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瑞希は女で一人で育ててくれた母親を亡くし、叔父と生活していた。
一緒に生活するうちに叔父に恋するようになり、その報われない片想いを一生続けることを決めていた。
そんな時、新しくオープンしたスーパーに行くと、頭にコーンスープの缶が落ちてくる事故が起きる。
犯人は同じ高校の上級生・和真だった。
和真に「恋愛なんて賞味期限の短いもの」と言われて、反発を覚えた瑞希だけれども
という話でした。
恋の賞味期限が短いのか長いのかはさておき。
瑞希も和真も真っ直ぐな性格だけど、思春期特有のわかりにくさもあって。
決して綺麗なだけの話ではないところがいいんだなあ、と思いました。
高校生にだってずるさはあるんですよね。
優しい人だけがいる真っ直ぐな小説が読みたい人にオススメします。
主人公瑞樹は叔父の圭吾に引き取られて
彼に恋をしてしまいます。
でも、それには答えてくれないと重々承知なのでそれを埋めるために
料理教室で知り合った沢村と身体の関係になります。
結婚している沢村ですが、誰かに絶望的に片思いをしていて
それをお互いに癒しているようです。
しかし、沢村の妻が浮気調査を圭吾の会社に依頼して
調査はその部下の三上がしますが、ばれてはいけないカモフラージュで
三国屋でコーンスープを落とされた和真とスイーツの会と称して
三人でスイーツを食べ歩きます。二人が別れる儀式なんでしょうね。
結局は、沢村はきれいに瑞樹と別れて、瑞樹は和真と結ばれます。
沢村と身体の関係になったのは14歳ぐらいなのかな?
エッチシーンは薄いけれど、身体の関係は必要なのですね??
これ、好きなんですよね。何がって瑞希(受)がすごくいいんです。シングルマザーだった母が亡くなった後、自分を引き取って育ててくれてる叔父の圭吾に片思いしてるんですが、女好きの圭吾に思いが通じる可能性はないと諦めていて、その寂しさを埋めるためにも、唯一気持ちを分かち合える相手である既婚者(偽装結婚とも言えないのかな?)と不倫関係にあるんです。
結局は、不倫が妻にばれそうになって2人は別れるんですが、その過程で瑞希の高校の先輩である(買い物してたスーパーで、コーンスープ缶を頭の上に落とされて知りあったんですね。タイトルの由来です)和真と過ごすようになって行きます。
ずっと圭吾のために料理(だけじゃないですが)して来て、料理することにプライドを持ってる瑞希が、和真に手作り料理を否定されたことから、なんだかんだあって、料理を教えることになり、お互いにお弁当を作って交換するとか!それだけ見たらもうラブラブじゃないですか。
和真もいいキャラクターなんですよ。好きだなあ、ホントに。ただ、ずっと圭吾を思ってたはずの瑞希が、和真に気持ちを移すあたりがちょっとあっさりというか物足りないと思ってしまいました。『(圭吾を思ってた気持ちはそもそも)恋じゃなかった・・・?』ってあたりが、『ピンクのピアニシモ』とちょっとかぶってるような・・・禁句ですか?
でも、それは除けても、ストーリーもいいと思いました。宝井さんのイラストも合ってましたね。脇役ですが、初登場シーンの圭吾のイラストがたまらなくカッコよかったです!
余談ですが、松前さんって『朝チュン』などと言われてますが(それが的外れだと思ってるわけではありません。確かに『H描写』は非常に薄いですから)、実際にはHへのハードルは低いと思うんです。作品にもよりますが、高校生が苦悩の結果にしろ、恋愛の意味では好きでもない相手と(お金が絡むかどうかはさまざまですが)関係するっていうのも結構ありますよね。
いや、それがダメなんじゃなくて、私はHは必然と思ってますのでそういう点も含めて松前さんは好きですが、なんというか意外だなあと感じたんですよ。
確かにエッチシーンとかテンポが速いストーリを求めている方には物足りない作品かもしれません。ですが私は代えってこのおっとりとしたペースがすっごく作品(ストーリ?)の雰囲気にあっていると思えました。
カップルの二人はなんとなく自然に好きになっていく感じで、その光景を一緒に楽しめた感じがしてよかったな。ソフトで料理とかとても女の子っぽいものを取り入れてるのに、どっちのキャラも女々しく感じないのが新鮮だったな。後、結局はっきりとしたエッチシーンがないので、どっちが攻めか受けは少し自由に想像できるのがいい・・・(これは個人趣味w)
なんとなく微笑ましい一冊だった。
探偵の叔父を密かに思い続けている高校生が、口は悪いけど本当は優しい上級生和真に出会い、惹かれていく話。
実はこれは読む前に、「主人公は叔父のことがずっと一途に好きという設定だけど、妻がいる人と付き合っている」という内容を知ってから読んだのでよかったです。
知らないで読んだら、叔父が出てきて、上級生が出てきた後、唐突に妻がいる男とホテルのベッドの上で会話しているのを見て、「何?この主人公」っていう感想になったと思います。
尻軽な主人公というわけじゃないし、まあ、そういうのもありだろうとは思います。
自分をちゃんと持っている上級生和真がなかなか魅力的。
叶わないとわかっている恋ばかりしてしまう切なさがよかったです。