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表題作あさがおは夜から咲く

朝日秀斗,クラスの中心的存在,幽霊
幽玄,病弱で臆病な高校生

その他の収録作品

  • 奥深き色の夜
  • カバー下:イラスト(スマートフォンの中身など)

あらすじ

「好きな人が死にました。」

明るく素直なクラスいちの人気者
×
何事も諦めがちで内向的な臆病者

少年は悲しみを乗り越えて大人になる
優しいボーイズラブをあなたに。

心が浄化される
少年たちの
ひと夏の恋

病弱で何事にも懸命になれない高校生・幽玄(ゆうげん)。
クラスメイトと関わることを避け、色のない生活を送っていた。
そんなひとりぼっちの幽玄に毎日声をかけてくれるのがクラスのリーダー・秀斗(ひでと)。
明朗快活で誰からも好かれる秀斗に、幽玄は密かに想いを寄せていた。
しかし、ある日突然、秀斗はこの世を去ってしまう。
現実を受け止められない幽玄の前にユーレイになった秀斗が現れる。
生前の未練に縛られた秀斗の成仏を手助けすることになるが…。
甘酸っぱくて切なく美しいラブドラマ。

作品情報

作品名
あさがおは夜から咲く
作画
あらきゆう 
原作
チョコドーナツ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
電子発売日
ISBN
9784865896206
4.3

(94)

(61)

萌々

(13)

(13)

中立

(5)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
17
得点
401
評価数
94
平均
4.3 / 5
神率
64.9%

レビュー投稿数17

何度も読み返したくなる、素晴らしい作品

もうね、本当に泣いた。後半泣きっぱなし。
ありきたりでないお話を描かれるという印象のチョコドーナツ先生ですが、本作もまさに王道からは外れた作品。
だけど、そこに奇をてらう意図は感じなくて、自然にすんなり入ってくるストーリーがとても素敵でした。
作画のあらきゆう先生の絵とも合っていてよかったです。

※死ネタが苦手な方はお気を付け下さい。

〝好きな人が死にました〟の帯から覚悟していたけど、意外にもコミカルに進む幽霊ものという印象で読み始めました。

何事にもやる気がない病弱な高校生・幽玄。
そんな幽玄にいつも声をかけてくるのは、人気者のサッカー少年・秀斗。
その秀斗は、ある日突然事故で亡くなってしまいます。
しかし、死んだはずの秀斗が幽玄の前に現れてーー…!

突然亡くなってしまった秀斗に対しても、「人はいつか死ぬもの」なんて思っているポーカーフェイスな幽玄が、現世に未練のある秀斗の【未練リスト】を埋める手伝いをさせられるお話。
 
秀斗と幽玄は、実は両想いです。
コミカルにテンポよく進み、悲壮感は感じさせず、幽玄をキスで起こす秀斗は明るい幽霊。
でも、コミカルの中にある友や母が秀斗を思う気持ちに触れると、もはや涙無くしては読めない。
特に、母親とのやり取りでは涙腺崩壊しました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

幽玄は秀斗の手伝いをする中で、誰かを知って自分を知ってもらうこと、誰も気付かないような朝顔に目を向ける喜びを教えてもらいます。
生きることに意味を持てなかった幽玄の意識が変わっていく過程が丁寧に描かれていて、秀斗との毎日がキラキラ輝いたものになっていくのです。
遠かった二人が気持ちを通わせていく姿が、じんわり心に染みます。

だけどこの話はね、奇跡が起こらないんですよ。
秀斗は生き霊でもないの。
未練がなくなったら成仏してしまうの。
ファンタジーの中のリアルがここにあって、そこが一番辛いけど尊い。
そして、秀斗を現世に留まらせていた最大の未練は……と、続きます。

