夜啼鶯は愛を紡ぐ

nightingale wa ai wo tsumugu

夜啼鶯は愛を紡ぐ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×23
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない4

60

レビュー数
6
得点
41
評価数
14
平均
3.3 / 5
神率
35.7%
著者
 
イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
ISBN
9784829626504

あらすじ

不器用な男たちの十年純愛

オペラ歌手を目指して海外留学した与那覇凛は、
己の才能に絶望した時にエリアスと出会う。

貴族で実業家の彼は
凛を一流のアーティストにし、2人は恋人となる。

独特の倫理観を持つエリアスには
恋人が複数いて、同性の伴侶までいる。

自分だけを愛してほしいが口にできない凛は、
歌えなくなったらエリアスに捨てられると思い込み……。

不器用な男たちが繰り広げる十年に渡る純愛!!

表題作夜啼鶯は愛を紡ぐ

エリアス、凛を見い出した貴族で実業家、36~46
与那覇凛、オペラ歌手を目指す留学生、19~30

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数6

とにかく切ない…

すっごく好きなお話でした。
お話としてはシリアスで結構重い話だけれどそれゆえにぐいぐい引き込まれていきました。

他の方々が内容について書かれてらっしゃるので私はとにかく読んだ感想を…

※ネタバレが多量に含まれてますので注意してください




凛(受け)がとにかく一途で健気で悲しかった。
自分の声がオペラ向きでなく、悩んでいるときにエリアス(攻め)と出会いその声に可能性を見出だしてもらったからということもあり、余計にエリアスに対してあれほど盲目的に愛を向けていたのかな……


そして、その出来事があり、歌うことが凛にとってエリアスの側に置いてもらう理由になって捨てられないために必死になってる姿に、自由に歌っていいんだよっと言いたくなります。


売り上げが伸びなかったりなど色んなことが積み重なり凛が追い込まれていく時には辛くて辛くて……

凛も自分なりに考えて、今までのように言われた通りにやっているだけじゃダメだと思って自分から意見を言ったりしてみてもスタッフや周りの人たちからは鬱陶しがられ、イーサン(マネージャー)にでさえ君らしくないと言われる始末。
凛がエリアスに電話をするシーンでは思わず涙がポロポロと………
((ここがとにかく辛かった;;
凛の切迫した空気とエリアスのそこまで大事に捉えていない空気感の違いが感じられてほんとに切なかった

結果的に凛は歌手をやめて日本に戻りますが、凛にとってはその方がよかったなと思います。
一度外の世界を見ることで盲目的になっていた「歌うこと」や気持ちの面でも整理をつけやすいし、と。


個人的に凛に感情移入しまくっていたのでこの後の攻めざまぁ展開にちょっと胸がすっとしました。
再び心を通わせることが出来てよかったな~とは思いますがそんな簡単に信じていいの!?大丈夫!?とは声をかけたくなりましたね笑


作中で凛の「難しい人だとは思うけど、あなたは不誠実な人ではないよ」という言葉に、ちゃんとエリアスのことを理解しているんだなーと思いました。
自分の愛の形とエリアスの愛の形が違うこともわかってはいるけれどやっぱり耐えられなくて離れてしまった。
でも、一度別れて外に目を向けたことで凛はもう一度エリアスと向き合うことができたのかな……
最後には自由に歌うことが出来てほんとによかったです。
誰のためとか関係なく歌が好き。もうここで拍手したくなりました。



欲を言えば、エリアスの生い立ちなどはもう少し詳しく、出来ればエリアスの視点で知りたかったな、と思います。凛が日本に戻ったときのことなどエリアス側の視点が気になります。

また、エリアスの公のパートナーだったデビッド。凛がノウァに感じていた感情をデビッドも凛に対して抱いていたんだろうな、て思うとデビッドのことが気になって仕方ありません。今の恋人とのことなど幸せになったあとのことを少しでもいいから知りたいです!

