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表題作オーバーヒート

晴人、年下の恋人
僕、京都で教鞭を執る哲学者

その他の収録作品

  • マジックミラー

あらすじ

東京から大阪に移り住み、京都で教鞭をとる哲学者。「言語は存在のクソだ!」と嘯きながら、言葉と男たちの肉体との間を往復する。年下の恋人への思慕、両親の言葉、行きつけのバー、失われた生家である「大きな白い家」、折々のツイート…「僕」を取り巻く時間と人々を鮮やかに描く表題作。
ハッテン場と新宿2丁目の移ろい、甦える記憶が現在を照射する川端賞受賞作「マジックミラー」を併録。

作品情報

作品名
オーバーヒート
媒体
小説
出版社
新潮社
レーベル
新潮文庫【非BL】
発売日
3

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萌々

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中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

私小説

第165回芥川賞候補作の表題作と、川端賞受賞作の短編「マジックミラー」を収録。
非BLの一般文芸。
作者様はオープンリーゲイで、限りなくご自分をモデルとした作品となっています。

「オーバーヒート」
明記はされてないけれど前作「デッドライン」の続編的作品。
京都の大学で講師(?)をしている「僕」が主人公。
大学での日常や通勤、担当学生の指導の準備、自分の本業である哲学に関する著作の執筆、といった「表」の日常と。
年下の男の恋人とのデートやLINE、行きつけのバーでの時間、性的な事への考察などの「裏」的日常と。
いつもスマホでツイッターに書き込む事。時に本音を鋭く書き込み、読んでもらいたいけれど炎上は困る、みたいな。
「デッドライン」では「特定の恋人が欲しい」感は希薄でハッテン場でのクルージングのお作法など書かれていたけれど、本作では一応決まった恋人がいて、彼との性行為についてもかなり詳しく表現されています。
東京に出張時にウリ専を買うエピソードもあり。
これらからわかるのは「僕」の根源的な性的欲求。
野生のノンケ男から抱かれ貫かれ発射されたい。女になりたい訳じゃないけど女的な部分。

「マジックミラー」
第45回川端康成文学賞受賞作。
こちらの舞台は東京。
中央線沿線あたりの、雑居ビルで人知れず営業しているビデオボックス、つまりハッテン場、のいろいろ。
どんなルールかとか、誘ったら知ってる店子だったとか。
ラストの文章が印象的。
「いつかは誰にも相手にされなくなる日が来る。覚えておく。」


自分の事をすごく客観的に淡々と、同時に赤裸々に書けるのってすごいなと。
人間関係はドライだけど人生はウェット…という印象を受けました。

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