水が怖く、角人が苦手な男子×角人となってしまった接触恐怖症のお金持ちのお坊ちゃんのお話。
受けの過去回想的なシーンから始まる冒頭。
夢だったようで、目覚めた受けはサイアクな気持ちになりますが、以前は目覚めたらいなかった攻めがいることに嬉しさをどことかく感じています。
お金で契約しているとはいえ、いい感じの雰囲気にニッコリ。
ついでに、朝勃ちしてる攻めに興味津々な受けにもニッコリ。
けれど、今回の本編は境遇が相反する2人でしたが、辛い過去が掘り下げられたりとなかなかヘビー。
とくに受けの過去は辛い、、、
そして、受けは過去に角が出ていたことがあったんですね。
しかも受けの妹の一言で、実はかなり前に2人は友達だったことが判明します。
攻めは受けのことが好きではなかったのに、それでも受けの存在に癒されていく過程が丁寧に描かれています。
というか、2巻ラストの過去の受けちゃんが不憫すぎて...泣
きっとこの事件に、攻めは大いに関係しているのでしょう。
次巻以降で、失われた受けの記憶が補完され、攻めとの関係がLoveになっていくのを楽しみにしております。
という既視感はやはり間違っていなかったようで、、、
今回の新刊は、描き下ろし以外はすべてCabや東京戦慄奇譚などで発表された、「後輩×先輩」の短編でした。
タイトルラインナップは、さすが「先輩」というタイトルだけあって、ほとんどが「先輩」のついた作品ばかりでした。
以下、、、
「先輩の躾け方」(Cab)
「先輩の呪い方」(Fig)
「先輩の育て方」(東京戦慄奇譚)
「先輩の見つけ方」(Cab)
「後輩の好きな人」(Cab)
「Later four-panel comics」(描き下ろし)
こんな感じです。
◆まず、「先輩の躾け方」について。
まさかのオチに震えました。
先輩...強かすぎる!
でもこういうお話、嫌いじゃないです。
◆次に、「先輩の呪い方」について。
オカルト苦手なのにオカ研に入部してるチョロイン先輩がカワイイ♡
「自己中な太宰マジでムリ」のクダリに大笑いしました。こういう小ネタ好きです///
◆「先輩の育て方」について。
これは過去、東京戦慄奇譚でレビューしたので割愛させてください。
でも久しぶりに見たら、攻めも受けもかなり狂気的
な愛で最高だったなあ!(結局レビューしてる)
◆「先輩の見つけ方」について。
他に好きな人がいる先輩。
でも、そんな先輩がいつか自分なしじゃ生きられなくなればいいよ、っていう攻めが個人的に好きなので、好きなお話でした。
そう遠くない内に、先輩は身も心もキミなしではいられなくなる日が訪れそうな気がするよ。
◆「後輩の好きな人」について。
このお話、前の作品と世界観が繋がっているのかな??
事故で記憶を亡くした主人公。
お腹がすいて力が出ず、ふらりとよろけた拍子に階段から落ちかけた主人公をキャッチしたのは、すっっごいイケメン。
そして甘いものまでご馳走してくれる始末。
お礼をさせてほしいと訴えるが、またいつか会えたらと、名前だけ聞いてさよならしてしまう。
その後、退院すると同時に見張っていたかのようにストー○ーっぽいメッセージが届く。
ブロックしても届く。
読んでいると、もしやこのイケメンが怪しいのでは、、、?? と思い始めてくるのですが、その正体は果たして、、、
◆描き下ろしの「Later four-panel comics」は、収録作品の四コマでした!
個人的には、「興味はある」の四コマが好きでした。
読み応えたっぷりな瀬戸先生の「先輩受け」1人アンソロジー。
どの作品も続きが読みたくなる魅力的な1冊でした!
1人アンソロっていう発想、天才すぎますね!!
お待ち申しておりました、2巻!!
