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表題作教皇の花

紫耀
教皇
煌夜(ジョルジオ)
教皇に救われた稚児、15~18歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

優美で知的、そして慈愛に満ちた時の教皇・紫耀。しかしその実野心家の彼が、ある一人の孤児を助けた。行きがかり上保護しただけの子供。けれどその健気な姿に、紫耀は彼を手放せなくなり……。
(出版社より)


母を病で、父を事故でなくし、借金取りに無理やり連れ去られそうになっていた孤児のジョルジオ。無我夢中で助けを求め…その手を取ってくれたのは、恐れ多くの巡察中の時の教皇、紫耀だった。ジョルジオは『煌夜』という洗礼名を与えられ、その日から自分のすべてとなった紫耀に誠心誠意仕える。けれどこの上なく大切に慈しまれるうちに、いつしか禁断の想いを抱いてしまい…。全世界に億単位の信者を擁する聖教会―その戒律で縛られた聖職者たちの、生涯一度の恋。

作品情報

作品名
教皇の花
著者
橘かおる 
イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
シリーズ
教皇の花
発売日
ISBN
9784592876670
3.4

(20)

(0)

萌々

(12)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
67
評価数
20
平均
3.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数7

世界感に入り込めなかった

蓮川愛 さんの美麗なイラストに惹かれて読みました。

感想:
綺麗な純愛物語なのですけれど、私は物語の世界に入りこめなかった・・・残念。キリスト教圏の設定をしないで、もっと思い切り大昔か、日本を背景に設定したらよかったのに。

キリスト教的な階級や統治制度に、日本の仏教の稚児灌頂を持ち込むのは、無理。
たとえ架空世界のフィクションとはいえ、ちぐはぐすぎます。
衣服や制度がキリスト教すぎるし、登場人物の外観も西洋人。
そこに無理無理に漢字の人物名をつけて、稚児灌頂を持ち込んでも、シリアス調だから、よけいになじめなかった。

日本では認められていた衆道を、イエズス会は「罪(sin)」としています。「稚児灌頂」を見たザビエルは仰天して、イケナイ事だと否定。それを大名たちは拒否。「フランシスコ・ザビエルが稚児灌頂を見て驚いた」・・稲垣足穂著『少年愛の美学』を参考。
イエズス会は、キリスト教の布教に併せて、男色の否定を「性的虐待」「罪(sin)」として日本で広めているんですよね。

キリスト教・儒教・イスラム教・ユダヤ教は同性愛は罪としています。儒教は曖昧。
・・・子が生まれないと民族や国を亡ぼす、という理由で。
---
▶「稚児灌頂」
奈良時代の寺の規律「四分律」に男色を禁じる記述がありますが「性欲ダメ」という理由から。
天台宗などで「稚児灌頂」という儀式が行われ、「灌頂を受けた稚児は観音菩薩と同格」とされて、神聖視された。(灌頂を受けたら神になる、衆道を容認する為のとても無理な屁理屈です)
★日本では「同性愛と衆道は性質が違う」と解釈されて、男色を禁忌とする理屈が、日本人の宗教・思想にな無い
・・・衆道は、相続争いを防ぐ産児制限につながると捉えていた日本人の考え方はとても柔軟。
江戸時代の武家大名御法度に男色(衆道)を忌む記述があるのは、衆道が理由の刃傷沙汰が多かったからだそうです。

渡来の移民を長く受け入れてきた日本は、異文化の捉え方が柔軟です。

0

イラスト萌え&設定萌え

蓮川さんの表紙のイラストがとても素敵だったので中の挿絵も是非見たくて購入しました。
煌びやかな正装もストイックな黒い日常着にも萌えましたしスーツ姿もかっこよかったです。
イラスト目当てではありましたがお話の方も面白くて読んで損はありませんでした。
”稚児灌頂”という設定が新鮮で、ご本人があとがきでおっしゃっているように、橘かおるさんの萌えが十分に表現できた作品に仕上がっていると思います。

慈悲深く信仰心も厚い博愛主義の教皇様と思いきや、結構腹黒かったり競争相手の足を掬ってもという野心家の教皇様の裏表のあるところが魅力でした。
相棒の秘書役の黎枝が彼以上に腹黒い策士です。
どちらもクールな美形ですが教皇様の方はより気高く近寄りがたい美しさに神秘性を感じさせます。
そこに登場するのが父親の借金の形に売り飛ばされそうになっている受けジョルジオ(洗礼名 煌夜)です。
憐れみと神に使えるものの務めとして助けるかと思ったら、民衆の人気取りのためのいい宣伝になるという計算高さから肩代りします。
けれど、無垢で素直な少年のまっすぐな恋慕と尊敬のまなざしに彼らもいつしか保護者として放って置けない気持ちにさせられます。
腹黒さは変わりありませんが。

