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表題作情熱まで遠すぎる

岡崎晴,19歳,歯科技工師専門学校生
新堂雅尚,34歳,開業歯科医

その他の収録作品

  • 情熱はふたりぶん

あらすじ

三十四歳の歯科医・新堂雅尚が十九歳の学生・岡崎晴と出会ったのは、小学生だった晴が新堂の隣家に住む叔母を訪れたときのこと。華やかな容姿と裏腹に謙虚な晴の思い人が実の叔父であると偶然知った新堂は、彼のことが気にかかる。やがて新堂の医院でバイトを始めた晴を誘い部屋で酌み交わしていると、晴が好きなのは実は自分なのだと告げられて!?

作品情報

作品名
情熱まで遠すぎる
著者
桜木知沙子 
イラスト
高城たくみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344819016
2

(9)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
6
得点
13
評価数
9
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

派手さのない、誠実なきれいな話

いやー、びっくりしたデス!
自分はオヤジ受け好物ですが、今回の主人公の歯科医さん、まさか自分からお尻をさしだすとは!?
童貞君を思いやったからなのでしょうか?
ひょっとしたら先々リバもありうるカプなのか?
読み終わって、この二人の先のほうが気になってしまったですよ。

開業するまで大学病院で施術していた優秀な歯科医の新堂は、開業医になってからは、のんびりペースで腕がいいのに売上は低空。
他歯科医院から嫌がらせを受けたりと、もう前向きにするのが面倒くさくて、現状が維持できればいいやって、その腕前がもったいないと周りの人々に言われるほど、あまり意欲のない人です。
新堂の家の隣家に、そこの甥っ子・晴が歯科技工士の専門学校に通う為に居候しています。
晴は芸能人かと思うほどの容姿端麗の男子で、新堂はその存在に光や爽やかな空気なんか感じていたりして。
そんな晴が、ある日ファミレスで女子に告られて断っている場面に出くわしちゃうのです。
その内容が、ひょっとすると叔父が好き!?
勘違いした新堂とそれを否定しない晴の関係は、晴がバイトで歯科医院を手伝うことで少しずつ近づいていくのですが。

晴が、その外見からは想像もできないほどおとなしく、誠実で真面目で、浮かれたところのない、少し遠慮気味な感じの青年なんです。
でまた新堂も派手さのない大人なんで、ちょっとじれったい。
でも晴は若さゆえの情熱があるので、たまにそれを見せて、それに応えるように新堂が動くという、後追い型のパターンなんで色気が薄い。
晴のおかげで仕事にも人生にも前向きにいくことができるようになっていて、その雰囲気も二人の性格を反映して派手さはないですが誠実です。

そして目を引くのが晴に告白する女子の椿。
執念の執着の女子で、かなり嫌な粘着質の性格の女子に書かれているので、反感を持つ読者は多いかも?
反面、新堂の周りにいる大人の女性達は比較的良い人に書かれていて、ライバルになるべき女性というのは、ここまで痛めつけられないといけないのか、損な役回りだな~とちょっと可哀そうにも思えました。

3

どっちが受けか攻めかの話し合い、もしくは心の葛藤を盛り込んでくれないと萌えるよりビビる。

王子様のような美貌の19歳と
なかなかハンサムな歯科医34歳のお話なんですが
オヤジ受けなのです。
これ、どうやって担当を決めるのか楽しみに読んでいたんですが
なぜか戸惑いもなく34歳から「俺のここに入れることになると思う」と
告げられてっっっ!
どーしてそーいう結論になったのかの説明がないから
突然すぎてビビるw
だって、この34歳はゲイじゃないんですよ?
その前段階に、19歳から「入れたい」という要望があったわけでもないので
かなりビックリしました。

設定も恋のすすみかたも非常に良かったのに
エロシーンになると強引すぎというか作者の先走りに
読者がついていけない感じがしました。
もう一段階、どちらが受けるのか悩んだり話し合ったりするような
そういうシーンがあると萌えれたんだけどなぁ~。
ノンケがいきなり美人19歳に対して「入れてくれ」って至る経緯の
説明をどうかプリーズ!