朝顔は、朝を待つのではなく、朝に向かって暗いうちから咲く健気な花です。
人はいつか死ぬとしても生きるし、離れるとしても愛するし、枯れるとしても咲く……
秀斗にとっては〝最後の恋〟だけど、幽玄にとっては〝最初の恋〟で、その差がとても切なくて悲しいけど、幽玄に受け身じゃない人生を覚悟させるラストは素晴らしかった。

秀斗の幽玄への想いが明らかになる描き下ろしは、その後の秀斗を思うと切なくて切なくて……
読んだ後は胸いっぱいで何も手につきません。
秀斗にもっと生きて欲しかった、その思いに尽きます。

29

帯の言葉に救われました

深く深く刺さり号泣しました。

帯(あらすじ)に書いてある
【少年は悲しみを乗り越えて大人になる】
【優しいボーイズラブをあなたに。】
読後の行き場の無い気持ちをこの言葉に救われました。
成長を見守る、優しくて悲しくて前向きなBLだったと思います。

うううううう…でもでも…
やっぱり悲しみが襲ってくるのは否めない…。
でもすっごいイイお話なの。でも悲しい。
ぐううう…。゚(゚´Д`゚)゚。


あらすじにもありますが、ある日突然秀斗は死んでしまいます。密かに恋心を抱いていた幽玄は事実を受け止められずにいたのですが、秀斗はユーレイになって幽玄の前に現われて…。ひと夏を一緒に過ごし、彼らの"最後の恋"が優しく温かく切なく描かれたストーリーです。

受け:幽玄は病弱で周囲のスピードについて行けず、いつしか周囲と関わることも諦め、淡々と日々を消化している高校生です。クラスメイトの名前すら覚えておらず、反対にクラスメイトからも存在を認識されていないようなボッチで。そんな中でいつも明るく声をかけてくれていたのが秀斗でした。

攻め:秀斗はとっても「明朗快活」が服着て歩いているような底抜けに陽パワーを放つ子です。それは死んでからも変わらず、ユーレイとなって幽玄に現われたときも場をパッと明るくさせて楽しませてくれる。なので読み手としても『秀斗は死んだんだ』という事実が受け止められないまま読み進めてしまいました。(そしてあとで大泣きするハメに…)

幽玄は秀斗から残した未練を託され、秀斗の代わりに借りっぱなしの物を返したり、喧嘩中のまま死に別れた親友に最後の言葉を届けに行ったり。最初はクラスメイトの名すら知らなかった幽玄は、秀斗の未練を通して次第に周囲と関わるようになっていくのですね。それはまるで秀斗が幽玄に渡す最初で最後のプレゼントのようにも思えました。秀斗がいなくなっても幽玄がひとりぼっちにならないように。

秀斗の何気ない言葉で幽玄の世界がどんどん広がっていくんですね。少年の殻から少しずつ脱皮するように。冗談話して笑い合ってすごく楽しそうな姿を見ていると微笑ましく思える反面、彼らの恋に先がないのが切なくて苦しいです。

秀斗が残した最後の未練は大号泣でした。
後悔なく生きることって難しいですよね。BL以外の観点でも頭ではわかってるけれど日常的に意識出来ない部分が抉られるというか…。それでも生きてる者は前を向いて生きていくしかない。考えさせられます。

そして秀斗が成仏できなかった本当の理由。
これも涙腺が壊れてアカンですね。私も「奇跡が起きて!!!」と祈り続けながら読みました。ファンタジーでいいです。物語はご都合主義とかでいいです。ホンッッッッット奇跡が起きて欲しかった。お願いだから死なないで。幽玄と一緒に生きようよ…。BLの神様お願いしますの境地。

ああああ…私の方が事実を受け止められなくなってる…。現実を受け止めて前を向いて進む彼らを見て大泣きしながら本を閉じてしばし放心。秀斗と幽玄のほうがずっとずっと強いわ…。帯に書かれた言葉【少年は悲しみを乗り越えて大人になる。優しいボーイズラブをあなたに。】が目に入り、ストンと心が落ち着きました。

