電子特典付き
前世の記憶を持つ青年たちが紡ぐ感動の純愛ラブストーリー!
日本でも人気のタイBL、ということで手に取ってみました。
ドラマもあるようですが、そちらは未聴。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
大学1年生のパームは、入学早々気の良い新入生と友達になる。
水泳部に入るというティーム。
腐女子で演劇部所属のマナウ。
新入生への部活紹介に赴いた三人は、ティームが入ろうとしている水泳部の説明を聞くが、そこで水泳部のキャプテンとして登場したディーンにパームは目を奪われてしまう。懐かしいような、それでいてドキドキするような切ないような不思議な感覚に陥るが、それは、寡黙なディーンの方も同じだった。
パームの作るお菓子や料理を介して少しずつ近づいていく二人だったが、彼らには共通して感じている不思議な感覚があってー。
というお話。
あらすじにも書いてあるのでここでも書いてしまいますが、
ネタバレ注意!!
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ディーンとパームは、かつて恋人同士だったコーンとインという大学生の生まれ変わりだった―。
出だしが、コーンとインのやり取りで始まることもあって、読者にはディーンとパームが彼らの生まれ変わりなんじゃないか、というのはすぐに推測できます。コーンの生まれ変わりがディーン、インの生まれ変わりがパーム、なのです。
それを補足するように、前世の2人のやり取りが所々で挟み込まれ、そして前世の2人と今世の2人の共通点が少しずつ見えてくる。
パームが作る料理やお菓子。
二人がみる夢。
パームが苦手な、大きな爆発音。
夢や、お互いに感じる懐かしさや感情によって、ディーンとパームの恋が少しずつ育っていく。
バックボーンとしてはシリアスに分類されると思います。
コーンとインの恋は悲恋でした。
なので、読んでいて、ディーンとパームには幸せになってほしい、そう願いつつ読み進める読者は多そうです。
けれど雰囲気としては非常にコミカルでほのぼのです。その大きな理由の一つは、彼らの友人たちの存在。ティームやマナウといったパームの親友を筆頭に、ディーンの友人のウィン、ディーンとパームの恋を応援する(というか冷やかすというか)の腐女子の皆さんの存在。彼らとのやり取りが非常にコミカルで笑いを誘います。
そのバランスが非常に秀逸。
コーンとインの哀しい過去。
それを受け継ぐ形で出会ったディーンとパームの恋。
それを、パームが作る料理やお菓子が繋いでいくストーリー展開。
少しずつ見えてくるヒントを頼りに、ディーンとパームは自分たちの前世に近づいていく。
上巻は彼らが自分たちの前世を受け止め少しずつ模索していくところまで。
ストーリー自体非常に面白いのですが、翻訳もお上手で、すごく読みやすいです。
ただ、これ、最近の海外BL作品に共通してるのですが、挿絵が欲しいな。といつも思いつつ。
タイトルの『The Red Thread』。
このタイトルが非常によろしいです。
萌えが高まります。「運命の赤い糸」が、彼らを幸せにしてくれることを願いつつ、下巻へと続きます。