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下巻は伏線回収です。
そして、受けが脳内から溢れ出る死神の言葉と対峙するお話が核となっております。
が、少しずつ伏線が回収され、真実が少しずつ見えてきて、まさかの展開にびっくりすることでしょう。
ホラーファンタジーではなかったことに。
少なくともまりあげはは、ホラーでもファンタジーでもなかったことにびっくりしました。
人って怖いよね、という一言に尽きる。
そんな怒涛の伏線回収劇でした。
そしてね、完全にこれはネタバレになるのですが、2人は一度離れてしまうのです。
八田先生の作品なので、その瞬間メリバを予感するのですが、今回のお話は違いました。とだけ、お伝えさせてください。
ではどうやって2人がハピエンとなるのか。
圧倒的読了後の余韻体験を含めて、百聞は一見にしかず精神で、ぜひぜひ今から読んで、鳥肌の立つラストを自分の目で確認していただきたいです。
なにが言いたいかというと、結局はこの一言に尽きます。
八田先生ってばまたすごい作品を発表したなあ、という感想。
映画とかでも観てみたい作品でありました。
一人の脚本家を落とし込めるまでに周りの全てを犠牲にして崇高に創られた一世一代の尊い、作り話。
全てが嘘で死神なんていなかった。あったのは、過去の記憶に蓋をした過去の幼い自分自身だった。
全てがわかった時、悪夢のような夢なんじゃなくて、美しい夢だった、そう描かれているシーン読んだとき泣きそうになった。幼い憬が報われるシーンが、手のひらからこぼれ落ちるほどの呪いにかけられた今の憬が救われるシーンが嬉しすぎて読んでいる時に感情が昂りすぎて笑っちゃった。
あの日生き残った2人だって死に損ないなんかじゃなくて、運命の糸なんてもので繋がっていなくて、ただ大事な存在同士だったからまたお互い再び同じ世界にいた、それだけだった。
こんなにも人生に大きな爪痕を残して、狂わされる存在がいる事が羨ましい。きっと私は、あなたの隣に居たかった。
全てを暴いて、もう大丈夫になった世界でようやく2人はまた新しい世界を歩いてゆく。
うわああああ尊い、尊い、供給過多すぎる。呼吸も忘れて読み耽りました。
上巻はふたりがお互いに沈みゆく共依存てきな関係なのかと思いましたが、ちゃんと自分の足で立ってこの世界を歩いてゆく、でもそこにあなたが居たらいい。そうやって世界を生きていく下巻の2人のラストで感情がぶわああって膨れ上がって口角上がりまくる。
ずっと笑っていてほしい。ずっと隣にいて欲しい。出会った時の思い出を抱えて、愛してるってはにかみあって。
ラストシーンで若干成長したふたりがかっこよすぎてしんどい。
ウワアアアアアしんどい!!!←
八田てき先生の最新作!
赤線地帯が取り締まりによって消えつつある頃。
娼館の居候・燿一と、脚本家・憬のロマンチックでラブラブなほのぼのストーリー。
......とはいかないよなぁ、やっぱり。
下巻では思わず「そうきたか!」と叫びました。
八田てき先生の頭の中を覗いてみたい...
そして相変わらず圧倒的な画力。
紙本をめくりながら「これ...もはや画集だわ...」と唸りました。
ストーリー構成も圧倒的で、読者に畳み掛けてくる大作でした。
最後に言われた通り上巻のカバーを外してみたらビックリ。
表紙から始まって何もかもが凄い作品でした。
これからもどんな作品を創られるのか楽しみにお待ちしております。
憬が心からの想いを耀一に明かしたところで終わっていた上巻。
そこからすぐに事態が好転するはずもなく、少しずつ気持ちが噛み合い始めても未来がどうなるのかは見えないまま…
それでも現実から目を逸らさず前に進んでいくふたりの姿はとても美しくて、愛は人を強くするものなのだなとしみじみ思いながら
それぞれの選択を見守るような気持ちで読み進めた下巻でした。
最後には自分の死が待っていることを理解し覚悟をした上で、耀一を守るために新しい脚本を書いた憬。
生きることを諦めているようにしか見えない彼の言動は見ていて本当に悲しかったけれど、
変えられない運命に飲まれてしまおうと思えたのは、耀一のことを本当に愛しているからなんですよね…。それがなんともやるせなかったです。
でも最初で最後だと思っていた耀一との旅で、幼い憬が蓋をした一番ツラい記憶を思い出すと流れは変わっていくことに。
ずっと囚われ続けていた原因に辿り着けたことで本当の意味で前に進めるようになり、諦めてしまっていた耀一との未来を描けるようになるわけです。
すべて受け入れた憬の目に映った死神の姿はこれまでとまるで違う姿をしていて、
それが彼の心の闇の終わりを表しているようでとても感動的でした。
耀一もまた憬という大切な存在がいたからこそ夢を追うことができたのだろうし、自信を持った自分で向き合うためにたくさんの努力をしたのだろうな、と。
再会の場面で思わず涙が滲む耀一と、そのすべてを包みこむ憬の柔らかな微笑みに胸が熱くなったのでした。
とても深く作り込まれたストーリーに八田先生の絵柄がマッチしていて本当に素晴らしかったです。
何度も読み返してこの世界観に浸りたいなと思いました。
上巻だけではどう解釈したら良いのかが難しい重苦しさが渦巻いていて、いったいどんな結末を迎えるのかとはらはらしながら読み進めた下巻。
結果から言いますと、期待以上の決して予想通りにはならないドラマチックな展開が待ち受けていて、こう来るとはと夢中になってページを捲る自分がいました。
八田先生、本当に印象深い作品を描かれる作家さんですね。
上巻のあのずっしりとくる重みがあったからこその下巻だったと思います。
燿一と憬の関係性。憬が手掛けた作品関係者の謎の死。憬から離れない死神。
夢が誠かと不明瞭だった全てが明らかになっていくわけですが、先述の通りそのどれもが納得のいくもので、なおかつ非常にドラマチック。
ひとつひとつのエピソードの魅せ方が素晴らしく、苦しくも美しく強い彼らの生き様に思わずのめり込んでしまう。
人間の怖さ、そして愛情を強く感じる1冊でした。
濃厚な映像作品を観たかのような読後感です。
いえ、もしかしたら観ていたのかもしれませんね。
本編は勿論、描き下ろし・タイトル・カバーイラスト・カバー下まで、全てが見どころです。
濃厚で濃密。素晴らしかったです。