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表題作 恋のまんなか

松原千歳 → 鳥海浩輔

一之瀬司 → 武内健

あらすじ

内気な優等生の一之瀬司は、密かに同級生の松原千歳に想いを寄せていた。
だが、ある日、その気持ちを本人に見破られ、無理やり告白させられてしまう。
松原のアパートに連れていかれた一之瀬は、言われるままに松原と体を重ね……
どうしようもないほどのさみしさを抱えた少年たちの行く先は?

作品情報

作品名
恋のまんなか
著者
松本ミーコハウス 
媒体
CD
作品演出・監督
阿部信行
脚本
青井一葉
原画・イラスト
松本ミーコハウス
オリジナル媒体
コミック
メーカー
Atis collection
収録時間
72 分
枚数
1 枚
ふろく
メーカー予約特典トークCD 収録時間20分
発売日
JANコード
4560223560553
4

(23)

(12)

萌々

(4)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
89
評価数
23
平均
4 / 5
神率
52.2%

レビュー投稿数9

CDではじめて、この物語の普遍性に気付かされる

原作は以前レビューを投稿した頃にはかなり読みこんだが、ここ数カ月は読み返すことがなかったので、「あらすじは把握しているが、細々したところは忘れている」状態で聞いた。

原作を読んだときとの比較で一番強く感じたのは、本作が実は非常に普遍性のある物語だという点であった。

少年期を脱するためにわざわざ「旅」に出たり、何ということのない「旅」から帰ることで図らずも大人になっていたりということは、おそらく誰しもが経験的に共感できる事柄であり、これまでにも小説・漫画・映画等々、様々な媒体で繰り返し取り上げられてきたテーマである。
作者・松本ミーコハウス氏の個性的な絵が排され、まるで少女のような容姿に描かれていた主人公の一人・一之瀬司が武内さんの声を得て少年らしさを強調されたことは、このドラマの普遍性を際立たせる大きな要因と言えよう。

本作のキャストが司役に武内さん、松原千歳役に鳥海さんと聞いたときには、二人ともBLCD出演作が非常に多く演技も上手い声優さんであるということは理解していたものの、10代半ばの主人公を演じるにはいささか薹が立っているかなとの不安があったのだが、蓋を開ければそれは杞憂だった。
司のキャラクターは無理なく武内さんの得意範疇であったし、鳥海さんのトーンも「10代」として聞き手に疑問を抱かせることのないほどよい高さであった。

本作において質も量も重要である濡れ場についてもあからさまなカットは見あたらず、息詰まるような環境の中、セックスを通して二人の関係が変化していく様子がよりわかりやすく表現されていた。
単に濡れ場が多いだけ・べたべたと甘いだけの作品も数多くある中で(もちろんそうした作品もそれはそれで楽しめたりするのではあるが)、本作のそれは聞き手には満足感が高いものと思われる。

そして他のレビューの評価とは真逆となるのだが、私はむしろCDの方が原作よりも、暗さや痛々しさは緩和されているように思った。
おそらくそれは主に鳥海さんの演技によるところで、千歳の本心が(自覚しているか、また司に届いているかはさておき)聞き手にはだだ漏れなので、一方的に千歳が司をいじめているわけではなく互いに必要としているのであって、二人で閉じている分には案外平和だということが明確だからだ。
主人公たちを取り巻く環境は確かに悲惨ではあるのだが、その恐怖や不快感の音としての表現も、私には適度なものに感じられた。

原作コミックを読んだ際にやや蛇足と感じた後日談『2匹の伴侶』は音声化されていない。
本編部分のみの音声化による余韻の残るラストシーンを、私は高く評価したい。

それにしても、物語ラスト近くの司の台詞、
「こんなわたしに、あなたがしたのよ」
武内さんの言い回しの可愛らしさは、なんだろう…。

5

痛い、痛い、切ない

改めてこのお話、大好きです。
モノローグで直接的に語らない部分での心理描写が秀逸なんだよね。

心に空洞を抱えた対照的な男の子ふたりの期限つきの逃避行です。
一見すると、「支配者と被支配者」「いじめっこといじめられっこ」「鬼畜攻めと従順な受け」みたいな関係なんですが(少なくとも最初はそういう関係だった)、同じ時間を過ごすうちにその関係がジワリジワリと変わっていきます。
それは攻めが呟く「お前怖い」という言葉に集約されてる。
なにかもかも受け止める受けは、母のようだなと思いました。
すべてまるごと受け入れるのだ。どんな非道なことも受け入れる。
でも、攻めがそれに感動したり悔い改めたりすることはなくて、非道な行為はどんどんエスカレートしていく。
この構図、まさに「母親から愛をもらわなかった子供が、はじめて優しくしてくれた人に依存し、試す姿」に似てるなと思いました。
ただ、それにも臨界がある。
攻めは徹底的にいじめたあと、一気に変わるのだ。
ふたりがたどり着いた関係の優しさに、思わず涙ぐみました。
受けは強いね。
そしてそんな強い受けを最後に攻めが助ける。
単純な流れのストーリーなのに、行間で絡み合ってる心理描写の秀逸さに感動しました。

声優さん二人は、ばっちりはまり役でした。
鳥海さん、アラフォーで10代の演技、お疲れさまですw

あ、あと、エロも充実!
エッチな場面はストーリーとしっかり噛み合ってて、そういう部分め好き。

2

ぼく、セックス、嫌じゃない

原作も、切なさいっぱいだったけど、このCDも、雰囲気たっぷり。
静かなピアノのBGMにのせての、一方的なようでいて、充分お互いが求め合っているセックス。
語られるそれぞれの背景は、とってもヘビー。
コミックスでは、ミーコハウスさんの、可愛らしい絵で、ヘビーさが少し緩和されていたけれど、音になると、ほんとに悲惨な二人。
オドオドと話す司のエロい事!!