4

受けが女々しすぎる

初読みの作家さまですが、yocoさんの表紙につられ購入。

内容はすでに書いてくださっているので感想を。ごめんなさい、辛口の感想です。おいやな方はスルーでお願いします。





ちるちるさんでは評価が高いですが、ごめんなさい、全然ツボに入らなかった…。

とにかく、受けが女々しい。と感じてしまった。

オペラ歌手を目指し、けれど彼の持つ声質、音域ではどう抗ってもオペラ歌手には向いていない。けれど自分でそれを自覚できず、周囲のアドバイスさえ素直に受け取れない。
挙句の果てに街中で助けてもらった男に惚れこんで、彼のために歌を歌う。

歌手としてのプライドが彼にはないように思えました。

オペラ歌手を目指し、でもその夢は叶わなかった。
そこで気持ちが折れるのは理解できるし、気の毒にも思う。

けれど、彼が歌う、その理由が、

恋人に捨てられたくない。

ってなんやねん…。

そして、恋人や同性のパートナーを持つ恋人・エリアスに対しても。
彼が複数の恋人がいる男と知って、それでもなお、彼を選んだのは凜自身。それならそれで、自分で気持ちの折り合いをつけるべきなのにエリアスにイラついたり、騒いだり。

彼のエリアスに向ける愛情が一途だと思う方がいるのは理解できるのですが、個人的には凜がどうにもこうにも女々しくて萎えてしまった…。

純愛、と言えば純愛なのかも。
あれだけ一人の男に惚れこめるというのはある意味羨ましくも思う。

が、個人的に全く好きになれない受けさんでした。

一方のエリアスはツボでしたね。

彼の持つバックボーン(貴族という身分とか、お金持ちである、とか)から、彼に私欲のために近づいてくる輩は多く、それゆえにさらりとした人間関係を築けないのではないか。

凜に去られた後、すぐに追うことができなかった彼の不器用さが、かえって好印象でした。

が、いかんせん、どうにもこうにも受けさんに感情移入できず。
評価下げて、ごめんなさい。

3

ドシリアス

かなりのシリアス&切なさだったので、小中先生ではないのかなと途中で作者の確認をしてしまいました。そんなに作品数読んではいないのですが、小中先生では珍しい作風だと思います。

凛はオペラ歌手を目指して海外留学をしますが、才能に絶望します。そんな時に出会ったからなのか、エリアスがいたからこそ歌を歌えるからなのか執着とも言えるくらい彼だけを想っています。
エリアスは凛以外にも恋人が複数いるし、更にはデビッドという同姓の伴侶がいます。一夜限りの相手もいるくらいエリアスは自由というか不思議な男です。しかも、それを隠そうとしていないです。沢山の恋人がいて、それでもエリアスは凛の事を愛していると言います。

エリアスの力もあり歌手として成功します。でも、凛は歌手の成功を喜ぶというよりもエリアスの為に歌っているという感じです。
その為、歌えなくなる=エリアスに捨てられると思い込むくらいです。
イーサンというマネージャーが凛を支えてくれていますが、傍にいる彼よりもエリアス第一の凛です。
それでも2人はすれ違うし、凛は焦りや不安とか色んな面からかなりメンタルが弱っていき、歌手として成功しているはずの凛があまり幸せそうには思えなかったです。
ちょっとした綻び(凛にとっては大問題でしたが)で2人の関係が終わり凛は逃げるように日本に帰ります。
この時の凛のボロボロ具合が何とも痛ましかったです。我慢をせず素直になっていればと思うし、エリアス以外の人の言葉をもっと聞きなよと色々凛に言いたくもなりますが、「エリアスに嫌われたくない・愛されたい」というただそれだけの事が彼をここまで追い詰めてしまったのかなと思うと切ないです。

凛が離れてしまった事によって初めて凛という存在がエリアスにとって大事だったのかと気付く攻めざまぁという展開に少しスッキリします。別にエリアスが嫌いという訳でも他に恋人がいたとしても凛を愛していたという事には違いないですが、エリアスがもっと早く凛への想いに気付いていたらと思う部分があったのでちょっとスッキリしてしまいました。

個人的には凛の気持ちに共感する部分は少なかったのですが読み応えがあります。ドシリアスなので落ち込んでいる時に読むとかなりずーんという気持ちになるかもしれないです。

4

歌姫のお話

音楽ものが好きで、どんなのだろうかと期待していましたら、クラシック、コンクール等ではなく、歌姫(?)としてデビューするものでした。攻め受けの変遷もとても染み入りましたが、受けが自分を解き放って「歌う」ことが出来た時の開放感が好きで、泣きました。ぽきんと折れそうになるまで追いつめられる受けがお好きな方にはオススメしたいです。攻めさんが「複数の方との関係を維持される方」という事を、お伝えしておきます。