うん…。ミラクルな奇跡は起きなかったけれど、秀斗が死んでから幽玄の前に現われて想いを伝え合うことが出来ただけで奇跡なんですよね…。そして最後に小さな奇跡も起きてて嬉しかった。刹那的な時間が切ないけれど優しさと愛が伝わるBLでとても良かったです。語彙力ないんでこれしか言えない。すごく良かった。大切にしたい1冊になりました。

20

成長痛のような恋

発売日に買ってなかなか読む勇気が出ず(チョコドーナツ先生原作の話はまず泣くため)ようやく読みました。そして泣く。

辛い展開があるわけでもここで泣け!と強要が見られるシーンがあるわけでもないのに、気づけば泣きながら読んでいました。ただそれらは決して「悲しい」だとか「辛い」だとか言う感情ではなく、人の優しさであったり、気付きであったり、そこかしこにある人と人(ここでは主人公と登場人物)との触れ合いから感じられる心の繋がりに触発されたもの。

当て馬もいない。主人公を悪意無くからかう同級生たちも今を生きている普通の高校生として見ることが出来るから嫌味ったらしいこともなく、総合的に見てもこのお話に生きる人物はみな「普通の人」で、読んでいてストレスもありませんでした。

最終話、映像のように流れるコマ割りがダイナミックで綺麗で、ひとつの恋と一人の想いが確かに終わりを迎えたのに何とも清々しい。
泣きながら強くなる。痛みを知って、まだまだ長いはずの人生を生きていく。「おやすみ」の前の幽玄くんのお顔が朝露に濡れた朝顔のようで美しい、印象に残るクライマックスでした。(そして泣く)
最後まで奇跡が起きないのもまた良い。

あらきゆう先生の描かれる登場人物たちがチョコドーナツ先生の原作によく合っています。繊細で、それでいて力強い、とてもストレートで綺麗な線。またタッグ組んでくれないかなあ。

死ネタなので人を選ぶのかもしれないけれど、お話の中に救いは見えるし決して不快ではない涙を流すことができ、私は一応ハッピーエンドだと思います。
いつかどこかでまた2人が巡り会い、今度こそ生きて結ばれる未来を期待します。

13

僕にだけ見える君

「この作品がBLアワードにノミネートされなきゃ死ぬリスト 2021」で興味を惹かれたので購入。
カバーイラストの、ブルー系の色使いがとっても素敵。

ある日、突然死んでしまった同級生が、幽霊となって目の前に現れたら、、、

自分にだけ見える幽霊と、幽霊の未練をひとつづつ叶えながら、ひと夏を過ごすことで成長していく少年。

もう、全然、非BLでも成立しちゃうファンタジーだけど、ちゃんとBL。
ちゃんとエロいシーンも盛り込んであるけど、エロへの進み具合も、すごく私好みのペースで申し分ない。
原作と作画がわかれていることで相乗効果が現れていると思う。
ストーリーにも、絵にも、神です。

7

奇跡を心から願った

非現実的なお話ではあるけれど、とても大事で身近な題材が描かれていることにハッとさせられる作品でした。

冒頭数ページで秀斗は亡くなり、唯一姿が見える幽玄と共に未練を果たしていくことに。そうしているふたりの表情は明るく冒険でもしているように思えて、読んでいるこちらまでわくわくした気持ちになりました。
ずっとそんなふたりを見ていたい、と思ってしまうほど。
でも現実は甘くない。いくら奇跡を願っても、秀斗はもう戻らない。その事実は変わることはないのです。
幽玄と秀斗どちらの思いも本当に切なくて涙がでました。
「おやすみ ヒデ」の後の幽玄の泣き笑いの表情は胸が抉られるように切なかった。

死を理解するには生を理解すること。
生きているのを実感するのってなかなか難しいですよね。
普段改めて考えないようなことや当たり前になりすぎていること。
自分自身を見つめ直してみたいと思える作品に出会えたなと思います。

3

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