身体だけでは伝わらない想い…

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表題作わがままな束縛

田中暁 劇団俳優 30歳
夏城玲央 エリートリーマン 30歳

あらすじ

30歳になっても綺麗だと言われる夏城は、エリートサラリーマン。 高校時代からの恋人の田中は売れない役者だ。 そんな夏城は近頃、田中が「好きだ」と言ってくれなくなったことに不安を感じていた。 それでも自分から言葉を伝えられない夏城に、転勤の内示が下る。 同じ頃、田中が有名劇団との合同公演の主演に選ばれ、一気に演劇にのめり込んでいく。 すれ違い始めた二人の心は…?

(出版社より)

作品情報

作品名
わがままな束縛
著者
愁堂れな 
イラスト
富士山ひょうた 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861341182
2.5

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
4
評価数
2
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

愛するが故の擦れ違いが切ない

学生時代からの付き合いで10年共にいる二人が互いにこれからの転機に差し掛かり、
誤解と擦れ違いで切ない思いをしながらも10年変わらずに愛を確認し合う話。
攻めの田中は舞台役者志望の貧乏劇団員で受けの夏城は10年彼を傍で支えている。
互いに転機が訪れなければもしかしたら互いにダメになっていたかもと思える内容。

まぁ、既に夏城はエリート商社マンなのに、海外転勤を田中に内緒で1度断り、
今回は東北へ左遷させられる事態になる訳なので、ダメダメにはなっていますね。
それにわがままな束縛はヒモ状態の田中ではなく、どんな状態でも一緒に傍にいたいと
思っている夏城なのですよ。

そんな時に、夏城には転勤話が、田中には劇団での主役の話が来るのですが、
その主役になるためには演出家と寝なければならないと聞いて夏城は激怒。
冗談だと言う田中にそこで一旦は怒りも納まったが、本当に主役に選ばれたと聞き、
前に冗談だと言っていた事が本当なのかと憤り二人でお祝いしようとした田中と
ケンカになってしまう、もちろん寝た訳でも抱かれた訳でもないのだが
主役になりスポットライトに照らされる田中が自分の知らない男になっていくようで
自分一人が置いて行かれそうな不安から素直に喜べない。

愛する者を応援したいと思う気持ちと自分だけの田中でいて欲しいと言う執着が
夏城を罪悪感や自己嫌悪で苛む。
そして自身もまた、転勤の話を田中にする事が出来ずすれ違いのまま時間だけが過ぎる。
離れたくない言う夏城の思いと、対等な関係に早くなって夏城を愛したいと思っている
田中との愛するが故の擦れ違い、結果的にはこの転機がキッカケになりもっと深く
愛情を確かめられる結果となる切ない系のハッピーエンドでした。

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