俺は今まで誰かに恋したことはなかった

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溺愛王子、無垢なる神子を娶る

dekiaiouji mukunaru miko wo metoru

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表題作溺愛王子、無垢なる神子を娶る

ヴィハーン・クルム・シャウス・マァニク,紅玉国の第四王子,25歳
シャウーリャ・ニィラム,隣国に輿入れした蒼玉国の王子,19歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

銀髪碧眼の王子は神がつかわした神子、娶った国に加護をもたらす。
そんな「白き花嫁」の伝統に従い、嫁ぐため慎み深く育てられたシャウーリャは隣国の王子・ヴィハーンに輿入れする事に。けれど実は時代遅れの男嫁など望まれていなかったと知ってしまう。
冷めた辛い結婚生活を覚悟するシャウーリャ。一方、信仰心が薄く世慣れたヴィハーンだが完璧な美貌とは裏腹にちょっとドジで一生懸命なシャウーリャの愛らしさに衝撃を受け……。

作品情報

作品名
溺愛王子、無垢なる神子を娶る
著者
小中大豆 
イラスト
石田惠美 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
電子発売日
ISBN
9784773063165
4

(161)

(61)

萌々

(70)

(19)

中立

(4)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
20
得点
646
評価数
161
平均
4 / 5
神率
37.9%

レビュー投稿数20

女好き王子が無垢な王子に堕ちるまで

小中大豆先生の作品はどれも全然違うのに、そのどれもが面白いので頭の中がどうなってるのか拝見してみたいと思いました。

一つ前の作品の「さよなら、運命の人〈アルファ〉」も良かったけど、今回のこちらの作品も凄く好みでした。

初めてシャウーリャの顔を見た時から惹かれてたのに、ガチガチのノンケであるヴィハーンがなかなか自分自身を納得させられないんです。

こちらのお話の面白さは、そんなヴィハーンが段々とシャウーリャに堕ちて行く様子でした。
ヴィハーン視点で無くて、シャウーリャ視点なのでそこら辺のモダモダ感が焦ったくてたまりませんでした。

シャウーリャの無垢な色気に当てられて、思わず手を出しそうになってグッと我慢するヴィハーンに萌えました。

それでもヴィハーンの領地がある湖水地方に行ってからは、ヴィハーンがシャウーリャに対する好意を隠そうとしなくなるので甘々になります。無垢故にヴィハーンを煽ってしまうシャウーリャがとても可愛らしいです。


最後の最後に、女好きだったヴィハーンのせいで大事件が起こりますが、まぁあの位のバチは当たるべきだと思っていたし、二人にとっては仲を深める良いスパイスになったと思いました。


シャウーリャの周りの侍従や侍女達が良い味を出してて、更に面白さの手助けをしていたように思いました。

石田惠美先生のイラストも素晴らしく、お話の中のシーンを(温泉)妄想する手助けになって、思わずにやけてしまいました。

ただ、蒼玉国(ニイラム)とか紅玉国(マアニク)とか国の名前が序盤はなかなか頭の中に入って来なくて、章が変わるときだけじゃなく全てにルビを振って欲しかったです。www

19

振り返れば溺愛

ヴィハーンと側近によるシャウーリャの陰口から始まった結婚。シャウーリャの素顔を見て言動が変わっても、シャウーリャにとっては信用できないし、嫁ぎ先に慣れず不安が増す一方で気の毒だった。2人で旅行に出て距離が縮まるも、ヴィハーンの男性との恋愛は無理発言が効いてシャウーリャが気持ちを抑えて困惑する様は切ない。ヴィハーンの元恋人の登場で、やっと気持ちを伝える事ができて結果オーライ。ヴィハーンの自業自得で遠回りしたけどその分愛と結びつきは深くなって、素敵なcpになったと思う。溺愛ラブラブな2人に拍手パチパチ(。>ω<ノノ゙

11

面白い設定だった

小中先生は、心理描写が上手で、
二人の気持ちが傾いて近づいていく描写が凄く上手で面白い。

白い女神の生まれ変わり、「白き花嫁」の伝統。
たまに生まれる銀髪碧眼の子は、女神の生まれ変わりの神子として、男子であっても女子として育てられる風習がある地域。
でも白き花嫁を娶る風習に意味を感じない世代が増えつつある。

王族に生まれた白き花嫁・神子のシャウーリャは、隣国の王子と縁組が決まっていた。
でも輿入れの前年、文通をしていた許婚が病死して、代わりの王子、ヴィハーンに輿入れすることになる。

到着して出迎えを受けるが、にわかピンチヒッターの婿・ヴィハーンは礼儀も作法も知らない。
幼い頃から婚礼の儀式の為にずっと研鑽してきたシャウーリャだけが、作法通りに振舞う場面は、凄く気の毒。

