小説

  • この世の果てでもどうかよろしく

この世の果てでもどうかよろしく

konoyo no hate demo douka yoroshiku

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作この世の果てでもどうかよろしく

寺島朝日,22歳,葉二の恋人に瓜二つな元ヤンの寺の跡継ぎ
荻原葉二,23歳,冠婚葬祭会社の葬儀部門担当者

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大学生の葉二はロサンゼルスに留学中、恋人である先輩の潤一と顔が瓜二つで、ダウナーな朝日と出会う。ホストファミリーと喧嘩し、追い出された朝日を見捨てられず寮に連れ帰り、想いを寄せられた葉二。潤一とうまくいってない寂しさもあり、朝日と一夜を共にしてしまう。その後、潤一を追って就職するが望まない葬儀部門に配属された葉二は、 住職見習いになっていた朝日と再会する。いまだに葉二を好きな彼に心が揺れて…。

作品情報

作品名
この世の果てでもどうかよろしく
著者
谷川藍 
イラスト
榊空也 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784778131951
3.2

(42)

(12)

萌々

(10)

(4)

中立

(8)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
11
得点
120
評価数
42
平均
3.2 / 5
神率
28.6%

レビュー投稿数11

美しい表現が特徴

商業デヴュー作とのことで表現の美しさ独特さがとてもよく滅多にしない付箋をつけてしまった位目を引きました

物語は元ヤンダウナーの刺青背負った美形お坊さん朝日
アッパーを装いながらも恋人とうまくいかず自己肯定感が低い葉二
留学先で出会い偶発的な一夜を過ごした二人が帰国後仕事関係で偶然再開する
葉二は高校時代からの恋人との関係が宙ぶらりんのまま朝日と会うことが増えていき…恋人が別の男と一緒に幸せそうに笑うのを見てしまい…と
先ほども書いたが表現が散りばめられておて読んでいてドキっとさせられる事が何度もあって嬉しくなった

のだが
一人称気味で進められているにもかかわらず
葉二の性格や何を考えているかとかの部分が少しわかりにくくとっぴに感じるところがあってそこが残念に感じた
逆に中盤入った朝日視線の一人称が入った事でとてもわかりやすくなったと思うが
葉二の特に後半の部分は読んでいて戸惑いを感じた
考えられない様な行動を取る人間だと言っていれば何をどうなってもいいというわけでは無いと思う
これはあくまで外で見ている人間の感想であって
一人称の流れで書かれているならその行動ではなく心情に不自然さを何回も感じるのは残念でした

再会ものでしかも別の恋から脱却や仕事や恋を通じての自己再生と濃ゆい盛り沢山すぎるくらいな内容をここまでこなすのはなかなかすごいなと思うので
神にしたいくらいだったのですが
一つ落としました
次回作に期待したいです

0

心理描写が丁寧な作品

デビュー作品とのこと、タイトルやあらすじを読んで発売を楽しみにしていました。一人称寄りな三人称視点が特徴的。とても感情移入しやすい言葉選びだと思いました。
複雑な出会い、複雑な再会が柔らかく描写されており文章が好きです。
心理描写がとにかく丁寧。

不意に出会って身体を重ねてしまった二人。
葉二が発した名前から葉二に彼氏がいると知ってしまう…という切なスタート。
そこからの、再会ものです。
再会ものが好きな私にとってツボな設定と展開でした。
なんといってもキャラが最高で、積み重ねられた描写からキャラの背景を辿るのが本当に楽しい作品。

攻めが困ってるとき助けてくれる受けが最高なので、葉二が大好きなのです。
台詞回しとか空気感が好きだなぁ…
そして複雑なんですよね潤一が…
そりゃあ当て馬でしょうけど、
潤一が完全に悪いやつという当て馬ではなく、むしろ颯爽とスピンオフが決まるタイプの優良物件だよね…!?という厚みがあるのです。

最後の1ページの文章の美しさが好き…言葉の選び方が推せる作家さんなので、次の本を期待してしまいます。

そしてコミコミスタジオの特典SSも続けて読んだんですけど…
これです!!!!!
こういうのが欲しかったんです!!!
と叫びそうになりました。

とにかく圧倒的に文章が良い…穏やかで、柔らかく、過去の追想から現在の幸福を想うという構成で、ええ…良いな…攻めの朝日目線なのもよい。
いやあ、朝日好きだなあ……可愛いなヨシヨシしたくなる。

上手く言葉には言い表せない奥行きのある世界観で、素敵な文章を書かれる作家さんであることは間違いなしです。
色んな方に読んで頂きたいそんな一冊です。

5

キャラが最高

このレビュー書くためにちるちるアカウントを取りました。
攻めの朝日くんが本当にたまらなくて。
朝日と葉二のストーリーをもっと読みたくなってしまいました。

設定が気になった&表紙イラストに惹かれて発売日前から予約していました。
商業BLは普段漫画ばかりで小説は読んだことがなかったのですが、普段小説をほとんど読まない私でもスルッと読めてしまうくらい読みやすい文章です。本一冊一晩で一気に読んだのは初めての体験でした。
丁寧な心理描写が好きで、潤一と別れるシーンは本当に美しくて、何回も思い出して後から読み直してしまいました。
朝日と葉二はもちろん魅力的ですが、脇役のキャラ立ちがとにかく半端じゃない!
ちなみに一番好きなキャラクターは葉二の元カレの潤一でした。潤一が主人公のスピンオフが読みたいなと感じます。

