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やさぐれ男、異世界で色悪騎士が愛する王子の身代わりとなる

yasagure otoko isekai de iroaku kishi ga aisuru ouji no migawari to naru

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表題作やさぐれ男、異世界で色悪騎士が愛する王子の身代わりとなる

ヴィダール、元傭兵の護衛騎士
世永 礼夜、27歳、異世界に召喚された半グレ

あらすじ

おまえがいないと、生きてる意味がない
愛を知ると弱くなる。でも愛さずにはいられない。心が空っぽの半グレが、塩対応の騎士に恋をし得たものは!?

荒んだ生活を送る礼夜は弟分に刺され死亡⋯のはずが異世界に召喚!? 礼夜と瓜二つの清らかな少年王子の代わりに、騎士団を率い国を奪還することに。騎士のヴィダールに惹かれるが、彼が慕うのは王子だけ。冷たく「お前のことは抱かない」宣言までされてしまう。ところが怪我をした礼夜に彼は献身的で熱を孕んだ視線を向けてきて。素直になれず戸惑う中、礼夜は危険な任務に赴くことに!?

作品情報

作品名
やさぐれ男、異世界で色悪騎士が愛する王子の身代わりとなる
著者
小中大豆 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576240169

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1

4.5

(36)

(27)

萌々

(5)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
164
評価数
36
平均
4.5 / 5
神率
75%

レビュー投稿数9

お、面白かった!!(語彙力ゼロ腐女の渾身の褒め言葉)

360ページ超えの今作は、異世界転生したやさぐれ男と、色悪騎士のお話――なのですが、、、


ラノベ風のタイトル的内容かと思いきや、冒頭こそなぞってはいましたが、とんでもない! 大河ドラマもびっくりの読み応えたっぷりな王位復権(またしても語彙力皆無ですみません!)再生BLでした。



主人公が転生前の日本で半グレアラサーだったことや、ワケあり生い立ちもあって、酸いも甘いも経験してきた経験豊富な設定が、物語を面白くしていたと思われます。

これが普通のリーマンだったら、ありきたり転生モノという印象で終わっていたかもしれません。


序盤で早々に亡くなってしまった優しくて思いやりがある王子の代わりに、正反対な主人公がハッタリや勘などを駆使し、あれよあれよと身代わり統率者となっていき、真の仲間を得て、目的を同じくし、そして亡き王子の代わりに国を奪還し、仲間との別れや国の復権など、BLのL以外の部分でも。

希望しかない未来が見えるラストも楽しむことができました。


また、ラブの部分も攻めが意外と硬派で誠実で、受けを大切に想う姿に萌えました。
これもまた、攻めの悲しき生い立ちにドラマがあるのですが、、
生きてまた何度も抱き合いたい、とか個人的にどちゃクソ痺れました。

語彙力なさすぎて魅力を大いに伝えられないのが不甲斐なく申し訳ないですが、とにかく面白いので、読もうかどうしようか悩んでいる方はもちろん、未読の方もぜひ!
ぜひに!
読みましょ!!(圧強めですみません)



1

しみた

小中先生&奈良先生買い。奈良先生の神表紙ですっごく楽しみにしていた本だったのですが、期待を超えた面白さでとてもとても良かったです。キャラもお話も良かったしずっと覚えている本だなと思うので神にしました。本編360Pほど+あとがき。

母にまともに育ててもらえず中卒で働きだしたものの、結局半グレ集団を率いていた礼夜。一番の古株だった身内に刺され、川に落ちたはずなのに、気が付いたら泉のほとりで、自分に瓜二つな顔の若者に助けられ・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は、結構多い。
フレイ(タイトルにある「愛する王子」)、イーヴァルディ(フレイの侍従)、エイン、ジェド、ヴァン、オーズ(フレイの側近や従者)などなど。イーヴァルディが大好き。

++

お話が面白いというか、先が気になって気になって、どんどん読んでしまう(=読み止められない)。その合間に、同程度の濃度で、攻め受けの恋話も進んでいく。このあたりの按配が「小中先生、神では」と思うのです。面白いし、救われる。救済されるんです。良かったなあ。

攻めは、がちがち傭兵だったけど、フレイに惚れこんでいた方。最初は受けに当たりがキツイけど、だんだん心境に変化みせてきます。堅物っぽく思ってましたが、後の方で百戦錬磨系と判明。お主、やるのう・・・という心地です。奈良先生のビジュアルが最高ですよね。金髪筋肉ありの甲冑姿?最高では。

受けは人生何でもあり、負けるのは気に食わねーって様子に思う方。半グレで大抵やったので、そろそろヤバイかもと思う勘所がナイス。異世界に来ても、その人心掌握力とでも申しましょうか、存分に発揮し、あれこれ企み、ぎりぎりのところをすり抜け、という様子です。平和な時代に生きていけるのか?この方は?と思ったのですが、最後の最後に思わぬプレゼントありましたので、あと20年ぐらいは必死に生きていくことでしょう。

攻め受けともキャラがあまりにしっかりくっきりたっていて、お話がぐいぐい惹き込まれるものですし、とどめに奈良先生の挿絵ときたものですから、神一択でした。先生、素敵なお話有難うございました。また新しいお話を楽しみにお待ちしております。

9

もちろん作者買いです

作者さまの名前で購入する事が段々と減って来てはいるのですが、小中大豆先生の作品は間違いないので作者買いを続ける数少ない作家さまの1人なんです。更に今作は奈良千春先生のイラストも素晴らしく一気に世界観に引き込まれました。

