中庭みかな先生インタビュー

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

中庭みかな先生インタビュー 健気な嘘が三角関係を揺るがす…マイペース麻酔科医+笑顔が爽やかな外科医×健気な少年 小説『沈まぬ夜の小舟 上』

2021/05/26 17:00

ひとを大事にすることとは何か?心に響く繊細ストーリー

 


BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第2730回
中庭みかな/幻冬舎コミックス
小説『沈まぬ夜の小舟 上』5月28日発売
サイン本プレゼントあり! 詳しくはインタビュー後に!

 

STORY
母を亡くし、居場所を失った17歳の創。新しい家族を築いて創を過去にしてしまった父にも、母の恋人だったひとにも頼れない。だから、ひとりで生きていくために自分が売れるものは何でも売ると決めた。いくつも掛け持ちしているアルバイトでは不器用でも丁寧な労働を、ときには、大して価値があるとも思えない自分の体を。そうして眠るときには薄っぺらな寝袋の小舟に乗って、夜ごと星空の航海に出かけるのだ。明日はもっといいところまでたどり着けますように――。

 

――作品紹介をお願いします
行き場のない少年が、優しかったりちょっと寂しかったりする年上のお兄さんたちと出会って、恋をして、それが原因でいろいろと大変なことになったりもして……というお話です。
もともとは私が趣味のwebサイトで掲載していた作品で、「ひとを大事にするってどういうことなんだろう」ということを考えてみたかったのが書くきっかけかもしれないです。

と、志のあるようなことを申しつつも、私自身が筋金入りの不憫萌え人間なので、それを追求したものを書きたかった……というのが正直なところです。

――主人公たちはどんな攻×受ですか?
主人公(受)の創は環境に恵まれず、いろいろうまくいかないことばかりの中でもそれを嘆かず、少しずつ「よい人間」になりたい、と思って毎日をがんばって生きている子です。

攻の高野は創よりずっと年上の麻酔科のお医者さんです。マイペースで飄々として、ゆったり生きる森の熊さんを思わせる人で、その包容力と眼差しのあたたかさに創は恋をし、想うことで救われていきます。

もうひとりの攻である瀬越はひとあたりが良く爽やかな外科医ですが、笑顔の下にはいろいろと複雑な感情を隠していて……という人です。創の高野への恋心に気付いて、それも含めて創を優しく励まして味方になってくれます。

創は恋心が報われることは望まず、ただ少しでも優しい人たちと一緒にいられたら、と願い、秘密を隠すためにいくつも嘘を重ねていきます。そのせいで、少しずつそれぞれの関係が変化してしまって……という3人です。 

――今作のこだわりはどのあたりでしょう?
はじめから微妙なバランスの上で成り立っていた繋がりが、些細なきっかけで少しずつ揺らいでいって……という、関係性が変わっていく瞬間を書きたかったので、そのあたりはうまくお伝えできていたらいいな、と思っています。

あとはもともとwebサイトで掲載していた作品ということもあり、すでに読んでくださっている方もいらっしゃるので、書籍化にあたっては、そういう方にもありがとうございますという気持ちを込めて細かく加筆修正をしたり、たくさん新しいSSを書かせていただきました!

――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
今年に入ってから引っ越しをしまして、しばらく離れて暮らしていた愛猫ともふたたび一緒に住めるようになりました。
猫にとっておそらく「いなくてもいいけど、別にいてもいい」という存在の私ですが、一方的にその可愛さで癒やされています。毎日幸せです……。

――発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?
こちらの書籍化のお話をいただいて、それから実際に作業に入るようになってから今日までの間に、世の中が現在進行形でどんどん変わっていってしまいました。
こんな状況がいつまで続くんだろう、これからどうなってしまうんだろう、という先の見えない不安がずっと続く中で、私にとってそれを忘れていられるのが、面白い本を読んでいる時と、あとは何より夢中になって小説を書いている時でした。

いまもいろいろな立場で大変な思いをされている方や、好きなものをたくさん我慢されている方がたくさんおられるのだと思います。
すべての方にお楽しみいただけるように……とは(私自身の趣味があまりに全面に出過ぎているため)言えないお話なので恐縮なのですが、ご趣味の合う方にとって、たとえほんの少しの時間でも、何か忘れたいものが忘れられるひと時をご一緒できる作品であれたらいいな、とそんなことを思っています。

でも深く考えずに「不憫萌えが主食」と仰る同士の方に少しでも楽しんでいただければ私は幸せです。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!
書き手である以前に、BLを愛好する者として、ちるちるさんというこの膨大なデータベースを作り上げてくださったユーザー様たちには感謝の気持ちしかありません。
いつもありがとうございます。今後もお世話になります。

私の作品もその中に加えていただけたことを、とても光栄なことだと思っています。レビューも評価もいつも嬉しく拝見しています。ありがとうございます!

担当編集より
優しく傷つきやすいひとの心の襞を繊細に、瑞々しく紡ぐ中庭みかな先生。原点にして真骨頂の名作が遂に書籍化です。web発表時から熱烈に応援くださっていた読者様にはまことにお待たせいたしました!
儚くも切ないテクノサマタ先生のイラストとともに、加筆修正が丁寧に施された本編、そして書き下ろし短編をぜひご賞味ください。

このたび初めて知ってくださった読者様、表紙の佇まいにピンと来たならばその心に身を任せてみてはいかがでしょう。2ヵ月連続で掛け替えのない読書体験をお届けいたします。

 

小説『沈まぬ夜の小舟 上

 

 



特典情報

 

コミコミスタジオ
・有償特典(アクリルコースター)&書き下ろしSS小冊子付き
・書き下ろしSS小冊子付き

電子書籍
・電子限定おまけ書き下ろしSS

上下巻購入特典
・webで読める書き下ろしSS
(上巻付与のpassword1と下巻付与のpassword2を組み合わせることで、限定SSをお読みいただけます)

 

ちるちるユーザーサイン本プレゼント

 

発売を記念して、サイン本をちるちるユーザーにプレゼント! 以下のボタンよりご応募ください!

サイン本プレゼント応募

 

関連作家・声優

コメント2

投稿順|最新順

私も小説家さんインタビュー嬉しく思いました。

匿名1番さん(1/1)

久々の小説家インタビュー嬉しいです。ファンタジーじゃないのも個人的に嬉しい。でもweb発ってお値段お高めですね。ルチル文庫だとよかったな。でも長編なら冊数が多くなってしまうか…

PAGE TOP