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【おすすめBLレビュー】純愛エロスや攻め様育成ギャグなど新作5作品レビュー!

2019/10/21 18:00

こんにちは、電子書籍ストアのBookLive!です。
最近発売されたBL漫画のおすすめをご紹介♪
注目のデビューコミックスから、隠れた名作まで、BL担当書店員が熱く語ります。

あの夏、優弥を殺したのは俺たちの中の誰?『真夏のサイレン』

  • 真夏のサイレン
    真夏のサイレン
    櫻川なろ
    680円+税


    高校時代からの親友同士、春海、遼、崇文。高校の同窓会で数年ぶりに再会した3人は、車で山中の別荘に向かい、本当は一緒にいるはずだった4人目の親友、優弥について語り始めます。「…なんで死んだのかなあいつ…」。高校最後の夏に起きた事件の謎がここで解き明かされる――。

    高校生最後の夏、春海、遼、崇文、そして優弥の4人で行ったキャンプ。そこで優弥は橋から転落して意識不明の重体となり、その後、3人のもとに彼の死の知らせが届きます。優弥が一番大事にしていた幼馴染の春海、優弥と体の関係をもっていた遼、優弥が生前「俺、お前のこと好きだもん」公言して憚らなかった崇文。一体誰が優弥と最後に会って、彼の死に関わっていたのか……。サスペンスフルな展開に目が離せなくなってしまいます。3人それぞれの主観から語られるエピソードによって、徐々に真実が明らかになっていくという構成は、ミステリ好きにとってもたまりません! イチャラブ要素はすくなめですが、4人の間での恋情のもつれや優弥の死の真相にも惹きつけられて、ページをめくる手が止まりません!
    『道頓堀フライングジーザス』(竹書房)や、『星に落ちる絵筆』(竹書房)など、甘キュン系作品の名手として知られる櫻川なろ先生。4人の男の心の裏側までをも描いた本作はまさに新境地。見るものを陶然とさせる美しい絵柄と、触れなば壊れん危ういムードに酔いしれてください!

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操るクズ、流されるクズ、巻き込まれるクズ『クズの教育』

  • クズの教育
    クズの教育
    藤村まりな
    600円+税


    親から常に学年トップでいるようプレッシャーをかけられてきた男子高校生・郁哉。憂鬱な日々を過ごす彼の救いは、唯一の理解者である担任教師・葛城からの“ご褒美”でした。葛城から与えられる快楽に酔いしれる郁哉でしたが、ある日、その現場をクラスメイトの恭介に目撃されて……。

    『クズの教育』というタイトルにふさわしく、郁哉も葛城も恭介も何か本音を隠し持っている様子。あらすじだけをなぞると、クズ教師に籠絡されるトラウマ持ちの生徒、そして同級生を救済するヤンキーという、見覚えのあるストーリーに見えるかもしれません。しかし、そんな一筋縄でいかないのが本作のすごいところ。郁哉は葛城に裏切られていたのと同時に、否定しようのない救いを与えられていて、葛城のほうもどうやら郁哉を弄んでいただけではなさそう。そして、2人の間に現れた恭介もただの「良いヤツ」なのかは不確か。真意がはっきりしないまま、ただ欲望だけがぶつかり合うカオティックな展開にひたすら翻弄され、クライマックスで明かされる真実に呆然とするしかありません。
    そのダークな後味から読み手を選ぶ本作ですが、登場人物の感情を突き詰めてリアルに描ききったからこそ、一言では割り切れない結末にたどり着いたのではないでしょうか。美しいだけの愛が尊いのか、歪んだ愛は責められるべきなのか。さまざまな思いが胸に去来します。

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嘘だらけの僕はこのまま君に愛されていていいの?『彼の植物は美しい』

  • 彼の植物は美しい
    彼の植物は美しい
    松山おに
    600円+税


    孤児院で生まれ育った少年・ハンス。何者かに殺されたはずの彼でしたが、「ユアン」と呼ばれる他人の体の体で目覚め、ユアンの恋人・ヤンとともに暮らすことに。とっさに記憶喪失のふりをして切り抜けたハンスですが、ユアンは一体どんな人物だったのか、どうしてヤンはこれほどユアンを愛しているのか、わからないことだらけ。謎だらけでスリリングな第2の人生が始まります。

    目覚めたら全身に11ヵ所の縫い跡、顔は全く知らない他人のもの。そんな状態からハンス(ユアン)とヤンと、謎のメイド服の男・アイムと3人の奇妙な共同生活が始まります。貧しい育ちのハンスが、戸惑いと劣等感と感じながら「ユアン」としてヤンに愛される姿がコミカルに描かれていますが、互いに隠し事をしている彼らの生活には、常にどこか不穏な影がつきまとい、その独特のムードが闇の腐女子にはたまらないごちそうです……! 一度死んで他人のゾンビとして蘇った状況の中でヤンに愛されようとするハンス、生前とは別人の「ユアン」を溺愛するヤン、そんな2人を生ぬるい目で見守るアイム。少しずつ狂った登場人物たちそれぞれの目的が明らかになる瞬間、思わずぞわりと鳥肌が立つ思いがします。

