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表題作罪に濡れる夜に

工務店・大森大地
神父・芹沢十夜

あらすじ

神学校を卒業し、司祭として郷里に派遣された芹沢十夜(せりざわとうや)は、幼馴染みで親友だった大森大地(おおもりだいち)と再会する。旧交をあたため、穏やかな友情をかみしめる十夜だったが、気安さから出た振るまいを誤解され、憤った大地に半ば無理矢理に抱かれてしまう。手のひらを返したように強引になる大地と、司祭としての自分に板挟みになる苦しみから、一度は別れを選ぶ十夜だったが…。

作品情報

作品名
罪に濡れる夜に
著者
中原一也 
イラスト
片岡ケイコ 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773003048
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
9
評価数
3
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

神父さま、がんばれ!

大地は、ただ若い熱情のまま、十夜のことがすきなんです。傷つけたくないと思いながらも、ずっと思い続けている気持ちを押さえきれずに、告解室で告白してしまいます。
同じ教会に司祭も数人いるので、その思いに答えることもできずみんなに知られてはいけないと、大地に会うのはいつも告解室です。
個室なのに、間に間仕切りがあって、手を伸ばせば触れられるのに、触れてはいけないというシチュエーション萌えますねえ。。
切ないです。大地のことを好きだと気付いてしまったから、答えることは出来ないと一度は、逃げ出した十夜。十夜をおいつめてしまったことをしった大地も身を引くことを決心します。
ある事件によって大地をあきらめきれないと思い、神父を辞める決心をしますが、そのときに上司(?)の司祭から言われた言葉がいいですね。
同性を愛そうが、人を愛することに違いはないと言い切ってくれた司祭さま、よく言ったと拍手しました。そうです、愛に貴賎はありません!神父さまガンガレ!

2

聖職者の恋

攻・大森大地(29) 工務店跡取り息子
受・芹沢十夜(29) 神父

幼なじみで高校時代の同級生です。

子供の頃からの親友の2人。
父親が倒れたことから進学を諦めて工務店に入った大地と、学生時代から聖職者をめざしていた十夜。
故郷の教会で司祭として活動する十夜を、大地はずっと好きでした。
高校時代から惚れてたのですが、肝心の十夜は…天然です。

聖職者だからでしょうか、十夜は誠実で親切で人を疑わないし恨まない。
戒律を厳しく守るのではなく、自然体で守っているような人です。
だから遊び心も理解するし、厳しいだけの神父じゃないから人気もあります。

美人さんですから女性信者には大人気ですし、工務店の男たちもクラっときてる。

女性信者の一人が大地に思いを寄せていて、上司に頼まれてふたりの間を取り持つようなことをしてしまいます。

十夜を好きな大地は当然その女を無視し、冷たく追い払います。

告解室で十夜に「好きだ」と告白する大地。
しかし当夜には大地の気持ちを受け入れることは出来ません。
司祭職は結婚できないし、戒律で同性愛も禁止なのですから。

大地を好きな女が、いかにも「女」で、なんとも…。
大地にふられた腹いせを十夜に向けます。
しかも「十夜に襲われた」と嘘をつき、そのウワサを広めてしまう。

女は告解室で「襲われたのは嘘。その証拠もある」とはっきり言います。
しかし告解室で聞いたことは他言してはいけないという決まりがある。
神職の立場では女の言葉を公には出来ない十夜。

信者の一人に女のことで詰め寄られた後、精神的な疲労に耐えられなくなって十夜は大地に助けを求めてしまうんです。
そーいう意味での癒しが欲しかったわけじゃないのに、大地も煮詰まってましたから、十夜が落ち込んだところに付込む形で抱きます。

大地への気持ちを自覚した十夜ですが、神に使える身である自分は応えられない。
でも好きなんですよ、大地が。

女信者とのトラブルと、大地への気持ちと、聖職者である自分と。
悩んでいる十夜を追い詰めたくないと、大地は身を引こうとしますが…ダメなんですよねぇ。


理解のある(?)上司の言葉に救われて、恋人同士になる2人ですが…試練はまだまだありそうです。

設定とあらすじで、もっとギリギリの、精神的に追い詰められて痛い感じのストーリーかなと思ってましたが、予想外にほんわかしてます。
十夜が天然鈍感だからでしょうか。
悩んでないわけじゃないけど、ちょっとアッサリ目でした。

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