お話は、凛の留学している大学の学生寮でのシーンから始まります。中に入ろうとした時に、同室の学生が友人たちと凛の事を話しているのが聞こえ、部屋に入れず街に飛び出しでたのですが、通りで変な男に絡まれたところを30代半ばのプラチナブロンドの男性に助けられ・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
大学時代の同室の学生(♂)、デビューしてからのマネージャー、凛より後にデビューした歌手(♂)、攻めの公式パートナー(♂)等。
マネージャーがいい人でした。ほんとに良かった。

*******以下はより内容に触れる感想

苦しく切なく痛く・・・デビューしてから引退するまでの過程が、心配で心配でたまりませんでした。追い込まれるのにシンクロしてしまい、だから凛が逃げるように引退するのはとても良く分かるし、あれで正解だったと思うのです。一度離れた方が絶対良かったと思うのです、失うと分かっていても。一生割り切れる訳のない気持ちだけど、一度逃げてもいいと思うのです。その後、イーサンに会って、エリアスに会ってもう一度見つめなおすことが出来て、本当に凛は幸せだと思いました。二人の想いが掛け違うようなタイミングで無くて本当に良かった。ハラハラし通しだったので、はーと息をつく感じでした。

その後、凛が歌うことを思い出し、最後「一緒にいさせて」と言うところまで涙ぐみっぱなし。凛が自分の在り方をきちんと見つけて、自分の足で立てることが出来て本当に嬉しかった。エリアスが弱り切ってたのも「攻めザマア!」と溜飲が下がる心地で良かったです。エリアス、しっかりしてよね!ほんとに(怒)凛、喧嘩したら家出しろ!!すぐ謝ってくるようになるさっ

攻めに対する怒りはあれど、とにかく受けが目覚めたことが嬉しくて、安堵感、幸せ感でいっぱいな本でした。後日談があれば少しでいいので、読んでみたいなあ。レコードだしてものんびり曲作ってマイペースに過ごす凛に会ってみたい・・・

4

お人形

うーん……読後にこういう風に感じるのが久しぶりなので、どう書けばよいのか戸惑っています。
とても読ませるお話だと思います。面白い。暗くて重いのだけれど一気読みしちゃったので、それは間違いないと思うのです。小中さんの力は感じる。

でもね、
あたし、主人公の与那覇凜ちゃん(どうしても『ちゃん』呼びしたくなっちゃうタイプなんですよぉ、私の中で)に、どーしても共感出来なかったんです。
もう、途中から
「あんたは!あんたは!あんたは、それだから!」っていう言葉が頭の中でグルグルしてね。まるで、仲の良い幼馴染みか、親戚のおばさんの如く、凜ちゃんを叱り飛ばしてしまいたい願望が渦巻いて堪らなかったんです。
それだけ感情移入したって事なので(何度も書いてクドイのですけれど)物語には大変力があるんですよ。だから単に登場人物の好みの問題なんですけれども。

オペラのソリストになるべくして留学した先で、自分の才能に限界を感じていた時に、有力者の大人(エリアス)に見いだされて、ワールドミュージックの歌い手としてトップスター兼、彼の恋人になった凜ちゃんですが、エリアスが自分以外にパートナーがおり、なおかつ、つまみ食いも含めて、別の男性達とも関係を持つ人だったため、いつか自分は捨てられるという恐れを捨てきれません。エリアスが新たに力を入れて売りだそうとする若い魅力的なボーカルの台頭、自分の人気の衰え、そして何より声の不調の不安によって、今まで決定的な我が儘を言わずに耐えてきた凜ちゃんはエリアスに側にいて欲しいと訴えるのですが……

「エリアスって正直な男だなー」と思うのです、私は。
最初に「誠実な恋人にはなれない」って言っちゃうんだもん。
他の男性と付き合っていることを隠さないし、かと言って露悪的に話して傷つけようとしている訳でもない。
それに対して凜ちゃんは、彼に嫌われることを恐れ、自分を主張しないという態度を取り続けます。
徹底的に『エリアスのお人形』という立ち位置なんですね。
これが、私にはダメだった。

もうひとつダメだったのは、凜ちゃんにとって歌を歌うことってエリアスの関心を惹くことだけの目的なのでは?と思っちゃったから。
「え?歌うこと自体はそれほど好きじゃないの?」と感じる決定的な部分があって、これがね、共感出来なかったんです。

最終盤で、こういう凜ちゃんも変わる訳なんですけれども、この変わりつつある部分がもう少し重点的に描かれていたのなら、もう少し凜ちゃんを応援したい気持ちになったかも知れません。
凜ちゃんの力になろうとする人もいるんだけれど、その人達と友情を結べず、結局「あなただけがいればいい」というトーンが強いままでお話が終了してしまうのですけれども……
まだ30歳と若いのに、2人だけの繭の中で隠遁する生活が待っている様な気がして「それって幸せかぁ?」と、この結末に首を捻っている私がおります。
でも、お話の『グイグイ感』が素晴らしいので『萌』評価で。

