塔栄のりこ先生インタビュー

気の荒い金髪ハンサムが、容赦ない責めで追い込まれ、支配される…
電子書籍ストアをチェックしていると、思わず二度見してしまうこと必至な衝撃的表紙画像！ さまざまなストアでBL小説部門売上1位を記録している塔栄のりこ先生の話題作『ライド・ガイ・ライド』が、ついに紙書籍として6月25日発売です!! 1930代の米国テキサスを舞台に、カウボーイ同士の激しすぎる恋愛が描かれます！ 誇りを踏みにじられ、屈辱的な服従と奉仕を強いられるパトリック。ダグラスの容赦ない責めに、限界へと追い込まれた彼は……。読めばきっと超衝撃!! 新しい萌えの扉を開いてしまうＢＬファンも多いことでしょう!! それでは「801 AUTHORS 108」第659回、塔栄のりこ先生どうぞ！

Q. 作品紹介をお願いします！
1930年代のアメリカ、いわゆる禁酒法時代の、テキサスにある牧場が舞台です。カウボーイ同士のＳＭハードロマンで、ストーリーには違法な密造酒製造が絡んできます。
そんな無法な酒の香りがするなか、マッチョな誇り高い牧童が調教され、耐えがたい恥辱の日々の果てに屈服していくさまを描いています。

Q. メインカップルはどんな攻×受ですか？
傲慢攻めの牧童頭ダグラス。受けの牧童パトリックは女にモテモテのハンサム。ダグラスは牡牛のような肩をした屈強な男で、年齢はおそらく四十がらみ。パトリックは肉感的な唇を持った金髪碧眼で、二十五歳。
どこまでも抗う気性の荒いサラブレッドのようなパトリックを、ダグラスは容赦なく服従させて所有していく支配力の持ち主です。

Q. 当て馬や重要な脇役は？
ダグラスの盟友で牧場主のＪ・Ｙと、パトリックが悪さをして逃げてきた別の牧場主の元陸軍大佐です。
前半はＪ・Ｙが調教のアクセントになり、後半では大佐がパットに横恋慕……というよりも「最初は俺が目をつけていた」などといって、当て馬の役割を果たします。
登場人物はオヤジが多くて、若めの男はパトリックだけです。そうなってしまったのは、子どもの頃マカロニウェスタン好きになったので、画面がオヤジだらけに見えていたせいです。
Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう？
禁酒法時代に設定したのは、あまり現代から遠くなくて、なるべく無法な感じのする時代がいいなと思ったからです。調べてみると1930年代のアメリカの生活レベルが、ド田舎の私の子どもの頃とあまり変わりなさそうだったのも、その時代にした決め手でした。
調教グッズは、なるべく馬具に関した物を使いました。攻めのダグラスがムチ打ちの名手なのも、牧童頭の仕事柄ということで設定しました。
あとは対等な関係よりも、屈服したり、させられたりするほうがいいですね。普通の男女のポルノだと、どんどん相手が変わっていく。でもＢＬは原則、一対一の濃密な関係なわけで、なおかつバリエーションを幅広く書いていくためには、上下関係や格差、性格や外見にも差異があるほうがエロティックな関係を築ける気がします。

Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください！
まず楽しかったのは、思う存分、好きなタイプの体格の受け攻めを書けたことです。なにせ、カウボーイものですから、逞しく書いてもなんら支障がない。
ＢＬの受けは度がすぎるほど逞しいのはちょっと――といった向きがあるので、それまでは若干気を使って書いていました。たとえば受けがアスリート設定でも、アスリートなら当然持っている「肉体の逞しさ」を極力婉曲に、あまり強調しないようより繊細な部分を押し出すよう気をつけていたのですが、『ライド・ガイ・ライド』に関しては、ＢＬだから…という気遣いをほぼしていません。萌えフルスロットル(笑)です。
苦労したのは、調教物の奥の深さに――です。
最初は大好きだったマカロニウェスタンを再現したいといった思いがありました。昔の映画は、マカロニウェスタンに限らず、拷問シーン等が多々あって、そういったものに心惹かれる、いけない子どもでした。正義のガンマンが悪漢どもにムチで打たれたり拷問されたりしたら、本当はそれだけじゃすまなかったハズだわ、とか妄想していたので、かつて映像でみた、ときめきのシーンを自分でも書いてみたかったというのがあります。
でも調教ものにしたのはエロシーンをたくさん書きたかったからで、ＳＭのことはろくにわかっていませんでした。
あくまで、自分としてはＳが主導をとってほしいわけです。ご主人様に奴隷を調教してほしかった。プレイでなくて、本当に主人は主人、奴隷は奴隷ということにしたかったのですが、ＳＭを調べていくと、ＳＭとは、本来、ＭがＳを支配するものだったのです。そしてＳはまめで、相手の気持ちを汲み取れて、Ｍの心を読み取って、空気を読まなきゃいけなかった。ざつな人はいいＳになれない。ダグラスは牧童頭だし、そこはクリアできたと思うのですが……。
深い、深すぎる…！
Q. 今作にまつわる裏話ってありますか？
繊細なんだけど芯は強い――というのがＢＬの受けの王道だと思うのですが、パトリックは、体が丈夫、神経も丈夫、だけどちょっとお馬鹿さんな受けです。
ダグラスの企てるわりと単純な策に引っかかるのは、アホだから。可愛げのあるアホかな～、と。そんなパトリック、あまりに自分で墓穴を掘りまくるので、同人誌時代、読者さんから「墓穴王子」と呼ばれたりしていました。
ちなみにルックスイメージ(あくまで部分的ですが)は、マカロニウェスタンのなかで抜きんでて可愛い子ちゃんだったイタリア人俳優ジュリアーノ・ジェンマです。パトリックの脚の長さはジェンマのイメージから拝借しています。

Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います！
約十年前に書いた話なので、なにも覚えてなかったのですが、当時の同人誌のあとがきを見たら、どうやらワープロで書いた最後の作品のようでした。世の中はほぼＰＣに移行済みでも、しつこくワープロを使っていたのですが、ついにキーボードがダメになって泣く泣くＰＣに替えたのを思い出しました。

Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
同人誌からはじまり、電子配信でご好評をいただき、こうしてハーレクイン社から発売されることに、関わってくださった皆様に、感謝しても感謝しきれません。特に、ずっと私の同人誌でイラストを描いてくれている三貝さんとは、一緒にその感慨深さに浸っています。
マカロニウェスタンや牧童のカッコよさやエロさを、二人で語り合ってこの話が出来たようなものなので、三貝さんの素晴らしいイラストも楽しんでいただけると嬉しいです。

Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
初めまして、塔栄です。
ＢＬではあまり馴染みのないカウボーイ同士のカップルで、舞台もテキサス、時代もちょっと昔になります。ハードゲイ風な話ですが、攻めと受けが、互いの魅力にじょじょに溺れていく過程は、ＢＬならではの展開だと思います。
最初は逆らえるだけ逆らっていた受けが、拒みたいのに拒めなくなっていき、容赦なくかつ丹念に調教して受けを変えていく攻めとの愛憎劇。大好きなマカロニウェスタンの色っぽくカッコイイ雰囲気を練り合わせ、より合わせ、エキスを濃厚に抽出してみました。
異色ウェスタンをご堪能いただけると幸いです。

担当編集より
あまりにもハード、そのＳＭ描写の凄まじさに、これはもはやＢＬなのか？ と密かに噂され、同人誌刊行時に、既に話題騒然となっていました。その後、電子書籍化されて爆発的ヒットとなった作品です【電子書籍ＢＬ小説部門売上1位／全電子書籍年間作家売上6位】。


▲電子書籍六冊分を一挙収録しているので、すごく分厚いんです。二段組、約2センチ

知る人ぞ知る西部劇ＢＬ――超読み応えの総集編でお贈りする、異色ウエスタンハードコアの世界。もよりの書店にない場合は、一冊から送料無料のハーレクインネットショップをぜひご活用ください。

特典情報
右から
1. アニメイト限定ＳＳ：乳首攻め編パート2【2500字】
2. とらのあな限定ＳＳ：乳首攻編パート1【2000字】※イラストがオリジナル！
3. その他主要書店ＳＳ：乳首攻編パート1【2000字】※ホーリンラブブックスでご購入いただくと先着でカラーポップ付
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ここでしか読めませんので、ぜひお見逃しなく。
ＳＳペーパーは大変少部数となっております。入手困難な場合は、一冊から送料無料のハーレクインネットショップをぜひご活用ください。

番外編ご紹介
▼今回、単行本に収録できなかった番外編が三篇ございます。電子書店などをご活用くださいませ。
『ライド・ガイ・ライド～ディープ・ライジング』650円
三十を皮切りに、パトリックはダグラスからサラブレッドの生産牧場管理人を任されることになった。だがそれ以来、ダグラスとの関係は疎遠になってしまう。
三ヶ月独り寝が続き、ついにパトリックは、ダグラスの支配の証、亀頭のピアスを外すことを決意する。ダグラスの呪縛を解き、あの男との愛欲以上に価値あるものをみつけるために――。

『ライド・ガイ・ライド～ハード・キャンディ』650円
十二月の遅い日の出を迎えても、ダグラスはパトリックの尻を執拗に突き、ベッドを軋ませていた。力強いダグラスの体臭に、身も心もとろかされて、パトリックとの関係が甘やかなものになってしまったことが、ダグラスは気に入らない。
「今晩は趣向を変えるぞ」ハンサムで上質なカウボーイを縛り上げ、目隠しするや…

『ライド・ガイ・ライド～フールズゴールド』800円 ※長編
男の許しがない限り、自慰すらできない貞操ピアスを嵌められて――パトリックはダグラスの傲慢なそそり立ちから、どうしても離れられない。自身への苛立ちがつのるなか、ダグラスが荒牛乗りの不気味な双子を交えた性の饗宴へとパトリックを誘う……。

(c)塔栄のりこ／三貝みさき／ハーレクイン