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 のばらあいこ先生 インタビュー

2011/12/02 12:00

9月にリリースの初コミックス『秋山くん』が、ちるちるのレビューでも高評価連発! のばらあいこ先生が「注目の新人作家」に登場です。2011年下半期、もっとも勢いがある作家さんのおひとり。ぜひチェックしてください。

Q. のばら先生の初コミックス『秋山くん』が、ちるちるでも大人気です! 気の弱い年下のシバくん×アウトローでケンカが超強い秋山くんというカップリングの妙はさることながら、魅力的な脇役の存在やエロエロ展開、ギャグ要素など、総合的にとっても楽しい漫画だと思いました。『秋山くん』の着想はどんなところから得られたんでしょうか?

A:光栄でとてもとても驚いています……。読んで頂けて嬉しいです。ありがとうございます! 1話目は、Babyさんの「ドドM特集」に合わせて考えたお話でした。最初から、「秋山くん」というキャラありきでお話を考えていました。

私は、力が強い意地悪グループといじめられっこが出てくるような、一昔前っぽい青春映画やドラマの空気が好きなので、そういう雰囲気が出るといいな~と思っていました。具体的には、映画『キャリー』とか、野島伸司さんのドラマとか、大映ドラマのあの感じです。

カップリングは……ひとえに好みのみです(笑)。

Q. 商業で作品を発表されたのは、『秋山くん』第1話が掲載された2009年のアンソロジー『Baby vol.11 ドドM特集』からでしょうか? 商業デビュー前の活動と、漫画を描き始めたきっかけを教えていただけますか?

A:Babyさんの創刊号(vol.0)で読み切りを描かせて頂いたのが、初めてのオリジナルでの商業作品です。その前は、2001年頃から2次創作の同人誌を作っていました。オフセット印刷で同人誌を作ったのも、それが最初です。

子供の頃から漫画がとても好きでした。小学生くらいの時に、『春風さん』というタイトルで(古いし今も変わらないネーミングセンス……)、表紙とキャラ設定だけ描いて満足していました。

Q. ペンネームの由来や、込めた思いなどを聞かせてください。

A:当初、パロディの同人誌で同性愛ものを描く気まんまんだったので、「薔薇」を含ませたかったのです。それで「野薔薇」で、「愛子」は本名です。「野薔薇愛子」だと字面が……見ての通りすごく仰々しくクドいので、平仮名にしました。

Q. シバくんの、一歩間違えたら変態の烙印を押されかねない一途さ、健気さがたまりません! コミカル展開では笑えますし、エロエロ展開では秋山くんのことが好きだからこそ「優しくしますね!!」と気づかいつつ、やっぱり好き過ぎて切迫を抑えきれないッ! みたいな部分。すごく人間的で、それが面白い作品に生かされていて。こういった展開を構築される先生の頭の中は、どうなってるんでしょうか?

A:ありがとうございます! キモいというご意見を頂くシバくんは、私に似た部分があります……。直情的で、割り切りすぎていて、社会性がなさ過ぎるのに行動力が有り過ぎますが、凄く誇張した私という感じです。

秋山くん含め、振り切れた人って、迷うことも少ないだろうなー、羨ましいなーという思いも乗せて、描きました。これって答えになっていますか?(笑)

Q. 秋山くんと昔からつるんでいる佐野くんがメインの番外編『ともみちゃん』がまたエロいですね。あとがきにあった“トーンのエロ表現”がもっとも炸裂したシーンは、何ページの何コマ目でしょう?

A:手伝ってくれた友達とくそ真面目に相談して(笑)決めたのは、153ページと154ページです。あとは、友達にほぼおまかせでお願いしました! 本当にありがとう……。

154ページの4コマ目の佐野くんについて、「怖いのに気持ちよくなっちゃいそうな不安感」を表現するにはどのトーンがいいのか、真剣に話し合いました(笑)。

Q. 実は私、佐野くんファンです。キレイな顔してるのに弱いものいじめの先頭に立つヤンキーっぷりや、映画『ラビリンス 魔王の迷宮』の、デビッド・ボウイ演じる魔王みたいな髪型とか、普段着のジャージとか……。佐野くんに限らず、先生のキャラづくりのこだわり、みたいな物を教えていただけますか。

