何より欲しいあなたのために、人より堕ちて鬼となる――

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表題作花鬼

明煌 (他複数)
篠芙

その他の収録作品

  • 利彦
  • 明煌
  • 喜智弥
  • 鏡花

あらすじ

六百年の歴史を誇る能楽界最大流派観月流三十代目宗家をつぐ美貌の能楽師、観月鏡花。観月のために身体を捧げた鏡花が、華麗なる舞の裏側に秘められたものは――。官能の世界を描いた、美しくも妖しい愛の物語。

咲き乱れる、恋の妖花 能楽界最大流派・観月流を襲ぐ美貌の能楽師・観月鏡花。艶かしくも美しい彼を求めて、嫉妬と欲望渦巻く男たちの狂宴が始まる―。甘美な官能の世界を描いた禁断の愛の物語。

作品情報

作品名
花鬼
著者
山藍紫姫子 
媒体
小説
出版社
角川書店
シリーズ
花夜叉
発売日
ISBN
9784048735032
4.1

(15)

(9)

萌々

(3)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
4
得点
60
評価数
15
平均
4.1 / 5
神率
60%

レビュー投稿数4

かわいい・・かわいいよ

完結しました!!ついに!ついにというかついに。
前回のものにくらべて、ちょっと肩透かしくらうくらいちょっと緩めな作品だったんですが、個人的には、シノブ兄様が、心のよりどころ。休みどころを見つけてくださったのが何よりうれしいのであります(*ノД`*)・゚・。
ヨボヨボの爺に犯され、オッサン連中に犯され。脂でテラテラの中年豚に犯され。
あまつさえ・・・な状況をかいくぐってのラスト。ちょっぴり感動したっつーか
なんか、しのぶ・・・あんたカワイイヨ!の境地に立たされてしまったのであります。
正直、これで全部が解決。という感じではないのだが、ここから何かが急激に変わっていくのであろうという予感がある。禁忌という意味では、まだまだ続くのでありますが。
おいといて、鯉の話。とある感想サイトさんで、鯉が!鯉が!というお話を聞いたのであります。ヒヒ爺に鯉をおしこめられ・・何匹も・・て・・・え?むりちゃうん!?と楽しみにしてたのに・。・な結末でした。あまつさえ・・・ちっ。期待は半分ぐらいがちょうどいいという教訓。
弟のアキラといえば、前回のことで、ちょっぴり目が覚めて、完全にワンコ化してしまいましたね。しのぶ兄様の足でも舐めそうな勢いだぜwwそんなところも、ちょっと可愛いかもと思ってしまうのだがな。
そしてラスト。「お前はほかの男たちと違うな」の気持ちの確かめ合いのシーン
ここがもぉ胸ズキュン!でした。可愛いじゃないか。これまで幼い頃からたくさんの男たちの中で犯され快楽を押し込められ、調教されてきたシノブだったのだが、気持ちだけは頑なだったんです。それが気持ちの揺らぎ~なくだりがウマ。
夜叉読んでるころは、これラブエンドなんてないんだろうと思ってただけに、ほんのりし合わせ頂きました。ラブHもありです。もちろんガチ兄弟なので禁忌の域は出ませんが。
禁忌といえば、別カップル。ガチ父×ガチ息子のカップルもありましたね。
これの描写がなかったのが残念。ここの父。次男とは子供の頃に~とありますが・・よく息子ぐれずに・・と冷静に見てしまったワタシはちょっとダメなのやもしらません。
そのた諸々、カップル意外にも掛け率たくさんなので、苦手な方にはあれですが、個人的にはオススメな一冊。ハードカバーってのもなかなか乙なもんです。
値段がちょっと高いのが難ですな