くっついてからの展開が少し急に感じた部分もあるのですが、きっとBLのお約束を踏んだような感じなのかな?それでも最後の締めくくりはスタートから想像もできなかったような前向きさで終わり、胸に残りました。
紡がれるシーンの美しさ、迷いながら進んでいく人間らしさを描いた力強い素敵な小説だと思います。
次回作を楽しみにしています。

4

葬儀屋さん

榊先生ホイホイで購入。お仕事面は知らない事が多かったので面白かったし、恋話の方も今じゃなかったらもう少し萌えたかもと思うのですが、疲れ果てている今読むのは少し疲れたので、中立にしました。先生、ごめんなさい…本編260pほど+あとがき。

好きな人との関係がにっちもさっちもいかず、逃げるようにロサンゼルスへ語学研修に来た受け。同じ日本人留学生でトラブっていた朝日を助けて同じ部屋で暮らしていましたが、ある日朝日とやらかしてしまい…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
同じ大学出身の和泉、受けがずっと好きな潤一、小澤(受け職場先輩)、その他少々。潤一がなかなかクセモノ。

++全体的な感想

最後に一発逆転的にすっきりしてめでたしめでたしなお話なんですが、攻め受けも潤一も性格が私と合わないのか、ウジウジしているように感じられて、惚れられなかったでした。

攻めは敢えて言うなら背中に彫りのあるワンコ。受けは一途に潤一にキラキラした目を向けている子犬という印象。潤一はこじらせ系。

なので、等身大の男子のこじらせ話+葬儀屋お仕事話に興味ある方は良いのかも。です。いまいち面白いんだかそうではないんだか掴みきれないお話でした。うーん。

3

何気ない言葉が変えた未来

今回は留学先で出会った元ヤンの住職見習いと
冠婚葬祭会社の葬儀部門担当者のお話です。 

受様が就活から逃げて向かった語学留学で出会った攻様と
就職した会社で再会、新たな恋を育てるまで。

受様は楽しい事と明るい場所が大好きな大学生です。

今後に迷いが生じた受様は大学の夏の語学研修で
ロサンゼルスへの留学を決意しますが

受様が研修に参加したのは大学4年の夏、
周りの皆が就活やインターンで忙しくしている
重要な夏休みだったのです。

激戦の参加枠を後輩からもぎ取り
リア充するぞと意気込んで参加したものの
ある日本人の男子生徒とつるんで過ごす羽目になり
半端な留学ライフとなっていました。

受様とつるむ男子生徒こそ今回の攻様になります♪
攻様はアイドルじみた綺麗な顔なのに
がっしりした体つきであまり表情を変えないため
なんとなく近寄りがたい雰囲気を持つ大学生です。

攻様は着いて早々、
ホストファミリーと大喧嘩して追い出されたと言い
凡庸な受様から見たら立派なヤンキーでしたが
受様は怪我をしている攻様を放っておけず
面倒を見る事となってしまいます。

受様が色々あって語学研修に来たように
攻様は父親に無理やり放り出されたようですが
攻様は受様との出会いで少しづつ変わっていきます。

しかし、攻様が起こした事件が遠因で
酔った受様は攻様と一線を超えてしまい、
受様は大きな後悔とともに帰国の途につくのです。

それでも受様はどうにかこうにか
つれない恋人と同じ会社に内定をもらい、
彼と一緒に仕事をするという未来に乗るのですが

配属されたのは希望していたブライダル部門は
真逆の葬儀部門だったのです。

おまけに先輩社員と共に向かった大事な取引先という
大きな寺で受様を出迎えてくれたのは
住職見習い名乗る攻様だったのです。

取引相手として再会した2人待ち受ける未来とは!?

谷山さんのデビュー作はちょっと複雑な関係性を持つ
寺の跡継ぎの僧侶見習いの葬儀屋の新入社員のお話です。

ちるちるのインタビューを読んで
キャラ設定が凝っていたので楽しみにして
手にした1冊でした。

受様はつれない恋人との関係に自分の将来に迷い
新しい価値観を求めて語学留学に行きますが

会えない恋人のことに加えて
年下の攻様をひっかけるような真似をするに至り
ぐるぐるに輪をかけたままで帰国、

恋人と同じ会社に就職するも
望んでいたブライダルの明るく華やかな職場ではなく
暗いイメージの葬儀部門だった上に

父親の跡を継ぎたくないと言っていたはずの攻様が
取引き先の寺の住職見習いとして現れた上に

受様の何気なく言った言葉を大事にして
喧嘩も封印して真摯な良い男になっているのですよ♪

受様に付き合って"もらって"いる恋人がいますが
その彼は受様の他にずつと心惹かれる人がいて
受様含めた四角関係を形成しています。

その微妙な関係性が受様を葛藤させるのですが
受様視点と攻様視点が交錯して進むために
すごく分かり難かったです。

攻様が受様と出会って変わったように
受様も攻様との公私での付き合いを通して
攻様との関係、恋人との関係を考え直していく
展開は面白かったですが

片視点で相手の言動を想像させるというのではなく
両視点でそれぞれの言動の真意が語られ
受様には見えない部分を攻様パートで補う感じが強く
交互視点の読み辛さが勝ってしまいました。

3

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP