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 日野ガラス先生 インタビュー

2011/01/14 12:00

初コミック「青年は愛を乞う」では 辛口レビューが多いちるちるの中でも高評価を獲得、新作「フェティッシュ」では、倒錯的ともいえるエロス、苦しくなるような切なさでさらに評価アップ!
小指の先がかするだけで割れてしまいそうな繊細なタッチとストーリー。取り扱い注意!すぎる「日野製」ガラスは、もはやBLを超えた世界をその窓に映しだしているようです。
インタビューでは、日野作品のみならず、先生の恋愛観などにも踏み込んでまいりますよ。
聞き手 ヒロシ

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Q. 壊れてしまいそうなガラスのような作風、日野ガラスというペンネームもそこから来たのですか? それとも近所にたまたまガラス屋さんがあったとか?

A:大分昔に考えたペンネームなのですが、当時は何故か、ガラスという響きがステキに聞えてペンネームにしました。今は若干変えたいです(笑)
同名のガラス屋さんが実在するみたいなので、申し訳ないと思っております…。


Q. お好きな食べ物はありますか?

A:みかんです。
包丁いらずな所が特に。

Q. 「青年は愛を乞う」このBLチックではないタイトルは、日野さんの狙いですか? 

A:このタイトルは担当さんに案を出して頂いて決めました。
高校生は「青年」なのかという所で悩んだのですが、「青年じゃなかったら少年…?少年じゃちょっと…」といったやり取りを交わし「青年」で落ち着いたと思います。

Q. 男性からすると、少女漫画的な要素もあって読みやすいのですが、受けキャラは、やはり日野さんの乙女心がふんだんに盛り込まれているのでしょうか?

A:自分が女性なので、受けキャラにはやはり感情を反映させやすいですね。乙女心と言っていいのか分りませんが(笑)
でも、私よりも大分乙女に仕上がってしまいました…。

Q. 大人になりきらない二人は磁石のように吸い寄せられたり反発したり、お互いの気持ちが咬み合わないですが、「青年は愛を乞う」の最後のようにむさぼるHのようなスパーク感がすばらしいですね!

A:そう言って頂けると大変嬉しいです。
Hを描くのが下手ないので、これからもっと勉強したいです。BLでHは大切な要素だと思いますので。
BLの場合、ただHが激しければいいという訳でもないと思いますし、(激しいHは好きですが)上手い方なら、ただ抱き合っているだけでも十分なくらい、セクシーで萌えられる場面を作れるのだから、それを目標にして頑張りたいです。
BLを読んでいて萌えるエロがあるとやっぱりエロはいいな!!と思いますので。

Q. 「恋愛軌道」など読むと、幸せになるのが怖くて、自ら幸せを壊してしまうという困った傾向があるキャラのように読んでしまいますが、日野さんはそんなキャラを書くのがうまいなぁとうなっています。

A:そんなふうに言って頂けるとは…大変恐縮です。ありがとうございます!
自分の人格がしっかりしていないので、しっかりしているキャラを描くのが苦手です。
完璧なキャラクターよりも欠点のあるキャラクターの方が魅力を感じるので、欠点も魅力的に描ける様になれればなぁ、と思っております。
難題ですがいつかは消化したいです。

Q. 受けの困ったような表情、何かに耐える表情にとても惹きつけられます。もっと翻弄して悲惨な目に合わせたくなりますが、もしかして日野さんはS体質?

A:Sかは分りませんがMではないと思います。普通だと思います。嗜虐心は少なからず誰にでもありますよね。
でも、SがいいかMがいいかと聞かれたらMは嫌ですね。Sがいいです。

Q. 刹那的な恋は、遠い青春に想いを馳せるオヤジ的にとても魅力的です。日野さんの恋愛観というのは、これに似たものがあるのでしょうか?

A:お話を作る時は、なんとか青春のどうしようもなくキラキラと眩しいのだけれど残酷、かわし方を知らず真正面から受け止めるしか出来ない愛、みたいなものを描きたいと想って描き始めるのですが本当に難しいですね。
お話では少し痛いくらいの、少し熱過ぎる位の愛を描ければと思うのですが、今、実際に自分が体感するならぬるま湯位がいいです。
恋愛観とかちゃんと語れなくて申し訳ないです…
でも、痛いぐらいの恋愛に溺れられたら、とても幸せなんだろと思います…(どうしよう…ここのコメント…)

