなさに胸糞悪さと怒りを覚えた。
少年時代のヘイデンを救おうとし、最後まで気にかけていた警部は別として、アランとヘイデンを取り巻く大人たちがほぼクズ。特にアラン父は最低。
息子が勇気を振り絞ってかけてきた電話へのリアクションにはあっけにとられた。母親も怒れよ警部は殴れよ!!
比較的マシかと思われたマリアまで亡き息子とアランを混同して暴走するなど、大人になりきれないが故に純粋であり続けたアラン&ヘイデンとは対照的に、子供に依存する大人の狡さ・弱さ、愚かさが炙りだされたのが印象的だった。
「子供が死んだのがお前のせいだろ」発言を踏まえるに、客をとってる間に留守を任せたダニエルが死んだのか、薬や酒に溺れてネグレクトしたのだろうか?
冒頭、未成年を誘拐しただけで射殺?と疑問に思った伏線も、のちのちちゃんと回収される。
あんだけ罪を犯したらなー……あっちは銃社会だし……。
神とは?許しとは?罪とは?罰とは?居場所とは?
上記ヘヴィな問いが作中何度も繰り返されるため、軽い気持ちで読めないのは確か。「萌え」を求めるならよそに行った方が賢明。感動を求めるならどうぞ。
濡れ場は控えめなものの毎回ちゃんと意味を持たせており、ヘイデンが行為中に泣いたシーンは少しうるっときた。
ラストはバッドエンドかハッピーエンドか意見が分かれ賛否両論。確かにメリバっちゃメリバだが、個人的には悪くないラストだと思った。他でもない本人たちは納得してるしね……
あの結末しか選べなかった道程を考えるとやりきれないものの、アランにしろヘイデンにしろ、最後の最期に自分がいるべき場所に辿り着いて光を見れたのだから。
海に突っ込むシーンでスケッチした絵をばら撒いたのは、「美しいものも醜いものも見てきた」ヘイデンの視点を共有し、その全てを包む世界に光を見い出せたからかなと考えた。
「彼さえいればいい世界」を唯一の居場所として選んだよりは上記の解釈の方が好みだが、このあたりは読者一人一人の感性に委ねられる。
アランが教会で神父をアレして、磔刑象に銃弾を撃ち込むシーンはぜひ映画で見てみたいが、欧米で実写化すると色々問題あるんだろうな……。
惜しむらくは時代背景が生かされなかった事。1990年代舞台なら湾岸戦争と同期するが、その辺の社会情勢が絡んでくる事は一切なく。
神父に虐待された苦しみや教義に背いた同性愛者の罪悪感にフォーカスするなら、もっと前の時代でもよかったはず。
作中人物のビジュアルをとっても三十年以上昔とは思えず、設定が設定だけで死んでいた。
逆に現代に合わせても良かったのでは?我が子の持病がきっかけで宗教に傾倒した親は世界中にいる。
余談だが八田てきはKPOPにハマったヤクザが主人公のギャグ漫画「ヤクザの推しごと」の作者でもある。
本作の後に「ヤクザの推しごと」を読んだ人はテンションの落差に驚くはず。ダメージ中和に最適。
「表紙が綺麗だな」と思いなんの心構えもせずに読みはじめました。読み終わったあと全てを後悔しました。
こんなに泣くとは思っていなかった。途中途中でポロポロ泣いて、最後は……察してください;;
とても辛くて重くて、でも考えさせられる作品です。
宗教は人を救う為にあるけれど、それによって苦しんでいる人もいて。2人の家は2人が出会っていなかったらバラバラだったのかな。世界は暗く汚かったけれど、最後一緒に2人が帰れた家は明るく綺麗だったね。よかったねとは言えないし、2人ともが幸せな環境で生まれていたらきっと最後は違ったのだと思うけど、遠い遠い場所から、2人で本当の帰る家へ行けたことが読者の私としては嬉しいです。
文句なく神作品です。
すごい作品だと何となく評判は知っていましたが、こんな話だったとは。
罪とは、救いとは…と考えさせられます。
2人にとってお互いが救いであり居場所であり神だった。
それが私の救いにもなりました。
アランの「苦しんで苦しみ抜いて…そこで初めて生きていこうと思えることがある」の言葉が刺さります。
(余談ですが、仏教でも四苦=生老病死、生まれること、生きることが苦しみの一つだと言ってますしね)
にしても、元々の2人は何も悪くない。
被害者です。
なのに自分は罪を背負った人間だと思って生きている。
この理不尽たるや。
しかし、悲しいかな現実の世界にはヘイデンやアランが大勢いる。
アラン父も神父もマリアも刑事みたいな人も世界にはいる。
そんなことを思ってしまいました。
苦しみの中でも、救いとなり居場所になり神となる存在はいるよと八田先生は描きたかったのでしょうか。
それが破滅のような未来でも。
彼らが破滅したように見えるのは周囲の人間であり、そこで自分たちの罪に気づくとよいのですが。
そうはならないかなぁ。
少なくとも刑事さんは良き大人であり、こういう人もいるってことですよね。
本人たちにとっては破滅ではなく、記憶のない海に消えていくことこそが救いでありしあわせなのでしょう。
まるで浄土や解脱のようです。
それでも、ラストは胸が詰まりました。
冒頭から引き込まれましたが、言葉の使い方がいいですね。
特に、ヘイデンのモノローグが好きです。
アランの内面をおしはかりながら、自身の心境の変化の表現にハッとすることが多かったです。
はぁ〜読んでよかったです。
内容が難しくて理解出来ない部分もありましたが、本当に読んで良かったです。数ヶ月前に書店でこの作品を見かけた時、キラキラ青春モノかと思ってスルーしたのが悔しいです。もっと早く読みたかった!しかし、ラストにもう少しインパクトが欲しかった!
この作品を読んだ後、漠然とした喪失感を感じ、しばらく黙りこんでしまいました。
なんというか、泣いてしまう以前に情報の処理が追いつかなくなるほど悲しいと私は感じました。アランはまだ未成年でありながら全てを受け入れるようにヘイデンの罪の告白を聞いていて、まだ子供ながらも苦しい体験をしているからこそこんなに冷静でいられるのかと少し悲しくなりました。互いを本当に愛してたからこそ、この結末は2人にとって幸せなのだと思いました。