    表題作の他に、隣人のサラリーマンに妄想混じりの片思いをする男子高校生の恋心を描いた「21時45分の偶像」、明らかに付き合っているのに付き合っていないと言い張る松下と宮下に翻弄される山下……という仲良し(?)男子高生3人組のお話「松下くんと宮下くん」などを収録。どれもシュールな読み口がクセになる作品揃いです!

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7年の不倫、飼い馴らされた体。囚われのお姫様は救われるのか『ロンリープレイグラウンド』

  • ロンリープレイグラウンド
    ロンリープレイグラウンド
    ダヨオ
    650円+税


    中華料理店でアルバイトをしている慧介は、店の前を通りがかるサラリーマン・雪文のことが気になっていました。しかし、何の接点もなく、ただ彼のきれいな横顔を眺めることしかできません。そんなある日、バイトの近くのゲイスポットで相手を探す雪文に出会い、誘われるまま彼の自宅へ。一見大人しげな雪文でしたが、その体は慧介がびっくりするほどエロくて……。

    『YOUNG BAD EDUCATION』『YOUNG GOOD BOYFRIEND』(ともに祥伝社)のダヨオ先生の新作。教師と生徒の純愛を描いた前作とは真逆のアダルトでインモラルなムードに、思わず「ほほう…」と舌なめずりをしてしまいます。
    本作の見どころはまさに「エロと純愛」に尽きるのではないでしょうか。エロ作品で純愛は描けないし、純愛作品はエロ少なめなのがいとをかし。そんな風に考えていた自分の了見の狭さを思い知らせてくれます。
    7年の不倫の中で雨津木に調教され、薄幸でエロい愛人オーラを身にまとっていた雪文が、「俺は雪文さんが大切だ」と慧介に真っ直ぐな愛情を向けられることで、自分の本当の気持ちに向き合っていく様は、心臓が痛くなるほどの純粋な愛情に満ちています。

    「愛とはなんたるか」を体現するような光サイドの2人に対して、束縛・執着・支配の3Sを兼ね備えた闇のイケオジ・雨津木も大変魅力的。下巻収録の「悪人の縛り方」で年下の男に組み伏せられる姿がエロくてエロくて……。スピンオフ化を全力で希望します!

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強く正しく美しい“究極の攻め様”を育てます『攻め様検定管理局』

  • 攻め様検定管理局
    攻め様検定管理局
    藤峰式
    640円+税


    攻め様の発掘・育成を担い、立派な攻め様を育て上げることを目標に活動する組織、それが「攻め様検定管理局」。落ちこぼれ局員の平井は、攻め様の原石を見つけても山でローション作りの修行をさせるばかりで、芳しい成績を挙げられずにいます。「次こそは理想の攻め様を育て上げてみせる!」という志を胸に、同期のエリート二階堂に馬鹿にされながらも任務に邁進しますが……。

    『そんな目で見てくれ』毛魂一直線(東京漫画社)や、『Nightmare Catalog』雪路凹子(茜新社)を思い起こさせるような――これは良い表紙詐欺です(褒め言葉)。金髪イケメンが描かれたスタイリッシュな表紙から、ダークなストーリーを想像しかけますが、主人公の平井がヘリからはしごでぶら下がって登場したり、ライバル・二階堂が白馬で通勤していたりと、完全なるギャグマンガです。イケメンたちが真面目な顔で全力ボケをかましてくる前衛的なスタイルに、読み終わる前からすでにスタンディングオベーションをしたくなります(ゆっくり立ち上がるスタイルで)。
    タイトルの「攻め様検定管理局」自体がパワーワードですが、「派遣会社『モブおじさん』」「攻め様検定バトル」「触手ホールディングス」といったさらなる強ワードも登場。これはもう気にしかなりません。読むしかありません。BLあるあるも豊富で、腐っていればいるほど楽しめる1冊です。

    月に1回1週間の有給を満喫するために発情期を装うオメガが主人公の『有休オメガ』(ふゅーじょんぷろだくと)や、不良高校のヤンキー✕生徒にいじめられて喜ぶドM教師の『工藤先生のマジェスティックデイズ』(ふゅーじょんぷろだくと)、おバカな元ヤン✕中二病の美少年『曰く、恋の相手は闇属性』(ホーム社)など、個性的なBL作品を世に送り出してきた藤峰式先生。また1冊、新たな名作がここに誕生しました……!

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