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表題作昔の彼に逢えたら

エリート会社員・資産家の息子・27歳・森尾明充
小料理屋の料理人・27歳・紺野裕孝

あらすじ

故郷を離れ十年、紺野は幼い恋とひどい別れを未だに忘れられずにいた。つらく苦々しい過去の記憶を残す紺野の元へ、突然、かつての恋人だった森尾が訪ねてくる。会いたくないと思いながらも変わらない森尾の姿にどうしようもなく惹かれ、次第に距離が縮まっていく。やり直したいと言う森尾に、心に傷を残す紺野は、期限つきの関係ならと承諾するが……。
出版社より

作品情報

作品名
昔の彼に逢えたら
著者
坂井朱生 
イラスト
タカツキノボル 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784861343766
3.5

(14)

(3)

萌々

(4)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
48
評価数
14
平均
3.5 / 5
神率
21.4%

レビュー投稿数3

昔の彼がいた経験がある人向けv 大人好みですv

高校生のときに別れた昔の恋人を忘れられなくて
もう一度、忘れるために期限付きでつきあうお話。

ふたりともじとーっと、お互いだけを想って
十年生きてきたわけじゃなくって
ちゃんと他の人と恋もしたし
仕事にも打ち込んでもきたし
相手を忘れて生活してたの!
でも、1つの恋が終わると
ふと相手のことを想い出してしまうんですよねー。
そうやって心の古傷を時折大事に大事に舐めて
宝物のようにしてしまった“昔の彼”
なんだか真珠みたいじゃないですかーv

十年前、両親の離婚で紺野は引越しを余儀なくされ
森尾と別れることになってしまったわけですが
二人が別れる理由が、ものすごくドラマチックでもなく
不幸自慢じゃなかったのがよかったです。
未成年の高校生の恋人同士が別れるのは
これくらいのハプニングで十分というか
これくらいのハプニングすら乗り越えられないのが普通なんです。
ままならないところがいいよねー。

劇的な再会をするわけじゃなく
再会もすごく自然だったのもよかったんだよー。
お互い気持ちを引きずっているのは駄々漏れだけど
「好き」だとか「愛してる」はギリギリまで発しないんですよ。
それがまたすごくよかった。
小説にでてくる歯の浮くセリフは大好物だけど
この小説にいたってはすごく地に足のついたお話で
非常に親近感のわく恋のお話でしたv

大人好みv
この小説読んでる間、ずっと胸がチクチクと痛むように疼きました。
いろいろ経験済みなのに“昔の彼”ってだけで
十年前みたいに気持ちがウブになる感じとかすげぇよかったーv

坂井朱生さん! 初読みなんですけど
タカツキノボルさんの挿絵との相乗効果で
かなり好きになりましたv
はぁーvすっごく入り込みやすかったーv

5

流されなかった涙が…

これは同級生同士、10年越しのせつないお話です。
故郷を離れ、小料理屋の料理人として働く紺野君は、
同級生で昔の恋人・森尾君と再会します。
高校を退学する前日のあの日、すれ違うかのように…
約束の場に現れなかった恋人!
別れの言葉もなく、フェイドアウトしてしまった初恋は、10年後の今でも、正直、とても重い…。
やり直したいという森尾君に、期限付きで承諾する紺野君ですが、
それは、今度こそきっちり別れるためでした。
10年前で止まってしまっていた恋なのに、
10年前とは明らかに違う、ちょっと大人になった二人の関係が、とてもリリカル☆
期待半分・怖れ半分、おっかなびっくり…大人の純情が、なにやら可愛いお話でした。
(あとで振り返れば、この10年の哀しみって、一体…? って思いましたが。)
私に言わせれば、この人達って…10年前の別れ方が、いただけません!
まあ彼らも高校生だから、ちょっと大人ぶって…
「いい男は、別れるときはさらっとさりげなく涙なんて見せない。
 泣くなんてのは、誰にも見せず、ひとりになってから。」なんて思ってたんでしょうねぇ。
これが、そもそもの間違いですよっ。
恋の涙は、引きずってしまったらダメですよっ…ちゃんと受け止めてもらわないとね!
別れるときには相手の前で、ちゃんと話して、ちゃんと泣いて…
それを終えて、ひとりになったらもう泣いてはいけません。
逞しく生き残るには、これくらいでなければ!
別れのときに流されなかった涙は、けっこう…こたえます。
心でひとり泣きの日々は、少なからず人生を色褪せさせてしまいます。
泣き癖だって、付けてしまったら、なかなか取れませんからねぇ。
このカップル、10年は本当に長かったでしょうねぇ。
…あ、でもひとつだけいいコトもありましたっけ…
10年の間に二人とも…けっこう男性と経験積んでたみたいですねぇ(笑)

2

逢えたらといいつつも

1冊すべて表題作です。紺野(受け)の視点でストーリーは進みます。

高校時代に好きだった元同級生の森尾(攻め)との再会モノです。
タイトルは「昔の彼に逢えたら」ですが、紺野は再会を望んでいたわけではないので、森尾の気持ちかな?と思いました。

10年前のすれ違いは紺野にも落ち度があるので、約束を破ったとはいえ森尾を一方的には責められませんが、紺野自身がそれを反省しているので、好感を持って読むことができました。

森尾の秘密には「そんなことなの?」とちょっと拍子抜けしましたが、森尾の恐れも分かるのでそれなりに納得もできました。ただ、10年前の約束と繋がりがあった方が面白かった気がします。

イラストも作品の雰囲気に合っていて素敵でした。だからこそ、野方だけでなく篠田もイラストで見ることができたら、と贅沢なことも考えました。

両想いであることが序盤から伝わってくるので、わだかまりが解けての甘い場面にはニヤけましたが、二人がお互いが悪かった、いつから好きだったの会話がちょっとくどかった気もします。ラストにお店での場面があったら占めとして良かったかもしれません。

2

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