BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
ここ何年も、新刊にお目にかかっていない、井村先生の作品を再読。
当時、10周年企画として発売された本なので、平均的なBL文庫より分厚く、装丁もタイトルや作者名が金の箔押しとなってます。
イラストは蓮川先生なので、まあゴージャスさに華を添えた感じの、美しい出来栄えなのでは⁉
ただ、解説、作品リストもプラスされ、お話のページ数も多い割には、中のイラストが5枚とやや少なめなのは、蓮川ファンとしは残念。
そして、最初にお伝えしておきますが‼
この作品、大使館というみちのフィールドが舞台のお話となっているんですけど…
大変気になるところで、不線がはられてます(笑)
井村先生の作品は、他にもシリーズ化されてるらしきものが、途中になっているお話が結構あったりします‼
ブログを読むと、先生は書きたいみたいなんですけど、体調のコンディションの波があるらしく、執筆の方が滞ってるみたいなんですよね…。
なので、もし読まれてみたい方は、こんなに分厚いのに、なんて中途半端な所で‼…と驚いて、お怒りにならないように(笑)
くれぐれも不線がはられた作品という事を、念頭に読んでいただけたらと思います。
在日本ルティア王国大使館、大使のアレックス × 大使館でアルバイトする、大学生の陸の年の差&外国人年上攻もの。
陸は、高校の修学旅行でルティア国を訪れてから、その美しい国と、愛溢れる人達の触れ合いに感動し大ファンに。
出来れば将来は、ルティアに関われる職に着いたいと考えています。
そして、教授の推薦もあり、大好きなルティアの大使館でアルバイトをする事に‼
そこで、アルバイト中、アレックスとぶつかり…この時、最悪の出会いをする2人。
たまたま、街の宝石店で1人買い物をするアレックスを見つけ…何やら揉めている様子‼
迷った末、陸はアレックスに手を貸します。
一瞬険悪なムードになるものの、陸のルティアに対する熱情を知り、その事がきっかけで、打ち解け始める2人。
それからは、暇を作れば、アレックスは陸呼び、ルティアの話を聞かせてくれるまでに仲良くなります。
陸も、最初は遠慮がちだったものの、アレックスの行為が嬉しくて、段々、楽しみな時間に変わっていきます。
周囲も、そんな2人に興味深々‼
実は、気難しく奥手なアレックス。
そんな彼が、打ち解けて可愛がっている日本人として、陸は注目の的なんです。
実際に陸は、容姿も可愛らし‼
素直で仕事も出来て、気遣いもできる、明るい性格。
負けん気が強く、意地っ張りな面もあるものの、周囲に好かれる愛らしいタイプ。
で‼ 井村作品を読んでいる方はわかると思いますが…
やっぱり、1人の男を、何人かの男が取り合うという、なんともアハハなストーリー展開になっていきます(笑)
陸の幼馴染の周防や、アレックスの幼馴染のクリスが陸に絡んできます。
もう一つのお約束‼
婚約者騒動もあり、お互い両思いなのに、すれ違っていく2人。
恋愛要素以外にも、大使館のレセプション当日、突然爆弾予告が送り込まれ、事件も絡んでくる面白い展開になっていきます。
最近のBL作品と比べると、古臭い印象を持たれるかもしれません。
私の中では、井村先生の作品は、いい意味で、何も考えず、単純に楽しんで読ませてくれる…愛すべき作家さんです。
その追求された、エンターテイメントの徹底さは、右に出る方はいなのでは⁉…と勝手に思っています(笑)
王道ではあるものの、設定やストーリー、主演キャラもサイドキャラも魅力的で、テンポ良い展開に、いつも引き込んでいってくれる、パワー溢れた作品‼
大好きなんですよね♡
最初に、おやじテイストを発掘されたのも井村先生なのでは⁉
エロで見せる、濃厚な空気感と、熱烈な言動は、井村先生の持ち味なので、充分楽しませてくれます。
今回のアレックスなんかも、おやじではないんですけど、もう言動はプチおやじクラスで美味しかったですよ♡
Hは、強姦2回和姦1回の合計3回あります。
強姦といっても、ほとんど和姦みたいな感じなので、痛さや重さは全くなくさらりと読めました。
アレックスが、本能のまま強引に迫っていく感じはムフフです♡
好きだったのは、アレックスが服を一式陸にプレゼントするシーン。
連れていかれたブティックが、陸の姉が務めているお店で、2人に着せ替え人形状態の陸&1人値段を気にして、お財布と相談してる陸が楽しかったです。
年上の攻様が、お店に連れて行って、受け様に服をプレゼントっていう、テンプレ展開が非常に好みなもので(笑)
美味しかったです♡
恋愛面は両思いなのにすれ違ってばかりで、アレックスが、ややヘタレ気味な所もあってじれじれな感じで最後まで進んでいきます。
最後は、婚約者が2人のキューピット役になってくれた感じで、一気にラブラブ可愛らしい2人でした。
アレックスは年上なんですけど、結構子供っぽい所があるのと、陸が意外としっかりものさんだったので、そんなに年の差は感じないかも⁉
微笑ましい、私的好きなカップルでした。
最後になって、突然ルティア国に対するテロ組織存在が明らかにされ、陸と最悪の仲のアルバイト君の意味深な微笑み…
なんとなく先も読める展開なものの、謎だらけで終わってしまってから…8年が経過(笑)
早く続きが読みたいものです。
大使館や公邸を舞台に、異国の大使と日本人青年の年の差カップルの恋模様。
突っ込みどころはあるものの、エンターテイメントとしては、大いに楽しませてくれる作品です。
気になる方は、不線を覚悟で読んでみてくださいね。