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表題作プライベート・レッスン

笹渕勇馬,大学1年生,カフェのギャルソン,バイト
一ノ瀬陸,高校3年生

あらすじ

「男同士のつきあい方を教えてやるよ」。
親友へ密かな想いを抱く陸に、そんな提案をしたのは、大学生の笹渕。
容姿端麗で相手に困らない先輩が、どうして僕を誘うんだろう?戸惑いながらもOKした陸。
以来、週末には陸好みのデート。
まめなメール―単なる練習なのに、笹渕はなぜか陸に優しい。
だけどレッスンが進んだある日、「いざというとき困るだろ」と強引にキスしてきて―。

作品情報

作品名
プライベート・レッスン
著者
桜木知沙子 
イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199003714
3.2

(15)

(3)

萌々

(1)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
47
評価数
15
平均
3.2 / 5
神率
20%

レビュー投稿数9

学生物の傑作

学生物の中でも大好きな作品で、何度も読み返すお気に入りの話です。
切なく揺れる片思い物が好きな方にも、自信を持ってお勧めします。

思いを揺らされる笹渕先輩も男前でカッコよく、陸が好きな親友対木も硬派でいい奴で、なにより受けの陸自信が真面目で素直で可愛い。
無理矢理に肉体からという展開でもなく、精神的な気持ち重視で進むので、繊細な心理描写がとてもよかったです。
登場人物に、悪い奴は登場しません。

大学生の笹渕(クールでスマートで優しい攻め)×高校三年・陸(真面目一途素直受け)
笹渕は高校の時の先輩で、ゲイであることをカミングアウトしても笹渕なら許されるというような特別な存在。
平凡な自分とは違うし、世界も違う。
そんな先輩に、親友への思いを見抜かれて、男との付き合い方を教えてやると言われて……。

タイトルの『プライベート・レッスン』から、調教とかエロエロな方向を思い浮かべるかもしれませんが、そっちには進みません。
進まないからこそ、安易じゃなくてよかったです。
付き合い方と言っても、デートとか気持ちをあらわすようにとかソフトな物で。
キスも陸のことを思いやりながらで、それ以上だってやろうと思えば出来たのに、自制する笹渕。
自制も待ても出来ない攻めが多い中、陸の気持ちを第一に考えて自分の欲望を押し殺す笹渕先輩が健気です。
一度だけでもいいから身体を……とか好きだからこそ考えてしまうのに、本当に陸のことを思っている先輩が好きでした。

女の子から告白された時に、落ち着いた態度で誠意をもってきちんと断る陸。
こんなエピソード一つとっても、誠実で真面目な陸の性格が伝わると思います。
自分が人とは違う性癖というのは辛くて、親友を好きということで傍にいるのは余計に辛かったと思います。
笹渕先輩のことを気になりだして、ずっと対木のことを好きだったのに揺れる思い。
イラストの繊細さとマッチして、切なくてたまらなく萌える話でした。
健気受け好きにも、お勧めです。

エロ:★2 カップルのHをもっと見たかったので寂しいですが、だからこそ綺麗な物語だった気がします。キスだけで、とてもときめきました。
総合:★5 揺れる切ない思い、受けへの昔からの深い愛情といい、最高です。

1

じっくりコトコト。

初読みの作家さんでした。
なんというか、ガッツリ系ではない分、じわじわやさしい感じの文章とでもいいましょうか。
BL初心者には読みやすいかな?
でも、じれったいのダメだとダメだろうな(苦笑)

陸には秘密がある。
それは友人の対木を好きなこと。
ゲイであることも誰にも秘密。
けれど、そんな秘密を笹渕に見抜かれて。
そういう対人関係とかを学ぶために「付き合う」ことになるのだが…。

非常にじれったい物語です。
でも、私、こういうの好きなんですが。
陸は片想いを抱えていて。
それは告白するつもりもなく、ただ想い続けるだけのもので。
けれど、笹渕と出会ったことでそういう気持ちとかを吐き出せる場所を見つける。
それまで周りを気にして誰にも言えなかった陸。
笹渕は陸の高校の先輩でゲイだとカミンアウトしていて。
初めて「同類」と接した陸。
勉強も人との接し方もデートも。
笹渕にいろんなことを教わって楽しい時間を過ごして。
全ては良い感じに進んでいるようだったのに、突然にそれは訪れて。
その時は気付かなくて。
でも、後から思えばそういうことで。
気持ちと言葉がチグハグで。
痛みを堪えるように軽い言葉しか出て来なくて。
陸と笹渕の2人の中で展開していくのかと思いきや、思わぬところから対木も参戦してきて。
参戦しているような助け舟のようなところもあって。

最終的に、私は笹渕みたいな人が好きかも。
軽く見せて、さりげない優しさを持っていて。
自分のことよりも、大切な人のことを。
ギリギリのところまで譲っていた笹渕。
けれど、泣かせるならと奪いにきた笹渕。
実は全ては笹渕の片想いから始まっていたというのもステキでした。