5

全ては、今この瞬間の為に

元々好きな作家さんでデビュー作から全て持ってますが、今回は鳥肌が立ちました。
「不器用な男たちの十年純愛」となってますが、これを「純愛」と言うのは何か違う気がします。
ただ、全てを引っくるめて、やっぱり「愛」としか言いようが無い・・・。

作家さん自身も今作は雰囲気が違うと書かれてまして、いつものラブコメや明るいお話を想像されると戸惑われるかもしれません。
どシリアスで痛くて切なくて、大変重いお話です。
綺麗で純粋なだけの愛でもありません。
が、これもまた主役二人にとっては紛れもない愛の物語。
強く強く心を動かされました。




内容です。
オペラ歌手を目指して海外留学するも、夢と現実の間で挫折感を味わっている凛。
そんな時、貴族で実業家のエリアスと出会い、才能を見出された凛は、一流アーティストとして華々しい成功と恋人の地位を手に入れます。
しかし、独特の恋愛観を持つエリアスは、凛の他にも恋人やパートナーを持ち、決して凛のものだけにはなりません。
そんな中、歌えなくなればエリアスに捨てられると凛は恐れていてー・・・と言うものです。


まずこちら、受けである凛は、相当面倒くさい執着系です。
そして攻めのエリアスはつかみ所が無い宇宙人。
終始、凛の視点で語られますが、とにかく痛くて切ないのです。
凛とエリアスの恋愛観はキレイにすれ違っていて、恋人だからこそ自分だけを愛して欲しい凛に、何人も恋人がいて一人だけを愛すると言う事自体が理解出来ないエリアス。

エリアスはある意味とてもズルい男なんですよね。
二人の出会いは、凛を男娼と勘違いしたエリアスが買ってと言うものなのですが、最初から「誠実な愛はやれない」と予防線を張っている・・・。

セレブな恋人にトップアーティストとしての華々しい名声と、全てを手に入れたかのように見える凛。
でも、仕事以外ではずっと自宅でエリアスが訪れるのを待ち、歌えなくなって捨てられる事を恐れて、自身の「声」や人気に縋り付く日々・・・。
純粋な夢を追っていた青年が、「愛する恋人」と出会ったばかりに、大好きな夢が重荷に代わりどんどん追い詰められて行く・・・。
もう、このあたりの凛の心理描写が容赦なくてですね。
読者側はグイグイ感情移入させられ、切なくて切なくて仕方ない。

で、そんな凛を酷い目にあわせるエリアスですが、彼は彼の独特の倫理観で生きています。
上手く言えないのですが、根本的に意識が違うと言った印象なんですよね。浮気性とかでは無く。
要はどちらも不器用なんですよね。
不器用故のすれ違いと言っちゃうには、この二人の十年て痛すぎるのですが。

と、二人のすれ違いに焦れて焦れて読者が爆発しそうになる頃、先に爆発する凛。全てを捨てて、日本に帰国です。
ここからが死ぬほど萌えるのです。
ちょっとだけネタバレですが、攻めザマァてトコでしょうか。
エリアスはエリアスで、誤解されててと気の毒な部分もあるんですけど、やっぱ萌える!!
もっと追い詰めてやってもいいんじゃないの?と。

ラストがすごく感慨深くて、最後の一行に涙腺崩壊です。
ホント遠回りし過ぎたけど、これまでの十年は、今この瞬間の為にあったんじゃないかと。
ここまでたどり着くのに十年て!! なんて不器用なカップルなんでしょうね。

先にも書いたように既刊全て読んでいますが、ちょっとこれまでに無い雰囲気の作品。新境地を開かれたのではないでしょうか。
浮気が地雷の方にはダメかもしれませんが、十年にも及ぶ壮大な愛の物語にぜひ心を震わせていただきたいです。


※追記です。
私は受けを酷い目に遭わせる攻めて大嫌いなのですが、小中先生の書く「酷い攻め」と言うのは好きなんです。
ずっと理由が分からなかったのですが、「愛を知らなかった攻めが、受けによって愛を知る」と言うパターンがどストライクだったんだと、今作でやっと気付きました。
エリアスの「愛を知った」後のヘタレっぷりにも注目して下さい!

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