8

これぞ耽美って

連作とは知らず、たまたま1冊だけ手に入ったこの本。
これこそ、BLって呼称が普通になる前の、JUNE創世時の耽美小説って感じ。
古典芸能の家に縛られた絶世の美形が、もう、ひたすらいたぶられまくりの、やられっぱなし。
パトロンのヒヒじいさんに、そのアホ孫。
遅漏絶倫オヤジや、異母弟。
ドラッグ、お道具、何でも来い。
ここまでくるといっそ清々しい。
ハードカバーに美麗な表紙絵といい、たまにはこういう、ただひたすらやられているだけ小説を頭カラッポにして読むのもいいなあって再確認。

3

変わってゆくシノブさん

角川書店からの出版のせいか、表紙の色遣いがうまくて「絵描き」さんだなぁと思いました。世界観にもあっていてよかったです。

花夜叉の続編です。
花夜叉も相当に濃くて、変態プレイのオンパレードでした。今度はドラッグを使ったプレイが多かった印象です。
歌舞伎役者の親子も絡んで、三ノ宮の孫もまた絡んできて、相変わらずシノブさんの周囲は変態ばかり。能のお稽古やら舞台やら、そっちだけでも忙しいと思うんですが、ほんとにシノブさんの身が持たないんじゃないかと心配になりました。
藤代の安泰が約束され、無体を耐える大義が無くなったために、これまで以上にシノブの心が崩壊したかのような、シノブの我が薄くなってしまっている印象でハラハラしましたが、ちゃんとおさまりどころができたようで、そこはちょっと安心。
しかし、真木の真意が本当にわからない。結局彼は味方なの?なんなの?とよくわからないままでした。おいしい役どころなだけに、私的には真木×基世だったらいいなーなんて妄想。でもこれは、真木もなんだかんだいってシノブに取りつかれている一人なのかな?
今回はどうしてもエロ表現が多すぎて、心情部分の描写が希薄になってしまっていて、どちらかというとそっちのドラマが読みたかったのは残念でした。でも、ちゃんとエピソードに必然性はあって、それらを越えた先のあのラストなので、そういうことか、と。ラストにたどり着くまではシノブの気持ちがほんとにわからなくて???でした。
わりとさらっと書いてあって、親切丁寧に説明してくれていないので、好きなような読み方ができるともいえるんじゃないでしょうか。
何はともあれ、シノブさんに幸あれ。

3

エロス描写はやはり神だが、続編としてはいまひとつ。

天才能楽師・観月篠芙(しのぶ)を取り巻く欲望の系譜である「花夜叉」の続編にあたります。
その続編として読むとちょっと肩透かし。
前作は今なら問題視されかねないほどのキワモノやショタ満載でありながら、
宿命に捕えられた天才の悲劇、といったおもむきでかなりドラマ性が高く面白かった。

宗家の後継としての宿命、業(ごう)、
また皮肉にもそれが能楽師としての糧になっていることを暗示させ、
なにやら能の始祖である世阿弥一族を彷彿とさせるほどであったのが前作、
「花鬼」ではそうした芸術家としての記述はほとんどありません。

篠芙(鏡花)の性遍歴をメインに
篠芙にとっては異母弟である明煌の篠芙に対する暗なる執着物語で、
続編というよりはなにやらスピンオフのような印象さえあります。
歌舞伎役者の父子と異母兄弟のダブル近親相姦はさすがにひょえー、とは思ったが
明煌の特性と申しますか、惹きつけるものというのがどうもわかりにくい。
結果、読後感がモヤモヤしてしまうわけです。

むしろ、篠芙の世話係である真木のほうが気になる(笑)
谷崎潤一郎の「春琴抄」っぽく究極のイエスマンな感じで。

う~ん、これは徹底的に性奴として仕込まれた絶世の美青年が快楽に花開く
究極のエロス描写がメインだと思ったほうが期待を裏切らないかと。
前作はとにかく痛いのとトンデモなプレイに蹂躙されまくってますが、
こちらではいかに篠芙の快楽を執拗に追ってます。
クスコで広げて筆プレイ、とかボールチェーン尿道挿しとか
相変わらずブレません。挿入するだけじゃない粘膜系プレイ描写が
うまいのも山藍作品の特徴であります。

3

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