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表題作アンラッキー

海棠斉彬 眼光鋭くデカくてコワくて愛想もない高校生
小石川日夏 かわいく元気いっぱい物怖じしない高校生

その他の収録作品

  • 悩んで 学んで
  • あとがき

あらすじ

不幸はラケットひと振りから始まった。海棠斉彬十七歳・・デカくてコワくてブアイソで、全校中をビビらす男前。ヒナこと小石川日夏は彼の顔に、網目も鮮やかな青痣を作ってしまったのだ。仕返しの恐怖に怯えつつも、他人を拒み孤立する海棠が気になって仕方ないヒナ。日々胸の奥で育ちゆくこの気持ちは一体何なのか……!?

作品情報

作品名
アンラッキー
著者
日夏塔子 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403520075
2.6

(3)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
7
評価数
3
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

強面でわけのわからない彼。

 ヒナこと小石川日夏は、ふざけてラケットを振り回していたところ、眼光鋭く、デカくてコワくて愛想もなくて、全校中をビビらす男前・海棠斉彬に見事にラケットをぶつけてしまう。そして、あろうことか斉彬の顔に網目もくっきりな青痣を作ってしまったのだ。
 強面な斉彬からの仕返しの恐怖に怯えるヒナ。ところが、次第にわざと他人を拒み、孤立する海棠が気になって仕方なくなっていく……。日々胸の奥で育ちゆくこの気持ちは一体何なのか……ヒナは恐ろしい事実にぶち当たりそうで、深く考えないようにしていたが。

 斉彬は、一生懸命、斉彬に向かってくるヒナを抱きしめたり。
 ヒナのこと、一緒には、勉強したくないと突っぱねたにも関わらず、ヒナに好きだって告白して、襲ったにも関わらず、一緒に清澄を見て、「一緒に勉強しよう」と家に押しかけてきたり……。
 喋らないから、やたら行動が唐突で、取り合えず意味がわからない……。

 結局、物語は、じれにじれたヒナが海棠に「好きだ」って告白して。
 愛を確かめるという行為までいったのに、そこが学校の屋上だったせいもあって、思い切れなかったヒナが嫌がって。
 海棠が「そんなとこ見ても勃たない」といういたって微妙なところで終わります。
 うーん……一応は、両思い……なんだよね……?
 すっごく微妙なラインなんだけど、言葉の少ない海棠がそこまでしたってことは、一応そうなんだと思うし。
 実は、顔の割りに優しい(わかりにくいけど)な海棠が、ヒナが嫌がってやめて、その理由としてそんなことを言ったのか、それとも本当に勃たなかったのかは、海棠の性格が性格なので謎なままですが、まぁ、でも現実なんてそんなものなのかな……と、思います。
 でも、一度逃したきっかけをもう一度見つけるのはむずかしいと思いますが……。

 海棠はかなり重い事情を背負っているわけなんですが、それに対するヒナの気持ちとか、海棠の気持ちがかなり素直に書いてあっていい話だと思いました。
 実際にそんな立場に立たされたら実はそんなに同情なんてされたくもないと思うのは正直な気持ちだと思うし。
 ヒナはそんな海棠の気持ちをわかっているけど、それでもどしようもなくなてしまう気持ちってやつは必ずあるわけで……
 そんなリアルな心情描写の話がステキだと思いました。

2

寸止めかい!

続編は…出てなーい!
読み終えて真っ先に確認したのが続編の有無だったのですが、出てなかったことに涙涙です。
続編を確認してしまうというのは面白かったということなのですが、この消化不良さは脳内補完で間に合わせするしかないかなァ。

ヤンチャで元気で友達も多くて可愛い受け。
ある日受けは、愛想のない怖い一匹狼な同級生の顔に怪我をさせてしまう。
怖くてたまらないんだけど、受けは彼のことが気になって仕方なくて、何度も何度も弾き返されながらも、追うのをやめることができない。
で、それが恋心によるものだと気づく。

攻めはねー、たぶん少しずつ心が動いてはいるんだけど、自分の気持ちを認めることができないんだな。それは、ねじくれた難しい性格だということが理由でもあるし、もっと単純に「まだ高校生だから」というのが理由でもある、と思う。
小型ワンコのような受けにジワリジワリとほだされていく攻めの姿が読んでて楽しかったんです…が、寸止め!
続編読みたいなァ。
日夏塔子さん(榊花月さん)、よろしくお願いしますだ。

1

ラストシーンに置いて行かれたよ・・・

これは、榊花月さん(日夏さんの別名義、というかメインの名義?あえて『榊さん』と言っています)の別名義も含めて、私が読んだ中ではいちばんマシだと思った作品です。

と言いますか、別名義含め榊さん(日夏さん・その他の名義も含め、以下榊さんで統一します)の作品はほぼ好みじゃないです。作風そのものがもう苦手。特にキャラクターが全く受け付けないことが多いんですよ。

こちらはその中ではホントにまだいい方でした。ま、あくまでも比較の問題でしかないですが(決してこの作品単体で好きとは言えません)。

多分、これは榊さんの作品では異色の方なんじゃないかな。だからそれほど悪くなかったのかもしれませんが。
ホントに、榊さんの作品では珍しくキャラクターにハラ立たなかった。←だからと言って好きじゃないけど。

海棠(攻)も確かに俺様には違いないんでしょうがまだ我慢できる。榊さん作品ではこれくらいならもういいやと思うくらいマシな方です。
というより高校生だからかもしれません。私がBLで高校生ものが好きな理由そのままに、未熟でもなんでも『若いんだから!』で流せます。

途中の焦れったさは別にいいんです。
正直、日夏(受)はこんな男のどこがいいの?と思うけど、好きに理由はないんだろうし~となんとか微笑ましく思える範囲です。
日夏の可愛さ・健気さや海棠の事情など『ラブ以外』は結構読み応えあったとは思います。

しかし!それにしても、いくらなんでもあのラストはないんじゃないの!?

あの海棠の言動は、それまでのすべてが吹っ飛ぶくらい不快でしたね。私はここまでなんのために読んで来たんだ・・・と一気に醒めました。私が読みたい(BLに求める)のはラブでハッピーエンドなんだけど。←『Hがない』のがダメなわけではありません。

たとえ裏にどんな気持ちがあったとしても(照れでもなんでも)、あれはあんまりだろ。あのラストには文字通り呆然としてしまいました。ここで終わりか!?と。

トータルでは、つまらない・読まなきゃよかったではないんです。そこは他の榊さん作品とは違うんですよ。
ホントに、あのラストシーンさえなかったら『萌』は行ってたのに。いっそのこと『H関係まる無視』で、気持ちが通い合って~程度で曖昧に終わってたほうがよかったよ。

『ハッピーエンド至上主義』の私が『(このラストならという仮定で)あの告白の返事保留にして、余韻持たせて終わった方がまだしも後味よかった・・・』とさえ感じました。
とにかく、あのラストのおかげでラブストーリーとしてはなんとも言いようがないですね。

まあ結局はイラスト買いなので、イラストがよかっただけでもういいと納得するしかない。

0

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