桜木知沙子さんの作品て、すごくいい感じなのに
エロシーンになるとなんか興ざめなんですよね。
なんつーか流れがそこだけギクシャクするような?
苦手なんでしょうね・・・。

あと、何気に挿絵が好みでした。
ちゃんと年齢差も出てるし、ハンサムの度合いの差も出てるし
好きな絵でした。

3

歯科医院経営論と将来設計について

主人公の一人、歯科技工士になる為に学校に通っている岡崎晴くんは超がつくほどの美形なのですが、あまりに控えめでいい子過ぎます。
もう一方の歯科医師・新堂先生もある意味枯れているくらいの大人なので、決してグイグイ引き込まれるようなストーリー展開ではありませんでした。

なので、中立にしちゃおうかとも思ったのですが、彼らの相手を想う気持ちや、先の先まで考えているからこそ一歩が踏み出せないところ、また、歯科医院の経営のお話などは私の好みなので、萌にいたしました。

特に、経営に関しては、同じ様な悩みを抱えるものとして、そうだそうだ、真面目にやっているのに何故それに気づく人が少ないんだと、同志を得た気分になっておりました。
私も、新堂先生のように真面目に地道に頑張りたいと思います。

それにしても、ハッピーエンドになるのは最初からのお約束だとして、最後の最後までどちらが受けるのかわからないままお話が進み、あの結末なので、結構意表を突かれました。

1

恋焦がれている、あなたに・・・

 34歳はまだまだ若いなって思うけど、年の差ラブいいですね。新堂は心の中に限っていえば定年間際のおやじって感じで、いろいろ諦めています。
 新堂の隣人の叔父の家に(歯科技工士の専門学校で勉強するため)下宿している晴とは長い付き合いで、ふとしたことから晴の思い人が彼の叔父であると気づいた新堂は、何も気づいていないふりで接するのだが。
 晴は誰が見ても芸能人と思われるような輝かしい美形なのですが、控えめで、思いやりのある押しに弱い性格で、そのギャップがいいですww
 新堂は鈍感すぎるような気がする。あと、晴に対しての気持ちもはっきりしていなくて読んでいてやきもきさせらました。
 作中に当て馬として登場する椿は、振られても強気で晴に迫るあたり、女の子って強いな~と思わせられました。根はいい子かもしれないけど、晴には強すぎるだろう。
 Hのときは新堂が受けてくれたのでよかった。年下攻め好き♪
 いつか晴の叔父家族にも関係を明かすときがくるのでしょうか。いろんな障害を乗り越えて二人には強くなってほしいです。椿と張れるくらいにさ。
 

0

そうきたか!

私も茶鬼さんと同じ意見デス!まさか新堂さんがお尻を差し出すなんてッ…………まぁ、何十年か先を考えたら晴くんが攻めのほうがソッチも長続きできそうですよね。(そういうことなんですか
ん~、でも、お話の展開的にはもうすこし晴くんに積極性というか、「俺を見て!」的なものが有った方がよりナチュラルに “晴くんが攻め” と頷けた気がします。
アグレッシブに出たほうが攻め、というと世の草食系男子が可哀相になってしまいますが、割と最後まで新堂のリードが有って、晴くんはただただ思いを隠すか勢いで告げるかしかしていないと思うんです。そういった受動的なタイプの子を急に 「攻めです!」 と提示されてしまったので、ちょっとビックリでした。

かといって、新堂にすっぱりキッパリの男らしさが有ったかと言えばそうでもなく…。むしろ、背水の事態における彼の言動についてはイライラしっぱなしでした。
必死に思いを伝えてきて、でも諦めるから大丈夫です…と言う晴に対して 「本当にそれでいいのか」 って…!
確かに晴くんはそれじゃ良くないかも知れないけれど、それをお前が言う筋合いはないぞ、と思いました。勝手に色々考えて晴くんに答えるか否か判断しかねているのは判りますが、自分の気持ちすらまとまっていない大人が、恋を諦めようとしている相手に 「それでいいのか」 ってなんなんだ!と思っちゃいます。
それまでは新堂も割と好きだったんですけれど…、この言葉は許せなかったです。自分の気持ちは分からない、でも好きでいて欲しい…そういう傲慢は良くないと思います。
精神的に優位だからって、調子に乗って欲しくないですね。

見ていて一番気持ちよかったのは椿です。晴くんを好きな女の子で、恋愛にすごく積極的です。彼女は終始自分に正直で、周りに自分の汚いところを見せながらも晴くんへの思いにはまっすぐで、本当に良いヤツだったと思います。晴くんも新堂もウジウジしていてイラッとしてしまう部分があったのですが、彼女が存在は常にぶれなくて好きでした。

草食系男子と枯れ始めた三十代というのも、なかなか進展し辛いものがあるようですね。

1

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