トークCDは二人で、自分の高校生時代を振りかえってみている。

1

やられた~

また、鳥海さんにも武内さんにも「代表作」と言える作品が
できたのではないでしょうか

マンガ苦手なので、珍しくも原作未読です
CDになるときけば、どんなに苦手でも一応は読むのですが
この作者さんの別ネームがとても苦手でしたので
読まないまま聞いてしまいました

いやいや、ただただ、やられた感満載です
感想ちゃんと書こうと思ってログインしたのに
感想も掛けないくらいに感動しちゃいました
さて!原作をポチります!(←おそい!)

出来うるならば続編などは決してできずに
このままの「未来」を、聞いた人が受け止めたままの「未来」を
残しておいて欲しいと願います
キツイ部分もあります。地雷と言う人も多いでしょう
自分のトラウマにもきました
それでも「未来」を見せてくれたラストが大好きです

この脚本家さんをちょっと追いかけてみよう!

1

涙がこぼれる本編、フリトは神

ピアノのBGMが切なくもの悲しく、
本編のストーリーととてもよく合っています。
森田童子さんの“ぼくたちの失敗”みたいな
(分かる人いるんだろうか(-_-;))
すごく切ない旋律のBGMです。

両親に捨てられて日々を刹那的に生きる、
千歳@鳥海さん(攻め)と、
精神病持ちの母親を守ろうとするあまり、
自分を犠牲にし、消耗する司@武内さん(受け)。
救いは、どこにもありません。

千歳の「きめえ」「ヤろうぜ」「もっと泣けよ」
などの露悪的な台詞は、
本当の心を隠し、突っ張っている印象で
きっとその内面は傷つきやすく、
救いを求めている10代の男の子だということが
声の表情を通して伝わって来ます。
はすっぱな若者っぽい演技を、
鳥海さんが本当に上手に表現しています。

司は、Mっぽくグズグズ泣く子なのですが、
どんなに虐げられても千歳のことが大好きで、
揺るぎない強い気持ちを持っています。
武内さんは、こういう役を演じると
本当に言うことなしのハマリ役ですね。

そんな二人の、手に手を取っての逃避行。
貯金を下ろして、知らない電車に乗り…。
全てを捨てて、二人だけの世界。

ずっとずっと、
お互いだけを見つめていられたら良かったのに
やがて少しずつ、現実が迫って来るのです。

海を見ながらの、
千歳の「帰りたい?」という台詞の優しさと、

「お前なんか知らなきゃよかった。
お前の隣で寝なきゃよかった。
お前がキスしたいとか言わなきゃ良かったんだ。
お前がっ…。」

という台詞に泣きました。

そしてHもガッツリで、
玩具を使用するシーンもしっかり入っています。
特に武内さんのお口の演技は凄かった!

でも、その行為自体よりも、
やりきれなさや背徳感の方が印象に残り、
場面も台詞もエロエロでありながら
涙がこぼれてしまうような切なさがありました。

「こっち見ろ、好きだって言え」
という鳥海さんの台詞も胸が痛かった。

このお話はハッピーエンドではなく、
終盤では傷害沙汰、母親の病状悪化、
別れを予感させる千歳の身元の引き取り所など
大きな課題が次々に襲いかかります。

そして、引き裂かれるのであれば、
きっとこの世に未練のない二人は、
誰にも邪魔されずに、添い遂げる道を
選ぶのではないかと思えてしまうのでした。

ハピエン好きな自分的の好みとは外れますが、
“神”評価と迷ったとても美しいCDでした。
切なくて切なくて、
聴いた後は数日間心に残り続けました。
この二人が幸せになることを
心から願わずにいられません。


*****巻末フリト*****

武内さんのトークが危なっかしい(笑)
しょっぱなのタイトルコールから、
なんと作品名が思い出せません。
(あせって台本をめくる音が…)
すかさず鳥海さんがかぶせてフォロー。
二人で笑い合う和やかな場面からスタート。

他にも、鳥海さんの「もう37歳ですから」
という発言に武内さんが、
「え、もうそんなに…?結構な…」と、
小声で正直な感想を漏らしていて
ハラハラしました(笑)


*****特典フリト*****

さらに武内さんが危険(笑)

「僕(フリト的に)
頭の回転が遅いんです(*^-^)ニコ」
みたいなことを言ってしまっています。

鳥海さんが「編集でどうにでもなるよ」
と優しくフォロー。

その他、少年時代は午前中から草野球をしていた、
という鳥海さんのトークに、
「夜?」という武内さんの返答に噴きました☆
何故その返しなのか…(汗)
午前中ってちゃんと言ってるのに…(^_^;)?

他にも、ちょいちょい
おかしなところがあるのですが、
鳥海さんの優しさで、
一見スムーズにトークが進んでいるように見えます。

とはいえ、終始お二人とも楽しそうで
笑い声にあふれ、和やかな雰囲気でした。
同じ事務所ということもあるのかな?

面倒見が良くトーク上手な鳥海さんと、
無邪気で可愛く、若干ずれ気味な武内さん。
お二人のお人柄がよく出ている“神”フリトでした。

4

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