さあ、どの子が好み?

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表題作青い春を売る教室

鳴神裕貴、高校3年生、キヨの幼馴染
沼田キヨ、高校3年生

同時収録作品青い春を売る教室

藪見司、村で働く医師、解離性障害を患う
犬里マヤ、高校1年生(攻め受け描写なし)

同時収録作品青い春を売る教室

モブ
沼田キヨ

同時収録作品青い春を売る教室

モブ
鳴神裕貴

同時収録作品青い春を売る教室

立花、少年愛好家
小山内耕太、高校3年生

あらすじ

「さあ、どの子が好み」?

限界集落における学校というコミュニティを存続させるべく、
土地で生まれ育った学生たちが取った行動とは…?
失われゆく日本の原風景と土地に暮らす人々をおおらかに描く
エロスの叙情派詩人“yoha"が送るオムニバス作品集。

作品情報

作品名
青い春を売る教室
著者
yoha 
媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
発売日
ISBN
9784863497986
3.2

(58)

(25)

萌々

(4)

(7)

中立

(7)

趣味じゃない

(15)

レビュー数
12
得点
169
評価数
58
平均
3.2 / 5
神率
43.1%

レビュー投稿数12

読み手を選ぶ作品だけれど

作家買い。

yohaさんと言えば「容赦のないモブ姦」を描かれる作家さま、のイメージですが、今作品はそのイメージを覆すことのない、むしろ群を抜いた作品でした。

初めに書いちゃいますが、この作品は読み手を選びます。
甘々で、優しいストーリーをお好みの方にはお勧めしづらい作品です。




主人公は高校生。
彼らは、とある理由から学校で身体を売ってお金を得ている。
「お客」は、外からやってくる大人の男たち。
学校の先生は、生徒が売春していることを知りながらも黙認している、といった状況。

高校生の彼らがなぜ身体を売っているのかー。

そこを軸に進むストーリーです。

彼らが身体を売る理由、それは愛する人を守りたい、という思いから、なんです。

限界集落に住む彼らには、「未来」が見えない。
お金もなく、先細りしていくであろう彼らが住まう村。

愛する家族を、恋人を、そして自分の未来を守るために、彼らはお金を得る手段として身体を売ることにしたのだ。

自分たちが唯一持ち合わせている、若く、綺麗な身体を商品にして。

お客を喜ばせるために、彼らはどんなことにも耐える。
いやなことをされても、時につらい行為を強いられても、彼らは笑顔でこたえようとする。

まだ高校生である彼らを食い物にし、抱きつぶす大人たちに嫌悪感を感じつつ、けれど彼らが愛するものを守りたいと奮闘する想いに激しく萌えてしまいました。

が、この作品はそれだけにあらず。
最後の最後まで、救いがありません。

最後のオチですら、ああ、そういう…、という展開。

yohaさんて、とにかく絵柄がきれい。
登場人物の高校生もビジュアルも、何もない田舎の描き方も、とにかく綺麗です。
そして、そんな綺麗な絵柄で紡がれていくのは、ダークでほの暗いストーリー。このアンバランスさがyohaさんの大きな魅力の一つではないかと思います。

この作品はオムニバス形式の作品のため、登場人物が多いです。
多いがゆえに、一人に割かれたページ数はさほど多くありません。そのため、彼らの感情はややあっさり目に描かれています。

あっさり目に描かれていて、それでもなお、圧倒的な質量をもって読者に迫ってくる。
このストーリー展開の仕方が実に秀逸です。

愛のないセックス。
ダークでブラックなストーリー。
救いのない結末。

初めに書きましたが、読み手を選ぶ作品です。
地雷はほぼなく何でもカモン状態な私でさえ、読後鬱々とした気分になりました。

なので評価ですごく悩みました。

愛のないセックスシーンに萌えは感じない。
けれど、彼らの愛する人を想う愛情には激萌え。

yohaさんらしい、ダークな、けれど深い愛情を描いた作品で、やっぱり神評価しか付けられませんでした。

15

いろいろぶっ飛んでいる

倫理観がぶっ飛んでいるけど、その中に登場人物ひとりひとりの想いがよく描かれていて読み応えがある。よくこんな話を思いつくな、とこの作家さんの本を読むたびに感心する。続きが楽しみ。

5

他では絶対読めない貴重な作品

さすがyoha先生。文句なく神評価です。モブ姦が苦手な方は要注意ですが…。この内容でOKを出してくれた茜新社さんにも感謝です。
絵の書き込みがすごくてすみずみまで読んでしまいます。
独特な雰囲気がくせになります。ひとりひとりのバックボーンが濃い。それゆえ設定的にはぶっとんでるのに妙に説得力がある。
これは続くんですよね?続いてくれなきゃ困る…。
まだまだ読みたいです。

4

現実味がある

同じ出版社の別の作品を探していたのですが、表紙と題名が気になりすぎて購入させていただきました。題名の通り、高校生たちが青い春を売る話です。

登場人物は限界集落にある高校の生徒達です。

住人の殆どが老人となった集落にある高校は、ある日廃校となることが決まりました。納得行かない生徒や、嫌がる生徒もいますが、そりゃそうだろうな、と納得したような生徒たちもいます。しかし、他校生だというのにそれを断固として良しとしない三妻という青年が現れてから、彼らの学校生活は変わり果てていきます。

我々にある若さを生かさないでどうする、という三妻の言葉から、生徒たちが体を売って廃校をなんとか防ぐことになってしまいます。集落外から集まる実業家や社長などを相手に精一杯のおもてなしをしていく生徒の姿からは、学校を守りたい、とはまた違う思いが伝わってきます。

うーむ、私は神評価一択なのですが、妹はどうしてもこの作品の良さがわからないらしく、まさしく人を選ぶ内容だと思います。モブレや飲尿、少年愛など無理な人にはなかなか受け入れづらいような内容も含まれています。あとセックス自体の回数は多いのですが、幸せなセックスがほんっっっっとうに少ないです。でも私の性癖には突き刺さりまくりました。

廃校をやめさせる為に生徒が身体を売るなんて、日本じゃなかなかありえない話なんですが、この作品には、本当にあったんだよ、と語りかけてくるような不思議な力があります。登場人物一人ひとりの思いがそれぞれリアリティがありすぎてついつい読み入ってしまうような作品です。実兄弟愛やモブ攻めなどがいける方には是非読んでいただきたい作品です。

2

漫画が上手い

漫画としての完成度が非常に高い作品でした。
少年たちがきれいでかわいいのはもちろん、舞台である陰鬱な田舎の雰囲気が画面全体で表現されていてシンプルに漫画が上手いな〜と感動させられます。

ストーリーは廃校を防ぐために売春する少年たちのオムニバス。
個人的には兄弟のお話が良かったです。
弟ミツキは兄キヨと恋人同士になりたいのですが、毒キノコの幻覚でキヨから紡がれた言葉がとてもきれいでした。
「恋人より兄の方が美しい言葉だと思う」
「恋人より弟の方がずっと甘い響きだと思う」
「恋人よりずっと贅沢だ」
ただ、これは描写的にミツキの幻覚だと思われます。
恋人になれないから兄弟の方が尊い物だと思い込もうとしてるのかな……という切ないシーンでもあります。

一度読んだだけでは読み解けない文学的な深い作品でした。
何度も読み返したくなります。
作家さんの他の作品もぜひ読みたくなりました。

1

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