今回のお表紙のカブも、タイトルの箔押しも、帯のスケルトンもすべて物語のために計算し尽くされたステキ装丁。
今回は、カブの過去などが掘り下げられた巻であり、また彩の内面なども晒け出されたりした巻でもありました。
ここには無い心臓が、椿に対して脈打つカブ。
椿への大きな独占欲を抱く様に、切なさとキュンと愛おしさと(なんだか某歌のタイトルみたいになってしまった、、、)を感じました。
また椿もカブへは、とうてい同じ気持ちとまではいかないけれど、それでも特別な感情を抱いて大切な存在であることは、日々の様子からたしかで、、、
と思っていたら、「お前以外どうでも良い。」発言に、ふぁっ?!! と、萌えながら卒倒したのはまりあげはだけじゃないはずです。
恋とかそういったのに無頓着風な男のこういった発言は、正直最高です。
最高すぎます。
大好きです。
その上、彩の禊もあって彩の身体へ入るカブ。
椿とのハロウィンランドでのデート(だと思ってる)ではしゃぐカブは可愛かったけれど、
カブの「椿君にはこれからまだ楽しいことがたくさんあるよ」というセリフに涙が、、、
そしてそれにいい微笑みで返す椿にも涙が。
彩の顔でハッと我に返るカブが切ない、、、(ここでもまた、ほろりとする)
最終的にこの世界観が、設定がどうなっているのか分かりませんが、こういった2人の未来が確約できない関係性に、オチはどこなの、、、と気になってしかたがありません。
まあ、そのあやふやさが良かったりもするのですが。
いつか憑依ではなく、ちゃんとカブの身体で椿とデートできる日が来るのを望んでしまうのは、ムリな話なのでしょうか。
うーー切ないよ。
そして憑依を終えた彩の同性好き告白に、優しく応じる椿。
不器用すぎて誤解されまくってますが、実は心根が優しいんですよね。
なんて思っていたら、まさかのラスト[○。○]マジカ←まさにこんな顔していたと思います。
このラストは一体?!!!
早くも秒で続編が読みたくなった衝撃の結末なので、未読の方はぜひコミックスでご確認ください。
震えました、、、
ェ.....大丈夫...ないですよ.....ねえ??(動揺)
宗教2世が、ある日集会に連れていかれ、教祖がクラスメイトだったことに気がつくという、衝撃的な冒頭。
そこから2人の交流は始まり、やがて教祖にさせられ、虐待のような制約された生活を送る永真を助けようと、クラスメイトたちで奮闘するお話でした。
恥ずかしながらこちらの作品で、「アロマンティック」という言葉が存在することを知りました。
ちなみにアロマンティックとは、誰にも恋愛感情を持たない人のことを指すそうです。
宗教2世の春一が、それでした。
そして、春一に救われた永真はそんな春一を好きで、パートナーとして一緒にいたいと思う。
そんな結末でした。
宗教という強烈な題材のインパクトにかき消されがちかもしれませんが、相手のことを「分かりたい」と伝えること。
それから、相手に諦めずに伝えようとすることの大切さを、改めてこちらの作品で認識しました。
大人になるとどうしてもこの作業って、諦めがちだったりしますよね。
(少なくともまりあげははそうだった)
でもそういった忘れていたものをこちらの作品を読んで、ふつふつと思い出しました。
BがLをしているかと問われると、正統派ではないかもしれません。
が、多様性が叫ばれる昨今。
ほかの友達ともちょっと違う好きで、なんか特別。
こういった愛のカタチがあってもいいし、ゲイでもなんでも自由でいいのではないかと思いました。
ただ、相手も自分と同じ考えなのだということはなく。
相手の自由を奪うことはないように。
常に、相手のことを知ろうとしようとする気持ちが大切であることを忘れずに。
最後の「僕は人間だ!」のスピーチに涙。
そしてカバー裏の永真の「好き」欄に、外出と肉って書いてあったのが、エモしでした。
そっか。
あれから永真、肉が好きになったんだね、、、(感慨深げ)
また1作、すごいお話を読んでしまいました!!
雪深い森の奥で、リュカは獣人のヴェルクと暮らしていた。
ヴェルクは一年前、森でいき倒れているのをリュカが拾って甲斐甲斐しく面倒をみたのだ。
それ以来、ヴェルクに番になってほしい、と体当たりでお願いされるようになって、、、
耳付きと呼ばれる獣人のヴェルクは、その特性から親に捨てられ、愛されることを知らずに成長しました。
対して、リュカも大切な家族を土砂崩れで亡くしています。
2人のこのエピソードは、どちらも涙なしでは読めません。
ううう...切ないんよ。・゚・(ノД`)・゚・。
そんな天涯孤独な2人が出逢ったのは必然と思うし、2人寄り添うことで(ヴェルクの好き好き攻撃割合のほうが大きいのが最高ですが♡)、最終的にお互いが生きる希望みたいになっていたのは、とても良きでした。
が!そんな2人に、とくきリュカに命の危機が訪れます。
ウソ?!
