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表題作ラプンツェル王子の通い妻

長沢克己,32歳,売れっ子画家で昭良の恋人
一木昭良,23歳サラリーマン

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

売れっ子画家で彼氏の克己は生活力ゼロ。通い妻みたいに昭良がご飯を作り身の回りの世話をするけど、これって×恋人○オカンかも!?

作品情報

作品名
ラプンツェル王子の通い妻
著者
小中大豆 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344844605
4.1

(227)

(116)

萌々

(64)

(23)

中立

(11)

趣味じゃない

(13)

レビュー数
40
得点
916
評価数
227
平均
4.1 / 5
神率
51.1%

レビュー投稿数40

お見事な攻めザマァ作品

攻めザマァが楽しめると聞き、拝読しました。

序盤では攻めの怠惰極まりない言動こそ気になるものの、この時点では攻めが捨てられても攻めザマァとまではいかない感じでした。

しかし中盤、やはり今までのは単なる序章にすぎないのだと悟りました。
攻めの言動が本っっっ当に酷いです。
捨てられて当たり前です。

その後は攻めザマァ展開。
すぐ許してしまう受けなので、どうせすぐ許すんだろうなと思っていたらかなり粘ったので面白かったです。

因果応報なのに攻めが可哀想に見えてくるところまで追い詰められて追い詰められて...

最後はしっかりハッピーエンドでした。
なんか心配だけど...幸せに暮らしてほしいです。

2

スカッと爽快!見事な攻めざまぁ

健気受けが好きだったけど、最近モヤモヤすることに気づいてしまった。
力関係は完全に攻め>>>受け。モテる攻めは浮気まがいなことをしたり受けを蔑ろにしても許されて、控えめな受けは嫌われたくないからひたすら耐えて嫉妬や不満を飲み込んで何も言えない。こんなの理不尽だ。対等な関係じゃないよね?

そこでこのモヤモヤを吹き飛ばすために、攻めざまぁで評価の高いこの作品を読んでみたら、本当に見事な攻めざまぁでスッキリしました!

キラキラ芸術家で高身長年上イケメンの克己と大学時代から付き合い始めて3年の、ごく普通の平凡な新社会人の昭良。向こうからのアプローチは一切なくこっちから会いに行かないと会えないし、まともに好きとも言われてない。芸術に全振りしすぎて生活能力のない克己のために毎週末買い出しして家事して経理事務してたまに性欲処理に抱かれて…

これって恋人と言えるのかな?それともただの都合のいい存在?それでも好きだから…と、健気に耐えていた時に現れたのが当て馬の超美形ハーフモデルのリオン。
彼は克己がずっと絵のモデルにしたいと切望して追い求めていた存在。克己はリオンを目を輝かせて見つめて、自宅に住まわせ、ぞんざいな扱いにしていた昭良とは違い、甲斐甲斐しく世話を焼く。昭良は次第に嫉妬と不信が募っていき…

このリオンが引っかき回してくれます!何故か昭良に当たりが強く、事あるごとにdisってきて、ヌードモデル中の自分に克己は欲情しているとマウント。
絶対に敵わない別世界の住人に、克己とお似合いなのは誰なのかを思い知らされ傷つく昭良にもう涙です…

そしてとどめを刺される出来事がありプッツリと糸が切れた昭良はついに別れを決意。連絡を断ち、今までもらったものを全部送り返し…
さあお待ちかね、ここからが攻めざまぁのターンです‼︎

家に押しかけて来ても警察呼ぶぞと追い返す。やつれてても知ったこっちゃない。君がいなきゃ絵を描く意味がない、絵もやめる、家も売る、と言われても、それは愛じゃない。依存だ。このままよりを戻してもまた同じことの繰り返しになる、と突き放す。

そうそう!相手が変わらないのに簡単に許したら、反省がないからきっとまたやらかすもんね。
本当は未練があるのにキッパリ断る昭良は、もう耐えてばかりだった頃の昭良じゃない。

そして、お偉いさんや業界人の集まるパーティーの中心にいてあんなに華々しかった克己が、社会人としてはポンコツなのにスーパーでバイトしてパワハラ店長に毎日怒鳴られるまでに。
倒れるほどボロボロになった姿を見てようやく向き合う決心がついて…

昭良がそばにいて自分に尽くして当たり前、気遣いも思いやりも相手の都合もお構いなしだった克己が、ちゃんと相手のことを考えることができるヘタレワンコにジョブチェンジしたのを見て本当にスッキリ爽快‼︎
やっぱり攻めざまぁは二度と受けを粗末に扱うことがないよう徹底的にやらなきゃダメだね!きっとこれからの二人なら大丈夫、と思える爽やかな読後感でした。

なお思いが通じ合ったラブラブなHシーンは終盤のほうに少しだけ。攻めざまぁが目的だったのでその辺は問題ありませんでした。

小中大豆先生は初読みだったのですが難解な言い回しのないわかりやすい文体でとても読みやすかったです。他にも攻めざまぁがあるということで、他の作品もぜひ読んでみたいと思います。

2

愛しさが溢れて憎めない、「攻めざまぁ」ストーリー

やー…、良かった。。
小中先生のファンタジー作品を立て続けに読んでいたのですが、現代ものもめちゃくちゃいいなあ、とあらためて。

「攻めざまぁ」物語だと思っていたので、こう、攻めがもっともっと傲慢で花餅ならない嫌な奴なのかなと思っていたんですよね。
でもそんな素養が裏切られました。(いい意味で!)

