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表題作陶酔

井上雄一・バツ1商社サラリーマン(28)
久恒千尋・精神科医(32)

同時収録作品恍惚なれ

井上雄一
久恒千尋

あらすじ

『生き方を変えたい』精神科医久恒のもとに、一枚のカルテが届く。
相談者の井上は大手商社のエリートサラリーマンで履歴に問題は見つけられない。
しかし何か引っ掛かりを感じる久恒は井上と面接を行う。
堂々とした態度の井上に、居心地の悪さを感じる久恒。
井上の存在は久恒に亡父との行為を思い出させ、カウンセラーと患者の関係は次第に逆転していくのだった…。
究極の愛の行末を探る、サイコラブ・サスペンス。

作品情報

作品名
陶酔
著者
ふゆの仁子 
イラスト
石原理 
媒体
小説
出版社
桜桃書房
レーベル
ヴァリオノベルズ
発売日
ISBN
9784756706805
5

(1)

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萌々

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中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

壊れた人萌え

表紙の絵が怖い……
ポーズとかでなくて絵柄が怖い。
中のイラストも上手だけど怖い。
そしてもう少し切ない系の絵柄の方がいいな、
と個人的には思う。

精神科の医者だけど両親との過去の事で病み、
なんとか治りながらもトラウマを抱える受の千尋。
そして最愛の妻に裏切られた事が引き金になって、
「生き方を変えたい」とクリニックのドアを叩く攻の井上。
けれど精神的に問題はなさそうで、
しかも何かを見透かすような井上に、
千尋の方が面接されてるような気分になっていく。

千尋の母は浮気して父を裏切ってしまい、
それがきっかけに精神科医である千尋の父は精神を病んでしまう。
そして、その矛先が向けられたのは千尋。
その結果、父と父の弟が経営する精神科病院に、
千尋と千尋の父は入院し、父は亡くなってしまう。
そんな父を今も許せない千尋。

そしてついにパンドラの箱を開けてしまう井上。
千尋は父を完全には許せないけど過去と向き合おうとするラスト。
井上との恋も完全に成就した訳でもなくて、
なのでハッピーエンドとは言い難いラストでした。
しかも、井上とのシーンより父に乱暴されたシーンの方が印象強いです。

どちらかというと肉体的というより精神的に壊される受ですが、
壊される受に萌える人には超オススメ。
精神的なダメージも辱めでなく罪悪感的モノなので、
ますます千尋の壊れっぷりが凄いです。

そんな事はないんだろうけど、
相手に嫌われたらとか全然思わない様子の井上も凄い。
不愉快でないけど遠慮なく淡々と突き進む井上。
個人的にはあまり感情移入できないタイプですが、
千尋はかなり萌えられるキャラでした。

同時収録の「恍惚なれ」は続編。

父との事に向き合う覚悟のできた千尋は、
新しい人生を行く事に決める。
ただその人生は光り輝く明るい人生ではなくて、
幸せだけど夢の中で生きる人生。
一般的には幸せとは言い難いです。
しかも千尋は中途半端にとことんまで壊れてしまっているし。

井上とは一応両想いですけど。
でも堕ちるところまで堕ちた感強いです。
なのでちょっと怖い話ですが個人的にはかなり萌えな話です。

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