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表題作叔父さんといっしょ

矢萩和成,光輝の叔父,バイ,売れっ子ポルノ作家
矢萩光輝,祖母の死で和成を頼る高校生の甥

その他の収録作品

  • 逆襲はプチ家出

あらすじ

家族を亡くした高校生の光輝は、小説家の叔父・和成のもとに身を寄せるべく家を訪ねる。だが十数年前に会ったきりの甥だと気づかない和成に名前を告げるタイミングを失った光輝は、なじみのデートクラブの新入り男娼と勘違いされ、激しく抱かれてしまい...。事実を知り呆然とする和成に、光輝はすべてを水に流そうと告げ、ギクシャクした思いを抱えながら二人は同居生活を始める。だが二度と自分に触れようとしない和成への思いは次第に複雑なものに変わりはじめる。作品を書き上げ家を空けたまま戻らない和成に、寂しさを募らせた光輝はある行動に出てしまうが...。年の差カップルのすれ違いラブ(ハートマーク) 書き下ろしは、光輝と親友・正美の家出に二人の恋人が大慌ての「逆襲はプチ家出」。

作品情報

作品名
叔父さんといっしょ
著者
早瀬亮 
イラスト
南国ばなな 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576062075
3.4

(10)

(2)

萌々

(1)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
33
評価数
10
平均
3.4 / 5
神率
20%

レビュー投稿数2

ダメ中年×健気な高校生

 両親を亡くし、育ててくれた祖母を亡くした光輝は、たった一人の肉親である叔父・和成を訪ねた。
 叔父といっても、官能小説家をしている和成は、祖母とは絶縁状態で、光輝と再会するのは十数年ぶり。
 幼かった光輝が和成の顔を覚えているはずもなく、和成もまた、成長した光輝を見ても誰かわからないような状況だった。
 それでも他に頼るあてもない光輝は和成を頼るしかなかったのだ。
 どんな人なのか、好奇心半分、不安半分、和成の元を訪ねた光輝は、名乗るタイミングを見失ってしまう。
 すると、和成はあろうことか光輝を馴染みのデートクラブの新しい男娼と勘違いして、光輝のことを抱いてしまう。
 後日、光輝が実の甥であるという事実を知り、愕然とする和成に光輝は「事故だからしょうがない」と告げる。
 そのまま二人は叔父と甥として同居生活を始めるけれど、なんとなく二人の関係はギクシャクしていて……

 という感じの話でした。
 とにかく、光輝がかわいい。
 まるで生まれたばかりの雛のように、和成のことを思ってばっかりで、下心も何もなく、単純に和成のことを思って、三食の食事を作り、他の男に会いに出かける和成を健気にも見送る。
 かわいい。
 いや、普通ならちょっと頭おかしいんじゃない? 大丈夫? って思う状況なのは私でもわかるんですが、これが光輝だからかわいい。
 それにくらべて、和成は、完璧に自分の好みストライクな子がどうして、自分の甥なんだ……と悶々とするだけで、ちーっとも潔くもないし、男らしくもなくて、完全にただのヘタレ。
 その癖、嫉妬ばかりは一人前ではっきり言って鬱陶しい!
 でも、多分、そういう嫉妬さえも光輝は「必要とされてる! 嬉しい!」ってレベルのピュアピュアさんなので、ある意味お似合いのカップルなんでしょうね。
 ダメ中年×健気な高校生な話がお好きな方にはオススメです。

2

つまりは2人とも一目惚れ

攻・矢萩和成(30代半) ポルノ小説家
受・矢萩光輝(17) 和成の甥。高校生。

和成はポルノ作家。
作品を書き上げると、デートクラブから男娼を呼んでリフレッシュしています。

光輝は子供の頃に両親を事故で亡くし、つい最近祖母も病気で亡くしたばかり。
祖母が頼んであるからと言い残したので、15年ぶりに叔父を訪ねてやってきました。

タイミングは、ある意味最高、でした。

呼び鈴に応えて現れたのは、無精ひげの生えた疲れ気味の、けれどひと目で「かっこいい」と光輝が見とれてしまった叔父。

和成もまた光輝を見て、ひと目で気に入りました。
小動物のような不安げな瞳も、消えてしまいそうな儚げな雰囲気も、全て好みでした。
デートクラブの極上新入りがやってきたと思ってるので、か弱い抵抗も軽~く押さえつけて満足ゆくまで堪能します。

コトが終わって名前を尋ねた和成は…驚きつぶやく。
「なんてこった」って、そりゃ光輝の台詞ですよ(笑)。

誤解を解いて話し合い、叔父と甥としての生活が始まります。

光輝は少しずつ和成の荒れ放題の家を整えてゆくんです。
そこが「家庭」らしく姿を変えてゆきます。
同じスピードで2人の間の感情も揺れ動いて変化します。

和成は最初から光輝は「好みのタイプ」でしたし。
抱いた直後は「デートクラブなんか辞めてここに住まないか」なんて言ってたくらいですから。
光輝は強引なセックスに驚き怯えたけれど、ひと目見た瞬間に「かっこいい」と思ってしまったくらいですから、叔父のことは嫌いじゃない。
むしろ締切りが終わるたびに外泊をする和成を、切ない思いで待ってるんです。

締切り後のリフレッシュをまさか光輝のいる自宅ではできないし。
仕方なく外で…なわけですが、それもノリノリってわけじゃなくて。
本音は光輝を可愛がりたいけど、まさか甥っ子に手を出すわけには(今更ですか?(笑))。


互いに様子を伺ったり、友人に相談したり、駆け引きめいたことをしてみたり。
光輝が和成をスキスキなのは態度に出てるんですよ。
要するに、和成が覚悟を決めるのに時間がかかっただけ。
ヘタレだね~。


光輝の親友の早瀬正美もいいキャラです。
正美が2人の間を引っ掻き回すのですが、イヤミじゃなくて可愛いんですよ。
小気味イイから楽しい。

「逆襲はプチ家出」では正美が主役なんじゃ?と思うくらい活躍してます。

2

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