婚礼前に迷い込んだ庭園で、シャウーリャは、ヴィハーンの本音を聞き、分かっているつもりだったけど心を痛める。
「髭の花嫁」
「形だけの嫁」
「恋人たちとはこのまま付き合う」

婚礼の義式が終わり、ベールを外したシャウーリャの美貌を見たときから、ヴィハーンの気持ちが揺れだして、シャウーリャを知るにつれ徐々に溺愛に変化していく描写が面白い。

世間知らずで真面目な努力家のシャウルーシャは、実は食いしん坊。
嫁ぎ先の料理になじめず、久しぶりに故郷の料理を食べるシーンの挿絵が、面白いより不気味に感じて引けてしまった。

ヴィハーンの溺愛を、シャウーリャは「髭の花嫁」の言葉を聞いているので信用できない。ヴィハーンが、シャウーリャに振り回されるので笑っちゃう。

こういう展開を「攻ざまぁ」というのかな?

10

ゆっくり近づくふたり

こういうお話、好きだわ!
ドラマティックな事柄は『このお話の舞台の宗教に則ると、身体的特徴(銀髪碧眼)が神子として生まれた人は王族に嫁ぐことが決められている』というこのことだけなんですよ。
まあ『だけ』って言ってもかなり特殊なことなんですけれども。

シャウーリャはその神子。
自分のあり方に疑問を持たず、隣国の王子ヴィハーンに嫁ぎます。
ヴィハーンはシャウーリャにたいして紳士的な振る舞いをするんですけれど、陰で彼の友人たちがシャウーリャのことを「髭の花嫁」と呼んでいたのに同調していたんですね。それをたまたまシャウーリャが聞いてしまう。
そんな目にあってこれからどうするか、シャウーリャは途方にくれます。
何故なら神子の仕事は王族との婚礼という儀式を成功させるものだから。
そっから先をシャウーリャは一切教えられてこなかったんです。
シャウーリャは生まれて初めて、自分の人生と向き合うことになります。

ヴィハーンも悪い奴じゃないのです。
浮名を流すほどの女誑しだったのに、諸事情で男の嫁をもらうことになっちゃったけど、どう扱えばよいのか分からない。
そりゃそうですよね、シャウーリャ本人だって分からないのですから。
本人が宗教に対して敬虔な立場をとっている人ならばまだ考えようもあるのでしょうが、彼はいわゆる今風男子で宗教に対してはドライ。
でも、シャウーリャの美しさにはクラっと来たりして。
今度は、自分で自分が分からなくなっちゃったりする。

こんな2人が一緒に暮らすことによって、少しずつ互いを知って、歩み寄って、相手に対する好感は「恋なのだ」と気づくまでが、丁寧に書かれます。
これが楽しいんだな、実に。
いや、正気になって考えれば「ヴィハーン、男との恋愛は考えられない、って何度も言ったよね?何故恋におちた?」と思うんですけれども、この辺違和感なく読めちゃうんですよ。
上手い。
読後、ちょっと幸せになりました。

10

初めての本気の恋に、ドキドキムラムラ╰(^3^)╯

小中先生のお話に石田先生のイラストでおくる民族ファンタジー(・∀・)
堪能させて頂きました。


銀髪碧眼の子は“神の神子”であり、神聖な存在。
“白き花嫁”と称して、嫁いた国に富と安寧をもたらす。

受け様はそんな“白き花嫁”として育てられたシャウーリャ。
攻め様は嫁ぎ先の王子ヴィハーン。

女性と見れば口説き文句の一つも言うような女たらしで、シャウーリャのことも“髭の花嫁”なんて揶揄していて。
そんな本音を知ってしまったシャウーリャは、もうヴィハーンの言葉を信じられない、と思っているのが、攻めザマァを予感してにまにましかけたのですが、ヴィハーンって、そんな悪い人じゃなかったんだよな。
そして、シャウーリャが内心ブツブツ文句を言ってるのが、悲壮感なくて案外たくましいんだな、と安堵しちゃう。

初めこそぎこちなく、義務でしかなかった2人の関係が、お互いをよく知っていく内に恋心を育てていく。
初めての恋心に、戸惑っていたのが、恋だと気付き、ドキドキして、ムラムラもして(つ✧ω✧)つ

ムラムラして抑えきれないヴィハーンや、ムラムラして変態かも、なんて心配しちゃってるシャウーリャ。
2人ともかわいいったらないわ~でした。

シャウーリャが好きだと自覚した後のヴィハーンの溺愛ぶりもかわいくてにやにや。
ふふっ、今までの分以上に溺愛するがいいさ、と上から目線で萌させてもらいました。
告白シーン。
スパダリ感あるヴィハーンの、必死でかわいい告白ににやにやです。


イラストは石田先生。
迫力のある美しさと色気のイラストの数々。
その中でも、ラストのイラストは2人してかわいくて、表紙の2人が、こんな表情見せるようになったのか、とほんわかしちゃいました。



10

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