個人的には設楽の恋人がどんな人物なのか気になる。
年下を甘やかすみたいなことが書かれてたような気がするんだが、だとすると設楽って攻なの?
個人的には受希望なんだが…(笑)

2

男同士のつきあい方

結構萌えました。高校の先輩である笹渕がとってもかっこよくて惚れましたねw


親友に密かな想いを抱く 陸。
そんな陸に男同士のつきあい方を教える 笹渕。

ある合コンで陸は、笹渕にクラスメートで親友・対木に想いを寄せていることがバレしまいます。
そして笹渕の提案する「男同士のつきあい方を教えてやる」という話に応じます。
しかし、単なる練習なのに、笹渕はなぜか陸に優しいんです。まるで恋人に接する感じで。
容姿端麗で相手に困らない笹渕が、どうして自分の相手をしてくれるのか徐々に陸は不思議に思ってきます。

そして笹渕と親しくなるうちに陸の想いは変わっていきます。しかし、好きな相手である親友・対木に告白をされてしまい…!?


笹渕の想いが読んでてちょっと切なくて、キュンときました。あそこまで想われていたら幸せだろうなーって(つД`)
とにかく笹渕がめちゃくちゃかっこよくて!!陸がかわいいくて!!

ストーリーは王道な感じがしますが、めちゃくちゃ萌えさせていただきましたねw
挿絵重視の私でも満足のいく作品でした。

2

初めて恋を知る話にキュンキュン

憧れと恋の区別、そして恋へ至る過程、丁寧になぞられていて胸が掴まれちゃいました。
高星さんの絵がぴったりで、素敵なお話です。

自分の性癖を隠して、寮生活を送る高校生陸の気になる相手は同級生の対木。
皆に好かれて明るい、自分にはないものを持っている彼に、あんな風になりたいと憧れに近い恋心をもっています。
そしてその気持ちは、隠された性癖の為告白できなくて。
カフェで出会った先輩の笹渕に「男同志の付き合い方を教えてあげる」といわれ、疑似恋人の真似ごとをするうちに・・・

陸の切ない心、図り知れない笹渕の本音、怪しげなカフェのマスター設楽。
マスターの設楽は悪い大人です。
陸の心を乱すような言動しちゃうから、陸は純情なので惑わされてしまう。
会ううちに、笹渕の優しさに惹かれる陸ですが、レッスンなんだという刷り込みがあるから、その気持ちに戸惑いながらも、悩んでしまう。
この陸の気持ちが痛いほどハートを揺さぶります。
一見、陸をもてあそんでいたような笹渕も実は、陸の事を高校の頃から見ていたというオチがあるのですが、それでも2人の気持ちが通じた時はこちらまで嬉しくなってしまったり。
対木も、陸の変化にちゃんと気がついて陸を好きだって言ってくれるのですが、いかんせんタイミングが悪かった、アチャー。

明るくまとめれば恋はタイミングと度胸なんですね。
これと同じ題名の映画は、おとなの女性が青少年をおいしく頂いちゃうお話でしたが、これはそんな卑猥な影は一切なく、ひたすら蒼く透明な少年たちのきれいなお話でした。

2

純粋で、いじらしくて...

キュンキュンさせられました、陸には。
ホント、少女小説のようなストーリーで、今時こんな純粋な子は女でも
いないって!と思いつつ、頭はBLモードなので逆にそこが
かわいくて仕方なかったり...

ストーリーは予想通りの展開なので安心して読めます。
両思いなのに、お互い別に好きな人がいてると勘違いしてて
なかなか距離が縮まらない2人にウズウズし、当て馬対木の男らしさに
切なくてキュ~ンとなり、バイの設楽さんの彼氏が気になったり...

でも、笹渕さんの男前さにはずっとキュンキュンでした☆
まるで少女マンガの憧れの先輩って感じの至れり尽くせりな男です。
チューの時ですら「嫌じゃない?」って確認してくれるの~!?
これだけされたら誰でもホレるでしょ!

個人的には、対木には最後までノーマルでいて欲しかったかな...
おそらく、ずっと一緒にいたかわいい友達を先輩に取られたってだけの
学生特有の嫉妬心を恋と勘違いしてるって感じなんでしょうが、
なんとなくムリヤリ対木に告白させて話をまとめた感がして...
でもでも、この対木の一歩がなければ2人はまとまらなかったので、
対木の行動も無駄じゃなかったってことで。

まぁ、そんなこと言いつつ、何度もキュンキュンして続きが気になって
あっという間に読み終わりました。
桜木さんはピュアな男の子のオンパレードな作品が多くて
読んでてなんだかホッコリ、幸せな気分にさせてくれます★

2

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