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すれ違う想いと、求め合う身体
裏切られたとショックを受けた汐野が飛び出して行ったところで終わった1巻。
とはいってもすぐに戻ってくるんだろうな、との私の推測をよそにまるで戻らず、探し続ける杉本が体調を崩してどんどんボロボロになっていく。
この体調を崩してボロボロになる描写が、本当に悲惨過ぎて、そんな状態で出勤するのか、そんな状態で人前に出るのか、とページをめくるたびにいちいち驚いてしまいました。
なんだろう、元が頑丈な人ってこんなに自分の身体に無頓着なんだろうか。
いやむしろ普段健康な人が熱出して、地面がぐるぐる回って、気持ち悪い頭痛い吐きそう、ってなってたら、休め!! 寝ろ!!
読みながら、全然恋愛じゃないこういうところでモヤモヤしてしまいました。
対する汐野がひそんでいた場所(種明かし)に、ああ、と納得しつつ、でもそんな近いところに居たら咳とか聞こえるんじゃないのかな、とか。
やっぱり余計なところに引っかかりを覚えたり。
1巻もそうだったんですけど、バンド物と聞いて頭に浮かんだ気恥ずかしさみたいなものはほぼ無くて、普通に楽しみました。
2巻の5分の3が1巻の続き、5分の2が「WATER FLOWER」という続編(番外編)で、こちらでは著者特有の長くて濃いHシーンが健在でした。
このシリーズは、二人の造形が比較的リアル(等身大)で、同じようにHシーンも地に足が付いているというか、リアルな物でした。著者の作品では珍しい部類かも知れないです。
3巻は番外編集と聞いてますが、別キャラの視点のお話があるといいなと思っています。ちらっと登場した遊佐のお話が読みたいです。
汐野(受)が杉本(攻)のもとを飛び出した1巻ラストから引き続きの展開です。
汐野の行方が分からないまま、バンドのCDレコーディングが進み・・・
相変わらずヘタレ全開の杉本。個人的にヘタレ攻大好きなので構わないんですが、それにしても・・・
でも、考えてみればまだ2人とも若いんだよね。20歳過ぎたばっかりって感じ。
何となく、もっと上の感覚で読んでたんですが、ふと気づくと『そうか、20歳やそこらじゃしょーがないよな~』と微笑ましく見守れました。
ラブとバンドと、両方での成長・成功を描いていますが、1巻レビューにも書いたように、(初期作ならではなのか)いろいろトラブルも起こってるのに、なんかあっさり淡々とした印象なんです。
でも、それが悪いとは感じませんでした。
ほぼ2巻分(2巻には後日談短編も入っていますので)の長編のわりにとても読みやすい。
今の崎谷さん作品からしたら、何かと物足りないかもしれませんが、この若さ・わかりやすさもこれはこれでとてもよかったです。
もう1冊、3巻目は同人誌再録中心の番外編集になります。
タイトルに「2」と表記されている通り「1」を読まないとさっぱり「?」
だと思います。
もしかすると、受がこんなに痛がるエロシーンって初めて読みました(汗)
杉本贔屓のわたしとしてはちょっと!そんなに痛がらないでよ!
杉本が下手みたいじゃん!!と汐野に怒ってやりたくなったし(笑)
でも、その行為自体を知らなかった杉本ですから・・・と一人でフォローしてみたりとか。
しかし、それも番外編で解消されているので結果的には満足しました。
「はじめて感じてくれたから・・・嬉しかった」って!!!(なんか、生々しい気もしますが)
やっぱり、いいわ杉本っと思った一言でした。
今回もニヤニヤしっぱなしでした。
いろいろと萌えをごちそうさまですっ!
さて、汐野がどこかへ行ってしまったところで終わりましたが、杉本があまりの忙しさと疲れにより、ダウンしてしまいましたね。
その時の描写があまりにもリアル過ぎて、こっちが息苦しくなりましたよー!!ただの風邪なのに、あと少しで死ぬんじゃないか?というくらいのすごさ。
杉本ー死ぬなぁー!!と大げさに応援してました。
まあそれほど体調が悪かったんでしょうけど。
そんな杉本をやさしく介抱する汐野。
すごく汐野が優しいです・・・!あのツンデレさはどこに行ったの?というほどに優しいよー!!
Hシーンにもかなり萌えー!!布団の中でのHはイイねb
暗いところでするのっていいと思う(≧▽≦)
いれるときに痛くて汐野が「痛い、やだ、ばかぁ・・・・・っ!」
と言う所がキャー!と叫びたくなりました!ボロボロと泣くところが
すっごく萌えーーー!!絵も最高!!汐野の痛くて泣いているところと、
杉本の必死なところが絵から伝わってきて、とてもいいです!
どちらも一生懸命なところがいいなぁ。
最後のライブとなった話が場面的に一番興奮し、感動しました!
高野がメンバーから脱退するので、高野がいるインヴィジブルリスクはこれで最後というわけです。
今にも音楽が流れてきそうなほどのステージ上での激しさや、メンバーの楽しそうな表情が良く描かれているので、こっちまで楽しくなってきます。
でも、高野の引退発言のときは会場の人たちみたいに泣きそうになりました。なんで高野脱退するんだよぉ~(泣)と思いました。
杉本と汐野が自宅について、汐野が泣くシーンがこれまた涙をそそられる。
心を許した人間と離れることに弱い汐野に対し、「俺がいるから」といった
杉本がかっこいい!!!あぁ、二人とも愛し合ってるんだなと感じられました。
この作品って、時代設定が「近い過去」の「90年代」って言うのが、すごく効いている。
それも、過去を振り返っているんじゃなく、「90年代のオンタイムに書かれた」って事が。
最初に書き始めた頃は、まさに90年代で、バンドブームで、携帯も、ネットも普及していなくって。
登場キャラ達の熱や焦りも、「今とは違う時代」の温度。
この、全体に、拙い、若い感じが90年代らしくて懐かしい。
そして、杉本がアナルセックスの存在すら知らなかったり、
汐野がいきなり最初のセックスで感じちゃわないところが、今の感覚からすると、かえって萌える。
初めて最後までする時、
「痛いっ」て泣きながらして、
「やめないで」って泣きながらして、
いきなり、エロエロに乱れちゃったりしないところがいい。
そして本編終了時でも、お互いにセックスに慣れられないまま。
2年後設定の別のお話で、ようやく本当の快楽を知るって言う、そんな奥ゆかしさにも、萌。