後半、教皇選の時のライバルが煌夜を攫い教皇から離れることを強要します。
彼の言い分は黎枝に惚れた弱みから、長年の愛人関係にあった秘書を捨てて新しい稚児を愛人にするのかと勘違いした彼の早とちりという間の抜けたものでした。
それに教皇選では黎枝に嵌められ不戦敗となったという過去もありほんとかわいそうな人でした。
こんなダメンズですが案外黎枝のような常に冷静ま策士にとって、新鮮で気にいるかもしれないなと思うと微笑ましいです。

ラストの”稚児灌頂”の儀式と共に衣装のイラストが美しく萌え萌えでした。
末永くお幸せに。

2

王子様のような教皇に萌えます

購入して、しばらく放置していた本です。
イラストをパラパラと見た時に、もしかして受けが酷い目に合うのかと思ったら、なかなか読めませんでした(痛いのは、苦手なので…)

でも、全然大丈夫でした。面白くって、サクサク読めました。
確かに、受けの煌夜は危ない目に合う時が何度かありますが、教皇の紫耀がカッコ良く助けてくれます。
この教皇が、蓮川愛さんの描かれるカッコイイ姿と、強くて目的のためには手段を選ばない非情なところが、とっても好みでした。
煌夜も、健気で一生懸命頑張る子で、教皇への盲目的な愛にキュンとなりました。
そして、教皇を支える黎枝との、二人の主従関係にも萌えます。この黎枝のお話も読みたいと思いました。

「稚児灌頂」という制度は、初めて知りましたが、なんて素敵な制度なんだろうとウットリしました。ラブラブな二人に、甘~い気持ちでお腹がいっぱいになりました。

4

結構ベタな王道でした

帯『その唇に触れるため、私は億万の目を欺こう』

両親を亡くし借金取りに売られそうになっていた所を、偶然に孤児・煌夜〔受〕は、ちょうど通りかかっていた教皇・紫耀〔攻〕の元へと逃げ込み、行きがかり上、紫耀に拾われる事となります。
小汚く伸びた前髪で顔もはっきりしない煌夜でしたが、風呂に入れて髪を切ってみるとこれがなかなかの美少年。
そして煌夜は紫耀の小姓として仕える事となります。
恩人でもあり、また眩しい尊敬する存在でもある紫耀に煌夜はひたすらに心底仕えるのですなー。
そして紫耀は煌夜に目をかけ、「稚児潅頂」という教会内で密かに行われていた儀式にて煌夜を一生の伴侶として迎える事となります。

紫耀は美しく品格もあり若き教皇としては相応しい容姿と技量の持ち主ですが、綺麗なだけではなく汚い駆け引きをそれなりにやってきたという結構したたかな男でもあります。
彼にひたすらに健気に仕える煌夜が可愛かったです。
話としては孤児が身分の高い者に目をかけられて愛されるという結構王道ストーリー。

煌夜は蓮川さんにしては珍しいタイプのキャラかな。
挿絵見てそう思いました。

1

蓮川さんのイラストが綺麗で惚れるvv

あらすじ通りに2人は出会い、稚児として教皇に仕えてるうちに、
煌夜はもちろんの事、教皇も煌夜の事を…

そして2人がいつまでも一緒にいれる決断をするのです。
それが「稚児灌頂・ちごかんじょう」
妻を持つことができない層侶同士の結婚みたいなものらしいです。
(おおっ、なんてすばらしいvv)
まあ王道ラブストーリー的なお話でした。

本当に人が良いだけの教皇なら面白くなかったでしょうが、
腹黒い部分も織り込まれてたので楽しく読めましたvv
そしてその腹黒さでは教皇より上の存在・黎枝が、
宗麟との関係をどうしていくのかが楽しみですね。
宗麟、実は思ってたよりいい人?(笑)

ちなみに宗麟は紫耀と教皇選挙で戦ったライバルみたいな人で
黎枝(教皇の秘書)の事が好きなのですvv

今度はこの2人で1冊出るような出ないような…
たぶん出そうだけどね(笑)

3

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