盛大な「攻めざまぁ」物語ではあるけれど、この克己という攻め……憎めないよー!!!
憎めないどころか、もう途中からたまらなく愛しくなってしまって。

捨てられ、目が覚め、画家としての仕事も家も全て捨てる覚悟で追い縋る攻め。
一度縋ってダメでも諦めず、何度も追い縋る。

そこで受けが絆されるのかな、と思いきや!
そうは問屋が卸さず、更に追い詰められていく攻めの姿が哀れで哀れで、ちょっと泣きそうに( ; ; )

昭良に「依存」と言われ、ヨリを戻すのを拒絶されるシーンは本当に心苦しくなったけれど、その通りだなと。

フラれてもフラれても「話を聞いてくれ」と会いに行き、拒絶されたのちは昭良の家の裏に引っ越して毎日昭良を描きながら一目見るために近所のスーパーでアルバイトをし…

そりゃ、ここまで追い縋られたら、振り払えないよね。ともう納得してしまうほどの、”縋る攻め”でした。

勇気を出し、変わる努力をし、昭良を追い続ける攻めの姿にいつの間にか自分も絆されてた。。

昭良にきゅっと締め付けられて、我慢できずにガツガツ奥まで責めるところも、「昭良昭良…」と呼び続けてくれるところも、最高でした◎

2

怒涛の攻めザマァで可哀想な気持ちに…

先生の「気難しい王子に捧げる寓話」が大好きな作品。こちらも気になっていたので読んでみました。

ずっと受け視点です。
攻めの克己(かつみ)は売れっ子画家で、絵を描く以外は無頓着。受けの昭良(あきら)は克己の家に通って、甲斐甲斐しく世話を焼いている。
付き合って3年経ち、世話されるのが当たり前のような克己に、だんだん昭良の中に不満が積もっていき…というお話。

克己が絵に没頭して、デートもしない、誕生日も覚えていない、昭良に労いの言葉もない…など、読むほどに昭良が気の毒になってきます。

そして中盤に、克己がモデルとしてずっと探し求めていた美形のリオンが現れてから、俄然お話が面白くなって、読む手が止まらなくなりました。

「それは無いわ〜」って思うような克己の所業に、さらにリオンの言動も昭良を追い詰めていく…。克己を信じられなくなって、どんどん弱っていく昭良が不憫で、読んでいて泣けてしまうほど。

そしてとうとう昭良の我慢もプツンとはじけてしまう…。
ここからはもう、昭良の押さえ込んでいた不満が噴き出して、アパートでの二人の話し合いシーンは読んでいてとてもつらくなりました…。

そして後半は攻めザマァ展開。
前半はソフトな俺様攻め×健気受けだったのが、後半はヘタレ執着攻め×意地っ張り強気受け、という感じで、関係性がガラッと変わるのが面白いですね。

前半の克己の行いは確かに「無いわ〜」でしたが、後半はどんなに頑張っても昭良に冷たくされ続けて、今度は克己が可哀想になってきました。

そして最終的に、重っおもで少々気持ち悪い執着溺愛攻めになったのは、ちょっと笑ってしまいました。ここまでキャラが変わるとは…w

読み始めには想像もしてなかった展開で、最後まで面白くて、あっという間に読了しました!でも後半攻めが気の毒すぎて、ちょっと萌えは少なかったかも。

電子限定おまけは攻め視点。
克己視点も読んでみたかったので嬉しい。そんな気持ちだったんだ〜という内容で面白かったです。

先生の作品は読みやすくて、やっぱり面白いです。他の作品も読んでみようと思います。

シーモア 挿絵付き(イメージよりも克己が小綺麗でしたw)

1

こういう不憫受けが読みたかった!!!

まさにこういうのが癖なんです!!と声を大にして叫びたいほど癖でした。

無自覚でアホで相手も現実もなにも見えていない攻めにぼろっぼろに不憫にされてしまう受け。そういうストーリーに加え、今作は克己には自分から行かなければ会えないという設定が本当によかったです。そして会いに行ったところでろくに会えなかったり、ほかの男が住み着いていたり…挙句の果てに「君がいるから楽だ」発言ですよ!?何度克己のことをタコ殴りにしてやろうかと!!

よく考えれば「楽」と一言に言っても生活が楽になった、のではなく生きるのが楽になった、極論息がしやすくなったとかもっとそういう根本的な楽だったのかなとは思いますが、そう都合よく受け止めてくれるには辛い時間が長すぎましたね…

最終的に克己がだいぶ気持ち悪いストーカーになり、相も変わらず周りの目を気にせずただ昭良に愛を伝えたがってうまくいかない愛に不器用な男になり下がったのが個人的に最高にザマァで、でも最高に大満足なエンドでした。

結局どっちもどっちと言いますか、2人が幸せそうならこちらとしてもハッピーなので、やはり不憫展開からのハッピーエンドは癖だと実感しました。

3

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