ウソ?!! というヒヤヒヤ展開から、さらに驚愕な結末が!!
正直びっくりしましたが、ヴェルクの溺愛がより強強に。
それから一度タヒにかけたリュカが自分の気持ちに素直になり、結果2人の絆と愛は「さよならの、その時まで」永遠に続くのだろうと考えると、感慨深い結末でした。
一度タヒにかけたリュカのシーンのときに、タイトルの意味はもしや...ここ...です...か?? と不安を覚えましたが、ラストのラストにあるモノローグでタイトル回収がされたのですね(両手を合わせながら)!
紅先生の今月2冊目の新刊は、泣ける獣人攻めBLが読みたい方にオススメのお話でした。
あと、個人的にリュカのビジュアルが好みでした。
波乱が起きそうな上巻のラスト。
そして今回、下巻の帯の煽り文字。
「誰にも見られない場所で、お互いのためだけに愛しあう。」
うわーーーっ!!
タイトルの「檻」とはおそらく研究所のことでしょう。
研究員と被験者な隼仁と凪冴の未来の雲行きは、今度は物理的に怪しくなってきた煽り文ですね。
ということで、下巻を黙々と読みました。
読んだ方はお分かりと思いますが、長く研究所で一緒に暮らしていたカナタとの別れ。
いつか凪冴も隼仁の子どもを産みたくなるときが来るのだろうか、と逡巡したり。
けれど、避妊薬を使用しながら凪冴を抱く意味が掴めずで、困惑したり。
ある日、隼仁ははぐくみ棟のヘルプへ行き、はぐくみ棟のなかで起きていた人体実験にも似た被験者たちの顛末を知ってしまいます。(このエピソード、一番切なかった...涙)
凪冴をなんとしてでも無事に外へ逃したいと、より強く願うようになり、ルートを探し始める隼仁。
そして決行。
ともに凪冴を好き同士のライバルにも協力してもらい、外の世界へ逃げることにあと少しで成功しそうだったとき。
偶然、凪冴ははぐくみ棟で起きていた真実を知ってしまいます。
その後、2人はなんとか身を隠して追っ手を撒くような生活を送っていましたが、、、
下巻は起承転結の転の部分が、とにかくハラハラしかなくて、最終的に2人は捕まえられちゃうの??
それとも実は、陰性だった凪冴が妊娠してたオチとかだったりして??
などと、アレコレ仮説を立てながら読んでいましたが、結果、まりあげはの仮説はどれも当たっていませんでした。(当たり前)
というか、この結末は――一応、ハピエンでいいのでしょうか。
まだまだ危うい未来ですが、2人が2人の意思で選択した現実を生きているという結末。
たしかに背徳だった、、、
うん。
こちらの作品の場合の背徳の意味とは、そういうことだったんですね。(ぜひ、実際読んでみて確認してみてください)
周囲なんざ関係ねえぜ! という気概のあるCP大好きマンなので、とてもエモい選択をした2人に喝采と祝福を贈りたい。
そんな上下巻、読み応えたっぷりなお話でした。
人口減少に歯止めをかけるために、男性妊娠の研究進む近未来。(まずこの設定が重い!)
妊娠を望まないにも関わらず、亡くなった実母で研究所の博士のせいで、強制的に被験者にさせられた凪冴。
被験者になり5年経つが、一度も発情期を迎えられないまま鬱々と今日まで過ごしてきたが、ある日、かつて好きだった、そしてもう二度と会いたくないと思っていた幼なじみの隼仁が、研究員として凪冴の前に現れる。
突然発情する凪冴。
知り合いとのことで、多くの研究員が観察する中で凪冴と交わることを要求された隼仁。
結局、隼仁は無理やり凪冴を抱き、、、
幼なじみ再会ラブ…なのですが、
モルモットを意味する「ギニーピッグ」というタイトルから判る通り、凪冴がとにかく不憫すぎて、隼仁と再会しても心通わずで、マイナススタートな関係性が切なかったです。
ですが、ちょいちょい隼仁が見せてくる凪冴への執着や、本人には誤解されてしまいましたが、本当のところはどう思っているのかなど、
上巻の終盤に明かされたエピソードを知ったときには、めっちゃ凪冴のこと溺愛してるじゃん…(感涙!)と震えました。
やはり受けのことを幼き頃から超絶溺愛、もしくはド執着している攻めは最高ですね。
そしてド執着な情事をあちこちでやり始めた2人をよそに、上巻のラストでは手術室の不穏なシーンでフェイドアウトされます。
いや~~!