A:ありがとうございます! 嬉しいです! 『ラビリンス 魔王の迷宮』! ウワー、ピンポイントなご質問で何か嬉しいです……。

佐野くんの髪型に関しては、90年代バンドマンの人(多分その人達のルーツがデビッド・ボウイですよね……)とか、いまどきのギャル男っぽい人をイメージしました。全体的には、実際に居そうな感じを意識して、それから漫画っぽい大げさな特徴をつけて、更にその子が実際存在してたらどんな格好が好きだろう……と考えたり。

脳内で2次元と3次元を行き来させて、リアリティと漫画っぽさを同時に出せたらいいな~と思っています。

Q. ピアスがお好きですよね? キャラごとのピアス情報を公開されているほどなので。先生のピアス好きは、どのあたりから来てるんでしょうか? 秋山くんがハードロック系の音楽が好きっぽいので、そのあたり? または単純にファッションとして? もしくはかなり飛躍してSM的なアレでしょうか??

A:キャラごとにピアスの有無を考えていた経緯が自分でも謎なんですが(しかも凄く適当設定……)、たくさん開けて「武装」しているのか、おしゃれに興味があるのか、……などの特徴を考えるのが楽しかったからだと思います。

たくさんピアスを開けたり刺青を彫ったり、SMにハマったりしているアウトローな人や、文化の話を聞いたり見たりするのは好きです。自分は普通に一個ずつしか開けていないのです。

ちなみに、秋山くんが試聴していたアルバムは、Napalm Deathの『Scum』というアルバムです。

Q. お好きな作品や作家さんなどを教えていただけますでしょうか。理由や思い入れなどもお願いします。漫画でなくてもけっこうです。

A:余りにもたくさんで、本当にとても書き切れなくて、もどかしいです……。身を切るような思いで選ぶとすると、この世で一番好きな漫画は、すぎむらしんいち先生の『東京プー』です。出てくるキャラもストーリーも小ネタも絵も、なにもかも涎が垂れそうなほど大大大大好きです。

映画は『キッズ・リターン』と『マグノリア』を特に繰り返し観ています。内容はもちろんのこと、どちらも共通して音楽がすっごく良いです。ドラマは『ツイン・ピークス』と『吾輩は主婦である』が大好きです。それぞれ、DVDボックスを買いました。

Q. BLでは、どんなカップリングやシチュエーションがお好きですか?

A:「受けが優勢であること」がずーっと根強く自分の中にあるようです。かっこ良くて隙が無さそうな人が攻めだと、受けさせたくなってしまう病気なのです……。

受けは「素直クール系」や「落ち着いていて優しい系」など割と好みがハッキリしていますが、攻めのイメージは定まっていないのです。

Q. 『秋山くん』のあとがきで、キャラに愛着があるのでこれからも「ねちねちと描いていきたい」とおっしゃっていますね! 次回の構想や方向性など、ほんの少しでもご披露いただけないでしょうか。

A:秋山くんとシバくんのこれからと、自分が群像劇が大好きなので、主役の2人以外のエピソードも交えて描きたいのです。シバくんの過去に関わった女の先輩とか、シバくんに友達が出来る話、秋山くんと佐野くんの中学時代、梶原くんとか多田くん視点の話など……自己満足的に……ねちねちと……描いていきたいです!

Q. 『秋山くん』以外では、チャレンジしてみたい作品や分野、野望はありますか?

A:BLだと、ファンタジー要素のあるお話を描いてみたいです。今思いついた事ですが……(笑)。あと、女子が主役のオリジナル漫画を描いたことが無いので、描いてみたいです。

野望は……A3サイズのスキャナーを買って、デジタルとアナログの両刀使い化すること! でございます。あと、今の机が本棚に板を渡しただけの代物なので、いいかんじの机も欲しいです……。

Q. 最後に、ちるちるユーザーのみなさんにメッセージをお願いします。

A:初めまして、のばらあいこと申します。緊張しています! ご縁があって、自分の漫画を読んで頂けたらとても嬉しいです。既に読んで下さった方、ご感想を下さった方、本当にありがとうございます。またどこかで、自分の漫画を読んで頂ける機会があったら幸せです。どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました!

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