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表題作紙の舟で眠る 下

三上燿一,アマチュアカメラマン
北原 憬,天才脚本家

その他の収録作品

  • 最終幕(描き下ろし)
  • 締め口上(描き下ろし)

あらすじ

僕はあなたでできてる

戦後、横浜。
娼館の居候・燿一は、北原憬 脚本の映画に、人生を与えられた。
北原作品を観あさってカメラマンを志し、写真館の助手となる。
ある日、泥酔していた男に声をかけた所、それが何とあの北原憬で……。
憧れの人と、夢のような日々を過ごすことに。
だが、増していく恋慕とは裏腹に、憬と己の埋められない才能差を感じ、憬の存在は遠のくばかり。
燿一のやり場のない恋心は、いつしか、彼との心中を望むまでに――。

作品情報

作品名
紙の舟で眠る 下
著者
八田てき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784829686898
4.6

(77)

(57)

萌々

(15)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
17
得点
358
評価数
77
平均
4.6 / 5
神率
74%

レビュー投稿数17

燿一という存在の温かさに安心する

 下巻は上巻で謎めいていた部分もすっきり明かされ、死神や呪いの正体、憬の幼少期の経験も知り、それらを踏まえた上で2人の関係に目を向けられるので理解が深まって満足度が上がりました。列車事故の前には両親との虚しい別れがあったのですね。憬の物書きという仕事に対する一筋縄ではいかない想いの理由が分かりました。そこに目を瞑らずもう一度正面から向き合うこと。燿一といたからこそ、できたことですね。

 そして、本当の死神は憬ではなかった。しかし、その片棒を知らぬ間に担がされていたという事実は憬の中でけっして消えないでしょう。それでも、脚本家という人生を通して燿一と共に生きることで、時間をかけて昇華させられるだろうと信じています。憬の生み出す言葉には人を救う、人に希望をもたらす力もある。そのことに気付く機会がこれからたくさんやってくるだろうと思います。

0

美しく、残酷で、最後は…。

あ~~~すごい……。やはり画力…なんだこの圧倒的な画力は…。
そして話をまとめる力もすごい~~。ハッピーエンドでした。
苦しみとトラウマを乗り越えてある今。そんな話です。映画のようでした。娼館が舞台なので女性の息苦しさや辛さなんかも描かれていたなぁ。
受けの映画のタイトルも秀逸。秀逸というかまあ、ここに帰するんだなぁという感じ。
ただシリアスで難解なので2,3度読まないと入り込めないかも。上巻でのホラー感が下巻で人怖モノになっているので、あ~なるほどなあ~と思うと同時に、ちょっと駆け足気味に感じました。
しかし幸せそうなふたりのその後の描きおろしは読んでいてニコ…!となりました。

0

最後まで読んで良かった、そう思わせてくれます。

2巻では、電車事故に遭ったときに、憬が絶対に燃やしたくないと、胸に抱えて守った物が何だったのか?そして、過去の憬の忘れていた記憶が戻ってきます。自分の生い立ち、過去に何があったのか?自分に現れていた死神の正体も分かってきます。1巻のカラーの扉絵はじつは2巻のあるシーンだったのも分かります。
ウェブ版のザ・テレビジョンのインタビューでの八田てき先生のインタビューを読みました。先生がずっと温めてきたお話だったこと。そして、戦争による生命の尊厳と文化の破壊によって…トラウマティックな体験をした人の創作物からは、生命と魂の慟哭が泥臭くむせ返る様に感じる…
と、書かれており。(本文を読むことオススメします。先生の語彙力を私では表現出来ないです)先生のこのインタビューを読んだ時に、私自身も、八田先生がこれくらいの(憬の様な)覚悟というか、キャラクターが憑依しているかの様な、想像を絶する集中力でこの漫画を描きあげたのでは無いかと。先生の熱量を感じました。

2巻の後半からは、どんどん謎解き要素が強まって、今まで不思議に思っていたことが実はあるカラクリがあった事。ストーリーにどんどん引き込まれます。それにしても、創作物を作り出す為の人の心、執念の闇の深さに恐怖を感じました。
特に憬が苦しめられていた死神の正体、そして、自分の父親の思い出との決別。死神となっていた過去の自分との別れ。

傷を負った心で描かれる脚本は決して自分を傷つけるものでは無いと教えてくれた燿一。そして自分が脚本のモデルにして亡くなった森さんも憬の脚本を喜んでいたと。死神から決別して自分の創作に自信を取り戻す憬の姿がとても心をうたれます。魂の浄化です。
上巻は憬が燿一を守る為に、彼を遠ざけてしまいますが、下巻では燿一が憬の創作の為に憬の元を去ってしまい…最後まで二人の恋心の決着がどうなるのか心配でしたが、本当に素晴らしいラブレターを憬は燿一に向けて送ります。ここに来るまでにも何度も様々なストーリーのカラクリがあったのに、まさかラストにもこんな仕掛けがあったなんて!と驚きでした。
映画の様な二人の物語を文字どうりに楽しめます。
最初から最後まで素晴らしい作画で物語が綴られており、苦しい場面がたくさんありますが、そういう合間にも、安らぎを得る二人の場面が何度か入れられていて、二人が苦しみから解放され心が浄化されていく場面はとても美しく描かれています。
八田先生の魂を感じられる神作だと思います。

0

下巻

ファンタジーのような独特の世界観がある場合に難しいのは終わり方だと思うのですが、この作品はすごく綺麗に完結していました。
圧倒的な世界観を圧巻の画力と素晴らしい文章で語られていました。

憬が記憶と向き合ったことで死神と決別し、過去の泣いてばかりの自分も救うことができた下巻

特に、憬の過去が印象的でした。これだけ悲惨なことが幼少期にあれば記憶に蓋をしてしまいたくなるのも当然だなと思いました。

憬と燿一の物語こそが、タイトルの『紙の舟で眠る』
フィルムのように今までの印象的なコマと共に添えられた言葉、半生を語る言葉がすごく素敵で、こんな文章を綴るのが本当にすごいなと思いした。

描き下ろしの特に、3年後の憬は表情が柔らかくて、すごく素敵でした。
2人が当たり前のように一緒にいて過ごしていく日々を感じられてうるっときました。

カバー下が上下巻共に憬の書いた原稿になっていてすごく凝っていてよかったです。

0

なんかとにかくすごい

正直好きな系統の話じゃないんだけど読んで損はないというか質が良すぎて言葉を失う感じ。作家先生の世界観ガンガン出てるし熱量すごいし純文学って感じで読み直そうと思うまで半年くらいかかる感じの重さだけど、読むの止められない。圧倒的美!話が難しいし、アホには辛いんだけど圧倒的な美!途中もえ。。。。。?ドユコト?なんだけど買って損はない!とおもひます。

2

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