凄く面白かったのが最初は礼夜を胡散臭いと思っていた王子の側近たちが、段々と礼夜を認めて主君として守ろうと意識を変えて行く点でした。
またヴィダールが献身的に変わって行くのも丁寧に書かれていて、礼夜の心の揺れ動くさまに凄く萌えました。

ただ、難点を挙げるとすれば丁寧に書き過ぎてて後半が凄く駆け足に感じた点です。残りのページ数が足りるか何回も確認しました。
たぶん皆さん同じ感想なのでないでしょうか?私は続巻が出るのかと終盤まで思ってしまいましたから。

そして328ページの5行目なのですが、「ここヤルンエルヴが五千、北のスヴァルトゥヴィドは三千」は逆で「ここヤルンエルヴが三千、北のスヴァルトゥヴィドは五千」の間違いではないでしょうか?
担当さまご確認よろしくお願いします。

7

厚さに違わぬ、濃密重厚な半グレ男の物語

読み終わってすぐ、こちらのレビューを書いています。

…いや、最後!!!!(興奮)
なるほどね、そういう展開になるのね…と、心が震えました。
彼らのここまでの、長い長い道のりを思うとね…


なんといっても小中大豆先生だし、奈良千春先生の表紙も美麗で、美男×美男に期待して購入した、こちら。
コミコミさんから届いて手に取って、まずその厚みにビックリしました(°_°)
ページ数、360P強。

そして今月一緒に購入した本が4冊中3冊が転生もので、正直「また転生か…」って思ったことは否めません。
しかしやっぱりそこは小中先生作品…1ページ目を読み始めてからすぐ、あっという間に物語の世界に引き込まれました。
「転生ものはお腹いっぱい」状態でも、余裕で飲み込めた…!!!

今回は半グレ、オラオラ系の受け様。主の後を追おうとしたヴィダール(攻)を殴ったりする。生き残るためにはなんでもするし、頭も回る受け。

めちゃめちゃ好きなタイプの受け、とは言えないけど、フレイ亡き後の異世界での知略のめぐらせ方がもうハンパなく格好いい。

(元気になってしまった礼夜の礼夜を、イーヴァルディの裸を思い浮かべることで元に戻してる描写、笑った〜!(*´艸`))

「王座奪還」の展開が軸になるので、攻め受け2人の気持ちの動き(特に攻め)は正直なところもう少し細かく丁寧に追いたかったな、、というのはあるかも。

でもやっぱり、この壮大な物語を書き上げられる小中先生には尊敬しかない…
エンディングがね、本当に。秀逸でした✨「あーそうなるの!」って、思わず声あげちゃいました。


11

面白いがゆえに上下巻で読みたかった

最近は現世で死んだと思ったら異世界に飛ばされていた系のお話が多いなあと感じつつ、小中先生ならきっとおいしい味付けにしてくれるはずと手に取った次第です。
小中先生と奈良先生タッグは個人的にアツいものがありました。

小中先生って、ファンタジーの中に全部がお綺麗なものでできているわけではないぞと、ちょっぴり現実的という名の厳しさや辛さを混ぜ込むのが非常に上手い作家さんだと思っていて。
今作もそんなエッセンスが効果的に香る、分厚く読み応えのある面白い1冊でした。
序盤〜終盤手前までは文句なしの★5。
これは…はたしてページ数は足りているのだろうか?と不安になるスピード感があった終盤付近に、なんだか別の意味でハラハラしてしまい今回はこちらの評価に。

今作で特筆すべきはやはり主人公の礼夜でしょう。
現実をしっかりと見ていて綺麗事を言わず、くるくると小気味が良いほどに地頭の良さを見せつける口が悪い美人。
彼が見知らぬ異界の土地で孤軍奮闘…するわけではなく、生き残るために上手く取捨選択をしながら、なんだかんだと周囲の人々を巻き込んで信頼を勝ち得ていく姿は読んでいて気持ち良かったです。

なんでしょうかねえ。作中の彼の思考はとてもシンプルなもので、自分が無事ならそれでいいというものなんです。
ただ、ある種のツンデレと言いますか、終始利己的に振る舞っているようでいて、実のところ悪にもなりきれない情を持っている。そんな不器用な人なんだと思います。
怪我をした動物が道端で弱っていたら助けるタイプだと思う。
本当は人を思いやる心を持っていて、彼の思考と言動の端々からそれが滲み出ているのですけれど、礼夜本人だけが分かっていないんだなあ。
だからこそ、大勢をひとつにまとめ上げてやろうなんて微塵も思ってはいないところへ人が自然とついてくるんですね。

だというのに、本当の意味で自分自身を大切にする方法も、育った環境が影響し愛情もよく知らないというのがずるいところでして。
ここが攻めのヴィダールとの関係に深く影響してくるのがとってもおいしいです。
初めは嫌悪されていたはずが、少しずつ信頼→愛情へと変化し、序盤のヴィダールはどこへいった?と思ってしまうくらいに深みのある甘さになっていきます。
馴れ合いすぎないビターな甘さが世界観と合っていて良かったです。
背中越しに抱き合って眠る2人の図と、大切だからとあえて抱かないヴィダールが好きでした。
ひとつ欲を言えば、もう少しヴィダールの気持ちの流れが分かりやすいとなお良かったかなと。

国取りものとしても面白く、主人公の現世での孤独が塗り替えられていくかのような展開も読み応えがありました。
それがゆえに、先述の通り終盤の展開があまりにも急で残念に思います。
文庫でここまで分厚いのなら、上下巻に分かれてでもきっちり詰めて書かれたものが読みたかったです。

11

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