Q. ハッピーエンドに見えても、どこか不穏なものを感じさせるラストカットだったり。日野さんは、もっと悲惨なエンドを描きたいのか?と思う時もあります。

A:バッドエンドを描きたいというよりも、昔はバッドエンドで暗いお話しか描けませんでした。
2年位前に漫画を描く意識が少し変わったんですよね。
より、読んで下さる方の事を考えて描く様になったというか、読んで下さる方がどの様な状況で漫画を読むかを考える様になりました。
例えば、凄く仕事で疲れていて、それを癒すために漫画を読む、私生活がどことなく行き詰まってしまっていて、それを和らげるために漫画を読む、疲れていても、行き詰まっていても、明日にはそれをリセットして、また進まなくてはならない。
そういう方が読みたい漫画って、自分の感情をよりプラスの方向に持って行ってくれるような暖かい漫画なのかな…と思ったんですよね。
当たり前の事なのかもしれませんが…;;
それで、自分の描いたもので、読んでくれた方がちょっと暖かい気持ちになってくれたら凄いな、暗いお話だけではなくて、そういう漫画が描けたらいいな、と思うようになりました。
挑戦はしてるんですけど、そういう漫画はとても難しいです。
どんな漫画でも難しいですが…。
元々暗い話ばかり描いていたので、明るい話を描こうとしても不穏な感じが出てしまうのかも知れません。
でも、暗くて痛い話も今でも読むのも描くのも大好きなのですが。

Q. 日野さん的に、こんな漫画を描きたい!というのはありますでしょうか?

A:ピンポイントで今描きたいのは『drap』という雑誌に描いた『レッドライン』というお話の怜二というキャラのお話です。
この子ブラコンで精神が危ういタイプのキャラクターなんですが、この子をちゃんと受け止めてくれるキャラとの恋愛を丁寧に描きたいなぁと思っています。
あと、今の自分の中での流行はドMの誘い受けですかね。一見性的なことに興味が薄そうに見えて、好きな相手に限ってはガンガンいく子がいいですね。一途な誘い受けですね。
ドMなんだけれど好きになった相手がSじゃなくてMがあまり開花しない位がいいです。
無表情で、たじろぐ攻めに迫っていって欲しい!
 
Q. このたびの新刊『フェティッシュ』は、2年以上前の商業誌デビュー作も収録と聞いています。全収録作を読み返して、この2年ちょっとでご自分が一番成長した、と感じる部分はどこでしょう? また、以前のご自分の、この作品のこの表現に萌える!というポイントは? それぞれ、理由も教えてください。

A:成長した部分は作画でしょうか。絵が上手くなったという事ではなくて、やっと漫画として見やすい絵が描けるようになってきたか…な……?といった感じです。
商業誌で描き始めた当初は、ペンを全く使いこなせていなかったのですが、最近やっと少しきれいな線が引けるようになって来ました(レベルが…;;)

この表現に萌える…そうですね…単行本を出す前に校正といって、誤植や誤字がないかなど原稿を全部読み返す作業があるのですが、この作業のあとは必ず不安になります…萌えられない…萌えたためしがない…すみません…

Q. 『フェティッシュ』には、雑誌(アンソロジー)で発表済みの作品と描きおろしが収録されていますが、アンソロジー向けと単行本への描きおろしで、それぞれに苦労する点と楽しい点、またその理由を教えてください。

A:発表済みのお話はお題があるものが多かったので、そのお題に沿ってお話を考えるのは難しかったですね。
お題がないものは、本当に自由に描かせて頂いて楽しかったです!

描き下ろしは、新刊の『フェティッシュ』、わりとバッドエンドで終わっているものが多かったので、そこを補完できるように、チラッと希望が見えるような、その後の二人のお話を描きました。
やはり、描いたお話全てに思い入れがありますので、その後の二人のお話を描けるのはとても楽しいです。
でも、昔と絵が大分変わっていて苦労しました(笑)

Q. 最後に、レビューで熱い応援を送っているちるちるユーザーにメッセージをお願いいたします。

A:ここまで、インタビューを読んで下さった方、ありがとうございます。
少しづつでも前進してよいお話が描ければと思い、精進していきますので、暖かく見守って頂けますと、心より幸いです。
コメントを下さった方、本当に本当にありがとうございます!



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