恐いですねえ(稲○淳二風に)
恐いですねぇ!!
ということで、ドキドキしながらまりあげはは、早速下巻のページを捲りました(下巻の感想へ続く!)!!
ちなみに上巻のこのドキドキ感、すっっごく好きです!!(突然の告白でしめる)
360ページ超えの今作は、異世界転生したやさぐれ男と、色悪騎士のお話――なのですが、、、
ラノベ風のタイトル的内容かと思いきや、冒頭こそなぞってはいましたが、とんでもない! 大河ドラマもびっくりの読み応えたっぷりな王位復権(またしても語彙力皆無ですみません!)再生BLでした。
主人公が転生前の日本で半グレアラサーだったことや、ワケあり生い立ちもあって、酸いも甘いも経験してきた経験豊富な設定が、物語を面白くしていたと思われます。
これが普通のリーマンだったら、ありきたり転生モノという印象で終わっていたかもしれません。
序盤で早々に亡くなってしまった優しくて思いやりがある王子の代わりに、正反対な主人公がハッタリや勘などを駆使し、あれよあれよと身代わり統率者となっていき、真の仲間を得て、目的を同じくし、そして亡き王子の代わりに国を奪還し、仲間との別れや国の復権など、BLのL以外の部分でも。
希望しかない未来が見えるラストも楽しむことができました。
また、ラブの部分も攻めが意外と硬派で誠実で、受けを大切に想う姿に萌えました。
これもまた、攻めの悲しき生い立ちにドラマがあるのですが、、
生きてまた何度も抱き合いたい、とか個人的にどちゃクソ痺れました。
語彙力なさすぎて魅力を大いに伝えられないのが不甲斐なく申し訳ないですが、とにかく面白いので、読もうかどうしようか悩んでいる方はもちろん、未読の方もぜひ!
ぜひに!
読みましょ!!(圧強めですみません)
高校の先輩後輩同士。
囲碁のプロ棋士でα(後輩)の近江と、発情時に薬の効きがよくない書店で働くメガネ美人なΩ(先輩)のお話。
出会いは、人気のない第2図書館で図書委員の仕事をしていたΩが、そろそろ閉めようとして突如体調に変化をきたし、α=近江がいることに気がつく。
早い話、2人は身体から始まる関係です。
襲われた受けは、責任取って発情期の間はえちして欲しいと要求を突きつけ、攻めを縛ります。
身体から始まってしまったからこそ、お互い両片想いなのに気持ちがうまく伝わらず、そんななかで攻めが受けに内緒で、家の都合でお見合いした女性とのことが週刊誌に載ってしまいます。
当然見てしまった受け。
慌てて撤回にくる攻め。
このとき受けは、いつか近江の恋人になれるかもと淡い期待を抱いていたその気持ちが砕け散ってしまいます。
もうね、このやり取りがとにかく切ない。
まりあげは、最初のティッシュ必要な場面でした。
からの、すれ違ったまま、受けは攻めがいなくともなんとかひとりで発情期を過ごせるように。
攻めは、受けと別れてしまったことで追い詰められてしまいます。
けれど最後は、、、
綺麗でキラキラな絵が、より切なさを倍増させます。
切なく胸がギュッと苦しくなったあとでのハピエンが好きな方には、とてもオススメな1冊です。
そして、お表紙…すっっごく美しくて眼福ですね。
あとがきにタイトルについて先生が言及されましたが、ベールブルーは受けのフェロモンのイメージとΩがフェロモンを纏う感じがベールっぽいとのことで、そう相成ったようです。
ぴったりですよね。
そう思ったそこのあなた様、ぜひ読んでみてください!(まわし者ではない)